iPad vs XOOM(Android ICS) ソフトキーボード対決

Honeycomb の時にはアプリのレスポンスが悪く日本語入力を行う気になれなかった。iPad と比較するということがナンセンスに思えるほどの差があった。ICS へのアップデート後はレスポンスが改善されたので、改めて iPad (early 2012) の日本語入力環境と比較してみた。

 Android はiOS と異なり IM を任意のものに変えられる(iOS の ATOK はアプリで IM ではない)。Android には標準の日本語入力はなく、ベンダーが既存の IM ソフトや自社開発の日本語入力環境をインストールして販売している。XOOM には iWnn がインストールされていた。将来的には Google 日本語入力がシステム標準に組み込まれるのかもしれないが、現時点ではタブレットには正式対応しておらず(XOOM では動作しているが)キーボードでは使いものにならない。また、OS の制約か変換エンジンとキーボードはセットになっている(ATOK の変換エンジンを iWnn のキーボードで使うということは出来ない)。

縦横比による差

 これがかなり大きいと思う。iPad は対辺が9インチとXOOMの10インチと比較すると短いが、縦横比が異なるので横置きして使う場合に上下が XOOM より広い。このため、iPad のキーボードは上下長が Apple のPC用キーボードや Macbook のキーボードと1cm程度しか違わない。

 左右のキーピッチが大差のないキーボードレイアウトを比較してもiPadのほうが圧倒的にタイプミスが少ないのは上下長の差が大きいと思われる。

iPad(2012)

iPad のキーボードは安定のいい場所で使う分にはそれほどストレスが少ない。安物の物理キーボードより快適だ。キーのピッチが最も広くキーも大きい。

Apple の特許に、キーの判定範囲を次に入力されるであろう文字のキーによって動的に変化させるというものがある。予測変換で上位に上がる単語の次の文字のキーの判定を画面上に描かれているものよりも広くするのだ。このアシストにより、指が画面上のキーを正確に押せていなくても正しく押したように入力できるようになる。日本語でこれが使われているかどうか分からないが、ストレスが少ない。(iPad ソフトウェアキーボードの快適さの正体に書いたのでそちらもどうぞ)

 数字キーや記号入力のためにモードを切り替えなければならないのが手間だが、それらのために文字のキーを小さくするのでは本末転倒だろう。

 不満点としては、カーソル移動のための矢印キーがないことが挙げられる。物理キーボードだとshift+矢印キーで文字列選択ができる。長い文章を推敲するときには必須の機能といっていい。この度にスクリーンに手を伸ばさなければならないのは不便で無駄だ。

 iCloud を活用して Mac OS X のことえりと iOS の日本語変換辞書を同期できるようにして欲しい。PCで一括入力した辞書データを共用できればモバイルデバイスでメニューの奥深くにある辞書登録を行う必要がなくなる。

Android キーボード

 Android OS 4.0.3(ICS) 搭載のキーボード。半角英数字にしか使えないので使用する機会は(自分には)ほとんどない。ここでは、標準的なキーボードの使い心地を検証するためにテストした。

 キーピッチは iPad とほぼ同じくらいだが、上下は狭い。

 キーボードレイアウトはシンプルで分かりやすい、iPad に似た構成で矢印キーはない。iOS のソフトキーボードに矢印キーがないのはタッチオペレーションでやるべきという Apple の拘りによるのかと考えていたが、アメリカ人には矢印キーの重要性は低いのかもしれない。

 英語の先読み変換がついているので、英語で文章を書く機会がある人にはいいかもしれない。

Android iWnn IME

 XOOM に標準で搭載されていた日本語変換・キーボードアプリ。iWnn の成果をオムロンが Android に移植したもの。個人的には、XOOM 上では一番使いやすい。

 キーの配列は Android のキーボードとほぼ同等。矢印キーもある。が、上下も同等で入力効率は高くないが、Android ソフトキーボードの中では一番打ちやすいと感じる。

Android 日本語フルキーボード For Tablet

 JiS配列キーボードをソフトウェアで再現したキーボード。JIS配列でなければ困るといった人には有効かもしれない。

 反面、多くのキーを配列するためにキーの大きさがかなり小さい。特に、只でさえ狭い上下方向が数字キーと変換候補表示にとられて狭くなっている。さらにJIS配列により横にキーが多くピッチが狭い。物理キーボードならこの大きさでも手触りでなんとかできるが、ソフトウェアでは難しい。キーが小さいことによるミスの多発が PC 用キーボードと同じ配列というメリットを上回ってしまったので使っていない。

 特記事項として、Honeycombで使用した場合に非常にレスポンス良かったことを挙げておきたい。ICS アップデート後はシステムのレスポンス改善により他のキーボードの動きが速くなったので差は感じなくなった

 複数の文節を確定せずに入力すると途中で変換候補が表示されなくなる。変換キーを押せば十分なヒット率で変換してくれるが、文字入力の際に複数文節を入力してから変換キーを押す習慣を持っていると違和感がある。おそらく、変換時の負荷を減らすための策だろうが、ICS をデュアルコア以上のプロセッサで使う際には不要な配慮かもしれない。

(番外)Android Google 日本語入力Beta

 公式にはタブレットに対応していないが、XOOM では動いたので参考のみ。ちなみに、Honeycomb でも ICS でも動いた。

 PCでは windows も Mac でもGoogle 日本語入力にし辞書データも統合して使っている。辞書を google drive で同期できるようになれば更に便利になるだろう。

 タブレットによる使用を考慮していないのでキーの配列がちょっとあり得ないことになっている。エンジンの優秀さはすでに証明済なのでタブレット版に最適化したバージョンの開発を待ちたい。Google が考えるタブレット用ソフトキーボードを見せて欲しい。

トータル UX

 キーボードや IM とは違うが、入力環境という意味でここに書く。

 このブログは WordPress という CMS を使っていて、PCではブラウザで編集するが、iOS と Android 用のアプリもある。それぞれのバージョンによって若干仕様が異なっている。機能的には Android 版がリードしているが、入力画面の構成の違いにより、iPad の方がはるかに入力しやすい。只でさえ左右が広い XOOM の画面いっぱいに入力フィールドが広がるので左右の文字数が多すぎて入力しづらい。

 こういった、iOS アプリの UI の良さとiPadの入力環境の全てがあって Android と iPad の UX の大きな差になるのだ。これは、個々の能力やプロセッサのクロック周波数では比較でない(Android 同士では有効だが)。日経ナントカとか週刊なんとか ナントカメディアの編集者はこれに目をぶつっている。

XOOM #31 ICS アップデート ベンチマーク比較

 ICSアップデートの前後で取った結果。

 CPUのスコアだけが大幅にアップしている。3D の性能は1割程度落ちている。それ以外の項目については誤差の範囲だろう。

 OS がマルチコアの扱いを改善したというのは本当のようだ。それ以外の項目については単体のプロセッサやGPUの性能とクロック周波数の性能が出ているのだろう。3D が遅くなったことの原因は良くわからない。

 他の機種のベンチマーク結果と比較して異常に低いのが I/O だが、これも理由は全くわからない。ハードの仕様設計に問題があったのかもしれない。

 後、給電方法によって速度差がないというのは自分的には予想外だった。

XOOM #30 ICS おまけ

 とりあえず、感じたことを列記する

  • 日本語変換をお使う場合にはステータスエリアにキーボードアイコンが出る状態でなければならない。キーボードを使っていない状態では入力フィールドにタッチするだけでいいが、キーボードを使っているとこのモードになかなかならない。
  •  スクリーンキャプチャは動作しないケースがある。また、Androidタブレットは電源ボタンが機種によって配置が個性に富んでいて使いにくい機種もある。XOOMがまさにそうで、電源ボタンは背面で窪んでいる上に音量ボタンが小さく動きが固いので成功率は低い。
  •  Honucomb ときにはブラウザで WordPress に入力するとレスポンスが悪くて使い物にならなかったが、ICS 上では問題ない。XOOMのようなタブレットならPC用のデザインでも全く問題ない。レスポンスさえよければブラウザから入力するのも実用上問題がなくなった。もちろn、モバイル版の大きなメリットであるオフライン編集は使えないので、モバイルアプリを削除はしない。
  • iWnnのキーボードマッピングはJIS配列を前提としているので、US配列のキーボードを使うとちょっと不便。日本語フルキーボード for Android はちゃんとキーボードの表記通りに読み替えてくれる。素晴らしい。
    ただし、日本語フルキーボード for Android はキーボードで入力していてもソフトキーボードが表示されたままになる。せっかく、キーボードで入力エリアを広く使えるのに威力が半減だ。明示的にキーを消す設定もできるが、そうなると変換エリアが消えて先読み変換候補が表示されなくなったり、変換モードがかえられなくなったりする。また、画面上で入力位置をタップしようとするとインサーションポインタが予想外の位置に飛ぶことがあった。

 なお、キーボーの扱いは ISC の問題ではなく IM とキーボードのインターフェース周りがまだ成熟していないのが原因なのではないだろうか。これは、IM と OS のアップデートで解消されるとは思うが、いつになったらできるかは分からない。今のところ iOS デバイス+キーボードの快適さには及ばないがマシにはなった。Honeycomb の XOOM は iPad 2 の一周遅れだったが、ICS + XOOM は iPad 2 と同一周回になった。iPad 1012 とは周回遅れのままだが。

 ところで、キーボードの配列への対応については、iOS もできていない。iOS では、基本がUS配列で、純正のキーボードのみがJIS配列を自動的にキーマッピングを読み替えてくれると言う意地悪仕様だ。しかも、サードパーティのドライバを許さないので、サードパーティのキーボードを使いたい場合にはUS配列のキーボードを使うか、JIS 配列のキーボードのキートップにシールを貼るしかない。

iOS も Android もキーボードの API を見なおして PC のように柔軟に使えるようにして欲しい。

XOOM #29 ICS アップデート

Ice_Cream_Sandwich au 版の XOOM にICS(ice cream sandwich) のアップデートがきたのは前に書いた。しかし、グランツールのライブストリーミングが観られなくなると困るので保留していた。adobe のサイトを見たら ICS と互換性があるとの記述があった。また、昨年の報道で、Flash は ICS までは対応するが、それ以降はサポートしないともあった。逆にいうと、4まではサポートするということだ。これらの情報を信じてアップデートに踏み切った。

速度

 OS を新しくすると重くなるというのは昔のパソコンで散々味わった。今でも、OS のメジャーアップデートを機に新しいハードに買い換える人は多い(特に Windows の場合はそうだろう)。XOOM は発売後1年程度しか経っていない(日本では2011年4月発売)が、Android タブレットの中ではエントリモデルとなった Tegra 2 搭載だ。しかも、この数ヶ月に発売された Android 機のなかでは遅い方になる 1GHz というクロック周波数でもある。CPU パワーと言う意味では前世代のタブレット、現在主流のスマートフォンレベルと言っていいだろう。

 興味深いのは(これが ICS を待ち望んだ理由の大半だが)、「ICS はマルチコアに最適化されていてマルチコアプロセッサ搭載機種はそのCPUの本来のパワーを活かすことができる」という情報だった。Honeycombが開発された当時はまだデュアルコアのプロセッサは市場に出ておらず、カーネルレベルでのマルチコア対応はできていなかったことは想像できる。だから、デュアルコア世代以降のプロセッサを前提にしたICSに期待したのだった。

 今回、検証のためにアップデートの前後でベンチマークテストを行った。ベンチマークには Quadrant というアプリを使った。実行のたびに微妙に違う数字が出たので、3回実行した中で一番のスコアを採用した。実行の際には再起動して他のアプリを起動することなくテストした(常駐アプリの設定は変えていない)。

 テストの内容によって上がったものと下がったものがあるがトータルでは有意に上がったといえるだろう。ICS は特にマルチコア CPU 搭載のデバイスには必須のアップデートといえそうだ。

 同時に分かったのが、XOOM の意外な素姓の良さだ。I/Oが大きく足を引っ張っているが、I/O は他の機種と同等に出ていればデュアルコアではトップグループに入れただろう。右のグラフを見ると 4 コアのパワーの違いを見せられる。

 この速度差は、単にベンチマーク上の数字だけでなく、アプリの動きの反応にも現れた。特に嬉しいのはブラウザのレスポンスが良くなったことだ。これまでは、タップしても反応がないので、重複してタップしてしまって収集がつかなくなるということがよくあったが、それが減った。OS のデュアルコア対応だけでなく、アプリケーションが利用するOSの機能の全体的な見直しが功を奏しているのだろう。そういう意味で、ICS はこれまでの集大成といえるかもしれない。タブレットはもちろんスマートフォンでも ICS が入れられる機種(特にマルチコアプロセッサモデル)を使っているなら ICS にアップデートすることを薦めたい。といっても、iOS と違って、メーカー・キャリアがその気にならなければユーザが希望してもアップデート出来ないのが Android だが・・・

互換性

 ICS にしたことで動かなくなったアプリは見当たらない(あまり使ってないけど)。

 Flash はそのままでは動かなかなったので焦ったが、Google play でアップデートしたら表示できるようになった。グランツールのストリーミングを行っているページの動画が再生できた。

感想

 標準のホーム画面も変わったのかもしれないが、ADW launcher を使っているので良く分からない。

 システムのフォントは丸ゴシックのようなフォントになり視認性が上がった。ダイアログなどで表示される文字も読み易くなった。スマートフォンの場合にはどうなのかは確かめようがないが、タブレットは明らかに使いやすくなった。

 au のアカウントを必要とするアプリが勝手にインストールされるが、ICSの一部と思えば諦められる。ホーム画面に出ないようにしておけば問題はない。

 キャプチャは電源ボタンと音量下ボタンを同時押し。やっと、標準の機能でスクリーンショットが撮れるようになった。遅きに失した気もするが、これからはXOOMについてもキャプチャを載せることができる。(上のグラフがそう)

 標準的アプリはアイコンが立体的になった。が、Androidのアプリは元々が一切統一感のないアイコンだからiPhoneやiPadのホーム画面のようにはならない。

 chrome を入れてみたが。特にメリットは感じなかった。PCや他のデバイスで chrome を使っていてれば便利になるかもしれないが、自分のメインのブラウザは firefox で共有は Safari で管理しているので XOOM のために chrome を使うきになれない。というより、会社のPCと自宅の iMac と iPhone,iPad で共有したいページは少ない。これについては、別の機会で考えたい。

結論

 3.0 から 3.1、3.2、4.03 とアップデートをしてきたが、3.1 へのアップデート以外は順調なアップデートと言えるだろう。Android ユーザにしては非常に恵まれていたと言えるかもしれない(iOS では当然のことだが)。3.1 から 3.2 と今回のアップデートは本当に効果的だった。3.2 へのアップデートでマトモに使えるタブレットになったし、4.0.3 では使いやすくなった。

 何より快適に感じるのは、へんな引っ掛かりのような状態が減ったことだ。これによって UX は大きく改善された。嬉しいのは、Android 市場においては過去の遺物ともいえる 1 年以上前の機種である XOOM が最新の OS で大きく UX が改善されたことだ。繰り返しになるが、Android 端末でこの恩恵に与れる機種はほとんどない。XOOM 以降に発売されたタブレットで ICS にアップデートされた機種は未だに少ないのが現状だ。

 ガラスマ機能が足をひっぱているのなら、「ガラスマ機能なしの ICS へのアップデートパス」を設けてはもらえないか。そうすることで、既存モデルのユーザでも ICS の恩恵に与れる人が増えるはずだ。

来とった!が・・・微妙・・・MOTOROLA XOOM(TM) Wi-Fi TBi11M アップデート情報

 半信半疑でいたが XOOM に Android 4.0 (Ice Cream Sandwich)がきた。見捨てずにいてくれてありがとう、au 。ほんのちょっとだけ見なおした。

 しかし、いくつか気になったことがある。

  1. 「アップデートにともない、下記のアプリがインストールされます。」と、au の ID を持ってないと使えないアプリが勝手にインストールされるらしい。<そんなもんいらんねんけど
  2. 「auスマートパス」タブレット向けサービスが開始されますと、XOOMにアプリを直接ダウンロードすることができるようになります。(au Market、auスマートパス、au Wi-Fi接続ツールのご利用にはau IDが必要となります。)<au Market?そんなもんいらんねんけど。Google play が使えるんやからそんなものを複数持つ必要はない。au のアプリがあるんなら Google play に入れてもらえばいい。まあ、土管屋のアプリなんか欲しいと思わないが。
  3.  

  4. これが一番の問題だが、「OSアップデート後にFlashが使用できなくなり、動画・ゲームなどの一部がご覧いただけなくなることがあります。」<いやいや。ちょっと待ってくれ。これは要るねん。でないと、ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャがみれんようになるんやろ?このタブレットの唯一のiPadに対するアドバンテージがこれやのに・・・

 とにかく、アップデートする前に気づいた良かった。この「OSアップデート後にFlashが使用できなくなり、動画・ゲームなどの一部がご覧いただけなくなることがあります。」が曖昧なので、「Flash が必ず使用出来なくなるから、多くのゲームのうちで Flash を必要とする動画やゲームは使えなくなる」のか、「Flash を使ったアプリの中には動かなくなるものがあるかもしれない」のかが分からない。もし、Flash が全滅なら普通のPC用サイトを表示することもできなくなるケースがある。

 もし、Flashが全滅なら、サイトが Flash 動画から HTML5 に移行しない限り ICS へのアップデートはしない。

MOTOROLA XOOM(TM) Wi-Fi TBi11M アップデート情報 | スマートフォンなどアップデート | au
平素は、au携帯電話サービスをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
「MOTOROLA XOOM™ Wi-Fi TBi11M」につきまして、下記の通りアップデートを公開しております。
アップデート内容および注意事項をご確認いただき、アップデートを実施いただきますようお願い申し上げます。

奥さんニュースです。 「モトローラ、日本向け「XOOM」にAndroid4.0 ICS提供」

 モトローラ、日本向け「XOOM」と「RAZR」にAndroid4.0 ICS提供へ、PHOTONは今のところ”検討中”

引用元: モトローラ、日本向け「XOOM」と「RAZR」にAndroid4.0 ICS提供へ、PHOTONは今のところ”検討中” | ゼロから始めるスマートフォンというエントリで偶然知った。


 Motorola Android Software Upgrade News | Motorola Owners' Forum | Motorola Mobility Inc.にオリジナルの表があった。 日本では au からしか発売していないので、この表の Japan は au 版の XOOM と考えていいだろう。そして、公開は2Qとあるので、6月末までに公開されるらしい。2月時点の予定なので、ずれ込むかもしれないが開発が行われていることが分かれば安心できる。しかし、au が黙っているのはなぜだろう。まだ、ルーターと抱き合わせで売ってるはずなのに・・・

 実用的には圧倒的に iPad が快適なので XOOM のOSがアップデートされてもあまり関係ないのではあるが、新しい OS に触れるというのは刺激があって面白い。ICS はHoneycombをどう昇華しているのか興味がある。実用的な面ではスクリーンショットが撮れるので、ここでアプリ等につい書きたい時でもモチベーションが上がるし、見やすいはずだ。後、期待するのは、OS レベルでマルチコアプロセッサに対応することで、これまでのモッサリ感が軽減されれば嬉しい(理論的にはあり得るが、そうなった実例は少ない)。

 ただ、こういうことがニュースサイトで取り上げられない、話題にすらならないというのは、XOOM がオワコンと思われているからだろう。それ以前に、OS のアップデートで浮かれるのはキモヲタだけかもしれないが…

おめでとう>Sony Tablet S / P に Android 4.0.3 アップデート

 ここのブログを読んでいるようなデジタルヲタが今からこの機種を買うとは思えないし、絶対にお勧めしないが、買ってしまった人にとっては嬉しい知らせだろう。こうやって、買った後でもアップデートがあって、「数カ月前に買ったのに(´・ω・`)ショボーン」とならなくてもいいのはスマートフォンやタブレットのいいところだ。

 Sony tablet s/p は一応現行機種なので、「入っているのは 3.2 ですが、4.0 にアップデートできます」と言えるから、メーカーとしても力が入ったのかもしれない。事実上終わってしまった au 版 XOOM には難しいだろう。ちなみに、XOOM のメーカーである Motorola からは XOOM の ICS アップデートが行われているので、メーカーを責めることはできない。アップデートできないのは中間業者である au が対応していないからだ。こういう業者が中にはいってしまうのが Android のフラグメント化(Google では差別化と呼ぶらしいが)の弊害だ。

sony tablet Sony Tablet S / P に Android 4.0.3 アップデート、4月下旬配信 – Engadget Japanese

ソニーのタブレット、Sony Tablet S / P にシステムソフトウェアアップデートが配信されます。これは現在 Android 3.x “Honeycomb” だった Sony Tablet を Android 4.0.3 “Ice Cream Sandwich” まで引き上げるもので、インタフェースが刷新されるほか、ロック画面からのカメラ起動、パノラマ写真撮影など、Android 4.x の新機能が追加されます。

追記:もし、Sony tablet P を買おうと思っている人は、米Gizmodoによる Sony Tablet P レビュー。 : ギズモード・ジャパンを読んでからにするといいと思う。

XOOM #27 Quckoffice Pro HD 使えるの?

 XOOM の Android が入手時の 3.0 から 3.1 にアップデートされた時に au からのサービスなのか Motorola のプレゼントなのか分からないが、Quck Office pro for Androidがインストールされた。それも試用版ではなく正規版(1,600円相当)だ。感謝!

 日経ビジネスなどでは、PDAに始まって、携帯電話やスマートフォン、タブレットに至るまで、事あるごとに「XXでは office 文書が読めるので出先で手直しして・・・」といった記載があるが、「ホントにそんなもん使ってる奴いるのか?」と疑問だった。

 期せずして、MS office と互換性のあるアプリを入手したので、タブレットで office 使うことの実用性を検証したい。

できること

 MS Excel,Word,Power Pointのファイルを編集でき、pdfは開くことができる。office 2010 のフォーマットにも対応しており xlsx や docx、pptx 文書を扱える。

 デバイス上の任意のフォルダにあるファイルを扱える。また、Dropbox アプリを介さずに直接 Dropbox にアクセスできるのも素晴らしい。PC のDropbox フォルダに置いて作業しているファイルにXOOM からアクセスできるのは画期的だ(この機能はこのアプリではなくAndroid OS のファイルシステムが iOS のそれより自由なだけだが)。

 ただし、Dropbox のデータと自動的に同期してくれるわけではないので、バージョン管理と「どのフォルダに置いたっけ問題」はついて回る。

問題点

 OSをまたいだときにネックになるのがフォントだ。同じメーカーのソフトでもレイアウトが崩れる原因となる。MS Office は Mac 版もあるが、Mac できれいにレイアウトした文書も Windows の MS P ゴシックにした途端20年前の文書のようになり、印刷のページがずれるのと同様だ。Quickoffice の場合には OS もアプリのメーカーも違うのだから崩れるのは仕方が無いだろう。

 これが最も深刻だが、Quickoffice で編集したファイルを PC の MS office 2010 で開こうとしたら「ファイルが壊れている」というダイアログが出て開くことが出来なかった。他の組み合わせなら問題がないのかもしれないが、windows7 , MS office 2010 , Quickoffice Pro HD の組み合わせでは使いものにならなかった。

Excel

  • PCのExcelのような詳細なセルの設定が無いので、セルの書式が変わってしまった。
  • 6000件のファイルはメモリ不足で開けられない。
  • マクロは全く使えない。PCで作ったマクロも使えない。
  • ピボットテーブルも使えない。
  • PCで馴染んだショートカットが使えない。

Word

  • 50ページくらいのテキスト主体の文書を読み込むことはできたが、レイアウトはかなり崩れる。フォントのせいでページ替えのタイミングが変わるので、作りこんだファイルは使いものにならない。
  • ルーラーがない。当然、tabによる文字揃えなどもできない。ワープロとしての基本機能が完全に欠落している。Word 文書を開けるテキストエディタだ。こう書いてあれば何ら問題はない。

PDF reader

 編集や注釈付けはできないので、Adobe reader や Docuworks といったフリーの pdf リーダーで十分だろう。メモリに余裕のない環境ならアプリケーションのインストール本数を減らせるメリットはあるかもしれない。自分の場合は、ページ編集や注釈、ブックマークを付けたいのでこのアプリで pdf ファイルを読むことはない。使っているのは ezPDF Reader

Power Point

 テストで簡単なファイル(20枚)を開いてみたら、まともに表示出来なかった。ページ送りや非表示オブジェクトも出来なかった。これなら、pdf で保存したものを手でページ送りしたほうがはるかにマシ。

 編集はできるかもしれないが、下書きを作ることくらいにしか使えないだろう。それに、下書きならテキストエディタで十分だ。

結論

 現状では使いものにならない。もし正常に使えるようになったとしても用途は限定的だろう。これが、タブレットの限界なのか Quickoffice の限界なのかは MS が windows 8 と windows 8 版 MS office をリリースしてみないと分からない。というより、1500円程度のアプリの限界というべきかもしれない。タブレットという制約の中でここまでできているのは素晴らしいともいえる。(逆に言うと、この値段のソフトでは office と十分な互換性は無理ということを認めざるを得ない)。

 限定的な用途として、必要最小限のパラメータだけを変えて結果を示すようなExcelのフォームや日報のような定型文書の編集が考えられる。これならタブレットの機動力を活かせる。(ただし、こういった使い方で最高なのは FileMaker だと思う。自分なら迷わず iPad に FileMaker Go を載せるが、XOOM にはFileMaker のようなデータベースアプリは見当たらない。業務上で使うならケチらずに iPad 2 とFileMakerGo と FileMaker Pro を買ったほうがはるかに生産性をあげられるだろうがこれは別の問題)。

 ちなみに、開発元のサイトは日本語が Siri レベルなので読解が難しいww

iPad #04 重量「感」

 持った感じを XOOM と比較した。重量的には XOOM が 700g で iPad が 652g、iPad 2 が 601g なので、ほぼ等間隔に iPad 2 < iPad < XOOM だがとてもそんなふうに感じないほど XOOM を重く感じる。XOOMを重量以上に重く感じるという点については前に書いた。この物理的形状(手を置く枠が小さいこと)、ワイド画面、横持ちが標準であることの総合的な結果として重く感じるのだ。android の10インチクラスのタブレットがワイド画面・横持ち標準で行く限りこのズッシリ感を軽減するのは難しいだろう。同じ感覚にするためには100gくらい軽くしなくてはならないと思う。Retina クラスの高精細画面がハイエンドタブレットの標準となってしまった今、550g でこの画面と電池の持ちを実現することは非常に困難だと思うから。

iPad tate xoom tate

 XOOM もこうやって持つと重さは軽減される。左手と重心が近くなるからだろう。ただし、左右の枠が狭いので力を入れにくく持ちにくい。 iPad は自然に持てるし軽く感じる。

iPad yoko xoom yoko

 Honeycomb の標準の持ち方である横持ちだが、この持ち方が一番重さを感じる。ワイドなので余計に左手に負担がかかるのだ。

 UXに関わるのは質量ではなく「重量感」だ。iPad は縦持ちを標準とし広目の枠にすること(縦でも横でも同じ広さにすること)で重量感を減らすことに成功しているといえる。Android のタブレットはエンタメコンテンツとの親和性を優先し手に持って操作するという場合の UX を無視したのだろう(というより、仕事の文書を扱うという発想がないのかも)。

 ただし、iPad が軽く感じるというのは XOOM と比較しての話であって650gは決して軽くはない。電車の中で長時間立ったまま使えっていられるようなシロモノではない。

 なお、この感想はケースを付けない状態でのものなので、ケースをつければその分重くなる。と同時に、滑りにくかったり力を入れやすくなったりすることで重量感が軽減される可能性はある。重量は絶対的なものでも重量感は相対的なものだから。

これ怖いなぁ>Motorola sold refurbished Xooms without deleting previous owners’ data

 洒落にならない。XOOM に限らず、ネット端末はメールだけでなくSNS系のアカウントも入れている場合が多い。しかも、PCより入力の手間がかかるので、記憶できるものは全て記憶させている場合が多いはずだ。銀行口座やクレジットカードの番号までは入れていなくても、Amazon や google store のアカウントはクレジットカードと同じように買い物ができる。

 最も怖いのは被害にあった人間に知る方法が無いということだ。購入した人が名乗り出てくれればいいが、興味本位で保管されても分からない。自分のようなオッサンのデータなんてその場で初期化されて終わりだろうが、若い女性の個人情報(しかも、公開を前提としていないもの)などは、二次被害を誘発しかねない。そして、修理に出して交換された人が取れる手段がない。自分のデータが他人に公開されてるかもしれなくても、取り返すことができないし、他人に売られた端末にデータが残ったままかどうか確かめようもない。Motorola の言うことなんか信じられないだろう。

 日本の XOOM は au から発売されているので、au がこんなドジをしなければ大丈夫だが・・・今のところ、自分の端末は修理にすら出していないから心配はないが・・・修理に出すときにどうすればいいんだろう。初期化できるのならいいが、フリーズして起動しないといったような症状ならどうしようもない。

Oops! Motorola sold refurbished Xooms without deleting previous owners' data — Engadget