GARMIN ForeAthlete 630J はフィットネス・トラッカーたるや・・・否

 腕時計型デジタルデバイスの常として、GARMIN630にもライフロガー機能がある。スマートウォッチのような通知やアラーム、フィットネス・トラッカーのような睡眠ログや万歩計もある。

 しかし、その実装が今イチ。昨日は実装されているが、どっちつかずの感が拭えないのが 630 の感想だ。なので、Pebble 2 の代わりに使うことは諦めた。Pebble 2 もアプリがアップデートしてからデータを共有することをやめてしまって、ライフロガーとして機能しなくなったが、端末とアプリは機能するから。

 630を普段使いしなくなった理由は、アラームの仕様だ。自分は fitbit charge HR 以降目覚ましはフィットネス・トラッカー(スマートウォッチ)に依存している。腕時計のバイブで目覚めるのは快適だから。GARMIN 630 にもバイブや音によるアラームはある。しかし、10年以上前のケータイにすらあった、スヌーズや任意曜日の設定がない。今時のフィットネス・トラッカーに標準的に存在するスマートアラーム(眠りの浅い時間帯に起こす機能)もない。一番困るのは繰り返しで任意の曜日を選べないことだ。選択肢は「毎日・平日・週末」だけだ。そして平日は月~金、週末は土・日に固定だ。誰もが土日に休日なわけではない。このアラームだと休みの日と平日のアラームのなる時刻を別にしたい場合で、休日が土日に固定されていない場合には全く使えない。
アラーム仕様比較
 また、その設定を端末で行わなければならないのも地味に不便だ。アプリで端末の設定ができるのだから、fitbit charge HR のようにアプリで設定できるほうが便利だ(設定が別れている不便さは他にもある)。

GARMIN 630J sleep log
2017/7/1 は土曜日だが出勤日。実際には1日の午前0時過ぎにベッドに入った。
 後、睡眠ログの精度の低さも嫌。これまでに身に着けた睡眠ログをとれるデバイスの中で圧倒的に精度が低い。充電している時間、座ってPCを触っている時間、ベッドに入って本を読んでいる時間などが睡眠として認識されることが多い。また、身につけていたのに睡眠時間がゼロだったりもした。そういう精度の低い情報を元にアドバイスされても全く参考にならない。

 後、歩数のカウントもいまいち納得がいかない。ランニングやウォーキングが含まれない。だから、休日で会社に行かない日だと、2時間のランニングやウォーキングをやっても、「歩数が足りないのでもっと歩きましょう」となる。ランニングやウォーキングをした時のログをGARMINは持っているのだから、合わせて集計することは簡単なはずだ。

 GARMIN 630 はスポーツ時にして、普段はフィットネス・トラッカーかスマートウォッチがいいか。これらのデバイスがAPIでデータを同期できればいいんだが・・・とりあえず、Pebble 2 で秋まで我慢して、Apple watch の次の製品を見て、気に入れば Apple watch を買って、イマイチなら fitbit charge 2 だな。

GARMIN ForeAthlete 630J GPS精度

 言うことなし。この場所は視界がひらけていてGPS的に見晴らしがいい場所(高圧電線が横切っているが)だ。それでもiPhone 6 ではこれだけぶれてしまう。実際より速度が速く出るのはこのせいだ。対するGARMIN 630はほとんど道なりに走っている。

 GPSには4つのモードが有る「なし、GPS、GPS+GLONAS、省エネモード(計算頻度を減らす)」。自分は常に GPS+GLONAS。併用することで捕捉可能な衛星の数が増えるので精度は上がる。一方で一番電池消耗の多いモードだ。仕様では「みちびき」も使っているらしいが、どのモードで使われるのかは分からない。まあ、みちびきなんて1機しか飛んでいないので、「つかめたらラッキー」程度でしか無いが。

GARMIN GPS log
GARMIN ForeAthlete 630J
 GARMIN 630 のログを STRAVA の地図で表示したもの。ほとんど道からずれていない。これはほんとにスゴイ。

 ここには示していないが、高度も正確(routelab と比較して)だった。これは高度をGPSだけでなく気圧計でも計測しているからだろう。SUUNTO T6も気圧計による高度計測ができたが、GPS情報を持たないので、キャリブレーションは自分でやらなければならなかった。GARMIN はGPS衛生から得た情報を基に基本的な高さを設定し気圧計で補正する(どっちがメインかは分からないが)のだろう。

 GPSで座標がわかれば、三角点のDBを参照し正確な高度データを得られる。三角点付近を通った時に基準高度を設定し気圧高度計でプラマイすればかなり正確にはできるだろうが、そこまでやっているかどうかは知らない。

waze GPS log
iPhone 6 GPS
 wazeのドライブ軌跡がこれ。林道美浜潮崎のほとんどでGPSが取得できていない。山道で雑木が高い密度で生い茂っているので、天空の半分近くが覆われている場所が多いせいだろう。

 赤い点線は、waze が従来に描かれている道から離れた場所の位置情報を端末が送ったために、新しい道を走ったものと waze のサーバが判断した区間を示している。線が途切れているのは完全にGPSを見失って、位置情報が取れなかった区間。

 iPhone 6 には気圧計も付いているし、基地局と常時通信している。CPUパワーも比較にならないくらい大きい。なのに、なぜ iPhone 6 のGPSの精度が低いのだろう・・・ちなみに iPhone 7 は GPS+GLONAS+みちびきなので、GARMIN 630 と同等の位置情報が取得できるだろう。携帯電話は常に基地局と更新しているので、どの基地局とつながっているかによって半径数キロまで分かった状態から測位を進められるし時計についても常に合わせている。さらに、A-GPS情報をネットワーク経由で取得しているから更に有利ではある。GARMIN 630 もスマホと Bluetooth 連携している場合には A-GPS 情報は得ていると思われるが、時刻の修正はGPSで行っている。

 スマホによる時刻設定が行われていないことは、最初に電源を入れたときの時刻がGPSを掴むまで変わらなかったことで分かった。Pebble 2 や fitbit charge、体組成計など Bluetooth で管理するようなデバイスはすべて、スマートフォンと接続した瞬間に時計が設定されたので、「なんで時計が合わへんねん」と少し焦ったのだった(^^;

Pebble アプリにもあったアクティビティ・ログ

Pebble app log
ハーフマラソンのログ。距離がおかしいのはストライドの設定が合っていないから。
t だと運動ログとしてもっと詳細な心拍の記録があって、それをモチベーションに運動をする習慣ができた(通勤時のゆるいウォーキングで異常に高い心拍が記録されるのには萎えたが)。Pebble になって残念だったのがこれだった。

 ただ、時系列に一覧するUIは無いので、STRAVA や fitbit 等のサービスと比較すると残念感は拭えないが。後、Pebble のヘルスデータはクラウド保存ではないので、記録した端末にしか残らないので、データの価値は比較にならない低いが・・・STRAVA などのデータは iPhone で記録しようが HT20 で記録しようが、端末を初期化しようが関係ない。アプリをセットアップしログインしたら以前に記録したデータを見ることが出来る。これからの時代、クラウドサービスは必須だろう。そして、APIによって他のサービスと連携することで価値が上がることは前に書いた。

 ヘルスケア関連のクラウドサービスの会社がフィットネス・トラッカーを無料で配り始めるのは時間の問題だと思う。というか、自分ならそうする。端末が送ってくるデータこそが飯の種になるのだから。

連休ログ ツイキャスとツムツムにまみれた一週間www

4/30:

 ジム最終日、兄を迎えに行き親の priori の fitbit との接続確認。

 夜、「イマズマンツーマン」​4月30日(日)中野坂上aja を聴いた。

5/01:

 滋賀県高島市のメタセコイア並木にドライブ。親のPCで Flickr! にアップロードできない・・・後日

 夜に自宅に移動。

5/02:

 河下川ダムルートを Wilier Izoard で。サイコン、心拍計の電池切れ、空気入れ不調、GPS電波切れに見舞われた。

 体調は良く、かなりいいペースで走れたと思う。帰りのR176もそこそこのペースを保てた。

5/03:

 waze まみれな一日。高島市の編集可能域はほぼ完了。

5/04:

 裏六甲ルートで一軒茶屋まで。山頂付近は大渋滞で歩かなければならなかった・・・

 夜、LOT のトークライブのツイキャスを聴いた。

5/05:

 昼ラン。

 娘のWordPressの設定変更。オリジナルドメインで表示出来るようになった。admin に入れなくなると手も足も出ないので手汗が半端ない・・・おかげで、完全バックアップを取る方法が分かった。Lollipop の ftp で大体できるが、アップロード画像は一度PCにダウンロードして ftp でアップロードするしか無かった。

5/06:

 小雨なので、げんしけん17~21を読む、夕方息子が帰ってきたので迎えに行った。

 夕食後社宅に移動。信号運が良かった。

 夕方にザナチュラルキラーズのツイキャスを観た。

5/07:

 昼ラン。iPhone 6 の GPS 不調・・・体調もいまいち・・・

 夕方、食料品の買い出しを兼ねて6kmウォーキング。

 しかし、歩いている最中にナチュラルキラーズのツイキャスが始まり、茶を投げていたら iPhone の電池が切れたorz…

 買い物を済ませ早足で帰ったら最後の2曲だけ聴けた。ありがとう。焦ったせいか牛乳を買うのを忘れていたが(^^;

 ツムツムのイベントをクリア。おまけイベントチャレンジ中。

毎日やったこと:

 ツムツムイベント、waze で高島市から小浜市、舞鶴市にかけて編集。国道と地域の主要道路周辺を大量に修正した。

できなかったこと:

 庭の草刈り、Homtom 修理連絡

ヘルスケアビジネス プラットフォーマーは誰だ?

 様々なプレーヤーの今後目指すべき方向性を列記してきた一連のエントリもこれが最後。合従連衡による、名実ともに戦国時代の様相を呈している。最終的にヘルスケアビジネスを統べるものが現れるのか、群雄割拠してそれぞれが得意分野で利益を分け合うのか、未だわからない。キーとなるのはユーザのデータだ。センサー技術で集めた精度の高い情報を収集しサービスに結びつけることがヘルスケビジネスの向かう方向だ。

 ここで、プレーヤーを列記する。現在はこれらのプレーヤーが互いに依存しながらヘルスケビジネスのパイを広げつつあるところだ。共依存関係にあったり、複数を兼ねている場合もある。今後他のカテゴリに進出するものもあるだろう。

 例えば Apple や Google は他社アプリ(デバイス)で収集したデータの収集を行っているし、Apple はそのデータを医療研究機関に提供している。ウェアラブルデバイスメーカーの多くはオンラインでヘルスケアサービスを提供している。オンラインサービスに乗り出した医療機関も目にした。

 もったいないのは、オムロンの失策だ。体組成計や血圧計、フィットネス・トラッカーを販売しているのに、そこで集めたデータを docomo に譲渡(販売?)してしまった。オムロンといえば他のプレーヤーとの長い間の関係を持っていて、データ資産を活かす方法がいくらでもあったはずなのに、自らそれを捨ててしまった。

 もったいないといえば SD fitness のようなトレーニングジムもデータを活かしていない。データ取得の最前線として、非常にユニークな情報を取得するチャンスを全く活かせていない。月8,000円もの現金を払って自らジムに来るような有望な顧客をみすみす取り逃がしている。しかも、ジムに入会する場合にはかなり詳細な個人情報を得ている。これは Apple や Google では入手できない(自ら記入するかもしれないが、データの精度・信頼度は低い)。

  • プラットフォーマー(Apple,Google,MicroSoft)
  • クラウドサービス(Google,MicroSoft,IBM,Amazon…多数)
  • デバイスメーカー(Apple, OMRON, withings, SUUNTO, GARMIN, Fitbit, misfit, Tanita, Epson, Jawbone, Nike…多数)
  • ヘルスケア・オンラインサービス(STRAVA, runkeeper, nike, Apple, Google, SUUNTO, GARMIN…多数)
  • 衣料品・スポーツ用具メーカー(Nike, New balance, under armer, adidas…多数)
  • マシンメーカー(life fitness)
  • 民間保健サービス機関
  • フィットネスクラブ・トレーニングジム
  • 医療機関(治療)
  • 政府・地方自治体
  • 研究機関(基礎研究・治療法開発)
  • 製薬メーカー・医療器具メーカー
  • 学校・教育機関
  • 総合商社、大企業の保険組合のスピンオフ企業(https://www.desc-hc.co.jp/、https://japan.thediary.com/mimamori/)
  • ネットワーク回線業者(NTT, docomo, softbank, au…多数)

※見落としがあればコメント頂きたい。

ヘルスケア NTT、IoTウェアでレーサーの身体能力を計測する実証実験。

 「ヘルスケアビジネス ドコモが健康経営攻略に本腰って、相変わらず法人営業www」で相変わらずの姿勢に幻滅したが、ヘルスケアビジネスに貪欲に挑んでいる。

 どこかで見たと思ったら「目の付け所が・・・“着る”センサーで健康情報を計測 – リアル開発会議」で取り上げた物の改良版のようだ。諦めずに続けていたことは素晴らしい。

 上で引用した記事には「2014年中にNTTドコモが中心となって、ウエアとスマートフォンを連動させたサービスを提供する予定だ。」とあったが、3年近くたってもプロトタイプらしい。当然だろう。市販品のほうがはるかに厳しく難しいからだ。こんなTシャツより fitbit Alta HR やスマートウォッチ、胸ベルト型心拍センサーのほうがかなりリードしているだろう。

IoTウェアでレーサーの身体能力を計測する実証実験。NTT
NTTドコモ、NTTデータほかが、レーシングチーム「Docomo Team ダンディライアン」と協力して国内フォーミュラカーレース「スーパーフォーミュラ」にてドライバーの生体情報をリアルタイム計測する実証実験を実施すると発表しました。NTTデータは2016年にも、米国のインディカーレースでチップ・ガナッシ・レーシングのトニー・カナーン選手を対象にこの実験を実施していました。

レースの現場ではすでにテレメトリーシステムが確立しており、ことマシンに関してはあらゆる情報がピットやチームの本拠地にリアルタイムで伝送され、即座に分析されます。しかし、ドライバーについては無線でのコミュニケーションがあるぐらいで、あとはひたすら孤独にドライビングを続けなければなりません。

NTTドコモらは、ナノファイバー生地に高導電性樹脂を特殊コーティングした素材「hitoe」をもとにしたアンダーウェアを使って、ドライバーのヘルスチェックをマシン同様リアルタイムでおこない、レース中にピットから的確な指示を出すことでより高いパフォーマンスを引き出すべく実験を実施するとしています。

レース中、hitoeで取得可能な生体情報は心電波形や心拍数、上腕部および胸部の筋電など。データはリアルタイムでLTEネットワークを経由してピットへと送られ、マシンのテレメトリーデータなどと突き合わせて分析のうえ、レース中のコミュニケーションやレースウィーク以外のトレーニングメニュー検討などに活用するとのこと。

スマート化された高級腕時計は「次世代に残せる時計」?

高級腕時計
残るのはこういう時計とコモディティ化するスマートウォッチ
 ならない。

 クオーツ・ショックを乗り越えた「高級腕時計」はフェティッシュとして金持ちの自己顕示欲を満たしたり、シャレオツさんのファッションセンスをひけらかすためにしか存在しない。機能なんてどうでもいいのだ。

 だが、腕時計は時計としての機能を持っているために、純粋な装飾品とみなされないというメリットが有る。機械式時計の時代には高級腕時計=正確という図式があったから、「装飾のために高級腕時計をしているのではない」と言えた。(クオーツ以降もその言い訳は通じた。が、電波時計(中身はクオーツ式の時計で電波を受信して勝手に補正するだけだが)の登場で完全にその図式は無くなった。)

 装飾品を身に着けることを良しとしない高年齢層の男性にとって腕時計は数少ない、身につけていて後ろめたくないフェティッシュだった。

 この「機能があるおかげで身に着けていて後ろめたくない」というのが重要だ。つまり、中身は数千円の電波時計に劣る程度の機能しかなくても、これが有るおかげで ROLEX を付けていることが正当化できるのだ。ホントは、フェティッシュとしての装飾品に自己投影して満足してるだけだとしてもだ。そのために、最低でも動いていなければならない。金縁でダイヤが散りばめられていても動いていない時計はできないのだ。

 だから、機能自体が陳腐化して動かなくなるスマートウォッチの機能は高級腕時計にとって邪魔なだけだ。

 ここまで書いて放置していたら象徴的な記事があった。「初代「Apple Watch EDITION」が最大約165万円引きの大セール!…買うべき?」。こんなん見たら、誰も Apple watch を財産として見做すことはないだろう。Apple はスマートウォッチはデジタルガジェットと割り切って、「高級腕時計」路線を捨てたのだろう。

スマート化された高級腕時計は、「次世代に残せる時計」になれるのか:スイスの高級ブランドのジレンマ|WIRED.jp

半年もすれば時代遅れになり、新機種が出るとすぐ買い替えられてしまうガジェット。一方で、たとえ正確に時を刻まなくとも長く使い続けられる高級腕時計。その間にある、高級ブランドがつくるスマートウォッチは、ガジェットなのか? それとも、「次世代に残せる時計」で有り続けるのか?
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Fitbit Core こそが解だ

 Pebble から移籍した社員による企画が形になるまではスマートウォッチを出すのはやめた方がいいだろう。Blaze の残念なデザインを見れば、Fitbit に Apple watch に対抗するスマートウォッチをデザインする能力がないことがはっきりと分かる。市場は Apple watch をベンチマークとしている。Blaze の焼直し的な端末を $300 で売ることは無理だ。

Pebble Core 自分としては Fitbit Core を出して欲しい。

 スマートウォッチよりも大容量のストレージと電池を積むことができるはずだ。3.5mmジャックを廃止すれば更に容量を稼げるだろう。GUIはスマートウォッチかスマートフォンに任せればいい。スマートウォッチに SIM カードが載れば不要になるデバイスだが、2~3年は安泰だろう。

 Androdid wear 2.0 がリリースされたら SIM スロット付き端末が次々に発売されるかと期待したが市場は冷淡に受け止めている。U.S.Amazon で LG watch sport を見たら理由がわかった。SIM フリー版は $600 した。これじゃ誰も買わないわ。発表時には Apple watch 2 と大差のない価格が提示されていたが、回線業者の割引きを含んでの「実質」価格だったらしい。日本で使えるモデルが出たら人柱になるつもりだったが、完全に萎えてしまった。
 

Fitbit、アップル対抗のスマートウォッチとヘッドホンの発売を延期か – CNET Japan

 「Apple Watch」に競合する製品として開発されているFitbit製スマートウォッチが、製造上の問題により発売延期となる可能性がある。

 同製品は、アンテナの位置が悪くGPSが機能しない不具合や、防水機能の不備など、設計上の問題が生じ、発売が当初の2017年上半期から下半期に延期になったという。Yahoo Financeが、事情を知る2人の匿名情報筋らの話として報じている。また、このスマートウォッチの価格が300ドルになる予定だとも伝えている。

 Yahoo Financeによると、Fitbitは、スマートウォッチとともにBluetoothヘッドホンをリリースする計画だという。このヘッドホンは、Appleの「BeatsX」に似たものになる。

 Fitbitの広報担当者は、うわさや憶測にはコメントしないと述べた。

 新製品は、Fitbitにとって重要なものだ。ウェアラブル製品に対する消費者の関心が収まりつつある中、同社は販売増加の維持に苦しんでいる。2107年に入ってからは、販売不振で利益が減少したことを理由に、人員を6%削減すると発表した。2016年に発売された「Fitbit Blaze」は、フィットネストラッカーとスマートウォッチの中間に位置する、日常的に使用できるウォッチを提供するという同社最大の試みで、新製品はそれをさらに進化させるものになる予定だ。

 小売パートナー向けにFitbitが用意した資料も入手したとするYahooの記事では、次期スマートウォッチは「Apple Watch Series 2」と同等のカラーディスプレイ、1回の充電で4日間持続可能なバッテリ、心拍数モニタリングとタッチレス決済機能を搭載し、ストリーミングラジオサービス「Pandora」をサポートするとされている。

fitbit charge 2 heartrate monitor

 自分が一番気になっているのが、心拍センサーの精度が向上しているかどうかだった。

 charge HR の心拍センサーは日常生活ではそれなりの精度があるが、運動の種類によって異常値が出て使い物にならなかった。自転車だと本来(胸センサーを使って計測した数値)より20bpm近く低い数字が出た。ウォーキングでは普通の速度で歩いているのに 170 bpm といったあり得ない数字が記録された。また、ランニングでも本来の数字より10~20bpm高い数字が表示された。

 さらに、似たセンサーを搭載した Pebble 2 も似た傾向がある。腕を振る運動だと高い数字が出、腕を使わない運動だと低い数字が出るのだ。トレッドミルで 7.5km/h で流していて汗も掻かないような状態でも心拍は 180bpm と表示される。精度の低さという点では Pebble 2 のほうが酷い・・・

 これが光学式心拍計の限界なのか、技術の進化で精度が上がったのか確かめたかった。それによっては、次記のランニングウォッチを光学式心拍計のみで運用するか胸バンドが必要か見極めたい。センサー部分の要素技術は特定のメーカーしか作っていないだろうから、GARMIN のランニングウォッチでも同時期に発売された機種はほぼ同様の精度だと考えられる。

◯ウォーキング:通勤経路を通ったときの fitbit の心拍記録。

 fitbit charge HR のログ。下り気味の退勤時なのに、charge 2 より遥かに高い数字が記録されている。体感的にも全くありえない数字だ。

fitbit charge HR hearrate log

 fitbit charge 2 のログ。こちらは体感的にも納得できる数値だ。
fitbit charge 2  hearrate log

◯トレッドミル:同時に fitbit charge 2+HT20 と karadabeat HR + iPhone 6(Runkeeper) で計測した心拍。
 ジムのトレッドミルでジョギングした時のログ。最初10分弱はウォーキングでウォームアップ。そこから 6.5km/h 位で走り、徐々に9km/hくらいまで上げていった。両者ともほぼ同じような数値のログが取れている。どちらもここに載せた絵では雰囲気しかわからないので、興味がある方は画像をクリックしてそれぞれのサイトのデータを御覧いただきたい。

fitbit charge 2 心拍ログ

 karadabeat で走り始めから数分間が異常に高いが、これは自分の傾向でスタート後2kmくらいは一時的にきつくなるので、こちらのほうが正確なのだろう。ただ、このグラフではよく分からない。

karadabeat で計測したログ
◯自転車:

ヘルスケアビジネス OSプラットフォーマー

Study Watch
センサーに特化しているらしい。
 OSプラットフォーマーといえば、現状では Apple、Google だろう。Apple が Nike とコラボして、Nike+ を展開した時には目指しているものがわからなかった。正直 Health kit の時もだ。ちなみに、Nike+ とはシューズの中敷きの下に専用のくぼみがあってそこに通信機能付き加速度センサーを埋め込むというもので iPhone のアプリや iPod nano のアプリで運動記録を確認できるというもの。当時は iPhone との通信に iPhone 側にレシーバーを取り付ける必要があり、あまり普及すること無く終わったが。IoT デバイスそのものだった。

 今、コンシューマー向けの IoT デバイスの多くは bluetooth でスマートフォンにつながりアプリを介してサービスクラウドにデータを保存するというものがほとんどだ。ここでモバイル OS プラットフォーマーの強みがある。IoT デバイスが直接 WAN 回線につながることは、現状では難しい。消費電力や物理的な大きさの制約が大きい。当分は、アプリ駆動ができて回線を持っているスマートフォンがAPIのハブとして機能するだろう。

 OS プラットフォーマーの利点は、複数のデバイスやサービスを統合できることだ。iOS では Withings で計測した体重が Pebble や fitbit、Runkeeper、STRAVA といったアプリに反映された。ハブとなっているのがヘルスケアというアプリ(Health kit API)だ(Android では転送されないが)。

 API による連携が便利になればユーザーは進んでヘルスケアを使うようになるだろう。つまり、ヘルスケア・アプリ(サービス)メーカーと協業関係にある。そして、そこで得たデータを医療機関に提供することで企業価値の向上を図る。これが OS プラットフォーマーのビジネスモデルだ。

 一方で、Apple も Google もハードウェアメーカーでもある。そんな両者が期せずして、開発しているデバイスが報道された。

Apple Watchで糖尿病治療に革新をもたらすため、Apple内では秘密の研究チームが動いている – GIGAZINE

近年、Appleは健康面に焦点を当てており、その結果としてApple Watchやヘルスケアアプリなどをリリースしてきました。そんなAppleが、成人の有病率が8.5%にも及ぶ現代病の代表格である「糖尿病」の治療に役立つツールを開発するために、秘密の研究チームを立ち上げていることがCNBCの報道で明らかになりました。(Apple secretly working on glucose monitoring for diabetes

 Apple は糖尿病に絞ったセンサー技術の基礎研究を始めているらしい。

 一方、Google はターゲットとする病気は絞らずに、とにかくビッグデータを集めるという作戦のようだ。Jawbone Up3 のような心拍計測センサーを使っているようだ。だから、光学式心拍計では取れないデータが取れるらしい(Introducing Verily Study Watch)。

Alphabet傘下Verilyのスマートウォッチは大量の生命徴候データを長期にわたって集め医学研究に奉仕する | TechCrunch Japan
長期的な医学研究を念頭に置いて設計されたStudy Watchは、ふつうのスマートウォッチとはまったく異なる要求に応えている。このデバイスを設計したVerilyはGoogleの持株会社Alphabetの傘下で、多発性硬化症の観察やグルコースレベルをモニタするコンタクトレンズなど、本格的な医学研究をターゲットにしている。

複数の生理的センサーや環境センサーを用いて、心血管疾患や運動失調などさまざまな分野の研究に使えるデータを測定する”、とVerilyの発表声明は言っている。“集めるデータは、心電図、心拍、皮膚電気の変化、慣性運動などだ”