一部の「MOTOROLA XOOM」に「Android 4.0」へのアップデート – CNET Japan

 嬉しいニューだが、あとワンクッション必要なのが android。Google がOSをアップデートしても、メーカーがアップデートしてもユーザには届かない。日本で販売された au 版の XOOM は au がさらに日本向けに動作確認しない限り au 版 XOOM にインストールはできないから。3.2 へのアップデートでいいところを見せた au にはあと一つ頑張ってもらいたい。

一部の「MOTOROLA XOOM」に「Android 4.0」へのアップデート – CNET Japan
 「MOTOROLA XOOM」タブレットで、「Android 4.0」(開発コード名「Ice Cream Sandwich」)へのアップデートが一部でようやく開始されたようだ。

 Motorola Mobilityの担当者は米国時間1月13日、CNETの取材に対して、限られた数のXOOMユーザーにテスト目的でAndroid 4.0へのアップデートを提供していることを認めた。また、アップグレードをさらに多くのユーザーに提供できる時期について、詳しい情報を確認すると同担当者は語った。

 技術ブログのAndroidCentralによると、Motorolaは当初、一部のXOOMユーザーに宛てた12日付けの電子メールの中で、Android 4.0には特に言及しない形でアップデートの実施を示唆していた。

 このプロジェクトの開始まで、お待たせして申し訳なく思っている。当社は「Google Experience Device」(GED)の認定を受けたデバイスを取り扱っているため、これまでのようにアップデートの時期を確実に把握しづらいのである。ともあれ、アップデートは今夜にも開始できる見通しだ。また、予定が数日遅れたためテスト期間をもう少し長くとることにし、週末にかけて実施する予定である。

 当面、初期の限定的なテストの一環として数千人のWi-Fi対応XOOMユーザーのみにアップデートが提供されると、Androidファン向けブログTalkAndroidは報じていた。ただし、すべてが順調に進めばXOOMユーザーにAndroid 4.0を一斉配信する、とMotorolaは述べている。

droid 君の憂鬱

droid eat apple「Android」搭載端末の多くが旧版OSを搭載–米調査

 「ブロガーが調べてみた」という程度のもので、「米調査」というようなレベルのものではないだろう。CNET さんにはこれの日本版を作っていただきたい。「買った時から旧バージョンで、アップデートが来たと思ったらすでにそれも旧バージョンだった。そして、それっきりアップデートされずに縛りが終わるまで待つしかなかった」というユーザは既にいる。

 端末オタクどもは知っていたが、体系だって確認できていなかったことがはっきり見えて興味深い(アメリカ版なので機種は違うが)。Android のバージョンアップの速さと端末メーカーのカスタマイズが裏目に出たといえる。ガラパゴス機能を搭載する日本では Android のバージョンアップにカスタマイズが追い付かず、新製品が旧バージョンで出荷されることも珍しくない。Goole が Gingerbread (2.3) の次のバージョンをジャンプアップとなる ICS(4)としたことで、時間が生まれ(ICS の出荷時期は2011年12月頃)、日本製の端末も追いついてきつつあるが、ICS 出荷後に速やかに対応できる端末があるのかどうかは分からない。当分は 2.3 を搭載した新機種が出荷されるのではないだろうか。

 また、ハードウェア的な要求も 2.3 と4では異なっているだろう。今年後半に出荷された機種は多くがデュアルコアを搭載しているが、ちょっと前まではシングルコアも多くあった。それらが ICS を快適にドライブできるのか。もしできなかった場合に選択肢があるのかがポイントになる。買って半年も経ってないのに OS は旧バージョンとなり、アップデートに見放される状況になることを予想している人は少ないのではないか。というか、そういう観点で端末選びをしていない大多数の元ガラケーユーザが放置されかねない。今年ガラケーからスマートフォンに乗り換えたユーザーで自分の端末のプロセッサを答えられる人がどれくらいいるだろうか。たまたま、見た目が可愛いからとシングルコアマシを買った人がが、ICSへのアップデートができないと言われてがっかりするんじゃないだろうか(元々、興味も無い可能性はあるが・・)。

 メーカーもキャリアもマスコミもそんなことは書かないし、ショップでも説明はしない(ショップ店員がスマートフォンのOSについて十分に理解しているとは思えないことも多い)。

 Android アプリはほぼ無法地帯と思っておいたほうがいい。危険なアプリがあった時に OS での対応が不明確で遅い。メーカーで機種ごとにカスタマイズされているのでアップデータを出すことが難しいのだろう。google が OS のセキュリティアップデートを作ってもガラケー化された個々の端末にインストールしていいものかどうかはキャリアが検証するしかない。キャリアは新製品開発に忙殺されて販売終了したマシンのOSへのアップデートまで手が回らないのではないか。iPhone を使っていると時々 OS のアップデートがあった。しかも、iTunes で最新のバージョンが世界中で同時に使えるようになる。この6月くらいに 3.1 へとアップデートされた XOOM の Honeycomb は 3.1 アップデート後一回もアップデートされていない。

 OS のアップデートにこだわるのは、セキュリティ上の脆弱性に対する最も効果的な対抗策が OS のアップデートだからだ。そして、スマートフォンの楽しみの一つでもあるからだ。iPhone 3GS を買ってから2回のメジャーアップデートがあり、その度に新しいマシンを触るような新鮮な楽しみがあった。それは、スマートフォンのようなデバイスを持つ者としての大きな喜びだ。iPhone 3GS と同時期に発売された android 端末で2.3までアップデートされた機種があるんだろうか(そもそも、その頃に日本製の android はなかったかもしれないが)?

 ついでに、Android がセキュリティ上 iOS より危険だと思う理由を簡単に挙げておきたい。

  1. 審査されていないアプリをインストールできる。honeycombの設定には「提供元不明のアプリ」をインストールできるようにするチェックボックスがあり、これを入れると提供元不明のアプリがインストール出来るらしい。iOS でアプリを配布するには apple に対してデベロッパ登録する必要があり、「提供元不明のアプリ」という物は存在しない。(このことは、iOS アプリ開発の不自由さにもつながり、Apple の審査基準が厳し過ぎて、ユーザが望んでいるものすら閉め出されているケースもあるが、別問題。)
  2. API の自由度の高さ。iOS では許されていない情報へのアクセスやコントロールが可能。先日話題になったカレログは iOS では作ることができない。ソフトウェア開発的には出来るかもしれないが、1の審査で「許可されていない情報へのアクセス」を理由に配布できない。
  3. 上にも書いたとおり、メーカー(日本の場合はキャリア)のローカライズやカスタマイズのために、対策がローカルのメーカー依存になってしまい、放置されかねないこと。

android Ice Cream Sandwitch に思う

 google のおひざ元ではなく台湾でのサムスンとの共同イベントで発表された。Motorola を買収しハードメーカーにもなる google が OS 供給元として他のハードメーカと共同していくことを示すための配慮だろう。また、次期 OS の Ice Cream Sandwitch (以下ICM)を搭載したリファレンスモデルをサムソンにしたのもその表れだろう。

 気になるのは android の変化だが、Engadget Japanese の記事「速報:Google + サムスン Android 4.0 ” Ice Cream Sandwich ” 発表」を見る限りでは honeycomb を改良しスマートフォンに対応したものというイメージだ。物理的なメニューボタン、バックボタンはなくなり honeycomb と同じボタンが並んでいた。どうやらあのボタンのデザインは XOOM だけのものではなくhoneycomb の標準的デザインらしい。ボタンのデザインがあれだとアプリ等のアイコンのデザインも考え直すべきではないだろうか。

 「Android 4.0 発表、新機能まとめ & プロモ動画」はリストになっていて読みやすい。NFCを決済ではなくガラケーの赤外線のように使うというアプローチは面白い。NFCは将来的にはおサイフケータイを置き換えるであろうものだが、Felicaが普及した(といっても一般に使用が広がったという意味ではなく、読み取り端末が小売店に配備され課金ネットワークが稼働しているという意味)日本では本来の使い方(Googelは少額決済サービスを世界的に進めるつもりでいるらしい)は難しいだろう。これについては、ハードウェアの対応が必要なので既存のハードを使っているユーザにとっては無関係。
 
 OSの基本的な機能として挙げられているものの多くは honeycomb では搭載されているものだ。ユーザインターフェース周りの改善はアプリ側が対応しなければ効果は薄い。ICS の環境が iOS のレベルになるまでにはかなり時間がかかるのではないだろうか。

 一つだけ、便利そうだと思ったのは「最近のアプリ」ボタンで表示されたアプリ画面から不要なアプリを削除する機能。せっかく最近のアプリがリストされてもスクロールが大変でホームに戻ってからアイコンをタップしたほうが速くなっているから。スマートフォンでは画面が小さくて一覧性が悪いので、こうやってアプリを落としていかないとXOOM以上にスクロールが大変だろう。

 あと一つ、必要とはいえないかもしれないがスクリーンショットがとれるようになるのは嬉しい。このブログも不鮮明な写真を使わなくてもよくなる。google の秀才たちはこんな機能は不要だったんだろうか・・・

 残念なことに、タブレットのリファレンスモデルはなかった。Galaxy tab はまだ対応していないのだろうか。また、現行の gingerbread や honeycomb のアップデートが行われるかについても、記事には無かった。もし発表があっても、iOS と違って、キャリアのカスタマイズがかかったローカライズ版はキャリアのローカライズと検証が終わらないと公開はされないだろう。

 まあ、docomo は ICS 対応版 Galaxy を発表したが発売は来年以降らしいから、年内に既存 android マシンへのアップデートが行われることは 100% ない。これは iOS5 の発表を WWDC で行い公開は10月に行った apple と一緒だ。XOOM の場合はそれまでにau に見放されて販売後半年でOSのアップデートがされなくなった悲運のマシンの後を追うことになるかもしれない。同時に、現在発売されているハードボタンを持った多くの android マシンは物理ボタンと仮想ボタンが重複する状態になるのか、OSでハードボタンがある機種は仮想ボタンを表示しないようにするのかは分からない)。

android の明日はどっちだ?

 一度延期された ICS こと Ice Cream Sandwitch / android OS ver 4 が19 日に発表されるらしい。「次期 Android via @engadgetjp」

携帯キャリアに依存したローカライズ OS を搭載している機種のアップデートは遅れるだろうが、素のAndroidに近い海外製端末は可能だろう。というより、auさん、よろしくお願いします。(この辺りの、間にキャリアの意向や都合が入り込む所がキャリア販売Androidのイマイチな所だ。)

 最も気になるのはタブレット端末のリファレンスモデルだ。7インチの縦型になるのか10インチワイド横型(XOOMの後継)になるのかだ。これは今後のアプリ開発のガイドラインになるだろう。honeycomb ではandroid market は横画面固定だったが、スマートフォンとバージョンを合わせるための ICS でどのような形にするのか注目して待ちたい。