Fit(late 2006)のメーターは残念

 色々と配慮が行き届いた Fit 1.3A (2006)だが、メーターにはがっかり。Alfaromeo 145 のインパネが自分には理想的だったせいで落差が大きいから余計に強く感じるのだろう。

145 day mode これが理想的。ペインは一つでシンプルにまとまっている。警告灯関係のランプは下にまとめられていてメーター付近には走行中に必要なデータのみが表示される。合理的で見易い。

エンジンを切って静止しているのに、タコメータが 500 rpm、スピードメーターが20km/hを指しているのは、「そいういもの」だ。「500rpmとか20km/h以下なんてメーターを確認している場合じゃないでしょ。」という割り切りだろうか。そっちより、260km/hまで刻むほうが無駄な気もするが。

fit day mode なぜか、3つに分けられて円柱の奥にメータが置かれている。丸い筒を並べているために無駄なスペースが多いし、メーターが筒の奥に有るために視認性が悪い。

 また、距離計には一つしか数字が表示されない。odd メーターなんて常時表示する必要はないかもしれない。「給油後何キロ走って、後どれくらいで給油する必要があるか」が分かればそれでいいという考え方もできる。しかし、長距離を走っている時で途中で給油したら目的地までどれくらいかを計算しなければなくなる。odd が表示されていれば、目的地までの距離は odd で xxxxkm くらいと覚えておくだけでいい。このへんはカーナビの普及で必要性が減ってきているのかもしれないが。液晶の上の余白に小さな文字でoddを表示することくらいは簡単だろうしコストもそれほど変わらないだろう。

 グラフィックについても残念感が漂う。こんな太いイタリック・ゴシック・ボールドを狭いメーター周りに並べる必要がわからない。中抜きした目盛線も無駄だ。一番無駄なのは外周のオレンジの帯。タコメータのレッドゾーンは意味がある。それ以外のオレンジの帯が何の情報をドライバーに提供しているのか。無駄な要素を増やすと肝心の針が目立たなくなる。

 悪いデザインのしわ寄せはタコメーターを見れば良く分かる、デザイン上小さくしたメーターに太い文字と目盛を入れたためにごちゃごちゃしている。文字と文字の間隔が近いのに副目盛まで刻んでいるから余計に悪い。タコメータなんて目安でしかないのだから細かく刻む必要などない。数字が飛んでいても構わないだろう。オートマのタコメーターなんて半分飾りなのだから。

 Fit のメーターの嫌いな所は夜になると更に強調される。
145 night mode これが Alfaromeo 145。実にスッキリしていて目にも優しい。暗い環境でメータを見ても眩しくないし、針も数字も必要にして十分な視認性だ。

fit night mode 光っている所の面積が広すぎる。メーターの外周の線が光るのでそう感じるのだろう。この色と輝度と面積なら暗いところとメーターを視線移動しても問題がないという実験がなされたのだろうとは思う(それなしにこれをホンダが採用するはずはないと思いたい)。しかし、だからといって無駄な要素を入れていいということではない。無駄な要素は極力減らすべきだ。装飾のためのデザインが優先し、運転に無関係な要素を盛り込むのは愚の骨頂だ。

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