間抜けなユーザーインターフェース

exeditor00 証券関係はネット対応に積極的だ。しかし、技術を取り入れることにイッパイイッパイで、ユーザービリティといった視点をこれっポッチも持っていないところばかりだ。前には、大阪証券取引所の提出用エクセルフォームのひどさについて書いたが、今回は宝印刷。書籍の印刷としてはあまり有名ではないし、書店に行ってもあまり並んではいないだろうが、大きな会社だ。特に、証券界での存在感は大きい(らしい)。

exeditor01 ここでは、有価証券報告書という上場企業が財務局に提出する法的書類の印刷及びサポートサービスを行っている。従来は、原稿を納入して印刷会社で入力していた。次は、パソコンのファイルを入稿するよゆになり、2年ほど前からはウェブアプリケーションを使って印刷会社のデータを直接編集するようになった。

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 これには、ブラウザではなく専用のwindowsアプリをダウンロードして使う。安全性から考えて無理のないアプローチだと思う。しかし、このソフトのインターフェースが独特で戸惑う。

 (1)がログイン画面。「Login」ボタンを押すと基本画面(2)。ここで、Exeditorというボタンを押すと編集可能な文書の一覧が表示される(3)。編集する文書の右の編集ボタンを押すと編集モードになり文書が表示される。流れ自体は自然な流れだ。

exeditor03 問題は終了時。編集画面(4)で「保存」ボタンを押すのは分かる。しかし、終了やLogoutを意味するパーツ・メニュー・テキストはどこにも存在しない。右上の「×」マークも「ファイルメニュー」の「アプリケーションを終了する」というアイテムもグレイアウトされていて機能しない。ここで押さなければならないのは、左上にある「Exeditor」というロゴ。このロゴを押すと(3)の文書一覧に戻る。

 文書一覧で、「ポータルに戻る」というボタンを押すと(2)の基本画面に戻る。ここでやっとファイルメニューの「アプリケーションを終了する」というアイテムがアクティブになり終了することができる(右上の「×」ボタンは相変わらずグレイのままだが)。logoutボタンを押すと(1)のログイン画面に戻る。ログイン画面でもメニューから終了することができる。

 なんか、おかしい。ボタンオペレーションなのかメニューオペレーションなのか統一性が全く無い。しかも、何のサジェスチョンもないから、紙のマニュアルなしに操作を憶えるのは困難だ。使うのが企業の担当者であり定期的に使うものなので、何回かやるうちにマスターしてしまうだろう。そして、そういう難解なユーザーインターフェースのソフトを使いこなすのが担当者のスキルであるかのような勘違いする風土がある。実際には、そんなことを憶えるのは時間の無駄でしかないことに気付かないアホな経営者や管理者が日本の企業には多い(というより、大半?)。

 多分、これを作っている会社もそれに近い体質なんだろう。

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