2012年記事を振り返る:iPhone販売 最新機が9割から7割に減少

 この記事については昨年も突っ込んでいた。影響は?>iPhone販売:最新機が9割から7割に減少。この時は旧機種が安いからといって利益率が悪化するかどうかはわからないという指摘をしていた。その後の報道でも特にこの傾向による iPhone 事業の利益率の低下は大きな問題にはならなかったと記憶しているので、旧機種を売り続けることとそれによって低価格志向な市場で利益を上げるという戦略は間違いではないと Apple が判断していることが伺われる。つまり、この記事はただの杞憂に終わったということだ。また、このことは今年 iPhone 5c を発売したことからも分かる。古いパーツを使えば安く売っても利益は出せるということだ。(未だに iPad 2 が販売されていることでも分かる。)

 今、この記事を読むとまた別の味わいがある。去年は単価の安い端末の販売割合が増えることを悪いこととしていたのに、今年は iPhone 5c(新機種だが事実上は iPhone 5 の継続販売版だ)の売れ行きが悪いことが Apple の落日のように扱われている。どっちはねんwww

 昨年も書いたことだが、iPhone の完成度は上がっている。日本では docomo という未開拓地が残っていたおかげで販売台数は当分減らないだろうが、必ず平衡状態になる。そして、製品の完成度が上がれば買い替えのサイクルは長くなる。Apple の敵は Apple 自身でもある。これが一番のリスクだ。

iPhone販売:最新機が9割から7割に減少 « WIRED.jp
iPhoneは間違いなく、市場で最も売れているスマートフォンのひとつだが、「iPhone 5」は過去のフラグシップ機ほど、iPhone全体の販売に占める割合が高くない。

Consumer Intelligence Research Partners(CIRP)の報告によると、iPhone 5は発売直後の1カ月、iPhoneの販売総数の68%しか占めなかった(iPhone 5の発売後1カ月に、米国のアップル製品購入者500人に対して行った調査)。アップルが販売する携帯電話全体の過半数を占めてはいるものの、「iPhone 4S」発売後最初の1カ月の90%という数字には程遠い。

ただしこれは、最新のiPhoneの売れ行きが悪いという話ではない。より価格が安いiPhoneの売れ行きがよいということだ。

「これまでiPhoneが買えなかった人々が、5でなく4や4Sを買っており、トータルでのiPhone売り上げが拡大していることを意味する」と、Forrester社のアナリスト、チャールズ・ゴルヴィンはWIREDに語った。

2011年のiPhone 4S発売時、アップルは初めて、3つのモデルを異なる価格で提供した。最新のiPhone 4Sは200ドルから、「iPhone 4」は100ドル、契約付きの「iPhone 3GS」は無料だった。しかし当時、3GSはAT&T社でしか使えなかった。今回は、Sprint社とVerizon社で使えるiPhone 4が、契約すると無料で手に入る。風景が少し変わった。

現在4や4Sを買っている人たちは、以前だったらAndroidフォンを買っていた人たちだ。さらに4Sは現在、地方の小規模なキャリアでも入手することができる。

売り上げパターン変化に影響を与えたもうひとつの要素は、発売の時期だ。「昨年のiPhone 4Sの発売は、iPhone 4の発売の18カ月後で、人々はそれまで長い間待った」と、Canalys社のアナリスト、クリス・ジョーンズはWIREDに語った。「それに対して、iPhone 4SからiPhone 5の間は約11カ月だった。おそらく、昨年は今年よりも世代が変わるのを待つ時間が長かったことによる繰延需要があったのだろう」

ジョーンズ氏はさらに、供給上の制約があって、iPhoneを買いたい人の一部は単に最新機を待つことができないという理由から、ほかの4G LTE機へのスイッチを強いられているのかもしれないと語った。

AllThingsDは、CIRP調査が示す傾向について、もしこの傾向が続けば、iPhoneの平均売り上げ価格が低下して、アップルのこれまでの素晴らしい利益にマイナスの影響が出てくる可能性があると指摘している。一方、Forrester社のゴルヴィン氏は、確かにフラッグシップ機の割合が下がることでアップルの利益率が下がる可能性はあるが、古いiOS機での利益率がわかっていないので、確かなことは言えないと述べた。

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