Zaurus MI610 から prism に乗り換えて重宝した。Zaurus にはない自由さとアプリケーションを入れられる楽しさに夢中になった。実用的にもよく考えられていて、アプリの起動に関して、iOS 端末は Palm OS機の足元にも及ばない不便さだ。
問題はジェフ・ホーキンスが復帰するのかどうかだ。ジェフ・ホーキンスがいない Palm Inc. は Palm であって Palm ではない。富士自転車 が Fuji cycle と、IBM Thinkpad が Lenovo Thinkpad でないのと同様だ。
日本の一般マスコミではスマートフォンといえば iPhone が最初という扱いだが、スマートフォンはそれ以前からあった。PDA に電話回線通信機能を組み込んだ端末というなら visor treo こそが初代スマートフォンだろう。このへんは議論のあるところかもしれないが、Blackberry はポケベル端末の進化形であって palm のような小さな回線付きコンピュータ端末ではなかった(その後スマートフォンの標準となったが)。
アメリカで新型の palm が発表になるたびに、「日本での発売はない」という報道にがっかりしたのは10年くらい前だ。CDMA 対応の treo が出た時は au に期待を抱いたが、docomo はもちろん au も vodafon もガラケーばっかりだして、デジタルヲタクの声に耳を貸さなかったのだった。
(その後、ソフトバンクが iPhone を扱い始めた時に、au や docomo の社長は「日本市場には日本人に合った携帯電話があって、アメリカで受けてるからといって、日本で受け入れられない」と言っていた。)
青天の霹靂…あのPalmが会社として復活
まさか2015年に復活を遂げてくるとは!PDAという言葉の全盛期を駆け抜けたのはPalmだったのではないでしょうか……。そして、そのままスマートフォン市場でも覇権を握るはずが、まさかの大没落で身売りして姿を消していった、あのPalmが、なななんと「2015 International CES」で沸く米国ラスヴェガスにおいて、新しい米国企業のPalm Inc.として再出発を切ることが急きょ発表されましたよ。
Palmのブランドは、歴史を通じて、常に「イノヴェーション」の同義語となってきた。一貫してモバイルテクノロジーのパイオニアの役割を担ってきたのだ。そしていま、このパイオニア精神を復活させる時が来た。
そんな心ときめくアナウンスとともに復活してきた新生Palm Inc.は、実は中国企業のTCL Communicationの子会社に位置づけられ、カリフォルニアのシリコンバレーに本拠を置きます。まずは業界史上最大規模のクラウドソーシング・プロジェクトを立ち上げることがファーストステージの目標に掲げられており、スマートフォン業界では「Alcatel OneTouch」ブランドの製品を送り出すTCL Communication傘下で、大規模なPalmコミュニティからのフィードバックを活かしつつ、革新的な新発表を行なう方針などが打ち出されていますよ。
いまだ具体的なヴィジョンは明らかにされておらず、Palm Inc.の手がける新製品やサービスの形が見えないため、現時点では、これがどれほど真の意味でのPalmの復活へとつながるのかは、なにも定かではありません。でも、もしや「Palm Pre 3s」のようなスマートフォンが、数年のブランクを経てPalmブランドでよみがえってくることになったら、意外とスマホ業界に一石を投じる大発表となったりするのかも。
あっ、ただし、Palmの実質的な技術的資産となる「webOS」などは、すでに他企業の手に握られているので、今回の復活はブランドイメージの分野に限定される可能性も否定できず、完全なるPalmの復活までは望めないのが残念なところですけどね。