iDisplay 導入記録03(iPad & XOOM)

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 全ての組み合わせにおいてレスポンスは悪いが、静止していれば全く問題はない。動画も結構動くし、本体のマウスでタブレットに表示したウィンドウのスクロールなども、画面が動いている時に動画圧縮モアレが見えるが、一瞬で収束するのでTV会議ほど不快ではない。

 端末側での操作(タップやスワイプによる操作)に対応しているとは書いてあり、実際に動作はするが使えるのはボタンのタップとウィンドウの移動程度だ。スクロールなどはレスポンスが悪すぎて使いものにならない。外部ディスプレイに徹して使うほうが快適だろう。

 これは、PC端末間のデータの転送レートによるので解決は不可能だろう。ディスプレイ側の入力に対するレスポンスを行うためにはディスプレイ側(タブレット)で入力されたデータを無線LAN経由でPCに送り、その結果を端末に送って表示しなければならないからだ。これが、PCのマウスによる操作とタブレットのタッチ操作に対するレスポンスの違いの原因だ。だから、無線LANという低速回線でデータをやり取りしている限り改善は難しいだろう。

 ただし、iMac に同時につないだら、XOOM のほうが明らかにレスポンスが悪かったので、端末の処理能力が原因となった遅延があるということが分かった。ということは、Android であっても、最近のクアッドコアのハイエンド機なら iPad 並の軽快感は出せる可能性はあるだろう。また、ソフトのバージョンアップ等で改善の余地はあるということかもしれない。

iDisplay-iPad-win Windows だとブラウザウィンドウがおかしくなる(この画面は Firefox を iPad に表示したものだが、XOOM でも、また他のブラウザの組み合わせでも同じ事になる)。

 Excel や Word ではそれなりに動くがブラウザは動きがおかしくなる Firefox と IE10 の動きがおかしい。なぜアプリによって動作が違うのかわからない。ブラウザは描画エンジンを自前で持っていて、iDisplay のドライバを使ってないのではないだろうか。


 以下はそれぞれの端末固有の特徴をとりあげる。

iPad 3 

 Retina ディスプレイだが、iDisplay で使う場合には 1024×768 として認識される。この解像度の違いのせいか、テキストが滲んで表示される。これが小さな文字の視認性を大きく下げることにつながっている。

 iPad につないだ Bluetooth キーボードから入力できるようになる(インサーションポインタがどのウィンドウに有ってもかまわない)。

 画面を2本指、3本指でタップするとモードの切替ができる。キーボードモードにすると画面にキーボードがせり上がってきて、狭くなるが画面上のスクロール用コントロールによってスコープを移動させられる。
(mac)
 Wi-Fiでしか繋げられないが一番快適な組み合わせ。もっさり感は否めないが、SAEZURI や iTuens を常駐させるには問題ない。

 タッチ操作もできなくはない。
(win)
iDisplay-win-xoom 画面上でスクロール(2本指スワイプ)が効く場所とそうでない場所がある。右のウィンドウで、左のペインは2本指ではスクロールできない(右のペインがスクロールされる)。

Android 4.0.3 XOOM iDisplay version 2.5.1

 液晶サイズは 1280×752 だが、小さくもできる。小さくするとデータの転送量が減るのでレスポンスは良くなる(らしい)。とりあえず一番小さくして使ってみているが、あまり速くも感じないし画質が悪くなったようにも感じない(USB接続だからかもしれないが)。

 動きが非常に悪い。マウスポインタの追随が悪いのでマウスをゆっくり動かしてポインタが追いついたことを確認した上でクリックしないと全然関係のないボタンやリンクを押したことになってしまう。

(Mac)
 iMac につないだ場合、画面の左右に白い帯ができる。

 USB ケーブルで繋ぐだけで USB 接続ができた。USB 給電の端末なら電池残量を気にすることなく利用することが可能だろう。

Windows 7 PC

 USB で接続するために苦労した。

 Excel を XOOM に表示した状態で操作し、そのウィンドウを PC に戻した後で、保存しようとすると動かなくなり、プログラムマネージャーから強制終了させるしかなくなる。しかし、Excel がフリーズしているわけではなく、入力待ちになっているというダイアログが表示される。おそらく、Excel が XOOM の表示領域にファイルダイアログを出しているのだろう。しかし、その描画が iDisplay で処理されず画面に表示されないために動けなくなるのだと思われる。一度この状態になってしまうと再起動しないとリセットされない。

 テキストエディタなどは正常に動き操作もできた。

来ると思っていた:KDDIの「XOOM TBi11M」はAndroid4.1以降にバージョンアップされない

20130402_xoom XOOM ユーザとしては残念なお知らせだ。が、ハードウェアの仕様が今の世代から大きく遅れていることや、Wi-Fiモデルだけでサポートする旨味がないこと、ルーターと抱き合わせで買ったユーザーも契約更改になりつつあることから、au がサポートしたくなくなるのも無理は無いだろう。未だに2年縛りで端末料金を支払っている(”実質0円”で買っても、割引と相殺されているだけで端末料金を支払っているのと同じ)ユーザには気の毒だが、購入した端末が一回の OS アップデートすら受けられない人が珍しくない Android 端末としては例外的に長期間アップデートされ続けたほうだ。なにしろ、「http://draconia.jp/blog/archives/13780」にも書いたとおり、未だに 2.3 のユーザが 半分近くいるのが Android の世界なのだから。

 この点で、同時期に発売され、未だに最新の OS にアップデートされ販売が続けられている iPad 2 の完成度の高さが際立つ。

KDDIの「RAZR IS12M」と「XOOM TBi11M」はAndroid4.1以降にバージョンアップされない | ゼロから始めるスマートフォン

KDDIのモトローラ製端末「RAZR IS12M」および「XOOM TBi11M」にはAndroid4.1以降のバージョンアップは実施されないことが判明しました。

モトローラは自社製品に対するOSバージョンアップの計画表を同社公式ホームページで公開していますが、これが最近になって更新され、上記2機種は現状のAndroid4.0.4(ICS)のままとなることを案内しています。

なお、KDDIはモトローラ製のAndroidスマートフォンとして「PHOTON ISW11M」も発売していますが、こちらは掲載すらされていない状態です。過去の計画表ではAndroid2.3(GB)までと案内されていたので、要するにそれから変更なしということだと思います。

Motorola のページをクリップしておく。
20130402_xoom-au

Google日本語入力 XOOM vs iPad 縦モード

XOOM Google日本語入力

 Google日本語入力は縦持ちの場合にはフリック(またはケータイモード)と qwerty とを選ぶことができる。が、ATOK のフリックモードと異なり、画面の大きさそのままに拡大されてしまうので使いものにならない。


 しかし、QWERTY は意外に使いやすい。両手で打つのは当然出来ないし、本体を両手に持って親指で打つのも難しいが、片手で持って片手の指2〜3本を使って打つのが結構速い。

特殊なキーの配列も片手で打つときには気にならない。幅が狭いので、片手でも左右に手を動かすことなく入力できるので、ブレが少ない。慣れてくれば、人差し指から小指までを使ったタイピングができそうだ。

予測変換の候補が左右に広がらない分視線移動が少なく、使い易い。横画面で大量に候補を並べられても、探すのが面倒かつタップするのが難しいので予測変換を使うことはほとんどないが、縦なら自然に使用頻度が高くなる。結果として、両手で入力する横持ちと同等か速いくらいだ。

ただし、XOOM は片手で持ちにくいのでこれで長時間打つことは不可能。


iPad

 iPadの縦モードでの QWERTY は Google 日本語入力よりキーが小さい。また、デバイスの横幅が広いので、両手で持って親指で入力するのも難しく、片手で入力するのにも左右への動きが大きく効率が悪い。

 iPad ではスプリットキーボードが使える。QWERTY のスプリットも可能だが、キーが小さくなるので個人的には快適とは思えない。スプリットで便利なのはこの写真にある フリックのスプリットだ。

 タブレット専用の UI の威力を思い知らされる。残念なポイントはいくつか残っている(前に書いた)が、タブレット縦持ちで日本語入力をするのには、この方法が一番速い。スプリットキーボードのメリットは、キーの入力のしやすさだけでなく、インサーションポイントとキーボードの位置を近くできることだ。特に、タブレットのように上下に距離がある場合に視線の移動が少なくていいのは入力効率に直結する。

上の XOOM の画像を拡大したら、言っていることが分かるだろう。XOOM の縦長の画面の一番下に置かれたキーボードとインサーションポインタの位置を同時に見ることは難しいことが分かると思う。タブレットは手で持つからパソコンに表示した時よりさらに視線の移動角度は大きい。実際に、XOOM で縦持ちした時にはインサーションポインターに視線が行く事はほとんどない。キーボードと変換候補くらいしか見ていない。その点、スプリットキーボドは入力エリアと変換候補が左右に離れてはいるがインサーションポインタとの距離が近いのでほとんど視線をずらす必要がないことが分かると思う。

まとめ

Google日本語入力が快適なのは10インチの場合は縦持ちqwertyだ。軽い端末なら結構使えるかもしれない。しかし、同じことが7インチにてはまるかは分からない。7インチの場合は横持ち片手打ちが使えるかもしれないし、縦はフリックが実用的かもしれない。

iPadの場合は、横持ちqwertyが快適だが、縦持ちのスプリットも慣れると速い。ただ、縦持ちスプリットをリラックスした姿勢では使いにくい。横持ちqwertyもだ。リラックスしてちょっとした検索文字列を打つ程度ならGoogle日本語入力の縦持ち片手打ちは悪くない(この場合キーボードとインサーションポインタとの距離というデメリットが発生するが…)。

 UI は物理的大きさによっても変える必要がある。モニタの大きさ毎に異なる UI が必要なのだ。話は変わるが、自分が8インチのiPadを出すべきではないと思う理由はこれに尽きる。

Google日本語入力を XOOM で試す(横モード)

 注意:ここでは、au 版 XOOM(ICS 4.0.3)での感想なので、スマートフォンでの使用感に基づく評価は一切ありません。

 iMac と社給PCで愛用している Google日本語入力が Android タブレットにも対応したというので早速インストールした。というより、以前からインストールはしていたものをアップデートした。

 変換エンジンと辞書はデスクトップ版と同じレベルで動きも最高速クラスだ。ICS がデュアルコアを使いこなせるようになったことが貢献しているかもしれない。ブラウザが Chrome になるのと同様、近い将来には Android の標準日本語変換は Google日本語入力になるだろう。デスクトップ版との Google drive 経由での辞書データの同期が出来ればサードパーティの入り込む余地はほとんどないだろう。

 ただし、問題点も残っている。右の写真を見たら直感的に打ちにくいと分かるだろう。iPad のキーボードの打ちやすさについて考えたところでキーの高さについて言及したが、このキーボードは正反対だ。変換候補をたくさん出してもキーボードから選べないしキーボードを付けている場合ならキータッチが少々増えてもタイムロスは少ないのだから、変換候補をたくさん出すよりキーを大きくした方がいい。さらに、キーの配置について del や enter が非常に打ちにくい。「delは右上」ということが染み付いているので、pを連打してしまう(Google日本語入力で最右上にある)。

 また、Android の日本語変換の共通の問題点だが、入力中に表示された予測変換の候補を画面タッチでしか選べない。外部キーボードを使ってもこの動作は変わらなかった。前にも書いたことだが、遡るのが面倒な人のために例を書く。右の写真を拡大してご覧頂きたい。「つかって」まで入力した時点で下には「つかって」から始まる予測候補が並んでいる。ここで、「使っている」を選びたい場合(例文ではあり得ないがそれは別問題)、ここで変換キーを押すと「つかって」までで完結する文字列の変換モードに入り「使っている」は候補から消える。せっかく予測によって狙っている文字列が候補に並んでいるのにそれを使うには候補文字列をタップしなければならないのだ。

 スマートフォンのようにキーボードと候補が近い場合にはタイムロスはすくないが、タブレットを横置して両手でフルキーボードをタップしているときに変換候補までの距離は遠い。まして、外部キーボードの場合にはタブレットとキーボード自体が物理的に数十センチ離れている場合もある。

 これらの不満はスマートフォンではあまり大きな問題にはならない。スマートフォンでは縦はもちろん横にしてもタッチタイプなんて出来るはずがないし親指でポチポチ打つなら配列がイレギュラーでも余り気にならない。実際、iOS の横画面用キーボドはイレギュラーだが特に違和感はない。何回も繰り返しているが、画面サイズが変われば UI は変えなければせっかくの大きさを活かせないだけでなく不便になってしまう。

物理キーボード

 このバージョンから外部キーボードにも対応したというので、Logitech Ultrathin keyboard Cover for iPadをつないでみた。物理キーボードと優秀な変換エンジンで快適になるかと思われたが、そうでもなかった。上にも書いた、予測変換候補選択問題だ。デスクトップ版の Google日本語入力なら、数文字打てば予測変換候補から tab キーで選ぶことができ、少ないキータッチで入力ができる(iOS でもそうだ。ただし、tab ではなくスペースだが)。ところが、Android 版はそれができない。

 後、物理キーボードを使っている場合の日本語入力モードの切替方法が分からない。ソフトウェアキーボードを出せば日本語入力になり、キーボードを隠すと直接入力になってしまう。これだと、物理キーボードを使うことでソフトウェアキーボードの表示領域を本文表示に使えるというメリットが失われてしまうし、一々画面をタッチしなければならない。

 上にも書いたとおり、物理キーボードを使うときには本体を離しておくことが多い(自分は100円ショップのイーゼルをスタンドとして使っている)。キーボードを使った入力環境としては快適だが、キーから本体までが10cm以上離れる。入力の際に変換候補を選ぶときにタッチするには遠すぎる。そうなると、ますます変換候補が多く出ることがメリットではなくなってしまうのだ。

 iOS と異なりキーボードの種類を設定できる。これは、JIS キーボードで使いたい人には朗報だろう。Android なら使い慣れた配列の JIS キーボードでも表示された記号で入力することが可能だ。また、ひょっとしたら日本語キーボードなら入力モードの切り替えもキーボードからできるのかもしれない。自分は jis 配列の bluetooth キーボードを持っていないので検証できないが。

辞書

 デスクトップ版と比較して辞書のメンテナンスが不便。テキストからの一括登録はできるようにしてほしい。クラウドの同期が可能になるまでは一方通行 (PC > XOOM) でも共有が可能になるから。

まとめ

 変換エンジンと辞書の優秀さでは完全に iOS の変換エンジンを超えている。が、UI のマズさのためにエンジンのメリットを活かし切れていない。横持ちキーボードを使おうとするとミスタイプが頻発するので、XOOM に最初から入っていた iWnn に戻してしまった。

 キーボードデザインのタブレットへの最適化と変換候補の選択方法の改善がなされればエンジンの優秀さを活かせる入力環境が実現されるだろう。フラグメントした Android タブレットで画面の大きさに合わせた最適化は困難を極めるだろうが・・・

XOOM #31 ICS アップデート ベンチマーク比較

 ICSアップデートの前後で取った結果。

 CPUのスコアだけが大幅にアップしている。3D の性能は1割程度落ちている。それ以外の項目については誤差の範囲だろう。

 OS がマルチコアの扱いを改善したというのは本当のようだ。それ以外の項目については単体のプロセッサやGPUの性能とクロック周波数の性能が出ているのだろう。3D が遅くなったことの原因は良くわからない。

 他の機種のベンチマーク結果と比較して異常に低いのが I/O だが、これも理由は全くわからない。ハードの仕様設計に問題があったのかもしれない。

 後、給電方法によって速度差がないというのは自分的には予想外だった。

XOOM #30 ICS おまけ

 とりあえず、感じたことを列記する

  • 日本語変換をお使う場合にはステータスエリアにキーボードアイコンが出る状態でなければならない。キーボードを使っていない状態では入力フィールドにタッチするだけでいいが、キーボードを使っているとこのモードになかなかならない。
  •  スクリーンキャプチャは動作しないケースがある。また、Androidタブレットは電源ボタンが機種によって配置が個性に富んでいて使いにくい機種もある。XOOMがまさにそうで、電源ボタンは背面で窪んでいる上に音量ボタンが小さく動きが固いので成功率は低い。
  •  Honucomb ときにはブラウザで WordPress に入力するとレスポンスが悪くて使い物にならなかったが、ICS 上では問題ない。XOOMのようなタブレットならPC用のデザインでも全く問題ない。レスポンスさえよければブラウザから入力するのも実用上問題がなくなった。もちろn、モバイル版の大きなメリットであるオフライン編集は使えないので、モバイルアプリを削除はしない。
  • iWnnのキーボードマッピングはJIS配列を前提としているので、US配列のキーボードを使うとちょっと不便。日本語フルキーボード for Android はちゃんとキーボードの表記通りに読み替えてくれる。素晴らしい。
    ただし、日本語フルキーボード for Android はキーボードで入力していてもソフトキーボードが表示されたままになる。せっかく、キーボードで入力エリアを広く使えるのに威力が半減だ。明示的にキーを消す設定もできるが、そうなると変換エリアが消えて先読み変換候補が表示されなくなったり、変換モードがかえられなくなったりする。また、画面上で入力位置をタップしようとするとインサーションポインタが予想外の位置に飛ぶことがあった。

 なお、キーボーの扱いは ISC の問題ではなく IM とキーボードのインターフェース周りがまだ成熟していないのが原因なのではないだろうか。これは、IM と OS のアップデートで解消されるとは思うが、いつになったらできるかは分からない。今のところ iOS デバイス+キーボードの快適さには及ばないがマシにはなった。Honeycomb の XOOM は iPad 2 の一周遅れだったが、ICS + XOOM は iPad 2 と同一周回になった。iPad 1012 とは周回遅れのままだが。

 ところで、キーボードの配列への対応については、iOS もできていない。iOS では、基本がUS配列で、純正のキーボードのみがJIS配列を自動的にキーマッピングを読み替えてくれると言う意地悪仕様だ。しかも、サードパーティのドライバを許さないので、サードパーティのキーボードを使いたい場合にはUS配列のキーボードを使うか、JIS 配列のキーボードのキートップにシールを貼るしかない。

iOS も Android もキーボードの API を見なおして PC のように柔軟に使えるようにして欲しい。

XOOM #29 ICS アップデート

Ice_Cream_Sandwich au 版の XOOM にICS(ice cream sandwich) のアップデートがきたのは前に書いた。しかし、グランツールのライブストリーミングが観られなくなると困るので保留していた。adobe のサイトを見たら ICS と互換性があるとの記述があった。また、昨年の報道で、Flash は ICS までは対応するが、それ以降はサポートしないともあった。逆にいうと、4まではサポートするということだ。これらの情報を信じてアップデートに踏み切った。

速度

 OS を新しくすると重くなるというのは昔のパソコンで散々味わった。今でも、OS のメジャーアップデートを機に新しいハードに買い換える人は多い(特に Windows の場合はそうだろう)。XOOM は発売後1年程度しか経っていない(日本では2011年4月発売)が、Android タブレットの中ではエントリモデルとなった Tegra 2 搭載だ。しかも、この数ヶ月に発売された Android 機のなかでは遅い方になる 1GHz というクロック周波数でもある。CPU パワーと言う意味では前世代のタブレット、現在主流のスマートフォンレベルと言っていいだろう。

 興味深いのは(これが ICS を待ち望んだ理由の大半だが)、「ICS はマルチコアに最適化されていてマルチコアプロセッサ搭載機種はそのCPUの本来のパワーを活かすことができる」という情報だった。Honeycombが開発された当時はまだデュアルコアのプロセッサは市場に出ておらず、カーネルレベルでのマルチコア対応はできていなかったことは想像できる。だから、デュアルコア世代以降のプロセッサを前提にしたICSに期待したのだった。

 今回、検証のためにアップデートの前後でベンチマークテストを行った。ベンチマークには Quadrant というアプリを使った。実行のたびに微妙に違う数字が出たので、3回実行した中で一番のスコアを採用した。実行の際には再起動して他のアプリを起動することなくテストした(常駐アプリの設定は変えていない)。

 テストの内容によって上がったものと下がったものがあるがトータルでは有意に上がったといえるだろう。ICS は特にマルチコア CPU 搭載のデバイスには必須のアップデートといえそうだ。

 同時に分かったのが、XOOM の意外な素姓の良さだ。I/Oが大きく足を引っ張っているが、I/O は他の機種と同等に出ていればデュアルコアではトップグループに入れただろう。右のグラフを見ると 4 コアのパワーの違いを見せられる。

 この速度差は、単にベンチマーク上の数字だけでなく、アプリの動きの反応にも現れた。特に嬉しいのはブラウザのレスポンスが良くなったことだ。これまでは、タップしても反応がないので、重複してタップしてしまって収集がつかなくなるということがよくあったが、それが減った。OS のデュアルコア対応だけでなく、アプリケーションが利用するOSの機能の全体的な見直しが功を奏しているのだろう。そういう意味で、ICS はこれまでの集大成といえるかもしれない。タブレットはもちろんスマートフォンでも ICS が入れられる機種(特にマルチコアプロセッサモデル)を使っているなら ICS にアップデートすることを薦めたい。といっても、iOS と違って、メーカー・キャリアがその気にならなければユーザが希望してもアップデート出来ないのが Android だが・・・

互換性

 ICS にしたことで動かなくなったアプリは見当たらない(あまり使ってないけど)。

 Flash はそのままでは動かなかなったので焦ったが、Google play でアップデートしたら表示できるようになった。グランツールのストリーミングを行っているページの動画が再生できた。

感想

 標準のホーム画面も変わったのかもしれないが、ADW launcher を使っているので良く分からない。

 システムのフォントは丸ゴシックのようなフォントになり視認性が上がった。ダイアログなどで表示される文字も読み易くなった。スマートフォンの場合にはどうなのかは確かめようがないが、タブレットは明らかに使いやすくなった。

 au のアカウントを必要とするアプリが勝手にインストールされるが、ICSの一部と思えば諦められる。ホーム画面に出ないようにしておけば問題はない。

 キャプチャは電源ボタンと音量下ボタンを同時押し。やっと、標準の機能でスクリーンショットが撮れるようになった。遅きに失した気もするが、これからはXOOMについてもキャプチャを載せることができる。(上のグラフがそう)

 標準的アプリはアイコンが立体的になった。が、Androidのアプリは元々が一切統一感のないアイコンだからiPhoneやiPadのホーム画面のようにはならない。

 chrome を入れてみたが。特にメリットは感じなかった。PCや他のデバイスで chrome を使っていてれば便利になるかもしれないが、自分のメインのブラウザは firefox で共有は Safari で管理しているので XOOM のために chrome を使うきになれない。というより、会社のPCと自宅の iMac と iPhone,iPad で共有したいページは少ない。これについては、別の機会で考えたい。

結論

 3.0 から 3.1、3.2、4.03 とアップデートをしてきたが、3.1 へのアップデート以外は順調なアップデートと言えるだろう。Android ユーザにしては非常に恵まれていたと言えるかもしれない(iOS では当然のことだが)。3.1 から 3.2 と今回のアップデートは本当に効果的だった。3.2 へのアップデートでマトモに使えるタブレットになったし、4.0.3 では使いやすくなった。

 何より快適に感じるのは、へんな引っ掛かりのような状態が減ったことだ。これによって UX は大きく改善された。嬉しいのは、Android 市場においては過去の遺物ともいえる 1 年以上前の機種である XOOM が最新の OS で大きく UX が改善されたことだ。繰り返しになるが、Android 端末でこの恩恵に与れる機種はほとんどない。XOOM 以降に発売されたタブレットで ICS にアップデートされた機種は未だに少ないのが現状だ。

 ガラスマ機能が足をひっぱているのなら、「ガラスマ機能なしの ICS へのアップデートパス」を設けてはもらえないか。そうすることで、既存モデルのユーザでも ICS の恩恵に与れる人が増えるはずだ。

奥さんニュースです。 「モトローラ、日本向け「XOOM」にAndroid4.0 ICS提供」

 モトローラ、日本向け「XOOM」と「RAZR」にAndroid4.0 ICS提供へ、PHOTONは今のところ”検討中”

引用元: モトローラ、日本向け「XOOM」と「RAZR」にAndroid4.0 ICS提供へ、PHOTONは今のところ”検討中” | ゼロから始めるスマートフォンというエントリで偶然知った。


 Motorola Android Software Upgrade News | Motorola Owners' Forum | Motorola Mobility Inc.にオリジナルの表があった。 日本では au からしか発売していないので、この表の Japan は au 版の XOOM と考えていいだろう。そして、公開は2Qとあるので、6月末までに公開されるらしい。2月時点の予定なので、ずれ込むかもしれないが開発が行われていることが分かれば安心できる。しかし、au が黙っているのはなぜだろう。まだ、ルーターと抱き合わせで売ってるはずなのに・・・

 実用的には圧倒的に iPad が快適なので XOOM のOSがアップデートされてもあまり関係ないのではあるが、新しい OS に触れるというのは刺激があって面白い。ICS はHoneycombをどう昇華しているのか興味がある。実用的な面ではスクリーンショットが撮れるので、ここでアプリ等につい書きたい時でもモチベーションが上がるし、見やすいはずだ。後、期待するのは、OS レベルでマルチコアプロセッサに対応することで、これまでのモッサリ感が軽減されれば嬉しい(理論的にはあり得るが、そうなった実例は少ない)。

 ただ、こういうことがニュースサイトで取り上げられない、話題にすらならないというのは、XOOM がオワコンと思われているからだろう。それ以前に、OS のアップデートで浮かれるのはキモヲタだけかもしれないが…

おめでとう>Sony Tablet S / P に Android 4.0.3 アップデート

 ここのブログを読んでいるようなデジタルヲタが今からこの機種を買うとは思えないし、絶対にお勧めしないが、買ってしまった人にとっては嬉しい知らせだろう。こうやって、買った後でもアップデートがあって、「数カ月前に買ったのに(´・ω・`)ショボーン」とならなくてもいいのはスマートフォンやタブレットのいいところだ。

 Sony tablet s/p は一応現行機種なので、「入っているのは 3.2 ですが、4.0 にアップデートできます」と言えるから、メーカーとしても力が入ったのかもしれない。事実上終わってしまった au 版 XOOM には難しいだろう。ちなみに、XOOM のメーカーである Motorola からは XOOM の ICS アップデートが行われているので、メーカーを責めることはできない。アップデートできないのは中間業者である au が対応していないからだ。こういう業者が中にはいってしまうのが Android のフラグメント化(Google では差別化と呼ぶらしいが)の弊害だ。

sony tablet Sony Tablet S / P に Android 4.0.3 アップデート、4月下旬配信 – Engadget Japanese

ソニーのタブレット、Sony Tablet S / P にシステムソフトウェアアップデートが配信されます。これは現在 Android 3.x “Honeycomb” だった Sony Tablet を Android 4.0.3 “Ice Cream Sandwich” まで引き上げるもので、インタフェースが刷新されるほか、ロック画面からのカメラ起動、パノラマ写真撮影など、Android 4.x の新機能が追加されます。

追記:もし、Sony tablet P を買おうと思っている人は、米Gizmodoによる Sony Tablet P レビュー。 : ギズモード・ジャパンを読んでからにするといいと思う。