使用感
2カラムや3カラムのページで本文をダブルタップするとその範囲が全画面にズームするというのはiOSから始まり、モバイルデバイスでは必須の機能となった。このマシンでもその機能は取り入れられているが使いづらい。わずかに、「なって欲しい」状態にならない。右の写真ではサイドバーが中途半端に見切れているしテキストのペインの中でテキストが左に寄り過ぎている。
速度は iPad 2 の物に較べて特に見劣りはしないが、リンクをタップした時のレスポンスがわかりにくかったりフィードバック無しに画面遷移に時間がかかったりするので、快適度ではかなり劣っている。「iPad は速く感じるようにUIで誤摩化している。実際の速度では XOOM のほうが速い」というような問題ではない。0.8秒か1秒かというのは実際にはたいした問題ではない。「反応したかどうかわからない状態から突然画面全体が更新され、トータルでちょっと短時間」というより、「タップしたらリンクの色が変わりロードを受け付けたことが分かる。その代りちょっと時間がかかる」ほうが使っていてストレスが少ないのだ。
Flashに対応しているのでFlashによるメニューがあるサイトでは助かる。flash動画も観られるらしいが普段使っているサイトには存在しないので関係がない。そもそも、Flashがないとナビゲーションできないというのはサイトの問題だ。特定のプラグインに依存しないメニューを別画面で用意するのは常識だった。
これもサイトの側の問題だが、スマートフォンのレイアウトを返してくるところが多い。スマートフォンの小さな画面に最適化したレイアウトで読みやすくという配慮だが、XOOM の場合は逆効果だ。XOOMに限らずタブレットではPC表示のほうが見易いことが多い。もう少し普及すればサイトのデザイナーもタブレット向けのデザインを作ってくれるかもしれないが、それまではいちいちPC表示に切り替えなければならない。サイトによってはPC表示に変えられないケースもある。因みにWordPressの管理画面もXOOMで表示するとモバイル表示なって間延びしたレイアウトになってしまって残念だ。
フォントは読み易い。windows7でこのブログを表示すると日本語フォントに汚さにうんざりするが、XOOM ではそのようなことはない。Mac OS X の Safari や Firefox で表示するのと遜色がない。
操作体系は PC 用の chrome と似ているので操作に戸惑うことはないと思われる。ただし、左下のシステムのメニューボタンは表示もされない。
クイックコントロール
クイックコントロールをアクティブにするとこのような状態。上部のタブやアドレスバーが表示されなくなり横画面にした時に上下が短いことをカバーしてくれる。ただし、このモードではナビゲーションのための基本的なコントロールすら表示されないので、エキスパートモードのようなものと考えておくべきだろう。
「クイックコントロール」を使用するよう設定すると、画面の左右端を押すと写真のような操作用のインターフェースがポップアップするようになる(メニューは押している間だけ表示され手を離すと消える)。
ボタンは外側上から、進む、リロード、ウィンドウメニュー表示、新規ウィンドウ(タブ?)、ウィンドウを閉じる、メニュー
内側上から、戻る、検索画面を新規で開く(開いた時点で検索文字列入力モード)、ブックマーク管理画面
左でも表示できる。このナビゲーションコントロールは重いXOOMを両手で持っている時に両手で持ったまま親指を動かすだけでナビゲート出来て便利だ。通常モード画面でクイックコントロールメニューが使えるようになるとさらに良いと思う。
同時に開いているタブへのアクセス。youtubeウィジェットのようなサムネールが表示される。たくさんのタブを開いている場合には、指を浮かさないように注意しながら微妙に指を動かす必要があり、選びにくい。文字のメニューのほうがはるかに便利。
設定メニュー。メニューアイテムは通常表示の時に表示されるメニューボタンと同じ。
追記:
3に対応していないアプリを動かすとこんな感じ。大きくすることも出来ない。
Android3.0搭載タブレット型端末
ICS(Ice Cream Sandwitch) では iOS のようにアイコンを重ねることでフォルダが作れるようになるらしい。Honeycomb ではその機能はないが、一画面に置けるアイコンの数が全然違うので特に困らない。また、これはAndroidの良いところだが、アイコンを自由に配置できるので、「この一角は画像関係。左上はメール関係にして間をあける」といった運用が可能だ。一画面に置けるアイコンの数が少ないスマートフォンではメリットが少ないだろうが、タブレットでは効果的だ。この点で、順番しか決められない iOS は不便だしフォルダが必須だ。
アプリとホーム画面を別管理とすることであと一つ iOS でできないことができる。同じアプリを複数のデスクトップに置くことだ(同じ画面内に複数の同じアイコンを置くこともできるが意味ない)。android ではデスクトップ(ホーム画面)に置かれたアイコンは全てエイリアス(ショートカット)の扱いなのだろう。だから、ホーム画面から削除してもアプリケーションは削除されない。削除するためにはアプリケーションの管理画面から削除する必要がある。このあたりの違いは、iOS と Android の思想の違いを表わしているいるのだろう。
ICS には Honeycomb にある「最近使ったアプリ(以後 Recent Apps)」ボタンが置かれるらしい。Honeycombでははっきり言って不便であまり使えない。派手で見栄えがするのでデモでは必ず取り上げられるが、一画面に表示されるウィンドウが5枚ではメリットは少ない。縮小画面が特徴あるものならともかく、似たような色合いの画面だったら右下に表示されるアプリケーションアイコンで判断するしかない。だったらアプリケーションアイコンだけ並べてくれたほうがはるかに一覧性が高い。まして、スマートフォンの小さな画面にサムネールを数個並べても目的のアプリを探すのが大変だろう。現行のインターフェースをデフォルトにしてもいいから、設定で選べるようにしてほしい。Google の秀才さん達なら数時間コードを書くだけで追加できるだろう。少なくとも、現在のサムネール表示を作るプログラムに比べたらほんのわずかの工数でできるはずだ。
Honeycomb ではリストからアプリを削除することができないので、常時使うために起動したわけではないアプリ(設定など)がリストに居残ってスクロールが不便になってしまうが、ICSでは簡単に取り除けるようになるらしいので、評価は変わるかもしれない。Recent Apps メニューがタスクマネージャの代わりになってくれるとタスクを落とすためだけにアプリを一本起動しっぱなしにする必要が無くなる。
ホーム画面で気になったことを思い出した。左右への画面の移動が画面によって異なっていること。画面の端をタップする場合とスワイプする場合とがある。また、端に次の画面のアイコンのシルエットが表示されるのも他にはなく必要性が分からない。別々のプログラマーが思いつきでコードを書いているとしか思えない。これがサードパーティなら問題はない(ガイドラインに沿ってないとして批判されるかもしれないしユーザからクールな機能として喝采されるかもしれない)が、ホームは違う。ホームは特別だ。macならfinderだしwindowsならエクスプローラーだ。これらのUIは他のアプリの基準となるものだ。他のアプリの手本となるべきものだ。特に新しいバージョンのOSを出す際に、「新しいこのメニューはこうやって使うんだよ」とサードパーティのプログラマに示すものだ。それがこんな独特なことをやってはいけない。
このことは、システムにプリインストールの純正アプリについても言える。システム領域にメニューボタンを設けたのだから、アプリ独自がメニューアイコンを表示させるべきではない。なのに、ホームやブラウザといったアプリすらそれに従っていない。こういった不統一が iOS マシンとの大きな違いだ。GEEK や Nerd はこういうものを使いこなすことに喜びを見出すかもしれないが(まさにこのブログがそうだが)、そんなことは本来OSが統一感を持って作ってあればユーザが気にすることすらないはずだ。
Honeycombはgoogle自身も認めているように過渡期のバージョンだ。1年も経たずにICSに道を譲ることになり、これから改善されることはないだろうが、スマートフォンとタブレットという全く異なるプラットフォームの製品を満足させるUIが作られたのか、au には一刻も早いアップデートを実現していただきたい(する気を完全に失っているかもしれないが・・・)。
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Android3.0搭載タブレット型端末
エレコムの保護シートを購入。これにしたのは値段が安かったこと。
マットと光沢とが選べたが、でかい画面に不細工が表示されるというバグを解消するにはマットの保護シートを張って液晶の神の怒りを鎮めるしかないという言い伝えに従ってマットにした。スマートフォンにはマットを使う気にはならないがタブレットはマットのほうがいいというのが結論。
保護シートに良くついている、貼る前にゴミをふき取る布はついていないが、空気を追い出すための小さなプラスチックのヘラは付属していた。ヘラは適度な弾力があり指より広い範囲を押さえられるので貼るときに便利だった。カメラに干渉しないようにという配慮からシートの上端には切れ込みが入っている。しかし、この切れ込みは不要に長い気がする。カメラの位置が違うバージョンが存在したんだろうか?
大きな画面に保護シートを貼るのは難しい。最初のわずかなずれが致命的になってしまう。ホコリが入る可能性も面積比で増加する。まず最初に液晶面に付着した指紋やホコリをとる。眼鏡拭きを使って5分くらいかけて磨き上げる。普通のタオルやハンカチではこのときにそれ自身からホコリを発生させてしまうが、メガネ拭きなら大丈夫。しかし、空気中に漂っているホコリが付着するので貼る直前まで眼鏡拭きをかぶせておく。
シートには腰があって気泡が入りにくく貼り易かった。途中何箇所かホコリが混入したがテープで除去できた。スタートが10分の数ミリずれていたのか下端(上から貼り始めて)が縁に干渉してわずかに浮いてしまったが、表示領域がほぼ完璧に貼れたので無問題。
液晶がない状態より指の滑りが良くなって非常に快適になった。不細工の霊も鎮まった。画面の視認性も俺基準では全く問題ない。
タブレットの場合はスワイプの際に移動する物理的な距離が遠い。なので、滑りのいい保護シートによる効果が大きい。さらに、XOOM というか android Honeycomb は操作体系にドラッグ&ドロップを使っている(アイコンの削除やブラウザでの階層メニュー操作)。このため、最長で20cm近く画面をスワイプしなければならない。iPad の場合にはこのような操作がないので、XOOM を使っているときほど指の滑りが悪いことが気になることはなかった。
ELECOM XOOM 2011 TBi11M 保護フィルム マット TBA-MOX11FL |
Asus Padfone は2012年Q1発売、Android 4.0 採用の携帯 / タブレット ハイブリッド
以前、コンセプトモデルだけが発表されていた製品が実際に販売されるのかもしれない。この手のギミックを使ったポータブル機はAcerやASUSのお得意分野で、彼らなりの挑戦ととらえられる。iデバイスのデザインが流行ったら右に倣えで全部そうしてしまう日本のメーカーにも見習ってほしい。
その時にもどこかで書いたが、このコンセプトは面白い。電話とタブレットで同時にネット接続する必要はない。今のOSなら通話アプリで電話しながら他のアプリを使うことは余裕だ。何より、回線契約が一本でいいというのはユーザにとっては大きい。ICSというOSもこの製品のコンセプトにぴったりだ。HoneycombのUIを多く取り入れたこのOSならスマートフォンとタブレットで同じように使うことが可能だろう。
ただ、ハードルは多い。スマートフォンを買い替える時に形状が変わったらドックにはまらなくなる。そのたびにタブレットまで買い換えるのはもったいない。スペース的な制約からタブレットが専用マシンに比べて大きく重くなることが予想される。
また、アプリの互換性にも課題は残るはずだ。現在Honeycomb対応をうたっていても横持ち用のUIを用意していないアプリが多いし、タブレットの広い画面を活かしたアプリはほとんどないといってもいいくらいだ。タブレットにはタブレットのUIが必要だ。逆にスマートフォンにはスマートフォンのそれがある。専用のアプリを開発するか両方で使えるものとするかはデベロッパの意向だが、別バージョンとしたものの方が圧倒的に使い易い。このような状況で、このハイブリッドマシンにどのようなアプリを入れるのか。スマートフォン専用アプリやタブレット専用のアプリを入れた場合に逆のハードで実行したらどうなるのか。
最後に、最も大きな壁というのか疑問は「そこに市場はあるのか?」というものだ。タブレットにキーボードをドックさせるというアイデアは市場に却下されたようだ。キーボードで文字列を多量に入力する用途ならノートPCを買ったほうがいいということだろう。タブレットのPCに対するアドバンテージは取り出してすぐに使える運用時の軽さだ。ここにワンクッション必要となるドックがどこまで受け入れられるのか、見守りたい。
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