広告メディア化2.0 :あの「Yo」はもう「いない」

 シンプルなサービスも機能追加の欲求には勝てないようだ。Gunosy も最初はシンプルだったが、今では凡百のニュースリーダーに堕した(半年くらい起動していないので現バージョンがどうなっているのか知らないが)。

 Yo もそのコンセプトの割り切りで注目されたが、たった4ヶ月で終わった。そのうち、広告スペースを設けたり、だれかからの Yo として広告を配信するようになるのだろう。Twitter のように。

あの「Yo」はもう「いない」 : ギズモード・ジャパン
「Yo」と送り合うことしか機能がないものの、ユーザ数がすでに100万人を突破して世間をにぎわせた「Yo」。でもリリースから4か月弱、そのクールな姿はもう拝めなくなりました。

そう、シンプルさこそが売りであったこのアプリですが、先日のアップデートにおいて、禁断の誘惑に負けてしまったのです。それは「新機能」「まともな使い道」の追加。具体的に言うと、ユーザプロフィールの表示、リンクの送受信を可能にするもの、ハッシュタグ機能など。あれ、この既視感はなんだろう。

このまま、星の数ほどあるスマートフォン・アプリの闇に埋もれていってしまうのでしょうか。さらば、とんがっていた頃の「Yo」…。

Waze 新「来はった、来はった、来はったえ。」機能

waze icon タイトルのセリフは関西圏で40年くらい前に放映されていたローカルCM。家の前にいた娘さんが街角を曲がってきた男性を見つけて家の中に駆け入ってくるときのセリフだ。待っていた人物を待ち受ける緊張と来てくれたという安堵、これから始まるミーティング(彼は彼女の親に結婚したいと申し出に来るのだ)への期待が混ざったワンシーンだ。自分の好きなCMでもある。

 Waze で自分の目的地や現在位置を共有する機能が実装された。現地集合の場合に他の参加者がどのへんにいて後どれくらいで着くかが分かる。誰かの自宅等に向かう時に相手に知らせておけば、受け入れる方も「まだ1時間くらいは掛かりそうだから、買い物に行っとくか」とか「もうすぐ来るから待っとこう」という判断ができて便利だ。これは、車にかぎらず電車(徒歩)や自転車でも使えそうな機能だ。目的地をシェアするだけで、場所の説明を最小限にできる。(自分の居場所がリアルに分かるので、Facebook でフレンド登録しただけのような相手に公開すべきではない。特に女性は注意が必要だろう。)

 後、企業なんかの道案内情報としてサイトに掲載するのも面白い。新規のお客さんに「弊社のXX工場への高速出口からのナビ情報をメールしますので・・・」といった使い方ができる。実際に、自分が勤めている会社の工場に、非常にアクセスの悪いところがあって困ることがある。自分が出張に行って最寄り駅のタクシーで地名を言っても分からない事があった。近くにランドマークとなるような大きな施設もないので、iPhone の地図でナビをしなければならなかった。自分は iPhone の住所録に工場の住所を入れていたからそれが簡単に出来たが、お客さんにそれを期待することはできない。Waze が Goolge map くらいの普及率になれば、集合場所のデータを送るだけでターン・バイ・ターンのナビでタクシー運転手に指示できるだろう。

 ただ、その工場の周辺は Waze 荒野なので、現状ではほとんど使えない。公開する前に主要駅や高速道路の出口から目的地へのルーティングができるように地図を整備しておくことが必要だ。

@facebook.comアドレスの忌まわしい遺産: iOSコンタクトシンクに残る毒

 これ、ホンマに迷惑。知らんまに勝手に連絡先のデータを作ってしかも消すことも出来ない。こういうことをする企業は大嫌いだ。楽天ほどではないが、Facebook は自分にとっては何の愛着も感じないサイトでしかない。mixi 以下といっても過言ではない。

 Facebook との連携をシステムレベルで取り込んで得意顔の Apple も少し嫌いになった。

@facebook.comアドレスの忌まわしい遺産: iOSコンタクトシンクに残る毒 | TechCrunch Japan
Facebookはこのほど@facebook.comのメールアドレスを無効にしたが、でもその、今や使えないアドレスは、世界中でiOSのアドレス帳(コンタクト)に載っている。ご存知のようにiOS6とそのFacebookコンタクトシンク機能が登場する直前に、Facebookは誰もが友だちと共有しているユーザの本当のアドレスを強制的に隠した。そこでiOS 6がシンクするのも、残された@facebook.comのアドレスだけになってしまった。
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Twitter 2題 明と暗

 Twitter の検索を使ってみたら去年の今頃、青空文庫の富田倫生さんとのやりとりがあった。
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 「脳はすすんでだまされたがる」で検索したところ検索結果の大半が下のようなツイートばかりだった。違うアカウントで全く同じ内容。下のキャプチャには3人分だが実際にはもっと多い。
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2014218_00 その中の一人のTwitterページに行ってみた。「アラサーの独身OL」で「たわいのない事」をつぶやくらしいが、実際には仲介手数料の発生する業務上の広告ツイートしかしないビジネスパースンだ。

 美人たちのプロフィールに書かれている URL は全員が同じだ。プロフィールにURLなど入れる必要はないのに律儀に入れている所が誠実だ。彼女たちがボットなはずはない。読書が大好きで年間何百冊も読んでは感想をツイートしているのだろう。同じ本を読んでいる人が多いのは・・・あれだ・・・偶然。そう、偶然だwww

 フォロワーも大半がボットかスピリチュアルか海外のアカウントで彼女たちの真剣なオススメを選んでるとは思えないような輩だ。ボット同士がツートを投げ合ってるのを見るのは面白い。Twitter はアカウント数や投稿数を水増ししたいのかもしれないが、ここまで行くと逆効果だろう。

 富田さんのような方との交流が有り、ボット同士のキャッチボールがあったり。Twitterって楽しいなぁww

Foursquare の住所登録

 Foursquare では住所の入力に迷うことが多かった。アメリカの住所表記法を翻訳しただけなので、日本の住所でどのフィールドに何を入れればいいのか分かりにくいからだ。公式のサイトには “Most importantly, please format addresses according to your city/country/region’s local postal guidelines.” とあるが、簡単ではない。

 同じように感じている人は他にもいて、検索したら「foursquare の venue について考える -2- 住所 | だめだめだーめ 2」が見つかった。このガイドラインを再真似することにした。

自分ルール:自分で登録する際はこれに沿って登録するが、他の人がこれに沿わない入力を指定てもゆらぎの範囲ならスルーする。「京都市中京区七本松通り旧二条上がる」ような表記についてもスルーする。自分がこれまで入力した住所も混在しているし。

  • 市区町村フィールドには基本的に「市」のみを入力。東京都は「区」を、郡がある場合は「XX郡YY町」を入れる。
  • 「二丁目5番地の1」は 「2-5-1」とする。
  • venue の名称はオリジナル表記を優先する。

2014130_03 区のない自治体

2014130_01 東京都以外で区がある場合。

2014130_02 東京23区

2014130_04 郡

 自分は、後日にまとめて PC でウェブサイトで住所と電話番号を調べて登録するから上記のフィールドのように登録できるが、スポット登録時に住所まで入力する人の場合、iPhone アプリには住所フィールドがひとつしか無いので県から入れるしかない。このため、スポットによっては県や市区町村フィールドが空白で住所に全部が入っていることがある。

 自分が気づいた時には修正するように心がけてはいるが、Foursquare のサイトは重く、UI も今イチなので、そういうノイズを晴らすことは出来ていない。

Suunto は SNS を目指す。Movescount.com というチャレンジ

 iMac 2007 では Suunto T6 で記録したログを Suunto training manager という付属ソフトを Windows XP 環境にインストールして使っていた。iMac 2013 にしてから Windows を入れていなかったのでログは全部捨てていた(T6 に保存できる容量が限られているし、マスストレージデバイスとしてマウントできないので Mac からT6の中のファイルをコピーすることはできない)。

 iMac に Windows を入れた時に最新の Suunto training manager を入れようと思った。Suunto T6 を購入した時のCDに入っていたものは XP 用で 8.1 で動かすのが不安だからだ。しかし、Suunto のサイトには “Suunto training manager is no longer available” となっていて、Movescount.com という SNS へ移行する案内しかなかった。Movesconnetct は Windows と Mac OS 向けのアプリがあって、そのアプリを使ってクラウドにデータをアップロードするというシステムだった。

 試しに Mac 版のソフトをインストールしたらメニューバーに Movescount のアイコンが入った。Suunto training manager で使っていたアカウントは使えなかったので新たにアカウントを作成してみた。T6 をつないで色々と適当に触っていたらアップロードが始まってアップロードされた。

 Movescount は専用のウィンドウを持たず、結果の表示や操作はすべてウェブブラウザで行う。データはクラウドに保管され機能の追加・変更は全てサーバサイドで行われるので、ユーザ側のトラブルを防ぐことが可能だからだろう。と同時にSNSにユーザを惹きつけることで広告のチャンスも得られる。

 さらに、スポーツ用品で問題となるのはスポーツの流行り廃りとスポーツ離れだ。Suunto の心拍計を買ったユーザがスポーツをやめたら追加的な購買はない。Suunto、Polar、Garmin は競争相手であると同時に運命共同体だ。

 それに対して面白いプレーヤーが現れた。スマートフォンとウェアラブルデバイスだ。スマートフォンと連動するセンサーを身につけるだけで Suunto、Polar、Garmin の 5 万円以上する高機能機種と同等の機能がある。

 これらとの競争を生き抜くために Suunto がとった戦略が Movescount だろう。SNS でモチベーションを上げスポーツからの脱落を防止すると同時にログを保持することで囲い込みを図るというものだ。ログは継続性が命だ。自分は昨年 windows xp 環境がおかしくなり過去のログが消えた時から Suunto を使う機会が大幅に減った。「Suunto 要らんかな」とも思った。クラウドにログが溜まればデバイスが壊れても引き続き継続機を買うだろう。これが Suunto の狙いだ。

 Suunto のリスクはライフログ系のセンサーだ。心拍ベルトをするのはハードルが高い。トラブルも多い。値段も高い。ライフログ系のセンサーのようにブレスレット型で心拍を取れるセンサーができればいいのにと思う。

 話は変わるが、Suunto training manager は iMac に Windows を入れる理由の一つだったが、Movescount のおかげで無くなった・・・カシミール3Dの Mac 版が出れば自分は Windows は完全に要らなくなる。というか、gpx データを編集できるソフトが有ればカシミールも要らないかもしれない。

Twitter はサードパーティへの API 制限を撤廃すべきと思う理由

images 自分がフォローしているのは 300 人だ。しかし、300人全員がツイートを書くのではなく、上位20%暗いの人が自分のTLのほとんどを占めると思われる。それでも、一日程度読まずにいると読みきれなくなる。それを防ぐためにリストを使っている。重要度とジャンル別にリストを作り、重要度が高いものだけは見落とさないようにしているのだ。

 そのために使っていたのが TwitBird だった。重要度の高いリストから読み、リストに入っていない人は時間が余っていれば読むが無ければ放置というスタンスで快適だった。

 ところが、Twitter はサードパーティへのAPIを制限しビジネスを続けられなくしてしまった。Twitter がここまで普及することができたのは、Twitter の仕組みがユーザに支持されただけではない。偶然同時期に普及期に入ったスマートフォンやその上で動くアプリによることも大きい(今ある Twitter 公式アプリだって、サードパーティ製だったものを買い取ったものだ)。にも関わらず、instagram をインライン表示できなくしたり、サードパーティのクライントを閉めだしたりした。

 これらの政策は、一方では Twitter 本体へのアクセス数を増やしたかもしれないが、合計のアクティブユーザ数を減らしたはずだ。しかも、サードパーティアプリを使わなければならないほどたくさんのフォローをしているようなアクティブなユーザはフォロワーやツイート数も多い、自分のTLの上位にいるような人たちだ。この人達がTwitter離れを起こすと、残るのはプロとその取り巻きのROMな方たちだけとなる。

 あれ?これってブログが廃れたり mixi が死んだり(死んだも同然だろう)した時の流れとよく似ている。

Twitterは、大勢をフォローしてもフィードを見やすく保つための方法を提供すべき | TechCrunch Japan

Twitterは基本的に、投稿されたすべてのことを伝達しようとする仕組みになっている。あらゆることを伝えることにより、世界の動きをリアルタイムで伝えるものとして機能しているわけだ。

ただ、その性質が、むしろTwitterの利用拡大を阻害する要因ともなってしまっている。すなわち、多くの人をフォローすると、本当に気にしている人の情報が入りにくくなり、結局新しく誰かをフォローすることを躊躇うようになってしまう。
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SNS のマネタイズ Twitter の場合

Twitter_moneytize 無料のSNSサービスが離陸に成功し十分な商品(ユーザ)の仕入が完了したら、次にするのはこの数を現金化することだ。

 従来はPCのウェブページに広告を載せるスタイルが中心だったが、無粋な広告のないインターフェースでユーザの心を掴んだようなサービスでは広告を載せるのは難しい。Instagram と Twitter が自分の中ではその代表だった。しかし、VCからの出資や IPO で得た資本金だけではサーバーの維持が難しくなるのは事実だ。今更有料会員を募るのも難しい。

 さらに、SNS へのアクセス方法の変化がある。PCのブラウザと3.5インチのアプリでは広告を載せるスペースがぜんぜん違う。また、狭いスクリーンに広告を載せることは UX を損なうことにつながり、広告に対する負のイメージさえ喚起しかねない。

 そこで、Twitter が導入したのが TL への広告ツイートの挿入だ。

Facebook Home組み込みスマートフォン(HTC First)に販売終了の噂

htc-first-f4-1 懐疑的なことばかり書いてきたが、発売後一ヶ月で終了とまでは思っていなかった。Google は安堵したかもしれない。

 不人気の原因が HTC のハードのせいとは思えない。仮にハードの出来が悪かったとしても悪評が定まって売上が落ちるにしては期間が短すぎる。Facebook Home ネイティブな端末が市場に待ち望まれていたというなら、スタートダッシュだけはあったはずだ。一ヶ月で見なおしというのはそれが一切なかったということだろう。

 TechCrunch や Facebook はこれを IT 的な視点で分析し、「Facebook の社員の多くが iPhone ユーザだったために Facebook Home に欠けている機能を見落とした(FacebookのiPhoneカルチャーが、HomeのAndroidへの過激な侵入を生んだ | TechCrunch Japan.Facebook Home は素敵な首輪か?に書いたのと同じ事を感じている人が多いのではないだろうか。多くの Facebook ユーザが Facebook で友人のリア充ぶりを見ることで情緒不安定になるという報告があった。「Facebook はアプリ(ウィジェット)で充分」というのが市場の判断なのではないだろうか。だとしたら、Facebook Home の UI を刷新し、Android の標準的機能をサポートしても結果は変わらないだろう。(Facebook疲れとは 「フェイスブック疲れ」 (Facebook fatigue): – IT用語辞典バイナリ

最初のFacebook Home組み込みスマートフォン、HTC FirstにAT&Tが販売終了との噂 | TechCrunch Japan

HTCのFacebook Homeを組み込みんだAndroidスマートフォン、FirstがAT&Tからデビューしたのは先月のことだが、早くも製品として大失敗という声が上がっている。BGRのZach Epsteinによれば、HTC Firstの売れ行きがあまりに不振なため、AT&Tは近く販売を中止し、売れ残りはHTCに返品することを決めたという。

この報道が事実なら(AT&T、HTC、Facebookに確認を求めたが、本稿執筆時点ではいずれも回答なし)、AT&Tは「契約上の義務を果たすために」今後一定期間はFirstの店頭展示を続けるが、その後は販売を中止するという。

しかしいったいFirstはどのくらい不振なのだろう? Epsteinは「HTC Status(ChaCha)の発売後1月時点と比較してもさらに売れ行きが悪い」とツイートしている。ちなみにStatusというのはHTCの最初のFacebook携帯の試みだ。ブラックベリー風のデザインで、QWERTYキーボードの下にFacebookサイトを呼び出す専用ボタンがついている。一方、Facebook HomeのAndroidアプリはFirstよりいっそう出来が悪く、その悪評がFirstの足を引っ張っている面もある。いずれにしても決して満足できる状況にないのは確かだ。

もしAT&TがFirstの販売を中止するようなことになると、他国での販売計画にも影響が出そうだ。HTCのCEO、Peter ChouはFacebook Homeの発表イベントで、フランスのOrangeとイギリスのEEからこの夏発売されると述べていた。

率直に言えば、Firstがスマートフォン・ユーザーから熱狂的支持を受けていないと聞いてもあまり驚きは感じない。先週、AT&TはFirstの価格を99ドルからわずか0.99ドルに大幅値下げした。発表後1月しか経っていない新製品にしては異例の動きに「売れ行きが相当悪いのだろう」という声が上がった。さてFirstの不振の原因はハードウェアとして凡庸だったところにあるのか、それともFacebook Homeにあるのか?  ユーザーも専門家もそろってFacebookの独自ランチャー、Homeへの興味を失いつつある現状を考えると、原因は後者だと考えざるをえない。

この情報の真偽については現在さらに確認の努力を続けている。ただAT&Tが「販売を中止する」という噂が流れたStatusの販売がまだ続いている例もあるのでFirstの運命も予断を許さない。