Apple watch watcher の憂鬱

アップル、「iPhone」販売台数が過去最高に–第1四半期決算 CNET
Appleは2017会計年度第1四半期の決算を発表した。過去最高の四半期売上高で業績目標を大きく上回り、「iPhone」の販売台数も過去最高を記録した。

 売上高は784億ドル、純利益は179億ドル(1株あたり3.36ドル)だった。

apple 2016-1Q

 iPhone、Mac、iPad については表のとおりだ。

 気になる Apple watch は other products にまとめられている。other products で大きなものは Apple watch、Apple TV、iPod だ。iPod と Apple TV がこの四半期で大きく変動したとは考えられないので、変化のほとんどが Apple watch のものだろう。

 2016年7月~9月の四半期と比較すると、大きく売上を伸ばしたように見える。が、これは新製品発売前の買い控えからのリバウンドでしか無い。それも、前年同期比で売上を伸ばすほどの勢いはなかったことが分かる。iPod や Apple TV の減少も含まれているが、少なくとも大きく売上を伸ばしていないのは間違いない。第一世代の不満点の多くを解消して実用性が上がったと思われる(自分調べ) Series 2 を持ってしても減少の歯止めができなかったのだ。

 ということは、スマートウォッチ市場全体も、前年同期比では縮小傾向といえるだろう。他メーカーのスマートウォッチが Apple watch の減少分をカバーするほど売上が増えていなければではあるが。他メーカーの全部の売上を足しても Apple watch の数分の一でしかないガリバー型市場ではそんなことはあり得ない。というより、実際には他のスマートウォッチメーカーも売上を減らしている可能性が高い。フィットネス・トラッカーで唯一の勝ち残りといっても過言ではない Fitbit ですらこの状態だから。

Fitbit、従業員の6%を削減へ
 ウェアラブル大手のFitbitは米国時間1月30日、「およそ110名の従業員を対象とした人員削減」を行うと発表した。これは同社の全従業員のおよそ6%に相当する。

 スマートウォッチ・ウォッチャーとして、次のイベントは回線付き Android Wear 2.0 端末の発表・発売だ。スマートフォンに依存しないスマートウォッチが市場にどれくらい受け入れられるか楽しみだ。これで駄目なら、電池の大幅な性能アップを待つしか無いだろう。

ウェアラブル市場の課題を解決するのは・・・

 ウェアラブルデバイスの市場は実は大きくは変わっていない。あったのは Apple watch の新規参入によるパイの拡大と失速によるパイの縮小だけだ。スマートウォッチもフィットネス・トラッカーもニッチなオタク向けのデジタルガジェットでしかなかった。ただ、Apple watch の参入により競争関係が大きく変わり、淘汰された企業が目立っただけだ。

 下の記事には納得できることが多い。Android 2.0 もそれ自体は起爆剤にはならない。しつこいようだが、スマートウォッチに必要なのは回線だ。回線さえあれば、「スマートウォッチでできるのにスマートフォン持ち歩く必要ないやん」という時代になる。「回線こそがスマートウォッチを救う

 Android 2.0 の回線付きスマートウォッチがこの回答になるのか。Android 2.0 の脱スマートフォンという方向性は正しいと思う。というより、この方向にしか未来はないと思う。2017年2月に発売されるとされているスマートウォッチがスタンドアローン・スマートウォッチとして普及するかどうかは分からない。Apple watch に回線が付けば火がつくと思うが、Android wear 2.0 と LG にその影響力があるとは思えない。

 また、電池の持ちがウェアラブルデバイスとして許容範囲かどうか、そして Apple watch 2 より安いかどうかだ。LG ブランドで 4 万円以上は無理だろう・・・

昨年苦しみを味わったウェアラブル市場の課題
今は手首にはめるデバイスにとって「待ち」の時期だ。数年間ものすごい盛り上がりを見せていたウェアラブル業界だが、今年のCESではあまり目立っていなかった。2つ、3つ新しいスマートウォッチが発表され、パートナーシップやそこそこの出来のフィットネスバンドがアナウンスされたくらいで、業界全体のフォーカスとしては、Alexaを搭載した種々のデバイスやスマートホームへとシフトしたように感じた。
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回線こそがスマートウォッチを救う #LG #AndroidWear2

Android wear 2.0 Pebble Core 以降、興味の持てるスマートウォッチ、フィットネス・トラッカーは無かったが、下の記事を読んで発売が楽しみになった。

 Android Wear のバージョンアップには興味はない。スマートフォンの機能をどこまで盛り込めるかしかないからだ。これと同じ論調の記事「Android Wear 2.0のデビュー機はソフトもハードもGoogleが設計に介入、その隠し玉は何だろう?」がTechCrunchにあった。

 自分が惹かれたのは「3GとLTEによるデータ通信が可能」というフレーズだ。すでに中国製の回線付き Android スマートウォッチがあるのは知っていたが、Google 純正の端末で回線接続できるものが発売されるとは思っていなかった(LG は昨年から回線対応モデルを出していたが)。いつかは出ると思っていたが、2017年初頭に出るとは思っていなかった。

 スマートウォッチは消えていく?(ギズモード)<否、ただし今の世代は消えるのみ)で書いたが、今のスマートウォッチはスマートフォンの周辺機器でしかない。スマートウォッチがウェアラブルデバイスとして生活に無くてはならない物になるには回線が必要だ。パソコンがネット端末になったときのことを思い出して欲しい(思い出せるのは50歳以上だろうが)。今ではパソコンを買うということはネット端末を買うということと同義だ。回線でつながることでパソコンの存在意義自体が大きく変わった。スマートウォッチも同様に変わる可能性を秘めている。

 単体でインターネットにつながるスマートウォッチが普及すればスマートフォンの重要性は相対的に低下する。スマートウォッチで出来ないことをサポートするための大きな液晶を持ったデバイスになる。スマートウォッチが単体で回線に繫がるのであればスマートフォンアプリの有無など大した問題ではない。bluetooth で iPhone のアプリにデータを渡すことはできなくても、クラウドにアップロードできれば、無問題だ。

 Pebble 2 で人柱になったばかりだが数万円までなら人柱になってもいい。iPhone 6 で使っているSIMを挿してみて、使えるようならデータ専用の低速 SIM 回線を一本契約すればいいだろう。

 因みに、スマートウォッチが回線につながるようになるときに iOS と Android のアドバンテージが消える(スマートフォンというレガシーを動かすための OS として残るが重要性は下がる)。「夢見るのはやめよう–モバイルOSの勝者は Apple と Google」を書いたばかりだが、シャッフルの可能性はある。ただし、もう OS なんて何でもいい「IoT の肝はデバイスではなくビジネスモデル」なのだから。

グーグルとLG、「Android Wear 2.0」搭載スマートウォッチを2月10日に発売か – CNET Japan
 「Android Wear 2.0」を搭載する初のスマートウォッチが、GoogleとLGの提携によって米国時間2月9日に発表される見込みだと、VentureBeatのEvan Blass氏(Twitterアカウントは「@evleaks」)が報じた。

 信頼できるリーク情報が多いことで知られるBlass氏によると、「Google Assistant」機能が統合された「Watch Sport」および「Watch Style」と呼ばれる製品が、2月10日から米国で発売されるという。

 どちらのスマートウォッチも円形の有機EL(OLED)ディスプレイを搭載し、Wi-Fi接続とBluetooth接続に対応するようだ。Watch Sportはチタンと濃いブルーの2色、Watch Styleはチタン、シルバー、ローズゴールドの3色が用意されるという。また、Watch Styleのストラップは交換可能になると、Blass氏は述べている。

 フラッグシップモデルのWatch Sportは、3GとLTEによるデータ通信が可能で、「Android Pay」が利用可能な近距離無線通信(NFC)に対応し、GPSと心拍センサを搭載する。また、どちらのモデルも「Apple Watch」に似たデジタルクラウンで操作し、防塵および防水仕様になるという。
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Withings “Steel HR” 25日間の電池持ち

withings Steel HR Wi-Fi 体組成計とホントにつながる API とクラウドサービスで全俺の信頼を勝ち得た Withings の新製品。従来モデルに心拍センサーを組み込んだものだが、LED照射型の心拍センサーを搭載しながら25日間電池が持つというのは驚異的だ。が、市場がどのような評価を下すかは全くわからない。

 Health Mate アプリとクラウドサービスで同社のセンサーデバイス群を有機的につなぐというのが Withings の基本戦略だ。ネットワーク会社となった NOKIA が Withings を買収したことの意味がここにある。このスマートウォッチも「スマートウォッチを改良してみたので買ってください」だけではない。このデバイスがラインナップに入ることで、これまで他社のフィットネス・トラッカーに依存していた(そして往々にして不十分なローカールデータである)24時間の心拍数の推移が加わることになる。これらの複数のデバイスからネットワーク経由で集められるデータ(今風に言うならビッグデータを次のビジネスに結びつけたいのだ)。個々の端末を販売するだけのベンチャーが淘汰されるのは当然の流れだ。IoTの肝はビジネスモデル

 ここがオムロンとの違いだ。ダサイ外見に目をつぶればオムロンは Withings とほぼ同等の製品ラインを持っている。にも関わらず、オムロンは Apple のヘルスキットにも対応しなければAPIによって他のサービスとデータを共有することもしない。それどころか、ウェブサービスを閉じて自社が管理するクラウドサービスに加入しているユーザのデータを失うことまでしてしまった。アホとしかいいようがない。

 じゃ、Apple はどうかというと、可能性は示したものの、自社でヘルスケアの有料サービスを始める気は無いようだ。少なくとも、少額決済や娯楽売上方面にしか向かっていない気がする。が、自分的には高度なヘルスケアサービスのためのインフラとなるクラウドサービスのほうが将来性が有ると思う。前に聞いたことが有るが、健康保険会社が契約者にフィットネス・トラッカー装着割引を行うことなども考えられる。あるいは、クラウドのヘルスケアサービスの履歴によって保健サービスを受けられるようにすることで医療費の削減に繋げられるかもしれない。

 その途上で、「フィットネストラッカーはダイエットに逆効果、という研究結果2年間に及ぶ研究の結果、フィットネストラッカーをつけたグループは、一般的なダイエットを行ったグループと比べてダイエットの効果が落ちてしまったことがわかった。」りもするかもしれないが(これについては別にエントリを書く)、詳細なデータが個人別に何年も記録されるような時代はこれまでになかったので、新たな知見が得られるはずだ。

 少し話はずれるが、フィットネス・トラッカーにしてもスマートウォッチにしても、消費カロリーや睡眠・運動習慣の記録は取れるが、取得する食料のデータを入れられないのが今後の課題だろう。自分も一時期 Fitbit で食べたものを入力したがUIの悪さに辟易してやめた。今のバージョンは知らないが、UIが改善されたからといってその手間は変わらないだろう。また、その精度の低さも・・・

心拍測れて『25日間の電池持ち』Withingsが新アナログスマートウォッチ「Steel HR」を1月20日発売
Withingsがアナログ文字盤スマートウォッチの新モデル「Activité Steel HR」を国内発売すると発表しました。発売日は1月20日。税込価格は36mmモデルが2万4800円、40mmモデルが2万7800円。米国などでは2016年10月に発売していたモデルです。
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スマホで肥満になるワケは…「スマホ」と結びつけたいだけちゃうんかww

photo pizza and diet coke
Ingredients (for vegetarian option):
•1 large Domino’s American Legends Pacific Veggie Pizza (default order customized with light cheese, green peppers added, and no provolone, parmesan, or feta cheeses)
•1 two-liter bottle of Diet Coke
 相関を因果関係として表現するという詐欺的見出しの典型だ。見出しを読んでクリックされることを期待するPV稼ぎにしか過ぎない。

 元の研究ではPCやタブレット、テレビ(コンソールゲーム)も含んでいる。スマートフォンは比率的に大きいかもしれないが、「スマホで肥満になる」という主張とは全く違う印象を受けるはずだ。更に、結局肥満の直接的な原因は「加糖飲料を好んで飲み、ほとんどが運動しない状態で過ごす」からに過ぎない。要するに運動不足と高炭水化物飲料でしかない。

 インドアな趣味を持っていいてそれに長時間費やす人間の生活習慣が肥満に結びつきやすいというだけだ。こんなん、40年前から変わっていない。趣味の対象が読書かテレビゲームかSNSかの違いでしかない。

 ちなみに、自分は一般的な意味でのダイエットには成功しているといっていいだろう。しかし、液晶デバイスは大好きでスマホはジムの風呂のとき以外は常に持ち歩いている。自室のパソコンは常時電源が入っている。仕事中も常時PCの前にいて就業時間中の大半は座ったままだ。肥満にならないのは食事と運動の違いだ。

 ちなみに、運動中も iPhone は使っている。というより、iPhone や Fitbit (Pebble2)がなければこのような運動習慣は身につかなかった。Fitbit、STRAVA(Runkeeper)がなければマラソンの完走なんてできなかった。ジムに通っているのもその延長だ。

 なお、ピザを食べる場合は写真を参考にどうぞwww

スマホで肥満になるワケは…… 仇になったドリンクとスナック菓子の相性のよさ|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS
 1980年代後期にNY発で流行したカウチポテト(couch potato)族という言葉を聞かなくなって久しい。

 ソファー上のジャガイモよろしく、座ったり寝ころんだままゴロゴロとTVやビデオ鑑賞をしながら過ごす種族の意だった。それが日本では「ポテトチップを食べながら」的な意味も付加されて、レンタルビデオ時代の象徴用語としても記憶されている。

 その後、パソコンが普及し、スマートフォンやタブレット端末などのスクリーンデバイスが定着した。カウチどころか歩きながら、家事をしながら、あるいは便座に腰かけてでも<画面にくぎ付け>という習慣が日常という人も少なくない。
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明日はどっちだ?「Fitbitが高級スマートウォッチのVectorを買収」

スマートウォッチは消えていく?(ギズモード)<否、ただし今の世代は消えるのみで書いたように、スマートフォン依存型のスマートウォッチには市場はないと思う。一年もすれば機能の劣る旧型になるデジタルガジェットを古くなっても価値が下がらない高級腕時計のように考える人はいない。Apple watch もコレクターズアイテム的なEditionを廃し機能性を重視するように方向転換を図っているようにみえる。そんな中、Fitbit は高価なスマートウォッチラインの製品にシフトしようと画策しているのだろうか。

 自分には間違った方向にしか見えない。Fitbit が売上を伸ばしたのはフィトネストラッカーによるものだろう。自分が Fitbit charge HR を使っていて楽しかったのは運動や睡眠のログだった。

 下のスマートウォッチ売上の推移でも売上の顕著に伸ばしたのはGPSトラッカーのGARMINだけだ(といっても元が小さすぎるだけで全体への影響は局小だが)。Apple watch は新モデル前の買い控え期だが、他のメーカーもほとんど売上を落としている(Apple と比較すると小さすぎて目立たないが)。

table smartwatch sells 2015,2016

 フィトネストラッカーやGPSトラッキングこそがウェアラブルデバイスの生きる道ではないか。ヘルスケアサービースを主に据えたクラウドサービスをIoTと結びつけてエコシステムを構築することこそが重要だろう。昨年 Tim CEO は iPhone 7 発売前のインタビューで「それがなければ生活に支障をきたすようになる画期的なものを出す」と示唆していたがこれっぽっちも生活に困っていない。iPhone 7 や Apple watch 2 を持っている人がいても特に羨ましいと思わない。

 全てのライフログデバイス(フィットネス・トラッカー、GPSトラッカー、サイコン・ケイデンス計、体組成計、血圧計等)のデータを一つのダッシュボードで管理でき、分析までできるようになれば生活は、自分だけかもしれないが、楽になる。

スマートウォッチは消えていく?(ギズモード)<否、ただし今の世代は消えるのみ

 下の英語の記事を訳したのが上。「便利になるはずのスマートウォッチが逆に手間を増やしている」というニュアンスが落ちている。他にも色々と情報が抜け落ちている。まあ、わざわざ原文にあたるべき内容の記事ではないが。時々意訳が過ぎて元の記事と異なっていることがあるので翻訳記事には注意が必要だ(自分も、気になる記事しか原文は読まないが)。

 この翻訳記事の引用の最後の「いっぱいに~」というのはさいとのままだが、主文をあとで訳すつもりで放置したのだろうか?プロの文章ではないだろう。これから受験シーズンだが、受験生の皆さんはこんなことは絶対に真似しないように。

 ただ翻訳最後の段落「そんなスマートウォッチの未来図が定まるまで、まだまだ来年も市場の盛り下がりが続いていきそうな予感でしょうか。」は原文にはない。原文の最終段落では Apple watch の新しい OS のおかげで楽しさが蘇ったことを例に取り、「The key for smartwatch makers will be to maintain that fun factor for the life of a device. Until that happens, the smartwatch will be just another lame gadget that’s lost under a couch cushion after a week of use.」で締めくくっている。だいぶ印象が違う。

Apple Watch Series 2の発売、そしてFitbitによるPebble買収などいろいろと話題があった2016年のスマートウォッチ事情。米Gizmodoによる2016年のスマートウォッチ辛口コラムです。

情報源: スマートウォッチは消えていく? Apple WatchとPebbleの苦戦からみえる未来とは|ギズモード・ジャパン

やっぱりスマートウォッチって、わざわざスマートフォンと別個に持ち歩かなければならない存在意義が乏しいのでしょう。スマートフォンにはできないけれど、スマートウォッチがあるからこそできることが少なすぎるのです。本当にApple Watchがなければ体験できないワクワク感さえあれば、充電の面倒だって苦にはならないでしょうし、多少の不便を忍んででも使いたくなる理由がいっぱいに〜。

Smartwatches Are Dying Because They Are Worthless

情報源: Smartwatches Are Dying Because They Are Worthless

Ultimately, they don’t actually improve the wearer’s life enough to warrant their myriad of hassles. Sure, they can give you a rough measurement of your heart rate, or tell the time, or let you know when you receive an email. But your phone can do all that too. The convenience of the smartwatch is outdone by its inconveniences—the pairing with a phone, the need to charge, and the stigma of that glowing display that’s always on your wrist.

 上記の記事の後に下のような記事があった。この記事は Fitbit アプリのダウンロード数から売上を推定しているので、どのモデルが売れたかという情報が皆無だ。記事にあるように「両親へのプレゼント」であれば操作が簡単で、充電が不要で、邪魔にならない(今使っているであろう腕時計と競合しない)ローエンドのセンサーだろう。

 Fitbit は高機能のスマートウォッチやGPSトラッカーで Apple watch を迎え撃つつもりだったかもしれないが、その必要すらなかった。今の技術でできる腕時計型端末は中途半端で、一部のガジェット好きにしか受け入れられなかった。ウェアラブルデバイスの厳しさについては前にも書いたとおりだ。

 Fitbit の思惑と別に、ローエンドのデバイスは市場に受け入れられていることは興味深い。ここに市場は存在する。手間の掛からないシンプルで安価なデバイス。そして、ビジネスチャンスがあるとしたらアプリとクラウドサービスだろう。fitbit を始め多くのヘルスケアサービスが立ち上がっている。クラウドによるサービスをどれだけ取り込めるかが重要なのだ。fitbit も多くのサービスと API 連携を始めたようだが、まだ足りない。

 ここにはビジネスチャンスが有る。

ホリデーシーズンがやってきて、また去っていった。そして、いつも通り、Fitbitがやや息を吹き返した。また今年も、みんながFitibitをプレゼント用に買っている。〈正確な〉数はわからないが、ダウンロードランキングを見ると、FitbitはApp Storeのトップに踊り出ている(スーパーマリオランの途方もないプロモーションの存在にもかかわらず)。どうやらこの商品は両親へのプレゼントにもかな…

情報源: Fitbit、ホリデー需要でようやく一息 | TechCrunch Japan

 フィトネストラッカーのビジネスとは別に、スマートウォッチもなくならないと思う。今あるのは過渡期の試作品でしか無い。携帯回線に直接繋がるスマートウォッチがメジャーブランドから発売され、電池の持ちが改善されれば、ほっておいても実用的腕時計は全てがスマートウォッチになるだろう。自分がマラソンを走れる間に達成されるかどうかは知らないが。

少なくとも、中国で売られている端末の中には SIM スロットを持った腕時計型Android端末は存在する。ログを Apple のヘルスケアや STRAVA と共有できなければ意味が無いので買っていない。メジャーなメーカーが販売できるレベルの完成度に達してもいないのだろうが、要素技術は揃っている。足りないのは電池の性能だ。そして、世界中のメーカーがこの課題に取り組んでいる。
3G smart phone


pebble core それまでの現実的な解として、Pebble が示した core があと一歩で市場に出なかったのは返す返すも残念だった。

Pebble クラウドに頼らず使い続けられるよう開発者が奮闘中

pebble 2 サービス打ち切りになったデバイスを山のように持っている身としては、こういった動きがあることは嬉しい。

 「サードパーティ製サービスに依存するメッセージ機能や天気予報などの機能については継続できる保証がない」のは当然だろうし、iOS や Android のバージョンアップや新機種への対応が行われずスマートフォンアプリが動かなくなる可能性も高い。ハードウェアの故障や経年劣化時の修理も無理になるだろう。

 開発者が先細りしか無いプラットフォームに対して新しいアプリを開発する意欲はなくなるだろう。それを責めることはできない。

Fitbitが買収のPebble、2017年もサポート継続を発表。クラウドに頼らず使い続けられるよう開発者が奮闘中 – Engadget 日本版

Fitbitに買収されることが発表済みのPebbleが、2017年もサポートを継続すると発表しました。買収発表当初、FitbitはPebbleの一般向けサポートをすべて終了すると伝えられていました。

Pebbleのジョン・バーロウ氏はPebbleの開発者向けサイトに「Fitbitとの第1歩」と記した記事をアップし、電子ペーパー式スマートウォッチを2017年もこれまでどおり使えるようにするとユーザーに伝えました。これまでどおりとは、ユーザーが導入しているアプリやアプリストア、ファームウェア、APIがすべて使い続けられるということ。

バーロウ氏のチームはまた、2018年以降で仮にクラウドサービスが停止したとしても、単独でPebbleを使い続けられるよう、アプリ類の調整作業を続けているとしており、現在はPebble Healthなどを単独で利用可能とするアップデートを数か月以内にリリースするつもりです。

バーロウ氏らのチームは、サードパーティ製サービスに依存するメッセージ機能や天気予報などの機能については継続できる保証がないとしています。とはいえ、それらの独立系アプリメーカーもPebbleデバイスの延命に協力する体制を作っており、まったく使えなくなる機能は限定的かもしれません。

新しいPebble製品の発売はもはや期待できないものの、Pebbleユーザーにとっては愛着のあるスマートウォッチが少なくともまだまだ使えるとわかっただけでも一安心と言えそうです。

Apple watch はフィットネス・トラッカー?スマート・ウォッチ?

 Apple watch は昨年、春に販売が開始された後の四半期で、今年は 2 待ちの買い控え時期なのであまり意味のない数字だ。ホリデーシーズンを含む現四半期のシェアがどうなるか。スマート・ウォッチ市場全体の増減はどうかだ。

 それより、この記事を読んで感じるのは「フィットネス・トラッカーとスマート・ウォッチを別の市場として比較することに意味があるのか」だ。何度も書いたが、ユーザーの腕は一本だ。それをフィットネス・トラッカーとスマート・ウォッチと腕時計で争っている。中には左腕にスマート・ウォッチ、右腕にフィットネス・トラッカーという、先日までの自分のような変人もいるが統計誤差に埋もれる程度だろう。自分としては、フィットネス・トラッカーとスマート・ウォッチを分けるのは無意味なので、腕時計型デジタルデバイスとして一括りにすべきだと思う。

 後、Fitbit や GARMIN のようにフィットネス・トラッカーとスマート・ウォッチの両方を作っているメーカーはどうやって台数を振り分けたんだろうか。そもそも、Apple watch を分けることは無理があるだろう。だとしたら Apple watch は両方の統計に全数入っているのに他社は機種ごとに分けていることになる。比較の対象がおかしいだろう。

 とにかく、フィットネス・トラッカーの市場は Apple watch の台数が大きく減ったにも関わらず3%の増加傾向にある。スマート・ウォッチ

Apple Watch、フィットネストラッカーとしてのシェアを大きく落とす|ギズモード・ジャパン

Pebble 2 を買ったよ その6 で、フィットネス・トラッカーとしてどうなん?

写真 pebble 2 with runkeeper ある程度使い込んでからこれを書こうと思っているうちに、Pebble が Fitbit に買収され製品の販売停止(kickstarter で Time 2 や core に出資していた人は払い戻し)、サポート打ち切り、サービスの段階的縮小が決まってしまった。(Fitbit、Pebbleの主要人材とソフト・知財関係の買収を発表。Pebbleは全製品の生産販売を打ち切り:engadget)

Pebble’s Next Step では “Pebble devices will continue to work as normal. No immediate changes to the Pebble user experience will happen at this time.”と書いているが、そのすぐ下に “Pebble functionality or service quality may be reduced in the future.” とある。ハードウェアのみを収入源としている Pebble がハードの販売を打ち切った後でクラウドの運営は続けられないだろう。アプリストアや文字盤は今のうちにダウンロードしておかなければ無いだろう。クラウドに依存しているアプリはサーバ停止と同時に息の根を止められるだろうが・・・

 話がそれてしまったので、結論だけ書く。フィットネス・トラッカーとしては使えない。理由は下のとおりだ。

  • Runkeeper と繋いで心拍センサーとして機能させることができるが運動時の心拍数があてにならない
  • Runkeeper と繋ぐと、Pebble 2 で走行距離や時間が表示できるが、iPhoneの画面を消すと止まってしまう。画面をアクティブにしたままポケットに入れると誤操作につながる。また iPhone のバッテリーを無駄に消費する。
  • Pebble 2 で Run や walk のログをとっても notifications で結果のサマリーが表示されるだけで、fitbit のような運動時のログを残すことが出来ない(Pebble アプリの問題)。
  • ウェブサイトによるサポートがない。せっかくのデータが全く活かせない。iOS のヘルスケアの歩数には反映されるが、心拍のログは残らない。

 これらの多くはクラウドやアプリの改善で対応可能なことなので、アップデートで使えるフィットネス・トラッカーに育つかと期待していたが、逆の結果になった。