「便利は不便」又は工具不要の落とし穴

 駅で自転車に乗ろうとしたらライトが変な方向に向いているのに気づいた。真っ直ぐしようとしたら本体が簡単に動いた。上に引くとあっさりとホルダーから抜けた。ホルダーと本体を固定するネジがなくなっていた。このネジは手で締めるもので、取り付け作業したときに寒かったのと暗かったのとで十分なトルクを掛けられなかったのが原因。

 サイクルコンピューターやライト、バッグ類を取り付ける際に工具の要らないものが増えた。この傾向に苦言を呈したい。

 手では十分なトルクを掛けられない。ステムやケーブルが干渉しててがいい角度で使えないような場所では特にそうだ。また、構造上ダブルナットが使えない。物を固定するときに工具を使うのは必要だ。自転車の普通のパーツは、最近では、ヘキサゴンキャップドボルトで占めるのが主流だ(最近はドライバーの出番は殆ど無い)。ハンドルやステム、クランクや変速機もこれで止められて十分な固定力がある。こんな所に手締のナットを使う人間はいない。

 にも関わらず、なぜか、サイクルコンピュータやライトなどを固定するときに工具不要にするメーカーが後を絶たないというより、ここ数年買ったもの全てがそうだった。

 頻繁に脱着するものなら手締めのナットも便利な場合がある。しかし、ライトやサイクルコンピュータは違う。というより、どちらもホルダーと本体はワンタッチで着脱できる構造だ。だから、ホルダー部は自転車に強固に固定しておいても本体の着脱に不便はしないのだ。せっかく、このような複雑な構造で着脱できるようにしているのに、なんでホルダーを手で着脱できるようにする必要があるのか全く分からない。

 手締ナットが緩んで落とすことによる再購入を意図しているとしか思えない。もしそうでなくて、工具不要にすることをユーザに対するサービスと考えているなら、今すぐ考えなおして欲しい。手締のナットより普通の六角ナットのほうが軽いしスペースも取らない。工具を使って締めこんでも壊れない強度にだけしておいてくれれば満足だから。

 CATEYE はホルダーだけを別売しているのだから、工具止めのホルダーを選べるようにしてほしい。

 このように、一見便利に見えてたいして便利になっていないものは多い。スマートフォンもそうだ。スマートフォンは大きな可能性を与えてくれたし、実際にそれまではPCを持ち運ばなければできなかったことができるようになった。しかし、逆に不便になったことも多い。

 PDA でできていたことが未だに実現されていないのは残念だ。そして、技術的に可能なことでも、セキュリティ上の問題、著作権上の問題、Apple のこだわりといった制約から実現されていなかったりもするが、またの機会に考えたい。

アイスクリームサンドウィッチのお味は?

 アイスサンドはおいしいが、android の次期バージョン(IceCreamSandwitch)はどうかな?

 私が「Ice Cream Sandwich」を嫌いな理由 – Kazzzの日記に実際に使った方のレビューがあった。思わず膝を叩く事しばしであった(というのはもちろん例えで、実際にはパソコンのパームレストだったが)。

 ここに挙げられた指摘のいくつかは Honeycomb にも当てはまる。メニューボタンが下のシステムのボタンに入らないようだ。このことはHoneycombにおいても混乱を招くことになているが、ICSになっても収束しないらしい。

 また、ここでも指摘したが、「UIがアプリによって統一されていない。しかも、google の純正ソフトが従っていない」というのも相変わらずらしい。Honeycombではメニューボタンが下のシステム領域に表示されて機能するアプリと表示されていても機能しないアプリと表示されないアプリがある。そして、右上にオプション類のメニューボタンが表示されるアプリもある。

 おそらく、google はAndroidタブレットがいろんなハードの組み合わせで出ることに気付いたのだろう。そして、それに対応できるようHoneycombではナビゲーションボタン「戻る、ホーム、recent、(メニュー)」を仮想化したのだろう。ところが、google 自体が、せっかく仮想化したにも関わらず、縦でも横でも使えるという使い方を想定しないアプリ(google store)やシステム領域のメニューを使わないアプリを出し続けた。これでは、他のアプリ開発者やハードメーカーがついてくるはずがない。多くのアプリメーカーはUIの再設計をせずにアプリを作り続け、ハードメーカーは古いバージョンのマシンをリリースし続けている。これを収束させるかと期待されたICSだが(そんなことを考えるのは少数派のHoneycombユーザだけかもしれないが)、上のレビューを見る限りではあまり期待できそうにない。

 上のエントリにあるように、スマートフォンにはスマートフォンの UI がある。縦に持って片手で操作するという使い方が大半のスマートフォンと横に持って両手で操作する広いタブレットとが同じ配置ではダメなんだ。特に、Androidでは大きな函体のモデルが増えて持ち手の反対側の上の角(右手で持った時の左上)まで親指が届かなくなってきているだろう。

 タブレットの場合は、画面が大きいのでUIのコントロールに場所をとられても支障がないのだから、スマートフォント同じである必要はない。スマートフォンでは画面サイズ的にシステムバー領域にボタンを並べるのは難しいだろうが、タブレットなら余裕だ。大きな画面のあちこちをタップするのは負担が大きいので、画面下部の最下段にコントロールを集中したほうが使いやすい。ここは iOS に対するアドバンテージに育てられる可能性があるのに、自ら放棄しているようなのが残念だ。

 ただし、ICSを搭載したタブレットが未だ出ていないので、最終判断は保留だ。すくなくともキャプチャを撮れるようになるらしいし、内部的なプログラムの見直しでレスポンスや電池の消耗が改善されているかもしれないので、アップデートしたいとは思っている。しかし、タブレット版ICSの UI がどうなっていても XOOM がアップデートされなければ使えないが。android au という看板も下ろしてしまった。3.1 アップデート以降セキュリティアップデートもしない au が旧モデルになった XOOM のアップデートに資源を投下するとは考えにくい・・・

えっ、誕生日プレゼント?Android 版 Google 日本語入力、明日15日リリース?

 誕生日に公開されるというのは格別だ。残念なのは、「タブレットとハードウェアキーボードはサポート外」という文。XOOM の入力環境が改善される見込みはなしらしい。iWnn の変換エンジンには不満はない。不満があるのは UI なんだ。google の秀才達も Android タブレットのためのキーボードを考えなおすことは難しかったか。

Android 版 Google 日本語入力、明日15日リリース? — Engadget Japanese.

バイドゥには悪い知らせです。やりすぎな語彙で一躍人気となった Google 日本語入力が、PC / Mac に続き、Android にも提供される計画であることが分かりました。リリース情報は Google Japan Blog に一時的に掲載されていたもので、まずベータ版として提供される予定とのこと。Android 2.1 以上で動作し、タブレットとハードウェアキーボードはサポート外、オフラインでも利用できるとされています。自慢の語彙は健在で「モバイルで日本語を入力するときによく使われそうな語彙を中心に辞書の構築」が行われたとのこと。記事はすでに削除されていますが、15日付けの記事であり、「本日……リリースしました」と書かれていたことから、明日にも正式に発表される見込みです。サードパーティアプリ潰しはアップルだけのお家芸だと思ってました。

iPhone キーボード

 純正のメモがキーボード対応不完全だったことに気づいた。サードパーティ製のアプリだと今でもよく見る現象が起きる。WordPress や SimpleText、iMandalart といったメインアプリで発生しないので気付かなかった。

 しかし、Bluetooth HID プロファイルがサポートされた iOS4 のリリースから1年半も経ってるのに純正がこの状態とは情けない。

IDEOS U8150 #09 UIについて追記

 今朝、ideos を触っていて初めて知った基本機能。home ボタンを長タッチするとアイコンのリストが表示された。タイトルは「新着」とある。最初、バックグラウンドで起動中のアプリが表示されるのかと思ったが、そうではないようだ。単に、起動したアプリの履歴のようなものらしい。これは便利。ラジオを聴きながらブラウザを使っていて、チャネルを変えたいようなときの操作負担が大きく減る。

・ラジオを聴きながらWordPressを編集時
・・これまで:「ホームボタン」・(「画面をスワイプ」)・「ラジオアプリをタップ」
・・これから:「ホームボタン長タッチ」・「ラジオアプリをタップ」

 こう書くと、操作が一つ減るだけのように見えるかもしれないが心理的な作業感は半分以下になる。画面が目まぐるしく変わる上に、統一感のないホーム画面上から目的のアイコンを探さなければならないのは意外に負担が多い。しかも、この操作がアイコンの配置状態によって0から2まで、さらに右の場合と左の場合もある。ボケ防止の頭の体操になるかもしれないが。

 Android2.2をなめていた。物理的ボタンを素早く二回押さなければならない iOS に比べてシルクとはいえ長タッチだけでリストを呼び出せるのはスマートでいい。これがあるのなら3や4で実装された「起動中のアプリ」ボタンなんて専用の単機能ボタンは要らない。3のようなサムネールが出るよりアイコンが並ぶほうがよっぽど選びやすいと思う。

IDEOS U8150 #08 UIについて

ideosU8150

 初めて使うプラットフォームは何であれ刺激があって楽しい。ユーザーインターフェースヲタだから。めんどくさいから以下 UI と書く。ついでに、言葉の整理をしておきたい。ここまでもいい加減に書いてきたので自分でも混乱しそうだから。まず、アイコン等が並ぶアプリ起動前の画面すべてを「ホーム画面」とする。そして、電源投入時に表示される画面を「トップ画面」とする。つまり、「トップ画面」は「起動時に表示されるホーム画面」のことになる。以下、このブログではこう表記する。

 iOS との相違点を中心に見ていきたい。なお、この機種特有のものもあるし、バージョン固有のものもあるので、全 android との比較ではないことをお断りしておく。

ステータスバー

 標準的な内容で迷うことはない。iOS5 が取り入れた通知もここから引き出す。

ホーム

  最初から5面のホーム画面があり、トップ画面は真ん中。この構成は XOOM とも一緒だった。アプリの数が増えて5枚で足りなくなったときにどうするのかは分からない。ideos 8150 では一画面当たり16個のアイコンが置けるが複数のセルを使うウィジェットを置くとアプリを置くスペースは当然減る。

 iOS では2面目以降はつくならい限りできない。また、トップは左から二番目に位置し、左端には検索画面が固定されている。つまり、2画面目以降は右に追加していくことになる。電源を入れたら左にスワイプすれば必ず目的のアプリに到達する。android の場合にはどちらか知っていなければ、行ったり来たりしなければならない。

 ホーム画面に、アプリケーションとブラウザのショートカットアイコンの他にウィジェットが置ける所やアイコンを自由な位置に置けるのは android の特徴だ。スマートフォンの画面では特にメリットは感じないが、XOOM ではアイコンを任意の位置に置けるのは便利だ。

 アプリケーションは別画面で管理されている。インストールされたすべてのアイコンが置かれているわけではない。ホーム画面上で削除してもアプリが残っていたり、アプリ画面から任意のホーム画面にアイコンを置く時に複数置けるのには戸惑った。android のホーム画面に置かれているのはアプリへのショートカットであると理解したら全ての謎が解けた。つまり、android のホーム画面に置かれたアイコンは只のポインタであって、アプリの管理とは別なのだろう。

3つのボタン

 iOS の最下行にあるバーをまねしたのかもしれないが、入れ替えられないので邪魔でしかない。この機種には物理的な電話機能呼び出しボタンがあり、アプリも存在するのだからあんなところに置く必要はない。ブラウザもそう。アプリボタンは特別だが、そんなにしょっちゅう使う機能でもないだろうから、メニューに入れておけば十分だ。そもそも、この機種では電話もブラウザもアプリの一つに過ぎない。特別扱いする必要を感じない。

シルクボタン

 なじめないのがこのシルクボタンだった。zaurus や palm を使っていた時には全く違和感なく使えていたが、iOS デバイスを使っているとフィードバックのないオブジェクトというものは見た目の問題だけでなく UI 上も誤りであることが分かる。フィードバックがあるボタンやスイッチはその物の動きや状態、触感によるフィードバックがある。非常にわかりやすい。しかし、シルク印刷のボタンには何もない。特に、ideos 8150 の場合は端末のレスポンスの悪さも手伝って、ボタンが認識されたのかどうか分からない。

 なぜバックボタンがハードになったらこんなに使いにくいのか考えた。android アプリは物理ボタンかシルクかに関わらず(機種による)バックボタンをOSにゆだねている。なので、アプリ内にバックボタンにあたるボタンやコントロール類を用意しない。他のアプリ内の画面遷移のトリガーは全て通常のコントロール(液晶画面に表示されるボタン等)で行えるのに、キャンセルとバックボタンだけはGUI画面の外側の物理ボタンやシルクボタンというのがUI上の問題なのだ。また、ほとんどのアプリはキャンセルボタンを用意せずにバックボタンに依存している。GUI画面内にダイヤログを表示してそのダイヤログの入力をキャンセルするのがダイヤログの外の更にアプリ画面の外のバックボタンというのは間違いだ。更に混乱に輪をかけるのが、アプリによっては画面内にコントロールを描く場合があるということだ。これだけでなく、アプリによっては横画面で使われるケースがあるモバイルデバイスでは持ち手に対する相対的位置が出鱈目になる。

 iOS の場合、アプリ内の画面遷移は全てアプリ画面内で完結される。だから、縦だろうが横だろうがコントロールはアプリによってコントロールされるので最適化される。メニューボタンは画面の外にあるが、アプリ内の遷移では使われないから違和感がないのだ。

 これについては、google も考えているのだろう。android 4 (ICS)では物理ボタンを廃するようUIのリファレンスモデルを変えた。アプリが追従するまでは当分この使いにくさは解消されないだろうし、ideos 8150 は4へのアップデートは無理だからこのままだ。

物理ボタン

 真ん中のボタンは物理的にも大きくて主張が強い割に出番がない。位置的に iOS のメニューボタンのようなもののように見えるが、そうではない。スリープを解除するときくらいしか使わない。実は他にも機能があり、他に windowsPC でブラウザを使うときのように、ターゲットをボタンの回りのリングで移動しボタンで enter を押すように使える。bluetooth でiOS デバイスを使っているときには切実に欲しい機能だが、この小さなデバイスでは使い道がない。

 左のボタンは電話機能へのホットボタン。自分的には全く要らないボタンだ。

 右のボタンはホームボタン。ほとんど使わない。

 結局、この小さなボディの1/4位を占める物理ボタン群が全く無駄といっていい残念なデザインだ。

横画面

 この端末で横画面で入力する機会はほとんどない。やはり、この端末の場合には横持ちすると左右対称ではないので、入力するのに違和感が大きい。横画面は横長のコンテンツ(Youtube 動画)を見るときにしか使えない。

 また、この端末は横画面で使おうとするきに、ボタンが右に来るように持たないといけない。ボタンを左にすると縦画面表示なってしまう。ハードの回転検出でそういう設定がされているんだろう。

 そもそも、シルク印刷されたボタンが縦持ちを強制しているので、2.3以前のバージョンの android 端末(2011/11現在で最新版も含む)では縦でも横でも同じように使えるというものは存在しないということだろう。

全体

 android 2.2 は標準では起動しているアプリを管理する方法がない。起動中の複数のアプリを切り替えていったり来たりができない。終わらせる方法もない。そもそも、他にどんなアプリが起動しているのか分からない。バックグラウンドで動いているアプリを終了させるアプリは多数でているが、OSでもサポートしてほしいところだ。(3と次バージョンの4では用意されている)。

 小さな画面に、種類の異なるコントロールが所狭しと並んでいる。コントロール類が多すぎる上に、重複した機能もある。

ずれ

 Simeji ほどの明らかなずれはないが、ブラウザなど画面上のオブジェクトとタップしたと思っている場所の認識がずれることが良くある。これは、この端末だけでなく XOOM でも感じることだ。android のタッチ認識のチューニングが自分と合っていないのか、iPhone のチューニングに慣れていてその差でずれるのかは分からない。しかし、iPhone を初めて触った時に、思ったところが反応するのに驚いた記憶があるので、iOS デバイスのチューニングレベルが高いのではないだろうか。ちなみに、iPhone の感覚でiPadを触っても全く違和感がないことも書き添えて置く。

 今のところ、android 端末は、ショップのデモ機以外では、海外モデルしか触ったことがないので、日本ブランドの端末でこのあたりがどれくらいの精度までチューニングされているかは分からない。ここらあたりは日本の技術者の意地を見せてほしいところだ。そして、そのことをもっとアピールすればいい。タッチスクリーン駆動型のデバイスではタッチのチューニングは全ての動作に影響を及ぼすのだから。(まあ、ちゃんとできてればの話だが・・・)

XOOM #15 UIは専用が吉。棚も分けてくれ。

 android は ICS から同じバージョン番号でスマートフォンとタブレットをカバーするらしい。中身は違っているはずだが、見た目やAPIの統一が図られるようだ。この考え方は iOS も同様で iPhone も iPad も現在のバージョンは 5 だ。この方が分かりやすいしAPIが共通化されることで開発者の対応も少しは楽になるだろう。ICS の速報を見る限りでは Honeycomb の UI をスマートフォン版にして機能を追加したものというイメージだった。

 問題は、android の9インチクラス(iPadに対抗する機種)のタブレットは横持ちが前提で、2011年夏頃から出始めた7インチクラス(Kindle fireと同じ)は縦持ちを前提にしていることだ。言うまでもなく、スマートフォンは従来通り縦持ちだ。

 物理的な大きさの違いはUIにも影響する。スマートフォンで使い易いからといってそのままタブレットにしていいかというとそうではない。まして、横画面と縦画面とでは操作系の配置は異なって当然だ。

 iOS はタブレットもスマートフォンも同じ縦横比で縦持ちなので整合性は高い。それでも、iPadで使い易いと思われるアプリはスマートフォン版と異なるデザインを専用に作りこんだものだ。

 少なくとも、2011年10月下旬時点で Honeycomb 対応をうたいながら、Honeycomb でアプリケーションが動くといったレベルのアプリが多い。というか、大半がそうだ。このような状態では、ハードウェアのカタログスペックで上待ったところで iPad と同レベルの使い心地(ユーザーエクスペリエンスか?)に追いつくことはできない。

 また、これについては google の android market の責任が重い。タブレットに最適化されて快適に使えるアプリとそうでない物との区別がつかないのだ。快適に使えるアプリをgoogleが審査して、store で優遇すればサードパーティの意識も変わるだろう。

 iTunes sotore の場合はiPad対応、専用、両方対応とが一目でわかる。iPad 専用アプリだけを表示することもできる。こういった配慮がない限り android market は、数が増えれば増えるほど、新しいアプリを探してインストールしてみる楽しみから遠ざかっていくだろう。

実際のところ iTunes でさえ不十分だと思う。iPad を活かした作りこんだ専用アプリと iPhone/iPad 両方で動くというアプリが並んでいて見分けがつかない。太古の昔、Mac OS がバージョン7になった時、7savvy アプリと 7compatible というバッジをつけてアプリケーションが売られ、system 7 の機能を活かしたソフトなのか system 7 上で動作確認されただけのソフトなのか見分けられた。こうすれば、開発者は手間をかけてでもタブレット用に作りこむだろうし、ユーザはタブレット用に最適化されたアプリを探す手間が省け、購入にもつながるだろう。

#タブレットでダウンロードされるアプリの大半がゲームという現実があるので、そんなしんどいことしれられないというのかもしれないが・・・それは別の機会に考えたい。

Android3.0搭載タブレット型端末

Android3.0搭載タブレット型端末

間抜けなユーザーインターフェース

exeditor00 証券関係はネット対応に積極的だ。しかし、技術を取り入れることにイッパイイッパイで、ユーザービリティといった視点をこれっポッチも持っていないところばかりだ。前には、大阪証券取引所の提出用エクセルフォームのひどさについて書いたが、今回は宝印刷。書籍の印刷としてはあまり有名ではないし、書店に行ってもあまり並んではいないだろうが、大きな会社だ。特に、証券界での存在感は大きい(らしい)。

exeditor01 ここでは、有価証券報告書という上場企業が財務局に提出する法的書類の印刷及びサポートサービスを行っている。従来は、原稿を納入して印刷会社で入力していた。次は、パソコンのファイルを入稿するよゆになり、2年ほど前からはウェブアプリケーションを使って印刷会社のデータを直接編集するようになった。

exeditor02
 これには、ブラウザではなく専用のwindowsアプリをダウンロードして使う。安全性から考えて無理のないアプローチだと思う。しかし、このソフトのインターフェースが独特で戸惑う。

 (1)がログイン画面。「Login」ボタンを押すと基本画面(2)。ここで、Exeditorというボタンを押すと編集可能な文書の一覧が表示される(3)。編集する文書の右の編集ボタンを押すと編集モードになり文書が表示される。流れ自体は自然な流れだ。

exeditor03 問題は終了時。編集画面(4)で「保存」ボタンを押すのは分かる。しかし、終了やLogoutを意味するパーツ・メニュー・テキストはどこにも存在しない。右上の「×」マークも「ファイルメニュー」の「アプリケーションを終了する」というアイテムもグレイアウトされていて機能しない。ここで押さなければならないのは、左上にある「Exeditor」というロゴ。このロゴを押すと(3)の文書一覧に戻る。

 文書一覧で、「ポータルに戻る」というボタンを押すと(2)の基本画面に戻る。ここでやっとファイルメニューの「アプリケーションを終了する」というアイテムがアクティブになり終了することができる(右上の「×」ボタンは相変わらずグレイのままだが)。logoutボタンを押すと(1)のログイン画面に戻る。ログイン画面でもメニューから終了することができる。

 なんか、おかしい。ボタンオペレーションなのかメニューオペレーションなのか統一性が全く無い。しかも、何のサジェスチョンもないから、紙のマニュアルなしに操作を憶えるのは困難だ。使うのが企業の担当者であり定期的に使うものなので、何回かやるうちにマスターしてしまうだろう。そして、そういう難解なユーザーインターフェースのソフトを使いこなすのが担当者のスキルであるかのような勘違いする風土がある。実際には、そんなことを憶えるのは時間の無駄でしかないことに気付かないアホな経営者や管理者が日本の企業には多い(というより、大半?)。

 多分、これを作っている会社もそれに近い体質なんだろう。

UX50:テキスト入力雑感

 メモでキーボード入力するがかなり快適になってきた。ひょっとしたら、prismを凌いだかもしれない。これにはいくつかの要因がある。主にPOBoxを利用することが前提だ。
 ペンを持っている時にハードボタンを押すのは面倒だ。逆にキーボードを使っている時には画面のタップをいかに減らすかが快適入力のポイントになる。UX50の入力が快適になった理由にキーボード主体の環境が成熟してきたことが大きい。

1:ハイレゾ横長画面
一画面に表示される文字数が圧倒的に多い。
ローレゾでは文字を小さくすると画数の多い文字がつぶれた。漢字の表示こそハイレゾの最大のメリットだろう。
(POBox)POBoxの変換候補が沢山表示される。下キーを押すことで一気に次の候補リストを表示できるのも助かる。

2:キーボード
日本語入力モードの切替をShift+spaceでできるようになったことは大きい。青いボタンは押しにくい位置にあるのとマックの変換モード切替と似ていることも、俺には大きい。
(POBox)変換候補からの選択にハードボタンを使えるのも便利。キャンセルをBackボタンでできるのもありがたい(ペンだとコマンドモードにして0を入れる必要がある)。

3:ハードのスピード
エミュレーションで動いているOSとは思えないくらい速い。特に、これの恩恵を感じるのは、POBox入力時のミスったときの修正だ。文字を遡って消すことは、prismの場合は実用的ではなかったが、CLIEなら少しペナルティは大きいがクリアするよりは早い。(予測変換は絞り込むときには検索範囲が小さくなっていくが、戻るときは候補が広がるので時間がかかると思われる。)
後、prismでQRmaiを使っていると、文字数が多くなると極端にレスポンスが落ちたが、UX50では全く文字数の影響を感じない。(QRmailは元々OS4以上用なので、prismで使うことが想定外。動くというだけで十分に感謝して使っていた。ちなみに、visorDeluxeでも動作することを確認したが、生成したコードをA550Kが読み取れなかった。)

新しいUIの必要性

 家電品もHDDレコーダーになると、中身は完全なコンピューターだ。これを扱うためには、VTRのユーザーインターフェースでは不十分だ。操作体系が全て一貫したものでなくてはならない。それは、メニューやGUIだけではなく、リモコンや本体のボタン形状や配置、色なども含めたトータルなものでなければならないだろう。

ITmedia ライフスタイル:パイオニアと東大が求めたDVDレコーダーの新しい“顔” (3/3)

今回はユーザーの視点によるチェックをもっとも重視しましたから、開発と並行してシミュレーターや試作機を使ってモニターチェックを行っています。社内からDVDレコーダーに慣れていない人……とくにターゲットユーザーである若い女性に協力してもらい、6人ずつ、2†3回のテストを繰り返しました

 考え方として、パイオニアのアプローチは正しいと思う。しかし、ここでも、香ばしい調査と同じ誤りを犯している(調査機関の場合は作為的な誘導かもしれないが)。なにより、サンプリングが間違い。「社内から」って。「パイオニアにお勤めの若い女性」なんて、同年代の平均的社会人女性と比べて高いお給料をもらっている高学歴のお姉さんだろう。DVDレコーダーを使ってないといっても、仕事でPC、個人ではケータイを使いこなしているだろう。あっというまに学習してしまうに違いない。

 パイオニアの社員に限らず、若い女性達は高機能ケータイを爆発的に普及させる主力になった層だ。まともとは思えなかった(今でも無茶なユーザーインターフェースが残っている)ケータイを使いこなしたデジタル・エリートだ。そんな層には、画質とかマルチチューナーとかいった基本機能の充実が訴求するのではないだろうか(身近にサンプルがいないので自信は全くないが)。

 それより、家庭にビデオレコーダーを導入するときの機種決定権を握っているお父さんにでも操作できるようなUIこそ必要だろうとは強く言える。高いコントラストにでかい日本語フォント。色分けしたボタンを並べたリモコン(もちろん、日本語表記)のほうが訴求するんじゃないだろうか。まあ、このへんは店頭の販売員の強い押しが結構効く層だから、店頭でプッシュできるようなインセンティブも必須だろう(価格ドットコムで値段を調べて通販するような人間に販売員のセールストークは届かないからね)。