TidBITS日本語版の翻訳

 左の下のほうにTidBITS日本語版のpdb版へのリンクがあることに気づく人はほとんどいない。これは、俺がインターネット接続をする前から読んでいた老舗のメールマガジンだ(1994年頃)。当時はメールマガジンという言葉はなく、メーリングリストという範疇に入っていた。

 俺が読み始めた頃は、日本語版は存在しなかった。その後、日本語版が出るようになり、英語版を流し読みして、良く意味のとれないところを日本語版で詳細に読むということをしていた。prismを手に入れMeDocというフォーマットを知り、mac版の変換ツールがあることを知ったときから自分でMeDoc化して電車で読んでいる。せっかくMeDoc化したので、ホームページでバックナンバーを含めて公開するようにした。それがTidBITS-Jハンドヘルド版の始まりだ。その後、翻訳チームの方から、メンバーに入ってオフィシャルに公開してはどうかという話があり、現在の形になった(TidBITS日本語版からリンクされている)。

 とはいうものの、自分では全然翻訳作業をしていなかったので、心苦しくは感じていた。今度、自分でも興味がある記事の短い(ホントに短いので申し訳ないが)ものを翻訳してみた。

 日本語版翻訳チームは一度解散している(俺が参加する前)。半端ではない量(テキストで40kb)の英文を毎週翻訳するのは、ボランティアにとっては、負荷が大きすぎたのだ。この状況は今も変わっていない。むしろ、人数が減った分、負担は大きくなっているといってもいい。

 TidBITSがどの程度認知されているのかは分からないが、英語が得意でヲタなら一緒に(って、俺はほとんど参加してないんだが)翻訳しようぜ。TidBITS日本語版翻訳チームへどうぞ。そうそう、TOEICとかで高得点を目指すあなたにも、とってもいい教材だ。すべてが、米語のwell educatedな人間が書いた生の文章だ。強力なメンバーのサポートもあるし。

関心空間あるいは快適な更新ペース

・参加者が増えているのにキーワードの追加速度は落ちている。以前は、常時200程度の未読があった。未読は過去2日間の新規登録キーワードのうち読んでいないものの数なので、数日読んでいない場合は過去2日の新規登録数になる。それが減っているということは、新規登録のペースが落ちているということだ。

・同様に、新規参加者のペースも落ちているようだ。参加総数しかわからないので、退会者による相殺がどの程度かわからないが、以前よりはるかに増加ペースが落ちていることは間違いない。

 キーワードの飽和状態かもしれない。メジャーなところのキーワード登録がほとんど終わってしまったのかもしれない。日本人ネットワーカー達のボキャブラリーが飽和したのかもしれない。2万人あつまっても、たった14万しかないのか・・・一人一人の興味の範囲はすごく狭いのかもしれない。

 キーワードにコメントを入れなければならないのが重荷で登録しない人が多いのかもしれない。自分から発信することのできないタイプの人はコメントを書くためだけに登録するのかもしれない。

 MTを代表とする(もう代表じゃないのかもしれないが)CMS環境が手軽に使えるようになり、自由度も高いのでそちらに流れたのかもしれない。

 あるいは、自分ではやってないので分からないが、ソーシャルネットワーキングサービスに流れたのかもしれない。

 また、関心空間Groupにパワーユーザーが流れたのかもしれない。

 まあ、実際問題、前のように一日あたりの新規登録キーワードが200くらいあると、見る気がしなくなるのも事実だった。myblogjapanは逆に、一日あたりの登録数が多すぎて(エントリーあたりの密度はかなり低いが)、追うことは完全に不可能になり、今ではpingサイトを見ることはほとんどなくなった。

 2chでもそうだが、流れの早すぎるスレを追うのはしんどい。少ないのは退屈だ。アンテナサイトとRSSリーダーを使ってのブラウズは効率的だが、固定的になってしまう。自分のペースにあったサイトを見つけるのは難しい・・・

ブログでイントラネット???

ITビジネス&ニュース

(8/5)日立、ブログでイントラネット構築するサービス――中堅・中小企業など向けに

 日立製作所は5日、企業内のイントラネットをウェブログ(ブログ)ベースで構築するサービスを中堅・中小企業や教育機関などに向け9日から開始すると発表した。

 新サービスは「BOXER イントラブログ」。ウェブログソフト大手の米シックス・アパート社(カリフォルニア州)の日本法人のブログ構築ツールを利用する。日立は5月から「イントラブログ」サービスをASP形式で提供してきたが、今回は企業内にサーバーを設置して運営する方式のサービスを提供する。

 ブログはHTMLやウェブサイトに比べ編集・更新が容易なため情報の交換・共有を迅速にできる。こうしたブログによる情報共有・交換は小さなグループで威力を発揮することが多く、日立では中堅・中小企業などの「イントラブログ」サービスに対するニーズは高いと判断した。

 シックス・アパート社ということは、MovableTypeのカスタマイズ版か。しかし、効果があるのかどうか、俺にはわからない。コラボレーションツールは導入より運用だ。ツールは入れ物でしかない。それは、レンタルのブログやwebサーバーを借りたときと一緒だ。多くのレンタルブログは数回のエントリで消えていく。ホームページも同様だ。何も書き込みのない掲示板やブログを設置するのなんか簡単なんだ。

そこで、組織内の情報共有ツールを運用・活用していく上で重要なことは組織の(特に上位職位者の)情報共有の重要性への認識とその組織内での共有と成員のリテラシーだ。この二つなくしてはコラボレーションツールは活用できないし、情報共有は絵に描いた餅でしかない。

では、重要性の認識とリテラシーのそれぞれの有無により、コラボレーションツールの有効性を考えてみよう。
●case1.情報共有の重要性に対する認識ができていてリテラシーがある組織:
ツールは何でも構わないし、外部のサービスなんか受けなくても自分達でwikiなりblogツールなり使って構築できるだろう。(外注のツールサービスは不要)
●case2.認識あり、リテラシー無し
ツールのでき次第で活用の道が開ける可能性あり。もっとも有効に機能する可能性があるが、リテラシーのないメンバーに対して働きかけるエバンジェリストの情熱とそれに対する組織的バックアップが必要。
●case3.認識無し、リテラシー有り
ツールをテクニカルに使いこなせても、情報共有は進まない。最初から情報共有系ツールは使われることはないだろう。
●case4.認識無し、リテラシー無し
何を入れても無駄だが、最初からコラボレーションツールに興味は抱かないだろうが・・・

残念なことに、case3かcase4の企業が大半だろう。case2のような組織はあっという間にcase1になってしまうだろうから、導入支援は楽しいだろう。しかし、case1に成長したらシステム・インテグレーターのビジネスにはならないだろう。

そういえば、MSもブログサービス参入

 マイクロソフトもブログサービス開始 今秋から無料で – asahi.com : 経済

マイクロソフトもブログサービス開始 今秋から無料で

 マイクロソフトは4日、個人がインターネット上で簡単に情報発信できるブログサービス「MSNスペース」を秋から無料で始めると発表した。パソコンでも携帯電話でも利用できる。1年間で100万人の利用を見込み、広告収入で運営する。

 パソコンの基本ソフト(OS)はマ社の「ウィンドウズ」だけでなく、アップルコンピュータのOSにも対応させる。ファイル容量は10メガバイト。 (08/04 18:59)

 100万人て、MSNやhotmailのアカウントの数をカウントに入れてるんとちやうか。しかし、「アップルコンピュータのOSにも対応させる」って、ブログホスティングにPCのOSなんて関係ないだろ。ま、MSのことだから、IEじゃなきゃだめなサイトにする可能性は払拭できないが・・・

忘れてないか?その2

 blogサービスのリニューアルとか合併とかが多い。

 銀行やサラ金のサービスと同じだ。どこかの記事に「blogサービスの有無や機能がISP選びのポイントになるかもしれない」とか書いてあったが、大間違い。

 だって、ISPに契約する人の大半は、自分のアカウントに何十メガのwebスペースが付いていることすら知らないのだ。まして、webサーバーで提供されるサービス(cgi許可とか容量)になんか興味はない。興味があったとしても、非ISP系無料webホスティングやblog・日記・掲示板サービスは山ほどある。ISPの選択は、今は加入しているXDSL業者でほぼ決まるだろう。Y!BBユーザーや有線系サービスでつないでいる人には選択枝は無い。残るフレッツ系だが、こちらもほとんどは知名度と価格で決まってしまっていると思う。

 どのサービスも会員数XX万人とか景気良く書いている。しかし、その総合計は日本のブロッガーの数よりはるかに多いはずだ。blogを書いている人間は、次々とホスティングサービスを移行し、いろんなサービスの会員数に貢献するが、アクティブなサイトは一つしかないだろう。また、会員になったものの数エントリでやめてしまうユーザーも多い。

 ホームページよりはblog・日記ホスティングのほうが書きやすいし続きやすいだろうが、続けられるサイトの合計は微増でしかないのではないだろうか。更新を続けるサイトだけをカウントしたら、サービス会社の会員数をはるかに下回り、blogホスティングサービス会社全部が潤うのには不十分じゃないのか、と思う。

本気?ソフトバンクBB:1万3000カ所の基地局用地を確保、携帯事業参入で

MSN-Mainichi INTERACTIVE モバイル

ソフトバンクBB:1万3000カ所の基地局用地を確保、携帯事業参入で

 ソフトバンクBBは同社と親会社のソフトバンクが計画している携帯電話事業への参入の準備のため、全国で1万3000カ所の携帯電話基地局用地を確保していることが2日までにわかった。基地局用地の確保は「各社とも特に苦労してきた」(NTTドコモ)という中で、ソフトバンクBBは、事業開始と同時に既存事業者と肩を並べるカバーエリアを提供できる見通しがついたことになる。

しかし、

全国各地の地権者と交渉を行ってきた。これによって、これまでに1万3000カ所で、事業者免許取得後にアンテナを設置する内諾書を取りつけているという。

 まだ、用地を買収したわけではない。都心部のビルの屋上とかなら設置費用は少ないが、地方の山や担保に立っているような鉄塔を建てるには多大な資源が必要だ。それに、ソフトバンクがもちこたえられるのか?まあ、既にBBフォンで自社IP網から一般電話・ケータイへの通信はできるので、最寄りの自社交換機までのラスト数マイルを無線に置き換えるだけでいいのかもしれない。

 ただ、TD-CDMA使う周波数帯域は高周波帯であり(TD-CDMAがこの周波数を必要としているのではなく、政策的に割り当てられた周波数帯がここなだけ)、カバー範囲は少ない(電波が回り込まないので、死角になりやすい)。今でも「fomaはつながらない」と揶揄されているほどだ。それ以上の2010MHz~2025MHz付近を使うTD-CDMAではさらに密度を上げる必要があるのではないだろうか。また、ADSLのように固定的な場所で使うものと違い、移動しながら使われることすらある携帯電話(データ通信なら切れてもあまり困らない)をカバーできるのか。最終的には2万局でカバーするらしいがどこまでいけるか。

 海外の端末メーカーと提携して端末を開発すれば面白いものが出来上がるかもしれない。palmOS搭載機とか・・・IP端末としてメッセンジャーの載ったコミュニケーターが出たらいいのに。

 とにかく、技術的な動向として、見届けたいチャレンジではある。phsのように先細りしていくのか。

お誘いをいただいて

 先日、見知らないアドレスからメールが来ていた。また、新しいタイプのフィッシングかと思いながら開いてみた。

 メールアドレスを一新して、サイトにも新しいメールアドレスを載せないようにしていることもあって、スパムが激減した。工夫満載のスパムを読むのは、時間がある時は面白かったりもするから、少し寂しい気持ちがあったのかもしれない。

 中身は聞いたことのない、「キヌガサ」といういソーシャルネットワークサービスのお誘いメールだった。誘ってくれたのは、他のサイトで相互リンクしている方。こんなものに誘っていただけることがほとんど無い生活を送っているので驚いた。

 ソーシャルネットワークサービスは去年のgoogleの参入で話題になり、多くの追随者を産んだということは知っていたが、あまり興味は無かった。「紹介がないと入れない」という閉鎖的な体質が、クレジット会社のゴールドカードや会員制ゴルフクラブのような胡散臭さを感じるから。日本にはクラブという文化が存在しないから違和感が強いのかもしれない。

 キヌガサは、ロリポップやムームーで一部のブロッガーにはおなじみのpaperboy&co.の新サービスだった。そして、全然知らなかったんだが、JUGEMもpaperboyのサービスだった。さらに、JUGEMユーザーは無条件でキヌガサのメンバーになれるらしい。JUGEMは有料サービスを始めるから、拡販ツールとして使いたいのだろうか。サービス自体は普通の(って、自分じゃやったことないんで詳しくは知らないんだが)ソーシャルネットワークサービスみたいだ。気に入ったのは「最大にして唯一のオリジナリティー」というフレーズ。でも、あんまり使いそうにない機能だ。巡回するサイトは12じゃ収まらないし、アンテナもあるから要らないなあ。

 こういうタイプの「つながり形成サービス」で一番面白かったのは関心空間だ。それを越えることができるのかどうか。

 否定的な感覚ばかりが先に立ってしまってなかなか登録する気が起きないが、失うものもないので、ダメもとで登録してみるか。登録した上で何か変わったことがあったらエントリを起こすかもしれない。なにもなければ、「やっぱりなあ」ということだ。

 ちなみに、アグレッシブな展開を見せるpaperboy&co.だが、JUGEMの本番サービスへの移行で大チョンボをしてしまったらしい。旧データで新しいデータベースを上書きしてしまったのか・・・まさかね・・・

web製作会社の請求

 総会関係の広告を頼んでいた会社から請求が来ていた。

 テキストを2行とリンクを一つ二つ追加したページを10枚程度、流用で作った新規ページを1枚、グラフィックパーツを10くらい更新(グラフなので、エクセルで一項目追加してグラフィック化しただけ)して75000円。おいしい商売だね。ま、スコッと払いますよ。月次の締めの最中なんで値切り交渉している暇もない。する気もない。これでも、日経新聞に載せるよりは100万以上節約できてるんだしね。

 これだけくれるんだったら、有給使って自宅でやりたいくらいだ。時給3万くらいになるよね。

 こんなところに、MTのインストールやデザインカスタマイズ頼んだらどんだけ取られるんだろ。

ヤフーBB事件、IP電話記録140万件も流出

ヤフーBB事件、IP電話記録140万件も流出YOMIURI ON-LINE / 社会

 インターネット接続サービス「ヤフーBB」の加入者情報流出事件で、「ソフトバンクBB」(本社・東京)から現金を脅し取ろうとした恐喝グループの関係先から、同社が運営するIP電話サービス「BBフォン」利用者の通話情報が記録された内部資料が見つかり、警視庁捜査1課が押収していたことが17日、分かった。

 グループメンバーの供述などから、流出した通話記録は約140万件分に上るとみられる。同社のサービスを巡って、利用者の氏名や住所だけでなく、プライバシーにかかわる通話記録までが流出していたことで、情報管理の甘さが厳しく問われそうだ。

 今更、問うたところで手遅れだ。2月時点で起こったことなんだから。それより、ホントにこれだけなのか。通話記録はユーザー情報等は別のデータベースに入っているはずだ。電話番号はユニークなんだから、住所や氏名なんかを記録する必要なんかない(と、思う)。そんな独立したデータベースのデータが複数盗まれているのに、クレジットカードのデータは盗まれていないなんて楽観的過ぎる。

 とにかく、クレジットカード番号を変えるか、明細が来たときに消しこみ出来るようにチェックする必要はありそうだ。