ヘルスケアビジネス プラットフォーマーは誰だ?

 様々なプレーヤーの今後目指すべき方向性を列記してきた一連のエントリもこれが最後。合従連衡による、名実ともに戦国時代の様相を呈している。最終的にヘルスケアビジネスを統べるものが現れるのか、群雄割拠してそれぞれが得意分野で利益を分け合うのか、未だわからない。キーとなるのはユーザのデータだ。センサー技術で集めた精度の高い情報を収集しサービスに結びつけることがヘルスケビジネスの向かう方向だ。

 ここで、プレーヤーを列記する。現在はこれらのプレーヤーが互いに依存しながらヘルスケビジネスのパイを広げつつあるところだ。共依存関係にあったり、複数を兼ねている場合もある。今後他のカテゴリに進出するものもあるだろう。

 例えば Apple や Google は他社アプリ(デバイス)で収集したデータの収集を行っているし、Apple はそのデータを医療研究機関に提供している。ウェアラブルデバイスメーカーの多くはオンラインでヘルスケアサービスを提供している。オンラインサービスに乗り出した医療機関も目にした。

 もったいないのは、オムロンの失策だ。体組成計や血圧計、フィットネス・トラッカーを販売しているのに、そこで集めたデータを docomo に譲渡(販売?)してしまった。オムロンといえば他のプレーヤーとの長い間の関係を持っていて、データ資産を活かす方法がいくらでもあったはずなのに、自らそれを捨ててしまった。

 もったいないといえば SD fitness のようなトレーニングジムもデータを活かしていない。データ取得の最前線として、非常にユニークな情報を取得するチャンスを全く活かせていない。月8,000円もの現金を払って自らジムに来るような有望な顧客をみすみす取り逃がしている。しかも、ジムに入会する場合にはかなり詳細な個人情報を得ている。これは Apple や Google では入手できない(自ら記入するかもしれないが、データの精度・信頼度は低い)。

  • プラットフォーマー(Apple,Google,MicroSoft)
  • クラウドサービス(Google,MicroSoft,IBM,Amazon…多数)
  • デバイスメーカー(Apple, OMRON, withings, SUUNTO, GARMIN, Fitbit, misfit, Tanita, Epson, Jawbone, Nike…多数)
  • ヘルスケア・オンラインサービス(STRAVA, runkeeper, nike, Apple, Google, SUUNTO, GARMIN…多数)
  • 衣料品・スポーツ用具メーカー(Nike, New balance, under armer, adidas…多数)
  • マシンメーカー(life fitness)
  • 民間保健サービス機関
  • フィットネスクラブ・トレーニングジム
  • 医療機関(治療)
  • 政府・地方自治体
  • 研究機関(基礎研究・治療法開発)
  • 製薬メーカー・医療器具メーカー
  • 学校・教育機関
  • 総合商社、大企業の保険組合のスピンオフ企業(https://www.desc-hc.co.jp/、https://japan.thediary.com/mimamori/)
  • ネットワーク回線業者(NTT, docomo, softbank, au…多数)

※見落としがあればコメント頂きたい。

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