Alfaromeo 145 との別れ

145 last run
最後に乗った時のwazeログ。行く手を大雨による通行止めに阻まれた・・・
最後に乗った時のwazeログ。行く手を大雨による通行止めに阻まれた・・・[/caption] 朝、陸送業者が引き取りに来た。

 書類を渡し、受け取りを受け取り、鍵を渡した。

 すると、エンジンがなかなか始動しなった。そして、安定しないうちに走りだそうとするとエンストを繰り返した。エンジンが回った後でエンジンが止まったことはなかったのに・・・12日以降一度もエンジンをかけていなかったからだろうか・・・

 さよなら 145

続 ヘッドアップディスプレイが事故を減らさないと思う理由

 ヘッドアップディスプレイを使って視線が前方に固定されてもハンズフリーが禁止されない限り携帯電話の使用による事故は減らないと書いた。更に、ヘッドアップディスプレイの効果に対する疑問をまとめたい。

 まず、ヘッドアップディスプレイの位置だ。ヘッドアップディスプレイはフロントグラスの内側(ドライバー側)に置かれる。つまり、ドライバーは運転中に1m程度の距離と外界とを視線は移動しないが、焦点をどちらかに合わせなければならないだろう。つまり、ディスプレイを見るときには外界への視力はほとんど期待できなくなるということだ。

 しつこいようだが、人間が集中して見ることのできる範囲はわずかだ。ヘッドアップディスプレイに視線を持って行って意識とピントをそちらに合わせたら、視界に入っていたとしても道路の端を走る自転車など見えていない。横断歩道にいる子供もだ。

 さらに、別の観点から、運転中に視線を集中するのは間違いだということを力説したい。横や後ろに注意を払うとが脳への刺激になる。人間の見ている視野は非常に狭いことを学んだ。そして、その視野以外の部分は脳が、それまでに見た情報から適当に組み立てていることも分かっている。人間は比較するものがなければ距離も大きさも判断することが不可能だ。距離感や相対的な面積などを常にフィードバックし空間を認識しなければならない。だから、一カ所に固定することは危険だと思う。これに関する実験棟が有ればお教えいただきたい。

 人間の生活速度が徒歩や自力での走る程度の速度域で生活している限りは、この方式が有効だった。昆虫や鳥のように広範囲を同時に見えなくても、脳内に作った世界像でやってこれた。それより、前方に二つ並んだ目によるステレオ映像による正確な遠近感把握によって細かい道具を作ることができたのかもしれない。周囲などは、常に見えてなくても困らなかったのだ。

 それが、馬、そして自動車を手に入れた人間は、従来方式の世界像認識能力しか持たないのに、自力では到底出せない速度で移動できるようになった。これが、現在の人間の注意力の限界を超えている事は明白だ。公道が破綻しないのは、これを前提にしたルールを作ったからだ。右側通行や左側通行というルールがあるから向こうからくる車がどっちに逃げるか考えずにいられる。このルールのない場所だと歩行時ですらぶつかりそうになるだろう。

 なお、航空機にはヘッドアップディスプレイが実用化されている。これは当然。パイロットは元々視覚情報に頼って飛んでいないからだ。

ヘッドアップディスプレイが事故を減らさないと思う理由

 走行中の携帯電話の使用を禁止したのに事後が減らなかったのと同じ理由だ。ここでも、ハンズフリーにすれば事故が減るという勘違いを犯している。

 「目が見ていること」と「脳が見て判断可能な状態にあること」が全然別であることを考慮していない。「視線が向かっている先にあるものは見落とされない。事故はそっちの方向に目が無かっていないために起こる」という錯覚に囚われているのだ。このブログで散々取り上げてきたように、光線が入っていても、意識がそちらを向いていなければ、見ていないのと同じなのだ。つまり、ヘッドアップディスプレイによって視線を前方に釘付けにしても”見落とし”による事故は減らない。

 このことは皮肉にも、携帯電話の禁止が事故を減らさなかったことから証明されている。また、おそらく、走行中の携帯電話の危険性を検証した実験からも証明されるだろう。なぜなら、走行中に携帯電話をしている人の視線は前方を見ているからだ。前方を見ているにもかかわらず、注意がなくなるから危険なのだ。

 なお、この勘違いは走行中に携帯電話をしているドライバーも同様に犯している。「電話をしていても前は見ているから大丈夫」と思い込んでいるのだ。酒を飲んで自動車を運転するドライバーと同じレベルの言い訳でしかないことを気づいていない。そして、「突然横から車が来て」事故になる。突然現れたわけではなく、方向指示器を出して車線に入ってきた車に気づけなかっただけだとしても。問題は、携帯電話をしていなければ当然に避けられた事故を避けられなかったとしても、当人が気づかないことだ。

現代のクルマ社会が抱える大きな問題を変える小さなスクリーン : ギズモード・ジャパン

最近はスマートフォンをカーナビとして使う人も増えてきましたが、運転中にスマホの小さな画面を覗きこむのは絶対に危険で、現代社会の大問題であります。そんな時には、ダッシュボードに置いてスマホからの情報を透明なスクリーンに投影してくれる、Navdyのポータブルデヴァイス「Heads-Up Display」はいかがでしょう?

Heads-Upは5.1インチのディスプレイにナビ情報に加えて、重要な通知も映しだしてくれるすぐれもの。運転手は目線を動かすことなく目の前に表示される情報を見ながら運転ができます。透明なディスプレイを置くだけなので、道路標識などの交通情報を見逃す心配もなさそうです。

さらに、赤外線カメラを使ったジェスチャーコントロール機能を搭載。運転中にスマートフォンを操作する必要もありません。これって理想的なヘッドアップディスプレイのスタイルかもしれませんね。

iPhoneとAndroidスマートフォンの両方に対応し、接続にはBluetoothを利用します。また、車の情報を読み取れる「OBD-IIコネクタ」にも対応し、車の情報を読み取りながら電力を供給することもできるそうです。

現在プレオーダーを受付中で、本体価格は299ドル(約3万円)。出荷は2015年の早い時期になるそうです。スマホを覗きこむ「ながら運転」を減らして、快適なドライヴがまた一歩進化しそうです。

プロジェクト始動:Fit 2006 のステアリング改善

 これまで Momo のステアリング、Alfaromeo 145 クアドリフォリオ の標準装備の革巻きステアリングを使ってきた。なので、Fit 2006 のハンドルを握った時に違和感があった。Fit 2006 のステアリングは、このグレードには一般的なウレタンだ。だからこの車種が外れだったわけではないだろう。

 我慢して使っていれば慣れるのかもしれないが、そんなものに慣れてしまうのも哀しい。そこで、手が Alfaromeo 145 のステアリングの感覚を忘れないうちに少しでも近づけようと考えた。

 しかし、ミッキーキャラやワンピースキャラのぬいぐるみをダッシュボード上に置いているような車がつけているようなカバーは付けたくないので、自転車用の革のバーテープを巻こうかと思った。そして、調べていたら革製のカバーを見つけた。それも、ミッキー車につけるような厚ぼったいものではなくピッタリと密着するもののようだった。かぶせるだけでなく、内側を糸で編まなければならないタイプだ。仕上がりは Alfaromeo 145 のステアリングと同じようになるらしかった。

 調べていると編み方について解説した動画がいっぱいあった。一番参考になったのが橋本商事の編み上げタイプのハンドルカバー取付説明。買ったのは違うメーカーで編み方も違うが、基本的な考え方を理解できた。

 購入したのは[TARO WORKS] Leather DIY Car Steering Wheel Cover 編み上げ カーステアリング ホイール カバー 牛革 ブラック×ブラック 3ライン (S)入っているのは帯状の革と針と糸が2セット。解説書や保証書などは一切ない。


 上の動画で説明していたものと違うのはカバーにステッチが入っていることだけだ。このタイプは革の穴に糸を通さなくてもいいことがメリットと思ったのだ。Alfaromeo 145 のステアリングはこの編み方がしてあった。145 は赤糸で糸が目立つようになっているが、今回自分が買ったものは黒糸なので糸は目立たない

 Youtube の動画をあさっていると世界中で同じような動画が上がっていた。多くはカバーを売っているメーカーや販売会社が説明したものだ。やはり、説明書一枚では理解し難いのでこういうビデオに対する需要があるのだろう。

  • 参考になる動画1 http://youtu.be/nnEh2_4gzh4 オーソドックスなステッチタイプ。途中で糸の通し方が微妙にぶれているww
  • 参考にした動画2 http://youtu.be/n9hNSkl0eKI スポーク部分をステッチで越えていく。非常に手間のかかるやり方。
  • 参考になる動画3 http://youtu.be/8eErvuUeD7k 穴タイプのカバーでスポーク部分に糸を通すやり方。スポークの近くからスタートしないのは珍しい。一本の糸で編み上げる職人芸。アタなイプの場合スポーク部の穴に残念感が漂ったりするが、この方法なら装飾に使える。糸の通し方によって通常のステッチのように見せることも可能だろう。
  • 参考になる動画4 http://youtu.be/rUamIXXxMT8:革を伸ばすために巻く前に20分間水に着ける。こうすれば嫌でも乾燥時にきつく密着するだろう。革のサイド部分に装飾があるので大きな穴がスポーク部分に残るが残念感は少ない。ゆるく糸を通し、後で引っ張って形を整える方式を採用している。

 動画を見ていると、いろんな巻き方というか編み方に違いががあって面白い。一番大きなのは、カバーにステッチが入っているかいないかだ。ステッチが入っているものはそのステッチに糸を引っ掛けて編みあげるし、ないものは開けられた穴に直接糸を通して縫っていく。次が糸の通し方。スニーカーの靴紐の通し方がいろいろ有るように動画によってバリエーションがある。糸の使い方も一本取りと二本取りがある(穴に直接通すものは一本取りしかないようだが)。末端の処理も玉にするものや放置するものがある。

 これらの動画を観ていたら気が楽になった。合理的な定石のようなものは存在しないので、好きなやり方で編めばいいのだろう。UIとしては重要だが、糸が切れてずれたり緩んだからといって操作に困ることはない。いざとなれば取っても困らないものだから、神経質になる必要はないのだろう。今回は糸が目立たない組み合わせなので、少々の失敗があっても構わない。人に見せるものでもないから自分が我慢できる範囲ならオーライだ。そして、粗言うことへの許容範囲は非常に高い自信がある。それに、いざとなれば糸さえ買ってくれば何回でもやり直せるし、上手くなれば違う色でやってみるのもいいかもしれない(まあ、相当な失敗をやらかさない限りやり直さないとは思うがww)。

Anker 24W 4.8A カーチャージャー デュアルUSBポート

Anker car USB 2 port charger 先日買ったAnker の 5 ポート USB 充電器が良かったので(「続報:Anker 40W 5ポート USB急速充電器 PowerIQ搭載 ブラック」参照)、同じメーカーのシガーソケット用 USB 充電コネクタ(Anker 24W 4.8A カーチャージャー デュアルUSBポート【PowerIQ搭載】)を買ってみた。

 これまで、Wazeを使うときにはモバイルバッテリーを用意する必要があった。これにより、「出かける前に充電しとかな」から開放された。ルーターとスマートフォンやスマートフォンとタブレットの組み合わせでも余裕だ。これも PowerIQ が搭載されていて、デバイスに合わせて最適な充電を行う。数百円安いものもあるが、この機能は十分にその差額を埋めると思う。物理的な制約がないならこれをお勧めする。写真を見ればわかるが、シガーソケットの埋め込み面より2cmくらい出るので、シガーソケットにカバーが付いているような自動車では使いにくいかもしれない(Alfaromeo145 がそうだった)。

 とにかく、電池残量を気にしなくていいのは精神的に楽だ。「そんな絶賛するくらいなら何で使わなかったん?」と思うかもしれないが、いくつか理由があって踏み切れなかった。第一に、Alfaromeo 145 のバッテリーが非常にセンシティブだったこと。セルモーターが回らなくなったり方向指示器が暗くなったりしたので、電力を消費するデバイスを追加する気にならなかったのだった。後、145のシガーソケットは灰皿と並んでカバーされるようになっていたこと。シガーソケットにケーブルを付けると灰皿の蓋を開けっ放しにしなければなくなる。今回、車を Fit にして、これらが解消された。

車内で充電できる意義

 上に書いた理由の他にシガーソケットにアクセサリを付けるという行為に対する抵抗があった。車内を居間のようにしたり飾り付けたり、速度取締機をつけたりするのと似た行為に見えたのだった。しかし、今回取り付けてみて、モバイルデバイスヲタには必須のアイテムだと思った。

 これが活躍するのは、車である程度の距離・時間を移動する場合だけだ。移動時間が短ければ途中でスマートフォンの電池が切れる心配はない。そして、長時間移動するということは生活圏から離れることを意味する。ということは、旅行や出張だろう。そうなると、移動中の携帯電話に依存する割合は日常生活より高いはずだ。旅行にしても出張にしても何かと携帯電話の出番は多いはずだ。旅行ならデジカメや地図の利用頻度も高い。出張なら目的地到着後に充電することが難しい可能性が高い(お客さんのところに行って「コンセント化してください」とは言いづらいだろう)。つまり、電池の消耗が激しくかつ携帯電話への依存度が高い状況だ。

 そこで、移動中の車内で充電できることは非常に効果的だ。車を降りる時にデバイスとモバイルバッテリーの両方が満充電なら、動画を撮りまくっても大丈夫だろう。

 そろそろ自動車メーカーも USB A タイプのポートを設けるべきだ。機種依存のポートやコネクタは便利だが、将来的に使えなくなる可能性がある。モバイルデバイスの世代交代は自動車の比ではないからだ。実際に、数年前に iPhone 用の 30pin ドックを搭載したカーナビは iPhone 5 と互換性がなくなった。変換アダプタをかませて使うことは可能かもしれないが、卓上充電器のようにiPhoneを立てるようには行かないはずだ。

 シガーソケットの代わりに USB A タイプのポートを設ければ、デバイスの OS にもメーカーにも依存しない充電環境ができる。そして、できるなら後部座席用にも2ポート用意していただきたい。

実家日帰り with Fit

 天気が悪くて自転車に乗れなさそうだし、お盆なのに兄が忙しくて帰れない(何に忙しいかは知らないが)ので、顔見世に帰ってきた。ついでに Fit のお披露目もしてきた。

 道中の大半が雨で疲れたが、帰ったら、三田駅が冠水してJR福知山線が5時間近く不通になっていたらしいことを知った。午前中と夕方に通ったときにはそれほどの降りではなくて自分が通る道は三田駅から離れているのでそんな気配は全然感じなかった。

 満タンでどれくらい走れるのかを確認するために給油して行ったが、Fit2006には燃費計が付いているのを知った。良く知った道で満タンなので走行距離を知る必要は全くなかったので、燃費計を表示して走ってみた。最初は娘の送り迎えしかしていなかったので、12km/l だったが、田舎道を走っているとドンドンと伸びて最高では 19km/l 程度まで伸びた。これはその時点の燃料消費率ではなく、トリップをリセットした時からの累計なので、平均19km/lになった付近での燃料消費率は 20km/l を超えていたのだろう。

 どの程度の精度か分からないが、カタログ値の24km/lは絶対に到達できない、日常生活とかけ離れた数字であることがわかった。まあ、同じ条件の他車と比較することが目的ならこれでいいだろうが。そう考えると Alfaromeo 145 の娘の送り迎えと週2回の買い物メインの使い方で12km/l出るのは相当に良い数字と思う。1.2t の車重、2,000cc DOHC 4 バルブエンジンで住宅地を走ってこの数字だからだ。MTをフルに使ったエコランテクもあるかもしれないがwww

初ドライブ(Fit 2006)

 娘の休みと自分の休みが重なったので、練習を兼ねて娘の運転で少し遠い店まで昼食を食べに行った。残念ながら、その店はお盆休業だったが、トレーニングにはなった。

 Fitは1300ccだが意外に低速のトルク感がある。が、登りでの発進で出遅れた時に 145 のようにガツンと加速することはできない。また、変速のタイミングが自分がマニュアルでするのと違うので違和感が消えない。これは Fit だからではなく、どんなオートマの車でも感じることだ。

 後、オートマ車の独特なハンドリングも馴染めない。車のジオメトリーを利用したステアリングの戻りが弱いのはなぜだろう。MAZDA Familia neo や Alfaromeo 145 はハンドルを持つ手を緩めてアクセルを踏むとステアリングが戻ってきたが、Fitを始めとして親のトヨタはその感じがしなかった。ステアリングのボルトを締め込みすぎた2輪車のような感じだ。

 これはFit2006固有の問題だが、ステアリングホイールが細い。Alfaromeo145より二回りくらい細い感じだ。これも違和感がある。

 

Fit late 2006 のインパネにダメだし又は温度計の不在に見る設計思想

注:これはFit 1.3A late 2006 を題材に自動車のインパネについて考えたものです。その後のモデルで改良されているかもしれません。

 インパネは運転者に情報を提供するための貴重なスペースだ。ハンドルから見えるインパネの物理的面積は限られている。ここをどう使うかはデザイナーというかメーカーの UI に対する考え方をも表現していると思う。先のエントリでは大好きな 145 のインパネとの比較だったので、ここでは Fit 2006 のインパネについて自分が問題と感じる点を整理したい。まず、実際のインパネの写真を見ていただきたい。
fit day mode

 最大の問題は、無駄な空白だ。インパネに表示すべき情報は増えた。三十数年前に自分が免許を取った当時の車(日産サニー)と比較すると、ABS、エアバッグ、イモビライザー、パワステ、変速状態、シートベルト未装着警告、半ドア警告といったランプが増えた。無駄な空白を置く余裕はない。にも関わらず、このインパネには不要部分が非常に多い。
fit-muda 右図の薄紫の部分がデットスペースだ。運転者に対して何等情報を適用していない。実際の情報を表示
するための要素を並べる有効面積を大幅に狭めてしまっている。

 上の写真を見れば分かるだろうが、筒の奥にパネルを置くようなレイアウトにしたため、筒の側面も斜めから見るときの無駄スペースになっている。また、助手席から見えない。

 有効面積が減ったためにインジケータランプの配置にしわ寄せがいっている。イモビライザーのランプがタコメーターのペインにあるのは意味不明だ。距離計が速度計のペインにないのも、温度計がないのも不満だ。今の状態でも燃料計を小さくし、低温・高温警告ランプを省けば温度計くらい置くスペースはできるはずだ。残量警告ランプがあるのだから燃料計など細かく刻む必要は無いのだから。

 個人的には、何で円筒状の3連メーターにしたのか分からない。Fit をシンボライズする図形として円があるのならともかく、そんなものはない。メーターとメーターの間に障害物を置く意味が分からない。そんな仕切りを置いて独立性を持たせることに何の意味もない。インジケータの性格によって整理するなら 145 のように、起動時にチェックするためのランプをメーターと別に並べればいい。それだけの余白は有るのだから。そして、メーター類を一つのペインに並べて、どうしても仕切りを入れたければ線でも入れればいい。そんなものが不要なことは 145 のインパネが示すとおりだが。

温度計

 Fit2006には温度計がない。そういえば、親の車もそうだった。Ipsum、Mark Xと乗り継いで先日 Ractis になったが、Ipsum 以降には温度計が無かったような気がする。始動時に青いランプが灯っているが高温警告のランプは見たことがない。「ランプが付いていなければ大丈夫だから気にするな」ということだろうか。

 145 の場合はかなり特殊だが、温度計はかなり意識していた。夏に平均速度が落ちると温度計の針が跳ね上がるからだ。渋滞では、エアコンを切るくらいしかできないが判断の材料にはなる。渋滞で水温が100度を超えたことはあったが、針がそれ以上動かなかったので、慌てずに済んだ。温度計を振り切る(120度)ようならすぐに止めたはずだ。その判断ができたのは温度計があるからだ。

 高温警告灯が突然灯ったらパニックになってしまうのではないか。それが付くのが、このまま大人しく走って様子を見るべきか、すぐにでも路肩に寄せてアイドリングした方がいいのかが分からない。

 場所がないのなら仕方が無いと思える。しかし、Fitのインパネには無駄な余白がある。燃料計もムダに大きい。燃料警告灯があるのだ距離で給油タイミングを計算している。ギリギリまで乗った経験で「145 なら満タンから650kmくらいは余裕」というのは誰でも持っているだろう。少なくとも、リアルタイムでフィードバックが必要なものではない。それに対して温度計はリアルタイムでなければ意味がない。人間に例えるなら、水温計は体温計で、燃費計は体重計だ。

 小さなことだが、「ドライバーと車とのコミュニケーション」をデザイナー(仕様作成者)がどう考えているかが現れていると思う。因みに、2014年モデルの右ペインには燃費計という訳の分からないものが付いている(温度計はない)。

Fit(late 2006)のメーターは残念

 色々と配慮が行き届いた Fit 1.3A (2006)だが、メーターにはがっかり。Alfaromeo 145 のインパネが自分には理想的だったせいで落差が大きいから余計に強く感じるのだろう。

145 day mode これが理想的。ペインは一つでシンプルにまとまっている。警告灯関係のランプは下にまとめられていてメーター付近には走行中に必要なデータのみが表示される。合理的で見易い。

エンジンを切って静止しているのに、タコメータが 500 rpm、スピードメーターが20km/hを指しているのは、「そいういもの」だ。「500rpmとか20km/h以下なんてメーターを確認している場合じゃないでしょ。」という割り切りだろうか。そっちより、260km/hまで刻むほうが無駄な気もするが。

fit day mode なぜか、3つに分けられて円柱の奥にメータが置かれている。丸い筒を並べているために無駄なスペースが多いし、メーターが筒の奥に有るために視認性が悪い。

 また、距離計には一つしか数字が表示されない。odd メーターなんて常時表示する必要はないかもしれない。「給油後何キロ走って、後どれくらいで給油する必要があるか」が分かればそれでいいという考え方もできる。しかし、長距離を走っている時で途中で給油したら目的地までどれくらいかを計算しなければなくなる。odd が表示されていれば、目的地までの距離は odd で xxxxkm くらいと覚えておくだけでいい。このへんはカーナビの普及で必要性が減ってきているのかもしれないが。液晶の上の余白に小さな文字でoddを表示することくらいは簡単だろうしコストもそれほど変わらないだろう。

 グラフィックについても残念感が漂う。こんな太いイタリック・ゴシック・ボールドを狭いメーター周りに並べる必要がわからない。中抜きした目盛線も無駄だ。一番無駄なのは外周のオレンジの帯。タコメータのレッドゾーンは意味がある。それ以外のオレンジの帯が何の情報をドライバーに提供しているのか。無駄な要素を増やすと肝心の針が目立たなくなる。

 悪いデザインのしわ寄せはタコメーターを見れば良く分かる、デザイン上小さくしたメーターに太い文字と目盛を入れたためにごちゃごちゃしている。文字と文字の間隔が近いのに副目盛まで刻んでいるから余計に悪い。タコメータなんて目安でしかないのだから細かく刻む必要などない。数字が飛んでいても構わないだろう。オートマのタコメーターなんて半分飾りなのだから。

 Fit のメーターの嫌いな所は夜になると更に強調される。
145 night mode これが Alfaromeo 145。実にスッキリしていて目にも優しい。暗い環境でメータを見ても眩しくないし、針も数字も必要にして十分な視認性だ。

fit night mode 光っている所の面積が広すぎる。メーターの外周の線が光るのでそう感じるのだろう。この色と輝度と面積なら暗いところとメーターを視線移動しても問題がないという実験がなされたのだろうとは思う(それなしにこれをホンダが採用するはずはないと思いたい)。しかし、だからといって無駄な要素を入れていいということではない。無駄な要素は極力減らすべきだ。装飾のためのデザインが優先し、運転に無関係な要素を盛り込むのは愚の骨頂だ。

納車。しかし、乗れない(^^;

 購入した自動車が届いた。任意保険の車両入れ替えをしていないので、乗れない。Alfaromeo 145 のガソリンが中途半端に残っているのであと数日使うつもり。というか、運転することが楽しい車には当分乗れないから名残を惜しむつもり。

 今日はマニュアルを読んで操作体系をマスターした。運転に関する部分はさすがに標準化されているので、ワイパーと方向指示器の操作レバーを頭の中で入れ替えれば済む。

 マニュアルと実車を見比べると、予想外にオプションが載っていることが分かった。実際にはこういう仕様が標準的だったのか、前のオーナーがオプションで追加したのかは分からないが。気づいたオプション

・CDステレオ:CDを使うことはないと思うが、AUX端子が大きい。この機種はオプションのオーディオを付けないとAUX端子もつかないので、AUXを介してiPhoneの音楽をカーステレオのアンプとスピーカーで鳴らしたい自分には大きかった。

・オートエアコン:基本クーラーは使わない人間なのであまり関係はないが、あると便利なことは間違いない。少なくとも、145 や Familia neo のように入れたり切ったりしなくて済む。

・アンテナ:CDステレオとセットなのかしらないが、出しっぱなしでいいアンテナが付いている。個人的にはどっちでもいい。Familia neo は手動だったが出しっぱなしだったし、145 は固定なので触ったことがない。別に便利に感じることもない。

・イモビライザー付きリモコンドアロック:145 もそうなので操作性が上がるということはないが、盗難防止に効果はありそうだし、付いているに越したことはない。

 一つ意外だったのは、Pに入れておけばブレーキペダルを踏まなくてもスターターを回せたこと。親のランティスやMarkX、その前の Ipsum もブレーキペダルを踏まないとスターターが回らなかったような記憶がある。Pに入れておけば問題ないかもしれないが、ブレーキベダルを再確認させるという意味でブレーキベダルを踏んでスターターを回すという手続きは合理的と思う。

 他に、いろいろなアクセサリー類の細かい配慮には驚いた。カップホルダーに始まり、カード保管場所やライトの光軸調整、バイザーのミラー、段付きのグローブボックス、エアフィルター、ヘッドレストをはずさなくても寝かせられるようになっているリアシート、背の高い荷物を収めやすくするためのリアシートのギミック等々 145 には全くない配慮が行き届いている。