Evasi0n がやった! iOS 7 の Jailbreak 達成!

注意! iOS 7 を Jailbreak してもあまり JB ソフトが対応していないので特に便利なことは、現時点では、ありません。良く情報収集してから望んでください。全て自己責任で望んでください。ここより詳細なページが多数ありますのでそちらを参考になさってください。

2013-12-23_evasi0n Evasi0n がついにやった。

朝、iPad 3 iOS 7 7.0.4 を Jailbreak してみた。

  1. 起動時のパスワードを解除
  2. iPad 3 を USB ケーブルでつないで iTunes でバックアップ
  3. Evasi0n を実行:「製造元が確認できないので実行できない」といったダイアログが出て起動できない。コマンドキーを押しながら起動したら、確認ダイアログが出て実行できた。
  4. Jailbreak ボタンを押して待つ
  5. 「eved3rs アプリをタップしろ」というメッセージが表示されたら、アイコンができているのでタップ
  6. 再起動するまで待つ
  7. Cydiaがインストールされている

メンテナンスモードに入れる必要もない。先日見たブラウザでアクセスするだけ(この方法も以前にはあった)というほどではないが、簡単だった。iPhone 4S iOS 6.1.1 を Jailbreak したときと一緒。

しかし、iPhone 4S で便利な JB アプリは未だ iOS 7 に対応していないものが多いので iPhone 4S を iOS 7 にすることはできない。Tether me が動かないのが致命的。後、SBSetting も大きい。SBSetting で実現されていた機能の多くは iOS 7 に取り込まれたが、ローンチャやバックグランドアプリを落としたりといった機能は純正には期待できない。

これまで iOS 7 の Jailbreak ができていなかったので、開発者も手の出しようが無かったが、Jailbreak 成功によってビジネスチャンスが広がった。これで、JB アプリ開発に加速がつくだろう。というかついてほしい。とりえあえず、時々アプリを確認して TetherMe の iOS 7 対応を待って iPhone 4S を iOS 7 にアップデートしよう。

OS のメジャーアップデートはいつでも悩ましい・・・

 自分の iPhone 4S は iOS 6.1.1 だ。特に困ってはないが、アプリの中には最新のアップデートが適用されないものが現れた。App Store の更新バッジがあったのに対象外でガッカリということにも遭遇するようになった(今は iOS 7 専用のアップデートは表示されなくなっているが)。新しいバージョンのアプリを使いたいなら iOS 7 にするしかなくなる日は近いのだろう。PC市場が20年近くかかってやったことを数年でトレースしているモバイル OS だから現在の環境にとどまることは無理なのだろう。

 iOS のバージョンアップでこの手法が不可能になる前にやっておきたいのだが。3GS を使っていた時に何も考えずにアップデートしていたら Jailbreak できないバージョンになっていて泣いた記憶が蘇るから(その後 Evesi0n の登場で可能になった)。

 しかし、Jailbreak 環境の移行が面倒で手を付けていない。JB アプリが iOS 7 に対応しているかどうかも気になる。iOS 7 にバージョンアップして JB できたが今の環境に戻せないのなら無意味だから。一度 iPad 3(iOS 7 インストール済み)で試してみるか・・

Appleの要請: 2014年2月1日以降提出のアプリはすべてiOS 7対応とすべし | TechCrunch Japan
Appleのデベロッパポータル上の最新記事によると、2014年の2月1日以降提出されるiOSアプリはすべて、iOS 7対応でなければならない。新作アプリだけでなく、既存アプリのアップデートも然りである。で、そのためにはデベロッパは、64ビットのサポートやプロセスをバックグラウンド化するAPIのある最新バージョンのXcode 5を使用しなければならない。
続きを読む OS のメジャーアップデートはいつでも悩ましい・・・

マジか!? Untethered Jailbreak iOS 7.0.4 / 7.0.3

2013/12/20 iPad 3 iOS7 で試しましたがうまく行きませんでしたのでリンクを切っておきます。

半分諦めてあまり注目していなかった(Facebook でフォローしていたが、そもそも Facebook をほとんど開かない)が、いつの間にか完成していたらしい。しかも、iOS デバイスから実行するだけで Cydia がインストールできるという恐ろしいものだ。この方法は以前に開発されたが iOS のバージョンアップで使えなくなっていたものだ。

自分の iPhone 4S iOS 6.1.1(JB) は Evasi0n というソフトを iMac にダウンロードし、iPhone を USB ケーブルでつないで Evasi0n を実行しなければならなかったが、それすら要らないのだ。

20131219_JB

Jailbreak iOS 7.0.4 / 7.0.3 Untethered for iPhone 5s/5c/5/4s/4, iPad mini 5/4/3/2/mini, and iPod Touch 5/4/3

This iOS 7 jailbreak is by far the greatest jailbreak in jailbreaking history. Why? Because we found a bootrom exploit in all iDevices running iOS 7. This means no matter what version of iOS 7 you are running (7.0 – 7.0.2) you will be able to jailbreak untethered. The best part is that there is no software to download. You can install Cydia directly from your iDevice. Watch our video for further instructions or go to www.7jailbreak.com on your iDevice.

iPhone 5cも好調(予想通り)

iPhone5c Mixpanel の調査がどれだけ現実を表しているかは未だ分からないが、「意外と人気がないiPhone 5c, Appleは年末商戦に向けて減産を決定」に指摘したことが進行しているようにみえる。その時にマスコミは Apple の危機のように書き立てていたが。

 繰り返しになるが、iPhone 5c が売れ始めたのは iPhone 5 の流通在庫がはけたからだろう。iPhone 5 と iPhone 5c の合計販売数量はあまり変わっていないのではないだろうか。それで構わないのが今回の商品戦略だろう。iPhone 5s の引きが予想以上に強かったので 5c の生産ラインを 5s にシフトするというミスはあったが、経営的にはプラスだ。iPhone 5s が不調で 5c が大人気ということのほうがはるかに怖い。最も、一番怖いのは 5s も 5c も不調で在庫が山積みという状態だが、今のところそのような話は聞かない。

 iOS デバイスほどの大量の生産を行っている場合に不人気だったら恐ろしいことになる。それは Microsoft が Surface RT で示したとおりだ。iOS デバイスはさらに一桁上の生産を行う。これが世界中で不良在庫になったら Apple の業績も吹っ飛びかねない。これは Apple の潜在的リスクだ。

 そして、このリスクは現在スマートフォンで儲けているメーカーに共通だ。高精細モニタやクアッドコアプロセッサ、高画質カメラ、LTEといった要素技術がほぼ出揃って、次のステップが見えてこない。そして、端末の完成度が上がることで買い替えのサイクルが伸びるだろう。非スマートフォンからスマートフォンへの買い替え需要もそろそろ一巡する。そうなった時に販売数の伸びは必ず頭打ちになる。その時を正確に見積もれない企業は、たとえ Apple でも大きなダメージを受けるだろう。

 それが2年後か5年後か・・・ひょっとしたらもう始まっているのか・・・ウォッチャーとしては見逃したくない。

iPhone 5s、普及率10%を越える。5cも好調 | TechCrunch Japan
iPhone 5sの売上げは実に好調で、iPhone全モデルの利用時間の10%を越えた。モバイル分析会社のMixpanelによる。これは著しい数字であり、消費者はiPhone 5sを、iPhone 5の2~3倍のペースで導入している計算になる。そしてiPhone 5cは、未だにiPhone 5sの後塵を拝しているが、多くの人々が思っているよりも実際には好調だ。
続きを読む iPhone 5cも好調(予想通り)

2012年記事を振り返る:iPhone販売 最新機が9割から7割に減少

 この記事については昨年も突っ込んでいた。影響は?>iPhone販売:最新機が9割から7割に減少。この時は旧機種が安いからといって利益率が悪化するかどうかはわからないという指摘をしていた。その後の報道でも特にこの傾向による iPhone 事業の利益率の低下は大きな問題にはならなかったと記憶しているので、旧機種を売り続けることとそれによって低価格志向な市場で利益を上げるという戦略は間違いではないと Apple が判断していることが伺われる。つまり、この記事はただの杞憂に終わったということだ。また、このことは今年 iPhone 5c を発売したことからも分かる。古いパーツを使えば安く売っても利益は出せるということだ。(未だに iPad 2 が販売されていることでも分かる。)

 今、この記事を読むとまた別の味わいがある。去年は単価の安い端末の販売割合が増えることを悪いこととしていたのに、今年は iPhone 5c(新機種だが事実上は iPhone 5 の継続販売版だ)の売れ行きが悪いことが Apple の落日のように扱われている。どっちはねんwww

 昨年も書いたことだが、iPhone の完成度は上がっている。日本では docomo という未開拓地が残っていたおかげで販売台数は当分減らないだろうが、必ず平衡状態になる。そして、製品の完成度が上がれば買い替えのサイクルは長くなる。Apple の敵は Apple 自身でもある。これが一番のリスクだ。

iPhone販売:最新機が9割から7割に減少 « WIRED.jp
iPhoneは間違いなく、市場で最も売れているスマートフォンのひとつだが、「iPhone 5」は過去のフラグシップ機ほど、iPhone全体の販売に占める割合が高くない。

Consumer Intelligence Research Partners(CIRP)の報告によると、iPhone 5は発売直後の1カ月、iPhoneの販売総数の68%しか占めなかった(iPhone 5の発売後1カ月に、米国のアップル製品購入者500人に対して行った調査)。アップルが販売する携帯電話全体の過半数を占めてはいるものの、「iPhone 4S」発売後最初の1カ月の90%という数字には程遠い。

ただしこれは、最新のiPhoneの売れ行きが悪いという話ではない。より価格が安いiPhoneの売れ行きがよいということだ。

「これまでiPhoneが買えなかった人々が、5でなく4や4Sを買っており、トータルでのiPhone売り上げが拡大していることを意味する」と、Forrester社のアナリスト、チャールズ・ゴルヴィンはWIREDに語った。
続きを読む 2012年記事を振り返る:iPhone販売 最新機が9割から7割に減少

iPhone 5c の敵は iPhone 5。5s ではない。

ほぼ予想通りの内容だ。

 が、ひとつ見落としている点がある。旧モデル需要だ。こまでも iPhone シリーズはモデルチェンジをしても旧モデルが売れ続けた。そして、それが Apple の利益率の高さを支えていたと思われる。ところが、iPhone 5 の生産は困難らしく生産ラインが枯れても製造コストが下がらない。それを受けて iPhone 5 の要素技術をそのままに金のかかるボディをポリカーボネートにした 5c で需要を引き継ぐようにしたことだ。

 iPhone 5c は新製品ではなく iPhone 5 の継続販売なのだ。日本以外において未だに iPad 2 が売られて売れているのと同じように iPhone 5 の需要を iPhone 5c が引き継げば十分なのだ(ホントのことは Apple でないと分からないだろうが)。

 この記事が不十分なのは、5 や 4S の価格と 5c とを比較していないことだ。5 の価格と供給関係こそが 5c の需要に影響する。iPhone 5 が iPhone 5c より安く十分に供給されていれば iPhone 5c は売れないに違いない。5c が 5 より安くなるか 5 の供給が絶たれるまでは 5c の需要は盛り上がらないに違いない。

不人気のiPhone 5cを買い始めた中国の労働者たち
山田 泰司=EMSOne
 当コラムでは2回前の「iPhone 5cに圧勝した『土豪ゴールド』」で、中国でも廉価版として米Apple社が出したスマートフォン「iPhone 5c」(以下、同5c)の販売が低迷しているようだということを書いた。その後も、中国や台湾では同5cの不調を伝える情報が相次いでいる。

 中でも注目されたのは、EMS(電子機器受託生産)世界最大手の台湾Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn(フォックスコン)〕が、同5cの生産を打ち切り、Apple社が同5cと同時に発売を始め品薄状態が続いている旗艦モデル「iPhone 5s」(以下、同5s)の生産に注力するというものだ。
続きを読む iPhone 5c の敵は iPhone 5。5s ではない。

Flickr! で見るスマートフォンシェア

camera_phone Flickr! には撮影したカメラの統計がある。

 iPhone 5 が面白い動きをしている。5s と同時に増えているのだ。5s が販売された時に在庫整理で値下げされた iPhone 5 が一気にシェアを増やしたのではないか。5s は一時的にジャンプアップが 4 や 4S を一気に追い抜くには至らなかった。供給が足りなかったために供給数量と比例して増えたのだろう。

 これは、iPhone 5c が期待ほど売れなかったことの説明にもなるだろう。5c を買うであろうと予想された需要が 5 に向かったのだろう。流通在庫が Apple が予想していたより多かったのかもしれない。5 の在庫は限りがあるので 5c へシフトしていくのは時間の問題だろう。

 それと、iPhone シリーズと Galaxy S III しか並んでいないことも興味深い。Galaxy S IV はまだこのランクに入るほどは売れていないようだ。LUMINA も experia も上位5位には入っていない。

SIMロックフリー版 iPhone 5s と iPhone 5c、アップルストアで販売開始。5sは7万1800円

 これには驚いた。3キャリアから発売されたのでキャリア選択において iPhone があるかどうかの意味がなくなったために可能になったのだろう。そういう契約をキャリアと結んでいたのかもしれない。

 ただし、これを買うとキャリアの割引プランが使えない。MVNOキャリアの回線を使うことで節約できる通信料と割引とのトレードオフになるが、現状ではキャリアの割引プランを使ったほうが2年間は安い。しかし、それに引き換えで自由を手にすることができる。スマートフォンの進化が頭打ちになりコモディティ化すれば買い替えの頻度は落ちる。2年を超えて使うならSIMロックフリー端末を使うデメリットは減る。

 また、SIMロックフリー端末は中古市場でも高価で売れる可能性が高い。なので、短期でSIMロックフリーを買い換えるという手も考えられる。8万円で買って1年落ちで5万円で売れれば次の購入は差額だけでいい。もし来年に iPhone 5s のSIMロックフリーが中古で5万円ならば買ってもいい。そうすればキャリアの縛りから開放される。

SIMロックフリー版 iPhone 5s と iPhone 5c、アップルストアで販売開始。5sは7万1800円〜(更新) – Engadget Japanese
直販サイト アップルストアにおいて、iPhone 5sやiPhone 5cのSIMロックフリー版の販売が始まりました。価格はiPhone 5s の16GBモデルで7万1800円、 iPhone 5c の16GBで6万800円。端末の詳細はこちら。

ソフトバンク、KDDI、NTTドコモの国内主要3社が販売中のiPhone 最新モデルですが、SIMロックフリー版が直販サイトで購入できるようになりました。各モデルSIM ロックフリー版の価格は以下の通り。
SIMロックフリー版価格
【iPhone 5s】
16GB / 7万1800円
32GB / 8万1800円
64GB / 9万1800円

【iPhone 5c】
16GB / 6万800円
32GB / 7万1800円

もうこれでいいんじゃ…最新Android 4.4のSIMロックフリースマホ「Moto G」が1万円台で発売へ動画 : ギズモード・ジャパン

 iPhone 5c が入り込もうとする市場を完全に焦土と化す作戰か。SIM ロックフリースマートフォンをコモディティ化してしまうつもりのようだ。これは日本のような市場より世界市場を狙った戦略商品だろう。

 この製品が対 iPhone と考えるのは浅い。Android を作る中国メーカーと真っ向勝負する気だ。しかも、それだけではない。これはキャリアに対する挑戦でもある。キャリアが端末を売るという販売モデルに対するアンチテーゼだ。キャリアへの土管化を促す引導と一定もいい。SIM ロックフリー端末と格安SIM(海外ではプリペイド)に IP 電話(skpe や 050 サービス)がこれからのスマートフォンの使い方かも知れない。Google と Apple が呉越同舟で同じ方向を目指しているのが興味深い。

 SIMロックフリー端末を売ることは Jailbreak(Android の場合は root 化) への対抗策にもなる。キャリアに代わって課金代行を収益源とする Apple と Google にとって iTunes や Google play を介さない取引は目の上のたんこぶだ。Google の場合はオープンを謳って iOS と対抗しているために制限を加える事は出来ない。そこで、root 化する必要のない SIM ロックフリー端末を安価に売ることで Google play の要件を満たさないような端末が蔓延するのを阻止したいのだろう。

 更に、ICS以降の矢継ぎ早なOSのアップデートもこの動きを裏書する。このアップデートに乗れない端末をふるい落とす意味があるのではないだろうか。kitkat を快適にドライブできるだけのハードウェアを持った SIM ロックフリー端末(Google play 対応)だけが残る状況を作り出そうとしているのではないか。

 自分の場合は iOS への投資(アプリの金額や操作に習熟したり環境構築するための時間)が累積しているので数万円の価格差があっても Android に移行することは難しいが、iPhone の SIM ロックフリー端末になら乗り換えるかもしれない。キャリアの割引がなくても月々の料金が安ければ差は少ない。現在は端末代込みで月額 6500 円程度だが、SIM カードが 4000 円くらいなら6万円程度の端末価格差は2年で取り返せる。それ以上の価格は、キャリアに縛られないことによる自由の代金と考えれば納得できそうだから。

もうこれでいいんじゃ…最新Android 4.4のSIMロックフリースマホ「Moto G」が1万円台で発売へ動画 : ギズモード・ジャパン

日本でもガンガンに売っちゃってください!

最強スペックな4G LTEスマホの時代ではありますけど、皆が皆、高速ながら高額なネットワークを必要としているわけではないですよね。そこそこ使えて、なおかつ最新のAndroid 4.4(KitKat)が搭載されてて、それでいて日本円にして1万円台のモデルなんてあったらどうでしょう?
続きを読む もうこれでいいんじゃ…最新Android 4.4のSIMロックフリースマホ「Moto G」が1万円台で発売へ動画 : ギズモード・ジャパン

意外と人気がないiPhone 5c, Appleは年末商戦に向けて減産を決定

5c5s 記事にもあるように、Apple の新製品発表を夜中に観て機種変更を待ったり、予約受付日や発売日にショップに並んだりするような人向けの製品ではないだろう。

 昨日観たように(携帯販売ランキング(9月30日~10月6日)ドコモのiPhone 5sが初の1位 | GEEK_XP)、iPhone 5s が発売された週に旧機種の iPhone 5 を買う人も多い。この層をiPhone 5c に切り替えるのが apple の目的だろう(iPhone 5 より iPhone 5c のほうが製造原価が安い)。日本のランキングを見る限りでは、iPhone 5 の流通在庫が残っていてこの層の需要をカバーしてしまったように見える。

 従来の新モデル発売時にはなかったパターンなので、需要予測と流通在庫の予想が外れた結果なのではないだろうか。コンピュータや iPod ではモデルチェンジ前には在庫を絞ったり流通価格を下げることが多かった。これが次期モデル発売の予兆だった。これは、新モデル発売時に大きく価値が下がってしまうであろう旧モデルの在庫を減らすことと、需要を全て新モデルにつぎ込んで売上を上げるための施策だ。そして、この 10 年近く Apple はこのオペレーションを上手くやり、Apple 製品の在庫期間は数週間にまで短縮され、利益に大きく貢献した。

 従来 iPhone は新モデルが出ても旧モデルが売れ続けるというコンピュータでは考えられない商材だった。数千万台も作った後の歩留まりが高く要素部品の価格も下がったモデルなので、在庫価格の低下があっても大きく利益を下げることはなかった。なので、流通在庫を絞り込むことなく新モデルの発表を行っても問題はなかった(卸価格の改訂や、出荷済製品に対する価格の調整は行っているとは思うが)。キャリアにとっても、価格志向の顧客に対して売れ続ける商品がバックヤードに残っていても困らなかったはずだ。なので、在庫を切らさずに済むだけの流通在庫を確保するよう発注していたはずだ(自分ならそうする)。しかも、Apple が新製品の発表や発売時期をギリギリまで教えてくれないならそうするしかない。

 ところが、今回は違う。iPhone 5 の生産効率が iPhone 4S 以前の機種ほど下がらなかったために iPhone 5c という新モデルを出さなければならなかったのだ(複数ソース)。iPhone 5 が売れ続ける旧機種からいきなり完全に過去のモデルになってしまった。キャリアが在庫処分に走るのは当然だ。これが、iPhone 5 がランク入りしたのと、iPhone 5c が期待ほどの売れ行きにならなかったことの原因だろう。

 ただ、チップの違う機種が出たら最新型のチップを迷わず選ぶようなヲタには想像するしかないが、これまで旧モデルを選んできた人たちにとって「最新モデルと同じデザインなのに安い」ということを重視している人がいるかもしれない。そういう人が今後 5s にするのか Android に流れるのかは分からない。こういう志向の人がどれくらいいるかを読み違えているとしたら iPhone 5c は失敗モデルということになるかもしれない。また、製造原価の低い旧モデル(iPhone 5c は旧モデルのリメイクだろう)が iPhone 5 世代の iPhone 4S のように売れ続けなければ Apple の利益率に悪影響があるかもしれない。

 一方で、iPhone 5c という旧世代要素技術搭載モデルを併売することで、iPhone 5s の A7 チップ、M7 チップ、指紋認証、64bit アーキテクチャといった技術の先進性がデフォルメされて市場に伝わり、その結果 iPhone 5s への需要シフトが起こったのかもしれない。iPhone 5c の減産分を iPhone 5s の増産でまかなえるとしたら Apple としては嬉しい誤算だろう。

 どちらかは 2013 4Q の成績が分かる Apple 2014 1Q 決算で分かるだろう。

意外と人気がないiPhone 5c, Appleは年末商戦に向けて減産を決定 | TechCrunch Japan
Appleは第四四半期におけるiPhone 5cの発注量を減らす、とWall Street Journalの最新の記事が報じている。状況に近い筋の話としてWSJ紙は、AppleはiPhone組み立てパートナーPegatronとHon Haiの二社に対し、同社のローコストスマートフォンの年末までの発注量を減らすよう求めた。P社は20%減、H社は1/3減、といわれる。

ただしHon Haiの役員がWSJに語ったところによると、iPhone 5cの減産にはiPhone 5sの増産が並行して伴う。Appleはとくに、iPhone 5sのゴールドバージョンの売れ行きが予想以上に好調だったことに着目している、と記事は報じている。それが増産決定の契機でもある、と。一方iPhone 5cの発注減は一部の部品供給社にとっては50%の減産に結果する、というから、最終的な減産の規模はもっと大きいのかもしれない。

Wall Street Journalからのこの新しい情報は、アナリスト企業Consumer Intelligence Research Partnersが今週初めに述べた主張を支えるものだ。その主張は、iPhone 5sはiPhone 5cの倍売れている、というものだった。またモバイル方面の分析企業Mixpanelは、両機のローンチからわずか1か月あまりでiPhone 5sの採用数はiPhone 5cの倍以上だ、と自らの分析結果を発表している。