お誘いをいただいて

 先日、見知らないアドレスからメールが来ていた。また、新しいタイプのフィッシングかと思いながら開いてみた。

 メールアドレスを一新して、サイトにも新しいメールアドレスを載せないようにしていることもあって、スパムが激減した。工夫満載のスパムを読むのは、時間がある時は面白かったりもするから、少し寂しい気持ちがあったのかもしれない。

 中身は聞いたことのない、「キヌガサ」といういソーシャルネットワークサービスのお誘いメールだった。誘ってくれたのは、他のサイトで相互リンクしている方。こんなものに誘っていただけることがほとんど無い生活を送っているので驚いた。

 ソーシャルネットワークサービスは去年のgoogleの参入で話題になり、多くの追随者を産んだということは知っていたが、あまり興味は無かった。「紹介がないと入れない」という閉鎖的な体質が、クレジット会社のゴールドカードや会員制ゴルフクラブのような胡散臭さを感じるから。日本にはクラブという文化が存在しないから違和感が強いのかもしれない。

 キヌガサは、ロリポップやムームーで一部のブロッガーにはおなじみのpaperboy&co.の新サービスだった。そして、全然知らなかったんだが、JUGEMもpaperboyのサービスだった。さらに、JUGEMユーザーは無条件でキヌガサのメンバーになれるらしい。JUGEMは有料サービスを始めるから、拡販ツールとして使いたいのだろうか。サービス自体は普通の(って、自分じゃやったことないんで詳しくは知らないんだが)ソーシャルネットワークサービスみたいだ。気に入ったのは「最大にして唯一のオリジナリティー」というフレーズ。でも、あんまり使いそうにない機能だ。巡回するサイトは12じゃ収まらないし、アンテナもあるから要らないなあ。

 こういうタイプの「つながり形成サービス」で一番面白かったのは関心空間だ。それを越えることができるのかどうか。

 否定的な感覚ばかりが先に立ってしまってなかなか登録する気が起きないが、失うものもないので、ダメもとで登録してみるか。登録した上で何か変わったことがあったらエントリを起こすかもしれない。なにもなければ、「やっぱりなあ」ということだ。

 ちなみに、アグレッシブな展開を見せるpaperboy&co.だが、JUGEMの本番サービスへの移行で大チョンボをしてしまったらしい。旧データで新しいデータベースを上書きしてしまったのか・・・まさかね・・・

考えること

関心空間は楽しい。blog的な繋がりを簡単に作れる面白いサイトだ。参加者と登録キーワードの相関が面白い。最初の頃は平均10だったのが参加者が増えるに従って、10を切っている。中には100以上(最高500)登録している人もいるし、一つも登録しない人も多いようなので、おおざっぱな平均ではあるが、傾向としては下がっている。

 こういう場を与えられて(参加人数は登録者数なので、最初から見ているだけのひとの数はカウントされていない)も、何も書くことのない人が多いということに残念な気持ちが残る。前に書いたKNOPPIXを見ても何も思わなかった後輩に失望した時のような気持ちに近い。

 俺は、こういうところで面白いキーワードを多岐にわたって出せる人間にあこがれる。もちろん、一つの得意分野で深く書くのもいいが、いろんな引き出しを持っている人が魅力ある人だと思う。

 何も書くことがないということは、何も考えずに人に与えられた情報(多くがマスコミの又聞き)を無批判に取り入れているだけなんだろう。「次はこれが来るよ」「今の流行はこれだよ」と言ってもらわないと何も選べない。いいか悪いかも判断できないし、自信もないからブランドに頼るのではないだろうか。

 ただ、このタイプのデータベースの場合は後になればなるほど参入したくなる。自分の書きたいことについてほかの人が登録を終えている可能性が高くなるからだ。まして、前に上手に紹介されていたら、拙い紹介文でキーワード登録することに抵抗を感じるだろう。だから、新規加入者ほど平均登録数が低くなっていくのは、当然ともいえる。上限も決まっているし。それにしても10もないって少なすぎると思う。

 同時に、個人の持ちうる興味の限界を示しているのかもしれない。人間の知識は、数百年前より増えたはずだ。記録媒体や交換手段の発達で自分で経験していないことについて知ることが可能になった。接する情報量は飛躍的に増えたにもかかわらず、個人の情報処理能力はそれほど増えていない。パイの大きさが増えていないとすれば、人間が持ちうる興味の絶対量が増えないのは当然だ。

 関心空間は1万人ベースのブレーンストーミングと考えられる。それが重複を含めて10万しか挙がらないのが日本の現実なのだろうか。