新しいUIの必要性

 家電品もHDDレコーダーになると、中身は完全なコンピューターだ。これを扱うためには、VTRのユーザーインターフェースでは不十分だ。操作体系が全て一貫したものでなくてはならない。それは、メニューやGUIだけではなく、リモコンや本体のボタン形状や配置、色なども含めたトータルなものでなければならないだろう。

ITmedia ライフスタイル:パイオニアと東大が求めたDVDレコーダーの新しい“顔” (3/3)

今回はユーザーの視点によるチェックをもっとも重視しましたから、開発と並行してシミュレーターや試作機を使ってモニターチェックを行っています。社内からDVDレコーダーに慣れていない人……とくにターゲットユーザーである若い女性に協力してもらい、6人ずつ、2†3回のテストを繰り返しました

 考え方として、パイオニアのアプローチは正しいと思う。しかし、ここでも、香ばしい調査と同じ誤りを犯している(調査機関の場合は作為的な誘導かもしれないが)。なにより、サンプリングが間違い。「社内から」って。「パイオニアにお勤めの若い女性」なんて、同年代の平均的社会人女性と比べて高いお給料をもらっている高学歴のお姉さんだろう。DVDレコーダーを使ってないといっても、仕事でPC、個人ではケータイを使いこなしているだろう。あっというまに学習してしまうに違いない。

 パイオニアの社員に限らず、若い女性達は高機能ケータイを爆発的に普及させる主力になった層だ。まともとは思えなかった(今でも無茶なユーザーインターフェースが残っている)ケータイを使いこなしたデジタル・エリートだ。そんな層には、画質とかマルチチューナーとかいった基本機能の充実が訴求するのではないだろうか(身近にサンプルがいないので自信は全くないが)。

 それより、家庭にビデオレコーダーを導入するときの機種決定権を握っているお父さんにでも操作できるようなUIこそ必要だろうとは強く言える。高いコントラストにでかい日本語フォント。色分けしたボタンを並べたリモコン(もちろん、日本語表記)のほうが訴求するんじゃないだろうか。まあ、このへんは店頭の販売員の強い押しが結構効く層だから、店頭でプッシュできるようなインセンティブも必須だろう(価格ドットコムで値段を調べて通販するような人間に販売員のセールストークは届かないからね)。

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