「Kindle Fire徹底レビュー」をレビュー

 ついに出荷が始まったらしい。タブレット市場に新たなビジネスモデルで参入する amazon の新型 kindle の出荷が。これまでは、電子ペーパー端末という入り江にいたが、マルチメディアタブレットとして iPad とその他 android 端末が覇を競う大海原に漕ぎだした。既存ハードウェアメーカーだけでなく、既存の本の販売経路とも戦い、android アプリでgoogleと戦い、音楽や映画の販売で Apple と戦う。

 amazon には、リアルな商品配送システムというバックグラウンドがある。流通業としての実績も十分だ。自分はマカーだが、実際に apple の製品を買う機会はそう多くないし、apple のオンラインショップで買うと決まっているわけではない。むしろ、iPhone や iMac で使うような周辺機器や消耗品でも amazon で買うことのほうが多いくらいだ。まあ、日本では本という amazon 最大のコンテンツを扱うことができないからその影響度は大幅に減じられてしまうが(それ以前に日本市場には入ってこないが)。

 気になる kidle fire のレビュー。

無敵iPadについに好敵手登場! Kindle Fire徹底レビュー : ギズモード・ジャパン

Fireは他のAndroidタブレットとは何かが違う。何か…、何か違ってとても良い。電源を入れると実にシンプルな画面が映る。中には「ホーム画面は?」と疑問に思うユーザーもいるかもしれないが、電源を入れてすぐ映るのは「本棚」である。この本棚には最近チェックした小説や雑誌、アプリやテレビ番組等がぎっしり並んでいる。電源いれて他のことはとりあえず置いてすぐにこの画面、実に刺激的である。ユーザーインターフェースがシンプルだというだけでなく、何よりも直感的である。Fireをどうやって使うの?なんて考える必要はない。全てが使い勝手抜群なのだ。

シンプルな本棚だけが使い勝手の全てではない。検索だって重要な機能だ。1番上の検索ボックスでは自分が所持しているモノ全てから検索ができる。さらにスクリーンの上部から、新聞・雑誌・本・音楽・動画・ドキュメント・アプリ・ブラウザと言った具合に、タブでカテゴリーにわけた検索も可能。どの画面にいてもストアへは最多で2クリックの距離。この距離でAmazonの全カタログにアクセスでき簡単にダウンロードできるのだ。

 この UI は興味深い。apple は iOS でアプリとデータを一致させようとしたが成功しなかった。android よりは一貫性の高い UI となっているが、kidle fire に比べると中途半端な印象は拭えない。kidle fire のそれは、iOS の iBook や Newsstand をメイン画面にするようなものだろう。そして、その店に並ぶコンテンツの一種類としてアプリがあるというイメージなのではないだろうか。

 android の PC のような自由な UI モデル(データを含む)と対局となるのが kindle fire の UI だ。これは低価格のタブレットを欲しがるような層には強くアピールするかもしれない。アプリやシステムの設定やカスタマイズに余念のないヲタには向かないだろう。問題はどちらが数が多いかだ。それは、年末までの2ヶ月で証明される。

キンドルの製造コストは実際の販売価格を上回って売れば売るほど赤字だけど… : ギズモード・ジャパン

しかしユーザーは一度キンドルを手にしてしまうと、アマゾンから書籍を買い続けなくてはならないというエコシステムの中に組み込まれます。本を買うという行為を全てアマゾンで行う故に、ユーザーはアマゾンに支払い、支払い、支払い続けることになります。アマゾンは、ハードウェアの赤字をそこで回収して、利益を上げていくというビジネスモデルなのですね。

つまり、ユーザーはキンドルを激安で手に入れることができるけど、「後から徐々に払わされる」ということです

 従来の携帯キャリアのビジネスモデルに近い。端末を普及させることでその回線を通じての金の流れに食い込むこと。これが重要なのだろう。

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