さらば Windows Phone 平野社長のウソツキ

記者の眼 – (2/3)さらばWindows Phone、MSが犯したIBMと同じ間違い:ITpro

 過去を振り返ると、1980年代に米IBMもメインフレームからオフコン、さらにはパソコンまで、共通のAPIを定義するSAA(Systems Application Architecture)という、壮大な構想を発表したことがある。SAAは開発途中で雲散霧消したが、一時代を制覇した覇者にとって「共通プラットフォーム」という夢をついつい見てしまうようだ。

 という指摘は当たらないと思う。どちらも、「自社の持つ既存の資産を活用し遅れた市場参入を挽回しようとしたが時すでに遅しだった」ということだろう。IBM は PC に、Microsoft はスマートフォンというプラットフォームへの参入が遅れ、それを挽回する手段として自社が囲い込みに成功した分野に取り込もうとして失敗した。PCは業務用メインフレームとは違うしスマートフォンで使われるアプリはPCとは違う。

 上の記事でも言及されているが、企業の約束なんてこんなものという事例として引用しておく。一度はしごを外しておいて、そのことを指摘された時に言った言葉「ハシゴを外す? 今回はそんなことないですよ。前回とは結構違います(日本マイクロソフト社長平野)」www

 「ハシゴを外す? 今回はそんなことないですよ。前回とは結構違います」――。日本マイクロソフトの平野拓也代表執行役社長は、Windows 10 Mobileを搭載したスマートフォン(スマホ)の日本国内における展開についてこう語り、OS提供元として継続的にコミットメントする姿勢を示した。

情報源: News & Trend – 「今回はハシゴ外しません」日本MS社長、Windowsスマホ再挑戦に自信:ITpro

 この時には誠実にそう思っていたのかもしれないが、はっきりいって素人の自分でも「ホンマかいな、どうせ2~3年したら無かったことになるんやろ」と思っていた。この時点で Windows phone は死に体だったからだ。まあ、平野社長としては、徳俵に足をかけての仕掛けられながらでも、社外に対して、社内に対して、自分に対して Windows phone の継続を訴えなければならなかったのかもしれない。お気の毒に・・・

どこに問題が?>業務停止「アディーレ法律事務所」怒濤CM攻勢の損益計算書

 「損益計算書」という単語に興味を惹かれて開いたが損益計算書に該当するような情報はなかった。ライターは損益計算書というものを知らないのだろう。

 業務停止命令を受けたらしいが、その対象は他業界でもよくある広告手法だ。普段20%引きで800円で売っているものを期間限定で30%引きとして700円で売るキャンペーンはどこの小売店でも(Amazonや楽天でも)見る。定価で売っていることを見たことがない。厳密に言えば割引率をご認識させる手法として公正な価格提示といえないということは分かるが、消費者自身が騙されたという印象を持たなくなっているのが現在だろう。それに、普段20%引きで売っているものが30%引きになっていたら、少なくとも普段よりは安くなっているのだから、損害はない。つまり、アディーレ法律事務所が業務停止命令を受けた理由がこれだけのことならという前提付きでそれほど悪質とは思えない。

利息制限法の上限は超えるが出資法の上限は超えないグレーゾーン金利は、06年の最高裁判決以降、争えば勝てる案件になった。これを確実にとって効率よくお金に変えるシステムを作った点は画期的でした。業界内の悪評さえ気にしなければ、ビジネス上のライバルはいませんでした」

 これについては全く問題はないだろう。利息制限法の上限より高い利息で貸し付けていたサラ金から金を取り戻す個人を法律の専門家がサポートして対価をえるのは弁護士の本来の姿だ。そこで、依頼者から不当に高い手数料を取っていたのならともかく、このことをビジネスとして取り組んだことを批判するのはおかしい。

一般的な弁護士事務所は、一人当たり年間5000万円売り上げれば十分なのに、アディーレでは過払い金がガバガバ入り、私の売上げも月に億を超えていた。

 「売上」が何なのか自分にはよくわからないが、それだけ多くの人が過払い金を取り戻すことに貢献したのなら批判はできない。

石丸さんがある人物に“これでベトナムでカジノを立ち上げてくれ”と億単位のお金を渡し、持ち逃げされたこともありました

 悪印象を作ろうとするために付け加えた感が強い。単に投資の失敗だ。ある人物の選定や投資判断が違法なものであったのならともかく、そういった情報はここには書かれていない。海外のブローカーみたいなのに投資案件を持ちかけられて持ち逃げされるなんていう事例は日本企業には日常茶飯事だろう。

「効率化のおかげで職場環境はよく、基本8時間勤務で、産休や育休もとれる。年収は地方の支店長になれば若くても1000万円。でも離職率は高い。所属弁護士の多くは10万円を出資していますが、1000万円を出資している石丸さんが、たとえ代表を辞めてもワンマンです」

 ホワイト企業じゃん。これだけの待遇を社員にできる企業が日本にはほとんどない。支店長の年収が1,000万円というのが多いのか少ないのかは分からない。弁護士の平均年収と比較する必要があるだろう。

業務停止「アディーレ法律事務所」 怒濤CM攻勢の損益計算書 (デイリー新潮) – Yahoo!ニュース

 こんなにCMを流せるのは、よっぽど儲かっているからだろう。そんな囁きが方々から聞かれていたアディーレ法律事務所。このたび業務停止の処分を食らったが、実際、利益至上主義とそのための効率化に突っ走り、大儲けしていた。

 CMで連呼するものだから、アディーレ法律事務所の名を知らない人は、少数派だろう。6月からは人気芸人のブラックマヨネーズが起用され、怒濤のCM攻勢のおかげで、「過払い金」という言葉もポピュラーになった感がある。
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TDF2018 ルートとルール変更

クリス・フルーム

 チームが8名になることで選手たちの負荷は増え、脱落者が出た時のダメージも大きくなる。これまで以上にアシストの選手層の厚さが勝負を分けるかもしれない。今年のストーブリーグの結果がどうなるか。どこか Team SKY に対抗しうるチームを作るかどうか。

 ルートは他のレースで特徴となるような人気ステージで不確定要素と勝負要素を盛り込もうと工夫しているようだ。石畳や小さなアップダウンが続く長いステージはクラシックから、短距離のヒルクライムのようなステージはジロやブエルタからパクったような感じだ。

 これらのステージの特徴は「何か」がレースを大きく左右するということだ。石畳区間でのマシントラブルやヒルクライムでの大逃げなど、ドラマ要素が強くなっている。長くて退屈なロードレースを刺激的なものにするための演出だろう。

人数削減で各チーム8名となるTDF2018のコースが発表に!プレゼンテーションから見る勝負どころとなるステージは?果たしてフルームにデュムランは挑むのか?

来シーズンツール・ド・フランスにとっては大きなルール変更がある。それは各チーム9人だった体制が8人となり、アシストとステージ勝利どちらを狙うのかがより鮮明となりよりエキサイティングな展開になると主催団体のASOは語っている。コース設定は石畳あり、未舗装路あり、山岳、個人TTチームTTありのまさに究極のオールラウンダー決戦、間違いなく選手によっての得意不得意、そしてチーム力が大きくその結果を左右する大会となりそうだ。

 この流れは、自転車に限らない。全てのスポーツがテレビや動画配信で飽きられないようにルール変更が行われている。アメリカンフットボールやバスケットボール、アイスホッケーなどはTVのタイムスケジュールによって進行が決まっている。野球も時短を叫ばれ、バレーボールは得点ルールが変わった。F1では(トラブルによる順位入れ替えが起こりやすい)給油が義務付けられたり(一時期は給油禁止だった)、補助エンジン的な動力源を積むようにした。オフロードバイクのモトクロスは、観客から見やすくで興業的に有利なスーパークロス(スタジアムで行う)になり、スーパークロスで一番目を引くジャンプだけを競うXXXになった(元のルールによるレースもも凝っているが)。スキーもアルペンから順位がわかりやすく転倒などが多い4Xやフリースタイル、モーグルが生まれた。

 Red bull と Go pro、Youtube がスポーツを変えたといっていいかもしれない。インスタ映えならぬ Go pro 映えするスポーツの時代になった。その中でグランツールも変わらざるを得ないのだろう。

終わりの始まりあるいはIoTデバイスの寿命

Pebble
iPhone 8 plus とつながらないという質問者への返事も悲観的なものばかり・・・
 去年の暮に fitbit が Pebble を買収した時に予想されたことだが、予想以上に早く使えなくなってきた。

 春に、有志による Pebble アプリのアップデートが行われ Pebble のサーバーが止まっても天気などの情報を取り込めるようになった。が、Apple との契約の問題でもあるのかヘルスケア(アプリ)のソースから外され、Pebble 2 の歩数データがヘルスケアに表示されなくなった。

 その後、個人的な理由で SIM カードをいろんな端末に入れて使っていたので、そのたびに Pebble アプリ上の履歴は消えた。それでも、目覚ましとカウントダウンタイマーとして腕に巻き続けていた。

Apple watch 3 の回線付きが出て、IIJmio で運用ができるなら買うつもりでいたが、発表されたものは MVNO では使えないものだった。なので、fitbit charge 3 が出るのを待ってそれを買うつもりでいた。

 しかし、iPhone 8 をメイン端末にした時に状況が変わった。iPhone 8 と Pebble 2 がつながらなくなったのだ。現行機種なら当然端末のOSのアップデートが行われるが、Pebble には期待できない。しかたなく、Jelly pro 上の Pebble アプリと同期するようにした。

 が、Pebble 2 でカウントダウンタイマーを使おうとするとアプリが見つからなくなることが有り始めた。timer を起動しようとしたら再起動がかかって工場出荷状態になったりもした。そんなときは Jelly との接続をやり直す必要があった。ストレッチの時に30秒カウントダウンタイマーを使いたいために一々ペアリングしなおすのは辛い。

 今は Jelly のアプリと同期できるので時刻を合わせる必要はないが、Jelly がなければ時刻を合わせることもできなくなる。Pebble 2 には単体で時刻を合わせる手段はない。Pebble がアプリとの同期にここまで依存しているとは意識していなかった。

 そういえば、Nintendo DS lite にはDS storeとかいうサービスが有ったが、動かなくなっていた。また、iPhone で遊んでいたゲームが動かなくなっていた。

 クラウドに依存するデバイスの末期はこういうことなのだろう。

ZTEの2画面Android 端末は Xperia P と同じ道をたどるか

新しくも、なんだか懐かしい香り…Apple(アップル)、Samsung(サムスン)、そのほか各社が今後1、2年のうちに開閉可能なスマートフォンを導入してくるだろうと噂されていますが、皆さん、心の準備はできてますか? 準備ができていない

情報源: ZTEから2画面スマホ「Axon M」登場! 変態スマホだけど、なんだか気になる。

 こういうチャレンジは大好きだ。

 「こんなもん誰が使うねん」といった無粋な事を言う人間が社内の意思決定者の中にいないなんて、素晴らしい企業かもしれない。

 記事にある端末や sony の折りたたみ Android 端末 Xperia Pと同様の運命をたどるだろう。

追記 2017/10/19:Tablet P については前に書いていた。

「Sony Tablet P」は myro や Rolly の後を追う。
予想的中:ソニータブレット Pが19,800円(半額以下)で販売中。

さようなら Windows 10 Mobile 、 AIM

 秋は別れの季節。iOS の 32bit アプリに別れを告げたばかりだが、IT界のガリバーとも思われたプラットフォームが2つ消える。

 一つ目は Windows 10 Mobile。Windows CE や Surfece RT など実は Apple より前からモバイル OS に挑戦し続けてきた Microsoft がついにモバイル OS に別れを告げた。Windows CE は palm、RT は iOS、Windows 10 mobile は Android に挑戦しては敗れ去ったというイメージだ。

 Windows 10 が載った Nokia の端末は美しかった。が、盲目的な Microsoft フォロワーのおもちゃで終わってしまった。「iPhone よりいい」とか得意げに言っていたのが懐かしい。その人達は今でも Winows 10 mobile 端末を使っているんだろうか。

Microsoftは、「Windows 10 Mobile」の愛用者に対し、同プラットフォームにもう新機能は追加しないと宣告した。 MicrosoftのWindows Experience担当バイスプレジデントを務めるJoe Belfiore氏は米国時間10月8日、スマートフォン向けプラットフォームであるWindows 10 Mobileに対する新しい機能やハードウェアを同社が計画していないことを認めた。

情報源: 「Windows 10 Mobile」、新機能の開発はもうない–マイクロソフトが認める – CNET Japan

 こちらも来るべくして来たということだろう。自分では使ったことはなかったが、AOL(America On Line)はダイヤルアップのパソコン通信の頃から名前はしっていた(自分は当時N ifty serve だった)。Mac の Finder のようなGUIのメニューなどには憧れたものだった。

 SNS の普及に伴って、Yahoo!メッセンジャー、MSN messenger といったメジャーサービスも消えた。AIM が消えるのも時間の問題だとは思っていた。しかし、LINE だけはメッセンジャーサービスとして(Facebook messenger とか Twitter の DM は付随サービスだろう)生き残っている。この違いは何だろう。

 自分の周りでも多くの人、どちらかと言うとITリテラシー低目の人たちでもLINEは個人のスマホに入れて活用している。Twitter や Facebook 以上の普及率といっていい。その人達はメッセンジャーサービスを使ったこともSNSとも無縁の人たちだ。そんな人達がなぜLINEは受け入れたのだろう。

「AOL Instant Messenger」(AIM)に別れを告げるときが来た。 インターネット草創期に人気を集めたコミュニケーションツールのAIMは、米国時間12月15日をもって姿を消すこととなった。AOLの事業を現在運営しているVerizon Communicationsの子会社Oathが10月6日に明らかにした。 AIMはかつて、インターネットのインスタントメッセージプラットフォームとして独占的地位を築いていた。AIMを手がけるAOLのインターネットサービスを使って、ダイヤルアップでネットに接続するユーザーが大勢いたからだ。1997年にリリースされたAIMは、90年代の終わりから2000年代初期に絶頂期を迎えた。

情報源: ネット草創期に人気を集めたAOLのメッセンジャー「AIM」が終了へ – CNET Japan

すべて消え行く定めなのさ(ルパン三世)

iTunes 12.7 は与えたり、されどアプリと着信音を奪うことこそ主眼

 iPhone 8 を買って自宅で iPhone 6 の環境を復元しようと iMac で iTunes を起動したら勝手にアップデートが走り出した・・・30分近くかかって起動したら、噂通り App がなくなっていた・・・

 サーバーが止まって使えなくなったゲームアプリとかも、アイコンを消すのが忍びなく iMac 上にだけ残していたが、それを見ることもできなくなった。データはHDD上に残っているがアイコンを見ることはできないから。

iMandalArt
iMandalArt のゲット画面トップ。ゲット・マンダ・ラートの使い分けが面倒でとっつきにくかった。スケジュールとかは一切使わなかった。

iOS6 home
iPhone 4S のホーム画面。これはメインで使っていたときとは違っているが、ドックにはいつも iMandalArt は入っていた。
 今回の iOS の仕様変更でついに iMandalArt が動かなくなった。Mandal-Art 終了のお知らせのときに iOS 7 で動かなくなるというアナウンスを受けていたが、変な表示になるが(解像度が固定だった)起動はできた。なので、昔作ったマンダラートをたまに使っていた。それすらできなくなった。

 MandalArt というアプリに引き継がれたが、サブスクリプションモデルが前提となってしまって使う気にならなくなった(前のバージョンは有料)。ファイル数限定で使えるが、ファイル数が限定されたら過去のデータを引き継ぐことができない。過去と同じ状態に持っていくためには月額使用料を払わなければならない。価格は安いので前のバージョンと同じなら迷わず契約しただろうが、UI が変わって自分には使いにくくなってしまったために、インストールだけして放置だ。

 まあ、仕事で使う機会が減ったのと、メモくらいなら evernote のほうが便利というのがある。そして、MandalArt は iOS 版しか無いというのが大きい。web 版の MandalArt で PC (Windows & Mac) からクラウドに置いたマンダラートを編集できるようになればと切に思う。


楽天がFREETELのMVNO事業を買収 プラスワンは端末事業に専念 (ITmedia Mobile) – Yahoo!ニュース

 両親が使っているスマートフォン(priori2)の回線がフリーテルだ。特に不満なく使っていたが、楽天に売られることになってしまった。

 サービスが悪くなるかどうか分からないが、楽天の回線を使うくらいなら freetel を解約したい・・・

 Yahoo!BB ADSL の契約が2年経過するので、乗り換えたいと思ったが、ADSL は softbank が独占状態だった。違うブランドのサービス名称でも実プロバイダは softbank とある。とういことは、回線品質は一切改善されないということだ。まあ、Yahoo!BB は ADSL 開始時に自力で設備投資し普及させたのが今になって効いているのだろう。利益も薄いから競争相手が消えてしまったのだ。

 小さい利益でも勝ち残って独占できればそれなりに継続できるというマーケティングの事例になりそうだ。

フィットネスのカーブス、幽霊会員をつくらずに収益を生む「逆転の発想」

 自分が提案したコンセプトとはかなり違うが、「サービスを提供して顧客満足度を上げることで存続を図る」という点では一緒だ。足が遠のいている客をフォローしたり、来館したユーザーに声をかけたりするというのも共通している。

 この、シャワーもサウナもないというのは盲点だった。滞在時間が短くなるようなメニューに特化することで、普通のジムより一回あたりの利用時間を短くできる。

 ストレッチ・筋トレ・カーディオマシン・(風呂・サウナ)をじっくりやろうとするとジムに滞在する時間は最低でも1時間半、平均的には2時間くらいはジムにいた。実際には往復の時間もかかるので、拘束時間は2時間~3時間だった。これを週に2~3回できる人はあまり多くないだろう(自分はそうだがw)。

 なので、濃いサービスで顧客満足度を高めるのではなく、薄くすることで投資コスト(金額と拘束時間)を下げて相対的に満足度を高めるというのは参考になる。飲食店でいうなら立ち食いそば屋に例えられるだろう。

 女性客専用でスタッフも全員女性というのもなるほどと思わされたが・・・・

カーブスは、中高年主婦をターゲットにするフィットネスクラブ。そのビジネスモデルは独特だ。通常は会員費だけ払い、あまり来店しない会員が多いほど店舗の事業効率は上がるものだが、カーブスはその逆で、「幽霊会員」を増やさないことで収益を上げている。

情報源: フィットネスのカーブス、幽霊会員をつくらずに収益を生む「逆転の発想」 | 山田英夫のビジネスモデル・ラボ | ダイヤモンド・オンライン

スマートウォッチ市場ウォッチの日常

 一時期のスマートウォッチ悲観論が最近沈静化しつつあるように感じる。自分にとっては招待されていないパーティだが Apple watch LTE(Cellularの綴が難しいのでここではLTEと書く)は加速に向けてのマイルストーンになるだろう。IIJ には頑張っていただきたいがこれは自分の都合だ。

 Apple watch の売上額が Rolex を上回ったからというのは驚くには当たらない。違うジャンルの製品を比較してどちらの売上が多いかと言っても意味はない。自動車と電気炊飯器の売上額で比較しますかということだ。

 それくらい高級腕時計とスマートウォッチは違う。この記事にある「Rolex を持っている人は間違いなく Apple watch を持っている」ということの真偽は身近にRolexを持っている人がいないので確信は持てないがありそうだ。

 しかし一方で、昔からの Rolex ユーザーが Rolex を捨てて Apple watch を買ったということもないはずだ。レクサスを買ったからといってタイガー電子炊飯ジャーを捨てないのと一緒だ。

 散々書いてきたが、高級腕時計とスマートウォッチは別ジャンルだ。たまたま腕に装着するという競合関係にあるだけだ。Rolex は Apple watch や Casio のクォーツ式電波腕時計では満たせないものを満足させるためにあるのだから。

昨日(米国時間9/12)、Apple Watchがほとんどの主要時計メーカーを売り上げで上回ったとき、インターネットがざわついた。Apple WatchがRolexやOmegaなどの高級時計メーカーより多く売れたからといって驚くにあたらない。驚くべきは、RolexとOmegaがこの負け戦をいまだに戦い続けていることだ。

情報源: Appleよ、ロレックスに勝つのは難しくない | TechCrunch Japan

ルイ・ビトンのスマートウォッチ
ルイ・ヴィトンのAndroidスマートウォッチは30万円。
 一方で、機械式高級時計ではなく効果なブランド品がスマートウォッチを作るケースが増えてきている。

 機械式高級腕時計ほどの価格帯ではないが、Android ware 2.0 デバイスにブランドロゴや専用デザインのケースやバンドをあしらったものだ。非常に安上がりにできる割に高い利益率が期待できる。

 しかし、大半のユーザはスマートウォッチをデジタルデバイスとして見ている。それは Apple watch edition の失敗で分かる。Edition は話題になったが2016年にはラインナップされなかった(Edition というモデル名を引き継いだものは有ったが金縁の200万円もするフラッグシップモデルはディスコン)。Series 2 以降はスポーツやヘルスケアの機能を強化する方向に転換した。

 Apple は方向を変えられるが、ブランド・メーカーはそのよって立つところがハイ・ファッションなのだから安価な製品にシフトすることはできない。それはブランドの価値を毀損するに直結するからだ。

 個人的には、Android wear 2.0 の設定画面が出た時点でアカンとは思うけどね・・・

ハイテクシューズのチャレンジャー達 on, spira, enko

 ランニングの場合、自転車のように技術革新はシューズに集中する。

 素材技術や加工技術、設計技術の進歩によって自由度が上がり多くのメーカーが色々な”思い付き”レベルのものを作っている。Newton running shoes のアクチュエーターラグもそうだろう。

on

 
on shoes
http://www.spira-japan.com/

 Newton 凋落の原因の一つに挙げられているライバルメーカー。デザインが独特でおしゃれな印象が圧倒的。

 ちくわを半分に切って並べたようなソールが特徴。そのちくわの素材と形状で衝撃吸収の強さをコントロールするという思想だ。

 面白い。クッションの強さとプログレッシブ特性(弾力を加速度的に強くする)をコントロールできるだろう。そして、アイデアだと思ったのは、着地によるショックの吸収から地面を押す段階ではちくわが潰れていて力がダイレクトに地面に伝えられること。

 ただし、幾つかの動画を見た限りでは屈曲抵抗はかなり低いので、カーボンバネのような意味での「反発力」は無いだろう。

 かっこいいから試してみたいが、試しレベルで履くには価格が高い。

spira

spira running shoes
https://en.enko-running-shoes.com/
 フォーム材ではなく金属バネをクッション材に使ったシューズ。フォームと違ってへたらない。独特な履き心地を売りにしているが、走りにつながるのかよく分からない。

 onのような効果を持たせることは可能かもしれないが、アウトソールに覆われたバネでは効果が薄いのではないだろうか。

 ネタで履いてみたいとは思う。が、このシューズも Newton running shoes のような一時代前のデザインで積極的に履きたいと思えない。

enko

enko shoes
 むき出しのバネで衝撃を吸収しようというストレートさが素晴らしい。嬉しい。楽しい。

 また、このデザインはヒールストライクを軽減するのには効果があるかもしれないが、土踏まずより前で着地する場合には効果を十分に発揮しないのではないか。紹介動画を見てもヒールストライク走法のランナーのものしかない。

 後、物理的な機構が複雑で金属パーツがあるので重量が重い。サスペンションのように強を設定できるのは面白い。どんな形式のクッション材であっても、吸収フェーズと踏み込みを力に伝えるフェーズのバランスがランナーに合っているかどうは重要だ。ランナーの走り方にもよるだろう。フォームが衝撃を受けて縮むことで力がダイレクトに地面に伝わる。フォームが厚いと吸収はいいが、踏み込んだ時にさらにフォームが縮んで力を失う。Nike の Challenging 2 のように個人別にフォームとバネの強さや形状を作るのが理想だが大量生産品では不可能だ。その点、enko のようなサスペンションなら走ってみて変化させることができる。

 しかし、この外見は面白いので履いてみたいとは思うが、お金を払ってまではほしくない。