Google日本語入力 XOOM vs iPad 縦モード

XOOM Google日本語入力

 Google日本語入力は縦持ちの場合にはフリック(またはケータイモード)と qwerty とを選ぶことができる。が、ATOK のフリックモードと異なり、画面の大きさそのままに拡大されてしまうので使いものにならない。


 しかし、QWERTY は意外に使いやすい。両手で打つのは当然出来ないし、本体を両手に持って親指で打つのも難しいが、片手で持って片手の指2〜3本を使って打つのが結構速い。

特殊なキーの配列も片手で打つときには気にならない。幅が狭いので、片手でも左右に手を動かすことなく入力できるので、ブレが少ない。慣れてくれば、人差し指から小指までを使ったタイピングができそうだ。

予測変換の候補が左右に広がらない分視線移動が少なく、使い易い。横画面で大量に候補を並べられても、探すのが面倒かつタップするのが難しいので予測変換を使うことはほとんどないが、縦なら自然に使用頻度が高くなる。結果として、両手で入力する横持ちと同等か速いくらいだ。

ただし、XOOM は片手で持ちにくいのでこれで長時間打つことは不可能。


iPad

 iPadの縦モードでの QWERTY は Google 日本語入力よりキーが小さい。また、デバイスの横幅が広いので、両手で持って親指で入力するのも難しく、片手で入力するのにも左右への動きが大きく効率が悪い。

 iPad ではスプリットキーボードが使える。QWERTY のスプリットも可能だが、キーが小さくなるので個人的には快適とは思えない。スプリットで便利なのはこの写真にある フリックのスプリットだ。

 タブレット専用の UI の威力を思い知らされる。残念なポイントはいくつか残っている(前に書いた)が、タブレット縦持ちで日本語入力をするのには、この方法が一番速い。スプリットキーボードのメリットは、キーの入力のしやすさだけでなく、インサーションポイントとキーボードの位置を近くできることだ。特に、タブレットのように上下に距離がある場合に視線の移動が少なくていいのは入力効率に直結する。

上の XOOM の画像を拡大したら、言っていることが分かるだろう。XOOM の縦長の画面の一番下に置かれたキーボードとインサーションポインタの位置を同時に見ることは難しいことが分かると思う。タブレットは手で持つからパソコンに表示した時よりさらに視線の移動角度は大きい。実際に、XOOM で縦持ちした時にはインサーションポインターに視線が行く事はほとんどない。キーボードと変換候補くらいしか見ていない。その点、スプリットキーボドは入力エリアと変換候補が左右に離れてはいるがインサーションポインタとの距離が近いのでほとんど視線をずらす必要がないことが分かると思う。

まとめ

Google日本語入力が快適なのは10インチの場合は縦持ちqwertyだ。軽い端末なら結構使えるかもしれない。しかし、同じことが7インチにてはまるかは分からない。7インチの場合は横持ち片手打ちが使えるかもしれないし、縦はフリックが実用的かもしれない。

iPadの場合は、横持ちqwertyが快適だが、縦持ちのスプリットも慣れると速い。ただ、縦持ちスプリットをリラックスした姿勢では使いにくい。横持ちqwertyもだ。リラックスしてちょっとした検索文字列を打つ程度ならGoogle日本語入力の縦持ち片手打ちは悪くない(この場合キーボードとインサーションポインタとの距離というデメリットが発生するが…)。

 UI は物理的大きさによっても変える必要がある。モニタの大きさ毎に異なる UI が必要なのだ。話は変わるが、自分が8インチのiPadを出すべきではないと思う理由はこれに尽きる。

Google日本語入力を XOOM で試す(横モード)

 注意:ここでは、au 版 XOOM(ICS 4.0.3)での感想なので、スマートフォンでの使用感に基づく評価は一切ありません。

 iMac と社給PCで愛用している Google日本語入力が Android タブレットにも対応したというので早速インストールした。というより、以前からインストールはしていたものをアップデートした。

 変換エンジンと辞書はデスクトップ版と同じレベルで動きも最高速クラスだ。ICS がデュアルコアを使いこなせるようになったことが貢献しているかもしれない。ブラウザが Chrome になるのと同様、近い将来には Android の標準日本語変換は Google日本語入力になるだろう。デスクトップ版との Google drive 経由での辞書データの同期が出来ればサードパーティの入り込む余地はほとんどないだろう。

 ただし、問題点も残っている。右の写真を見たら直感的に打ちにくいと分かるだろう。iPad のキーボードの打ちやすさについて考えたところでキーの高さについて言及したが、このキーボードは正反対だ。変換候補をたくさん出してもキーボードから選べないしキーボードを付けている場合ならキータッチが少々増えてもタイムロスは少ないのだから、変換候補をたくさん出すよりキーを大きくした方がいい。さらに、キーの配置について del や enter が非常に打ちにくい。「delは右上」ということが染み付いているので、pを連打してしまう(Google日本語入力で最右上にある)。

 また、Android の日本語変換の共通の問題点だが、入力中に表示された予測変換の候補を画面タッチでしか選べない。外部キーボードを使ってもこの動作は変わらなかった。前にも書いたことだが、遡るのが面倒な人のために例を書く。右の写真を拡大してご覧頂きたい。「つかって」まで入力した時点で下には「つかって」から始まる予測候補が並んでいる。ここで、「使っている」を選びたい場合(例文ではあり得ないがそれは別問題)、ここで変換キーを押すと「つかって」までで完結する文字列の変換モードに入り「使っている」は候補から消える。せっかく予測によって狙っている文字列が候補に並んでいるのにそれを使うには候補文字列をタップしなければならないのだ。

 スマートフォンのようにキーボードと候補が近い場合にはタイムロスはすくないが、タブレットを横置して両手でフルキーボードをタップしているときに変換候補までの距離は遠い。まして、外部キーボードの場合にはタブレットとキーボード自体が物理的に数十センチ離れている場合もある。

 これらの不満はスマートフォンではあまり大きな問題にはならない。スマートフォンでは縦はもちろん横にしてもタッチタイプなんて出来るはずがないし親指でポチポチ打つなら配列がイレギュラーでも余り気にならない。実際、iOS の横画面用キーボドはイレギュラーだが特に違和感はない。何回も繰り返しているが、画面サイズが変われば UI は変えなければせっかくの大きさを活かせないだけでなく不便になってしまう。

物理キーボード

 このバージョンから外部キーボードにも対応したというので、Logitech Ultrathin keyboard Cover for iPadをつないでみた。物理キーボードと優秀な変換エンジンで快適になるかと思われたが、そうでもなかった。上にも書いた、予測変換候補選択問題だ。デスクトップ版の Google日本語入力なら、数文字打てば予測変換候補から tab キーで選ぶことができ、少ないキータッチで入力ができる(iOS でもそうだ。ただし、tab ではなくスペースだが)。ところが、Android 版はそれができない。

 後、物理キーボードを使っている場合の日本語入力モードの切替方法が分からない。ソフトウェアキーボードを出せば日本語入力になり、キーボードを隠すと直接入力になってしまう。これだと、物理キーボードを使うことでソフトウェアキーボードの表示領域を本文表示に使えるというメリットが失われてしまうし、一々画面をタッチしなければならない。

 上にも書いたとおり、物理キーボードを使うときには本体を離しておくことが多い(自分は100円ショップのイーゼルをスタンドとして使っている)。キーボードを使った入力環境としては快適だが、キーから本体までが10cm以上離れる。入力の際に変換候補を選ぶときにタッチするには遠すぎる。そうなると、ますます変換候補が多く出ることがメリットではなくなってしまうのだ。

 iOS と異なりキーボードの種類を設定できる。これは、JIS キーボードで使いたい人には朗報だろう。Android なら使い慣れた配列の JIS キーボードでも表示された記号で入力することが可能だ。また、ひょっとしたら日本語キーボードなら入力モードの切り替えもキーボードからできるのかもしれない。自分は jis 配列の bluetooth キーボードを持っていないので検証できないが。

辞書

 デスクトップ版と比較して辞書のメンテナンスが不便。テキストからの一括登録はできるようにしてほしい。クラウドの同期が可能になるまでは一方通行 (PC > XOOM) でも共有が可能になるから。

まとめ

 変換エンジンと辞書の優秀さでは完全に iOS の変換エンジンを超えている。が、UI のマズさのためにエンジンのメリットを活かし切れていない。横持ちキーボードを使おうとするとミスタイプが頻発するので、XOOM に最初から入っていた iWnn に戻してしまった。

 キーボードデザインのタブレットへの最適化と変換候補の選択方法の改善がなされればエンジンの優秀さを活かせる入力環境が実現されるだろう。フラグメントした Android タブレットで画面の大きさに合わせた最適化は困難を極めるだろうが・・・

Apple キーボードに物申す

 最後に蛇足を付ける。iOS のソフトキーボードのFとJには下に小さな印が付いている。これは Apple の単体キーボードやノートPCのキーボードと同じだ。AT 互換機のキーボードにもこのような突起があるがソフトキーボードでこれを模したものを見たことはない。これは、物理キーボードのメタファーとしてソフトキーボードを考えると当然で整合性がとれている。

 個人的には、FとJに印があることに疑問が残る。Macintosh SE/30 と一緒に買った(当時はキーボードは別売だった)Apple ADB keyboard II はDとKに突起がある。これこそが Apple の UI の素晴らしいところだ。が、いつからか FとJの上に突起が作られるようになった。Dos マシンと両方を使うときに便利なようにという配慮かもしれないが、これは貫いて欲しかった。

 なぜか。このマークは手がホームポジションにあることを感じるためのフィードバックだ。そして常にこの突起を意識していればホームポジションのキーが手を動かすことなく打てる。これは共通している。なぜ、DとKがいいのかというと、それぞれの指の担当するキーが違うからだ。FとJは人差し指、DとKは中指が担当する。そして、人差し指は6キー、中指は3キーを担当する。人差し指は左右2列を行ったり来たりして動く範囲が多い。だから、ホームポジションのマークは人差し指以外に置くほうがいい(小指や薬指でもいいかもしれない)。

 もう、いっそのことキーボード練習用の説明資料のようにキーボードを指毎に色をつけたらどうだろう。嫌でもホームポジションが分かる。

 というか、本当は Apple にはキーボードを再定義して欲しい。今のキーボード配列が人体工学的に「正しい」配列ではないというのは万人が首肯するところだ。

iPad vs XOOM(Google音声入力) 音声入力対決

 ICS と iOS5 で音声入力が可能になった。昔の音声入力はプロタイプのような、駐車場の音声合成レベルのような使えない感じがつきまとっていたが、iPhone に搭載の Google 音声認識はかなり高いヒット率なので、iPad と XOOM(ICS) で比較してみた。

iOS

 iOS で音声認識をするには、キーボードのマイクボタンを押し、音声入力し、完了後マイクボタンを押して認識・入力を行うという流れになる。音声はメモリにバッファされるので、一回の操作で入力できる文章の長さには限界がある。また、認識は終了後に行われるので画面に入力中の文字は表示されない。

 長い文章を考えながら一気に入力するのには向かない。一文か二文程度で確定させてその文字を読みながら次の文章をある程度完成させてから入力させるのが良いだろう。

 ”クエッションマーク”で”?”。”てん”で”、”。”まる”で”。””改行”で”cr”が入力できるが、日本語の”「”などの記号を入力する方法がわからない。

”じゅうかけるはちいこーるはちじゅう” は “10 × 8 = 80″ と入力された記号の前後に半角空白を入れてくれる周到さだ。
iOS 音声認識の結果:一回の入力に制限があり以下の文章は「少なくともiOS」と「六は確実」の間で一度自動的に変換操作に入った。

米国時間で11日から開催のアップルwwdc 2012に備えて、会場料すでに設営が進んでいます。写真は申し込んウェストで見つかった(アイos六(の看板。文句は(世界で最も先進的なモバイルオペレーティングシステム(。
発表前の会場料完売中残るようおって隠したするものですが、 iOS六についてはわりと無造作に多数が設置されています。今年のwwdcで期待される発表のうち、少なくともiOS六は確実と思ってよさそうです。アップルのwwdc 2012キーノートは現地サンフランシスコで11日月曜日朝10時から、日本時間ではよく12日火曜日の午前2時から開始予定です。

Google 音声認識

 Google 音声入力は逐次変換を行い文字を確定する。日本語の IM の自動変換モードのようだ。なので、iOS のような文字の長さの制限がない。変換結果が画面上に表示されるので文章を考えるときに便利だ。ただし、途中で助詞の誤りや修正したい箇所が目についてしどろもどろになってしまい意味不明の文字列になってしまう場合もある。

 記号入力が出来ない。句読点や改行も入れられない。

 Android 標準のキーボードの一部として実装されているのではなく独立した IM として組み込まれているので、音声入力をするためにはキーボードを切り替えなければならない。このため、音声入力の途中でちょっとキーボードに戻って操作(句読点や改行を入れるといった操作)をして続けて入力を続けたいようなときに面倒。

”じゅうかけるはちいこーるはちじゅう” は “10*8 イコール 80 “ :”かける” を “*” に変換しているのは間違いではないが求めているものとは少し違う。また、”イコール” の前後に半角スペースがあるのは入力の際に少し間を開けたため。
Google 音声認識の結果:最初から最後まで一回で入力できた。

米国時間で11日から開催 – apple wwdc2010にそなえて展 会場安値に設定が住んでいます まる 写真は木金westで見つかった過去ios6 学校の看板ある文句は過去世界で最も先進的なのがいるオペレーティングシステムが高まる 改行 改行発表前の会場では考えたら泣く類を表格したりするものですが . ios6については割とムロさん達が設置されています円 今年のwwdcで期待される発表後.少なくともios6は確実とおもってさそうです appleのwwdc2012機能とは 天気 サンフランシスコで11日月曜日 10時から10 日本時間ではよく12日火曜日の午前2時から開始予定です ある

共通

 音声入力の精度を上げるには一分を頭の中で完成させてから入力を開始することが最重要だ。「えー」とか「でー」とか言って止まってしまうと「えー」が入力されるのではなく、前後と合わせて想像の付かないような珍妙な文章を作ってくれる。

 また、固有名詞の入力は難しい。”Moscone West”は”もすこーんうえすと”と発音したつもりだが、iOS は”申し込んウェスト”と認識し Google は”木金west”と認識した。これを防ぐことは難しいだろう。人名だともっと難しいだろう。

 また、日本語の同音異義語の変換ミス(ミスというのは酷かもしれないが)を修正して学習させる方法がない。

アップル WWDC 2012 会場に iOS 6 のバナー確認、「世界最先端のモバイルOS」 – Engadget Japanese
米国時間で11日から開催のアップル WWDC 2012 に備えて、会場ではすでに設営が進んでいます。写真は Moscone West で見つかった「iOS 6」の看板。文句は「世界でもっとも先進的なモバイルオペレーティングシステム」。

発表前の会場では看板や垂れ幕類を覆って隠したりもするものですが、iOS 6 についてはわりと無造作に多数が設置されています。今年の WWDC で期待される発表のうち、すくなくとも iOS 6 は確実と思ってよさそうです。アップルの WWDC 2012 キーノートは現地サンフランシスコで11日月曜朝10時から、日本時間では翌12日火曜日の午前2時から開始予定です。

学習

 個人の喋り方や発音の癖を学習させるモードがあるといいかも知れない。標準的な文を画面に表示させそれを何種類か読ませることでキャリブレーションできれば発音のくせによる誤認識は減らすことができるはずだ。

 同音異義語や固有名詞については IM の辞書を使うくらいしかないか。誤変換した時点で修正することが出来ればいいが、どうやって指示をすればいいのか分からない。

 人名については、日本ではこれからどんどん変換が難しくなるだろう。キラキラネームへの対応は不可能だ。逆に、そんな名前を変換できるような辞書にしたら普通の文章を打つときに困る可能性が出てくる。

可能性

 かなり実用レベルに近づいたと思う。しかし、実際に自分が音声入力をメインの入力方法にはしない。音声入力を使わない理由は認識率の低さによるものではないからだ。だから、今後記号やスペースなどの入力が改善されたとしても限られた用途でしか使わないだろう。なぜなら、音声入力の問題は使う場所を選ぶからだ。自宅に一人でいるときにはいいかもしれないが、移動中の電車でメールを書くときに音声入力は出来ないだろうし、日本のような大部屋で机を並べて仕事をしているような環境でも使えない。

 しかし、この技術はキーボードを扱えない人にとっては福音だ。目の不自由な人にとっても点字タイプライターで入力するより読みソフトと音声認識が充実することでテキストの入出力が従来より効率よりできることが期待できる。

 タッチ入力のキーボードを置き換えるのではなく、音声認識が活かされる使い方を考えていくことが重要だろう。

iPad ソフトウェアキーボードの快適さの正体

 下の写真は全て大きなイメージとリンクしているので拡大表示して見て欲しい。これが iPad のソフトキーボードの使いやすさの正体だ。もちろん、物理的な大きさの違いもある。が、それだけではない。

 スプリットキーボードで表示されていないキー入力ができるということは話題になった(これ知ってた?iPad分割キーボードの隠れたキー)。そして、予測変換のロジックを使って文字の判定エリアを動的に変えていたり、タッチされた位置の判定を実際にタッチされたところではなく扱っていることも特許の取得で明らかになった(タッチスクリーンにとってタッチの反応は命:iPhone/iPadに込められた「見えないデザイン」)。

 これはその延長上の現象かもしれないが、これらの UI の工夫が iPad の UX に大きく貢献していると思われる。

 指がAキーにかかっていないことが分かる。しかし、アプリにはAが入力されたとしてイベントが通知される。厳密にはミスタイプだが、このアシストのお陰で気づくことなく入力が続けられる。

 日本語のローマ字入力では子音と母音をセットにして打つことが多い。A段の音が他の段より多いかどうかは素人の自分には分からないが、少なくとも子音よりは多いことは経験的に分かる。また、Aは左手小指という右利きの人間にとって打ちやすい配置ではない。だから、このように誤差を許容することによる効果が大きい。

 物理キーボードではAはホームポジションのキーで、Aを打ちにくいとは感じないだろう。左手小指が担当するキーは Z と Q という滅多に使わないキーだから、ホームポジションに手を置いていれば母音の中では一番打ちやすいから。(tab、shift、fn などを押すこともあるが、これらは直接文字を入力するのとは違うので、一瞬手を止めてもストレスにならない。)

 ソフトウェアキーボードの場合は事情は全く異なる。指をキーの上に置いておけない。触れるだけで入力とみなされる。ソフトキーボードを使い慣れていないとこれに戸惑う。普段はキーの上に指を置いてキーを押すという習慣が付いているためについつい小指や薬指が接触してしまう(人間の手の構造からいって中指から小指が接地するのが自然だから)。手をキーボードの上に浮かせて保持しているとキーの場所が分かっていてもずれが生じる。これがソフトキーボードの使いにくさの原因だ。

 ソフトキーボードの使いにくさの原因とそれを改善するための方法を考えぬいたのが iOS のソフトキーボードだ。



 この写真では分かりにくいが、指はAキーにはかかっていない。むしろ接触点はZキーの端にかかっているくらいだ。それでもAが押されたことになっている。

 しかし、入力をしている人間の感覚からはこの位置に指があればAが反応して欲しいと思う。実際にタッチされた場所と画面上のGUIボタンの位置とがずれていることが前提になっているのだ。そして、そのずれの感覚を徹底的にチューニングした結果が今の iOS のタッチオペレーションの正体だ。センサーの性能やプロセッサのクロック周波数ではないのだ。これを見落としていては、何時まで経っても iPad を超える UX を提供する端末を作ることは不可能だ。

 日本のタブレット端末メーカーはこういった UI に関しては全てGoogleにおんぶにだっこで、ワンセグチューナーとか赤外線を搭載して差別化することに腐心しているからダメなのだ。


 キーとキーの間にどちらにも反応しない場所が存在する。画面上のボタンとの整合性という意味で間違ってはいない。接触している点(正確には面の中心部)が画面上のボタンの隙間になっているのだから。

 しかし、キー入力しているときに(入力フィールドにポインタがあってキーボードUIが起動してタッチされている状態が継続している場合)画面がタッチされたら、それはユーザが何らかのメッセージを端末に送っているということだ。文脈から考えれば当然にキーが押されたと判断すべきだ。物理キーボードにはそれが出来ないがソフトキーボードならそれができる。このような微妙な位置のときにAとするかZとするかはOSの判断だが(Apple なら間違い無く A とするところだが)、どちらかの入力があったとすべきだ。

iPad vs XOOM(Android ICS) ソフトキーボード対決

Honeycomb の時にはアプリのレスポンスが悪く日本語入力を行う気になれなかった。iPad と比較するということがナンセンスに思えるほどの差があった。ICS へのアップデート後はレスポンスが改善されたので、改めて iPad (early 2012) の日本語入力環境と比較してみた。

 Android はiOS と異なり IM を任意のものに変えられる(iOS の ATOK はアプリで IM ではない)。Android には標準の日本語入力はなく、ベンダーが既存の IM ソフトや自社開発の日本語入力環境をインストールして販売している。XOOM には iWnn がインストールされていた。将来的には Google 日本語入力がシステム標準に組み込まれるのかもしれないが、現時点ではタブレットには正式対応しておらず(XOOM では動作しているが)キーボードでは使いものにならない。また、OS の制約か変換エンジンとキーボードはセットになっている(ATOK の変換エンジンを iWnn のキーボードで使うということは出来ない)。

縦横比による差

 これがかなり大きいと思う。iPad は対辺が9インチとXOOMの10インチと比較すると短いが、縦横比が異なるので横置きして使う場合に上下が XOOM より広い。このため、iPad のキーボードは上下長が Apple のPC用キーボードや Macbook のキーボードと1cm程度しか違わない。

 左右のキーピッチが大差のないキーボードレイアウトを比較してもiPadのほうが圧倒的にタイプミスが少ないのは上下長の差が大きいと思われる。

iPad(2012)

iPad のキーボードは安定のいい場所で使う分にはそれほどストレスが少ない。安物の物理キーボードより快適だ。キーのピッチが最も広くキーも大きい。

Apple の特許に、キーの判定範囲を次に入力されるであろう文字のキーによって動的に変化させるというものがある。予測変換で上位に上がる単語の次の文字のキーの判定を画面上に描かれているものよりも広くするのだ。このアシストにより、指が画面上のキーを正確に押せていなくても正しく押したように入力できるようになる。日本語でこれが使われているかどうか分からないが、ストレスが少ない。(iPad ソフトウェアキーボードの快適さの正体に書いたのでそちらもどうぞ)

 数字キーや記号入力のためにモードを切り替えなければならないのが手間だが、それらのために文字のキーを小さくするのでは本末転倒だろう。

 不満点としては、カーソル移動のための矢印キーがないことが挙げられる。物理キーボードだとshift+矢印キーで文字列選択ができる。長い文章を推敲するときには必須の機能といっていい。この度にスクリーンに手を伸ばさなければならないのは不便で無駄だ。

 iCloud を活用して Mac OS X のことえりと iOS の日本語変換辞書を同期できるようにして欲しい。PCで一括入力した辞書データを共用できればモバイルデバイスでメニューの奥深くにある辞書登録を行う必要がなくなる。

Android キーボード

 Android OS 4.0.3(ICS) 搭載のキーボード。半角英数字にしか使えないので使用する機会は(自分には)ほとんどない。ここでは、標準的なキーボードの使い心地を検証するためにテストした。

 キーピッチは iPad とほぼ同じくらいだが、上下は狭い。

 キーボードレイアウトはシンプルで分かりやすい、iPad に似た構成で矢印キーはない。iOS のソフトキーボードに矢印キーがないのはタッチオペレーションでやるべきという Apple の拘りによるのかと考えていたが、アメリカ人には矢印キーの重要性は低いのかもしれない。

 英語の先読み変換がついているので、英語で文章を書く機会がある人にはいいかもしれない。

Android iWnn IME

 XOOM に標準で搭載されていた日本語変換・キーボードアプリ。iWnn の成果をオムロンが Android に移植したもの。個人的には、XOOM 上では一番使いやすい。

 キーの配列は Android のキーボードとほぼ同等。矢印キーもある。が、上下も同等で入力効率は高くないが、Android ソフトキーボードの中では一番打ちやすいと感じる。

Android 日本語フルキーボード For Tablet

 JiS配列キーボードをソフトウェアで再現したキーボード。JIS配列でなければ困るといった人には有効かもしれない。

 反面、多くのキーを配列するためにキーの大きさがかなり小さい。特に、只でさえ狭い上下方向が数字キーと変換候補表示にとられて狭くなっている。さらにJIS配列により横にキーが多くピッチが狭い。物理キーボードならこの大きさでも手触りでなんとかできるが、ソフトウェアでは難しい。キーが小さいことによるミスの多発が PC 用キーボードと同じ配列というメリットを上回ってしまったので使っていない。

 特記事項として、Honeycombで使用した場合に非常にレスポンス良かったことを挙げておきたい。ICS アップデート後はシステムのレスポンス改善により他のキーボードの動きが速くなったので差は感じなくなった

 複数の文節を確定せずに入力すると途中で変換候補が表示されなくなる。変換キーを押せば十分なヒット率で変換してくれるが、文字入力の際に複数文節を入力してから変換キーを押す習慣を持っていると違和感がある。おそらく、変換時の負荷を減らすための策だろうが、ICS をデュアルコア以上のプロセッサで使う際には不要な配慮かもしれない。

(番外)Android Google 日本語入力Beta

 公式にはタブレットに対応していないが、XOOM では動いたので参考のみ。ちなみに、Honeycomb でも ICS でも動いた。

 PCでは windows も Mac でもGoogle 日本語入力にし辞書データも統合して使っている。辞書を google drive で同期できるようになれば更に便利になるだろう。

 タブレットによる使用を考慮していないのでキーの配列がちょっとあり得ないことになっている。エンジンの優秀さはすでに証明済なのでタブレット版に最適化したバージョンの開発を待ちたい。Google が考えるタブレット用ソフトキーボードを見せて欲しい。

トータル UX

 キーボードや IM とは違うが、入力環境という意味でここに書く。

 このブログは WordPress という CMS を使っていて、PCではブラウザで編集するが、iOS と Android 用のアプリもある。それぞれのバージョンによって若干仕様が異なっている。機能的には Android 版がリードしているが、入力画面の構成の違いにより、iPad の方がはるかに入力しやすい。只でさえ左右が広い XOOM の画面いっぱいに入力フィールドが広がるので左右の文字数が多すぎて入力しづらい。

 こういった、iOS アプリの UI の良さとiPadの入力環境の全てがあって Android と iPad の UX の大きな差になるのだ。これは、個々の能力やプロセッサのクロック周波数では比較でない(Android 同士では有効だが)。日経ナントカとか週刊なんとか ナントカメディアの編集者はこれに目をぶつっている。

Logicool wireless trackball M570 #2 無線(電池)、形状

ワイヤレスの快感

 このトラックボール(Logicool Wireless trackball M570)のメリットの一つはワイヤレスだ。付属の unifying レシーバーをPCのUSBポートに挿して使う。Windows 7 では OS に付属のドライバが自動的にインストールされて使用が可能になった。unifying というのは、Logicool の無線デバイスで統一的に使用できるという意味で unify らしい。Logicool はキーボードやマウス、テンキーパッドなども作っているので統一して使えば使用する USB ポートが一つだけで済む。

 ただ、標準的な Bluetooth を採用していれば USB ポートなど一つも使う必要がないので、iMac(にかかわらず本体に Bluetooth を持っているデバイスの) ユーザにとっては残念な仕様といえる。Bluetooth が全てのPCに標準では搭載されていない中で、周辺機器メーカーとしては苦肉の策としてこの方法を編み出したのだろう。

 動かす必要のないトラックボールで無線化がそれほど効果的とは思えないかもしれないが、自分の場合には効果は絶大だった。社給PCは着脱式バッテリーを後部に配置しているために、USBポートは右1、左2という配置だ。これまで、は右のポートにマウスを挿していたが、余ったケーブルが干渉して面倒だった。さらに、テンキーを使おうとすると自体は悪化し、テンキーにマウスのケーブルがかかってテンキーもマウスも使いにくいという面倒な事になっていた。これらの多くはUSBポートが後面にある機種では余り問題にはならない可能性は高いので、マウスのケーブルが邪魔になっていない人は当機の無線接続はそれほど効果を感じないかもしれない。

 無線化で不安になるのは電池の管理だが、5営業日(

 一日10時間程度)の使用で「546日もつ」と表示された。実際にこれほど持つかどうかは分からない。電池の残量が減ってくると第 5 ボタンの手前にあるLEDが点灯する(らしい)。Setpoint をインストールすればPCの通知エリアにも表示される。大きな本体だし本体を動かす必要のないトラックボールなのだから単二か単三2本でも良かったのではないだろうか。

 電源スイッチは付いているが、スリープするので余り意識すること無く入れっぱなしにしている。スリープ解除の反応はよくタイムラグはほとんど感じない。

デザイン

 複雑な3次元曲面によって構成されたエルゴノミックデザインだ。一時期流行してもてはやされたルイジ・コラーニの工業デザインやバットマンカーを思い起こさせる。プラスチックの表面は梨地のような仕上で光沢感がある。そして、艶のあるメタリックな青いボールがアクセントとなっている。少し残念なのは4,5番ボタンでこれだけが普通のツルッとしたプラスチックの質感そのままだ。

 このデザインはアメリカ人男性の平均的な手の大きさに合わせて作ってあるので、自分(身長165cm)には大きすぎる。苦痛ではないが、ボタンとスクロールホイールが少し遠い。このあたりは、身体的特徴に最適化すればするほど、前提とした身体的特徴に一致しない場合に不便になるというエルゴノミック・デザインの弱点だろう。

 このトラックボールは左手で使うことは実質不可能だ。これは、究極の非エルゴノミックデザインとも言える magic mouse がどちらの手でも全く同じように使用できるのと対照的で面白い。

スクロールホイール

 残念なことに、スクロールホイールの使用感は悪い。というか、コリコリというクリック感がある一般的なマウスと同じだ。チルトがないのについては前に書いたとおり一番のガッカリポイントだが、このホイールの操作感も自分には残念ポイントだ。

 何のメリットがあってこのような抵抗を設けているのか分からない。

 同様に、スクロールホイールをボタンとして使用する際の抵抗ももっと弱いほうがいい。こちらは、スクロール時の誤動作とのバランスである程度のコシが必要なので弱ければいいというものではないが、もう少し弱くてもいいのではと思う。

Logicool wireless trackball M570 #1 

社給PC と同時に TOSHIBA の有線マウスが配給された。小ぶりなマウスで横スクロール機能も付いていて単体としては嫌いではないが、社給PC のUSBポートの配置が微妙(左右にしか無い)で線がじゃまになって困っていた。

 うっとうしいので、Logicool のトラックボールLOGICOOL ワイヤレストラックボール Unifying対応超小型レシーバー採用 M570を自腹で買ってみた。実はトラックボールとは知らず、トラックボール型スクロールホイールのついたマウスだと思って買ったのだった。思ったものとは違ったが、事務屋のマウスの代わりにはなるのではないかと、会社に運びセットアップ。インストールはUSBにレシーバーを挿すだけで良かった。しかし、有効活用するためのソフトウエアのインストールができない。インターネットにつながったPCでインストーラーがダウンロードできている環境なのに「インターネットの接続が見つからない」というメッセージが出てしまう。アップデータを置いたサーバの設定が変わっているのにアプリの設定がそのままなのか、プロキシ経由のネットアクセスに対応していないのか・・・公式サポートページ

 サポートソフト(SetPoint 6.32)がないとポインタ操作のみをトラックボールにした4ボタン+ホイールマウスで取り立てて機能はない。4番と5番は戻る・進むに割り当てられていて変更できない。一番残念なのはスクロールホイールが横スクロールに対応していないことだった。エクセルを使うときに愛用していたので、これがないのは苦痛。ソフトをインストール出来ればオプションのボタンを横スクロール動作に割り当てられると思うんだが・・・

 トラックボールの操作は案外快適でクローズボックスとかウィンドウ幅の調整といった細かいポイントとボタン操作を同時に行わなければいけない時以外には従来のマウスより楽だ。惰性で飛ばせるのも光学マウスでは難しい技だ。

 スクロールホイールが横スクロールに対応していればそれなりに使えるが、横スクロールがないのはちょっと辛い・・・

追記
ロジクールのサポートに質問を送ったら、フルバージョンへのリンクを教えてくれた。これならオフラインでもインストールできる。何でこのリンクをサイトにあげておかないんだろうという疑問は残るが、結果オーライ。このインストーラーは正常に動きコントロールパネルのマウスに設定用のタブが追加された。

 SetPoint 6.32をインストールすると、通常の2ボタン+スクロールホイールマウスと同じ設定項目の他に、4番目と5番目のボタン(写真でボールの右に見える小さなボタン)の設定変更が可能になる。そして、特定のソフトについて、そのソフトだけのローカルな動作を定義できる。マウスの機種によっては、細かな設定が可能でExcelのメニューのうちの階層を下った所にある機能を一発で呼び出すことができるが、このトラックボールでは定義できない。できるのは予め用意された機能の呼び出しと特定のキーコンビネーションの設定だけだった。 

 そして一番欲しいExcelでの横スクロールの設定は無かった。左右矢印ボタンを割りつけるという設定があって期待したがリピートが効かないので、ボタンを連打しなければならない。これでは全く意味が無い。しかたなく、Excelでは、ページアップ・ダウンにオプションボタンを割り付けた。自分の好みではスクロールホイールによるスクロールはあまり好きではない。スクロールバーの矢印ボタンよりはマシだが(Appleのマウスはスクロールホイール採用が遅くて、この点ではwindowsのほうに軍配が上がった時期があった)、magic mouse や mighty mouse、iOS デバイスの慣性スクロールに慣れてしまうとゴリゴリとホイルーを回すのが苦痛でしか無くなった。なので、ページ単位で移動できるのは少し便利になった。

 その後、共通設定で、スクロールホイールのプッシュで Universal scroll という物を見つけた。Universal scroll モードに入るとマウスポインタの形が変わり MS office のウィンドウでスクロールホイールを押した時と似たような動作になる。マウスの時には移動量の調節が微妙すぎて面倒で使っていなかったあれだ。トラックボールでは、トラックボールの動きで全方向にスクロールできるような感じになり非常に快適だった。モード切替なしに常にそのような状態の magic mouse には及ばないが、大きな表のあちこちを見て回りたいようなときに、キーボードに手を戻すかマウスで何とかするか迷わなくても済みそうだ。モード切り替えが不便だが、Excelででかいシートを操作している時のスクロールにかかるペナルティは大きいから、十分取り戻せるだろう。

 少し使い込んだら詳細な使用感を書くつもり。

おまけ:
 SetPoint のインストーラーがうまく動かない場合には下記のリンク先を使うといい。どちらも日本語版。実行ファイルへのリンクなので、一度ローカルに保存してウィルススキャンしてから実行することをオススメします。

windows7 32bitバージョン
http://download01.logitech.com/web/ftp/pub/techsupport/mouse/setpoint632j.exe

windows7 64bitバージョン
http://download01.logitech.com/web/ftp/pub/techsupport/mouse/setpoint632j_x64.exe

スペ厨が土俵をUIに移すことを画策か? SAMSUNG GALAXY SIII

 最先端の要素技術をどこより早く投入することで優位を保ってきた SAMSUNG だが、次の要素が見当たらなくなってきたのか。これは、「新しいiPad」のネーミングのときに語られたも事と合致するのかもしれない。現在考えうる最高の要素技術を盛り込んだ端末はまだないが時間の問題だろう。

 4 コア、Retina 級高精細ディスプレイ、LTE、NFC の全部入り端末が 2012 年中か来年初旬には出揃うだろうが、それ以後に実用化されそうな要素技術は見当たらない。これ以上の精細化は意味が無いだろうし、コアの数も無意味だろう。iMac や MacBook Air がそうであるように外観や仕様はほとんど変わらず、CPUの世代に合わせた改良を重ねていくことになるのかもしれない。

 ただ、Android という OS を採用している以上できることは限られているだろう。OSがどんなUIを用意しようと実行されるアプリは Android アプリだからだ。今でも、統一感のない、また、フラグメントの弊害を受けた統一感のない使いにくい UI のアプリが並ぶのだから(iOS アプリ群が完璧かというと決してそうではない。試行錯誤しなければ操作が分からないアプリも多いが、少なくとも、ハードのフラグメントが発生していないので、Android よりはマシ)。

スペックでなく、「ヒューマン」な要素で勝負するサムスンGalaxy S III – TechCrunch

サムスンの新製品発表は「スペック(で語ること)の終焉」を目指すものだったのかもしれない。かわりに登場してきた指針は「ヒューマンタッチ」だった。Glaxy S IIIの発表会にて、最初の30分はたったひとつのことを除いてスペックについては何も語られなかった。唯一の例外は画面サイズ(4.8インチでこれは相当に大きい)についてのことだった。

スペックを語らずに何を語ったのか。主にサムスンが実現した「直感的デザイン」についてだった。テック系バズワードを避け、「nature」、「organic」などの言葉を数多く用いたプレゼンテーションだった。Galaxy S IIIは「真に人間向けのデザインを実現している」(really designed for humans)というようなことを繰り返し述べていた。

惜しい>ジャスト「ATOK Pad for iOS」

 残念ながら iOS の制限で本来の力を発揮できないままの ATOK だが、着々と改良を進めてきている。素晴らしい。多くのFEPがシステム標準のIMの無料の魅力に負けて消えていった中、唯一有料の日本語変換ソフトとして生き残っているだけのことはある。まあ、自分は VJE 派だったので、VJE が Mac OS X に対応しなくなったとき(もっと前やったかな)から有料のFEPを使うことは無くなったが。

 iPad のフローティングパレットのようなフリップ入力キーボードが素晴らしい。「大きな画面だから大きなキーボードにできて使いやすい」という安直な発想は前から批判してきたXOOM のキーボードでも iPhone のフリックキーボードより速くは打てないというのも身をもって知った。だからこそ、このフリックキーボードをパレットのようにしたことを高く評価する。

 ただし、iPad は縁の部分が広いので iPhone と同じ大きさや配置ではダメだ。同じ配列を流用したのは惜しい。片手でデバイスを持って操作するということはありえないんだから、モディファイアキーやモードキーを文字入力キーと逆の端に置けるようにしたらと思うがどうだろう。

 ジャストシステムは2月3日、同社製iOS対応メモアプリ「ATOK Pad for iPhone」をiPadに対応、名称を「ATOK Pad for iOS」と変更し公開を開始した。価格は1200円(税込み)で、従来ユーザーは無償でアップデート可能となっている。

今回のバージョンでは新たにiPadの画面サイズに最適化したユーザーインタフェースを搭載。テンキーボードもiPad向けに最適化されており、任意の位置にフロート配置することが可能となった。そのほかの新機能として、メモごとにタグ付け/管理が可能となったほか、iOS5で標準搭載された「辞書引き機能」をATOK側から呼び出すことができる。対応OSはiOS5。

引用元: ジャスト、iPad対応のメモアプリ「ATOK Pad for iOS」を公開 – ITmedia +D PC USER