Hybrid は自動車の専売じゃない/Asus

ASUS hybrid tabletAsus Padfone は2012年Q1発売、Android 4.0 採用の携帯 / タブレット ハイブリッド

 以前、コンセプトモデルだけが発表されていた製品が実際に販売されるのかもしれない。この手のギミックを使ったポータブル機はAcerやASUSのお得意分野で、彼らなりの挑戦ととらえられる。iデバイスのデザインが流行ったら右に倣えで全部そうしてしまう日本のメーカーにも見習ってほしい。

 その時にもどこかで書いたが、このコンセプトは面白い。電話とタブレットで同時にネット接続する必要はない。今のOSなら通話アプリで電話しながら他のアプリを使うことは余裕だ。何より、回線契約が一本でいいというのはユーザにとっては大きい。ICSというOSもこの製品のコンセプトにぴったりだ。HoneycombのUIを多く取り入れたこのOSならスマートフォンとタブレットで同じように使うことが可能だろう。

 ただ、ハードルは多い。スマートフォンを買い替える時に形状が変わったらドックにはまらなくなる。そのたびにタブレットまで買い換えるのはもったいない。スペース的な制約からタブレットが専用マシンに比べて大きく重くなることが予想される。

 また、アプリの互換性にも課題は残るはずだ。現在Honeycomb対応をうたっていても横持ち用のUIを用意していないアプリが多いし、タブレットの広い画面を活かしたアプリはほとんどないといってもいいくらいだ。タブレットにはタブレットのUIが必要だ。逆にスマートフォンにはスマートフォンのそれがある。専用のアプリを開発するか両方で使えるものとするかはデベロッパの意向だが、別バージョンとしたものの方が圧倒的に使い易い。このような状況で、このハイブリッドマシンにどのようなアプリを入れるのか。スマートフォン専用アプリやタブレット専用のアプリを入れた場合に逆のハードで実行したらどうなるのか。

 最後に、最も大きな壁というのか疑問は「そこに市場はあるのか?」というものだ。タブレットにキーボードをドックさせるというアイデアは市場に却下されたようだ。キーボードで文字列を多量に入力する用途ならノートPCを買ったほうがいいということだろう。タブレットのPCに対するアドバンテージは取り出してすぐに使える運用時の軽さだ。ここにワンクッション必要となるドックがどこまで受け入れられるのか、見守りたい。

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