今頃PSP

 2007年春。この時期に初めてPSPを買う家庭も珍しいかもしれない。買うというか、息子の入学祝いに俺の兄が送ってくれたもの(息子がリクエストした)だから、俺には全然関係ないというのが正しいが。

 デジタルガジェットが来たら黙っていられないのがデジタルヲタのヲタたる所以だ。息子と娘のゲームが一段落したのを見計らって、無線LANの設定、iMacにつないで音楽データの転送を行った。いまさらレビューしても仕方がないので、デジタルガジェットとして面白いと思ったことだけ書き留めたい。

  • ゲームを入れたらシステムのアップデートが行われた。ソフト起動時に必要なシステムのバージョンをチェックするらしい。しかも、画期的なのは、システムのアップデータがゲームディスクに入っていて自動的にアップデートが行われること。
  • ネットワーク経由で簡単にシステムのアップデータをダウンロードできること。21MBのダウンロードが数分で完了した。
  • ブラウザが標準で入っていて、ネットワークの設定をしたら実にあっさりとつながった。ということは、これだけでmixiもメールの送受信も可能だ(文字入力効率は悪いが)。
  • 文字入力のインターフェースは独特で、ケータイのようなインターフェースが採用されている。タッチパネルもキーボードもないので苦肉の策だろうが、50音表と大して効率には差がない。
  • macOSXでも外部ストレージとしてマウントできる。
  • mp3ファイルを指定のフォルダにコピーするだけで音楽が再生される。iTunes で写真を登録したデータは写真も表示される。
  • ネットワークの暗号化対応はCLIEより高度。(CLIE UX-50 は128bitWEP)
  • PS3との連携するメニューがあった。
  • ネットから動画データをダウンロードする有料コンテンツのメニューがあった。

 GPSレシーバーと地図ソフトで簡易ナビとしても使えるソフトもあった。走行ログが取れるのなら自転車で走るときに使っても面白そうだ。ログを標準的なフォーマットでメモリカードに書き出してくれたら後はいろんなサポートソフトがあるはず(まだ調べてないけど)。

 ニンテンドーDSの魅力はペン入力とソフトだ。特に、ペンタブをUIに活用した学習系ソフトは独壇場だ。しかし、PC的な深さという意味ではPSPに軍配が上がる。優劣ではなく方向性の違いだろう。PSPを入手したために、DSへの興味も掻き立てられた。

 まあ、買ったところで使わないだろう。ゲームはドクターマリオ(ゲームボーイ)があれば十分だから。

PSPはカーナビになりました

 全然興味がなくて見ていなかったんだが、PSP用の周辺機器とソフトにGPSがリリースされていたらしい。ITmedia D Games:「PSPはカーナビになりました」――GPSレシーバー+カメラで広がるPSPの世界 (1/2)

 俄然PSPを欲しくなった。PSP本体を持っていないのがネックだが、本体と併せても3万程度だ。これで、自律測位の2万5千分の1日本地図つきGPSが手に入ると考えると高くはない。定価でも十分安いが、amazonではレシーバーとソフトと込みで9000円弱で売っている。ヲタへのクリスマスプレゼントにもいいかもしれない。お買い上げは右の写真から。

 しかし、GPSというとカーナビという発想はそろそろやめにしないか。単体のGPSはどんだけ頑張っても車載のカーナビにはかなわない。電池、本体設置面積、アンテナの物理的大きさ、CPUパワー、メモリ、外部記憶装置(DVDやHDD)等ハンディ機器では克服できないハンデがあるのだから。ヲタとしては、PCへのデータ書き出しやルートのダウンロードが欲しいところだ。

 A5502Kというezナビ対応機種を持っていながらGPSが欲しいのかというと、圏外で使い物にならないからだ。標高も分からない。PCとの連携なども全く考えられていない。

 一時期、visor prism に GPS companion というレシーバーをつけてフリーの地図ソフトとオリジナル地図で遊んでいたことがあった。これは面白かったが、地図を自作するか数万円の地図を購入するしかなく、使いこなすにはいたらないうちにprismが壊れた orz…

CLIE UX50にも一時期GPSレシーバーがあった。PSPは大きいので、UX50を活用するのがベストなんだろうが、今では入手困難だ。

MAPLUS 商品説明

 MAPLUS:このサイトがサポート&口コミサイトになっていて情報を登録したりダウンロードしたりできる。「おもしろ自転車地図」のデータを転記したら面白いかもしれない。自分が持ってなけりゃやる気しないが。(こういうサイトを見ていつも思うのは、場所を作るだけでは駄目だ。提供者自らガンガン書き込んで件数を増やさないと盛り上がらないだろう。)

  PSPのGPSレシーバーに対応『みんなの地図 2』― ゼンリンとソニースタイルが共同企画・開発 ―2007年春 販売開始!

残念ドラクエ9

 DSかよ。それ以前にドラゴンクエスト8作ったところが作るんじゃ欲しくないな。

Yahoo!ニュース – 毎日新聞 まんたんウェブ – スクエニ:ドラゴンクエスト9、ニンテンドーDSで発売へ

12月12日15時54分配信 毎日新聞 まんたんウェブ

 スクウェア・エニックスは12日、シリーズ4000万本以上を出荷した「ドラゴンクエスト」シリーズの最新作「ドラゴンクエスト9 星空の守り人」をニンテンドーDS向けに発売する、と発表した。2007年発売予定で、価格は未定。 (ゲーム画面はこちら)

 「ドラゴンクエスト」シリーズは、プレーヤーが主人公となり、剣や魔法のファンタジー世界を舞台に冒険活劇を繰り広げるRPGの人気作品。シナリオは堀井雄二さん、キャラクターデザインは「ドラゴンボール」の漫画家・鳥山明さん、音楽は作曲家のすぎやまこういちさんら各分野の人気作家が担当している。「ドラゴンクエスト8」を手掛けたレベルファイブ(福岡市中央区)が開発する。

 第1作は86年、前身のエニックスからファミリーコンピュータ用として発売され、150万本を出荷。一時は、ソフト欲しさの窃盗事件が起きるなど社会現象にもなった。04年11月に発売された最新作「8」は360万本を出荷し、同年で最も売れたゲームになった。

「ゲーム機戦争は終わった」らしい

 ゲームジャーナリスト様がゲーム業界を総括している。曰く、「ゲーム機戦争は終わった」。

 はぁ?確かに、各社の方向性が従来ほど重ならなくなったことには、そうかなと思う。しかし、ビジネスとしての厳しさは全然変わらないだろう。方向性が違うからといって、3種類のゲーム機を買いそろえる人は少ないだろう。しかも、PS3が高価格でリリースされることは、ゲームファンの財布を直撃し、他の機種に流れたかもしれないお金を吸い上げることにもなる。ゲームの売り上げ本数的は減ってしまう可能性は高い。これは任天堂やMSにだけ影響を与えるだけでなく、ソニーそのものやゲーム流通業者にも影響を及ぼすかもしれない(だから、E3で価格を発表したときに業界人から非難の声が上がったのだろう)。

 方向性が違うから競合がなくなり住み分けられるというほど世の中は甘くない。莫大な投資に見合うだけの「売り上げ(それは、各社ともコンソールで上げる売り上げは利益の源泉ではない)」をあげるためには、住み分けなどないのではないか。

 これには、ややこしいビジネスのことなんか分からなくてもいい。自分の懐具合を考えれば分かる。結局、どんなに個性的になろうが、その市場は一般家庭の財布という市場なのだ。「今年はHDDレコーダーを買ったからテレビは今ので我慢しよう」とか「液晶の地上デジタル放送対応ハイビジョンテレビを買ったから、襟増この買い換えは来年にしよう」とか「今年は旅行に行くから家電品は買わない」とか「子供ができて赤ちゃん用品が一杯いるから、大人のものは我慢だね」とか「XXが進学だから車の買い換えは当分無理かな」とか「そろそろデスクトップ機のHDDを買い替えないとヤバそうだから、CPUとマザーボードは次のボーナスだな」(しつこい)というのが普通の家庭だろう(最後のは普通じゃないが)。その中に、数万円もするものを割り込まさなければならないのだ。

 パイの大きさが変わらないのに、そこにより大きなシェア(金額的に)を要求する高価なマシンを持ち込んだのだ。他社が影響を受けないはずがないだろ。しかも、この記事には「終わった」と書いている。過去形だ。もう決着がついたと言い切っているのだ。そう言い切るには根拠が薄い。この「ジャーナリスト(マスゴミ)」が書いているのは、E3 で任天堂が人気があり、ソニーが高価格でブーイングを受け、MSがFPSを囲い込んだということだけだ。

ゲーム見本市「E3」を総括〜ゲーム機戦争は終わった – ニュース解説 – nikkeibp.jp

志田 英邦=ゲームジャーナリスト)

「War has changed.(戦争は変わった)」。

これは、コナミが「PlayStation 3」向けのソフトとして開発を進めている「メタルギアソリッド4」(コナミ)のキャッチコピーである。このコピーは、先週開催された、世界最大のゲーム見本市「E3」をまさしく象徴する言葉となった。

 ゲーム機しか見ていない、生活感覚のない、ユーザー視点のない「記者」がジャーナリストを名乗るなと思うけど、にほんでは「ジャーナリスト=マスゴミ<>journalist 」だからいいのか・・・

ソニーらしいといえばソニーらしい特許

 特許を取得しただけで、それを何にどう使うかまで決まったわけではない。過剰反応かもと思うが反応したくなる。

PS3では中古ゲーム・借りたゲームは動かない? – Engadget Japanese

プレイステーション3では中古ソフトや人から借りたソフトは動かなかったり、故障した本体を買い換えたら自分が新品で買ったソフトも使えなくなるかもしれない。最近見つかった特許によると、ソニーは最初に起動させた本体と記録メディアを結びつけることで、中古や海賊版ソフトを使えなくする方法を開発したらしい。

 ディスクに書き込むことができるなら解除もできると思いたいが、スパイウェアを焼きこんでばら撒いた企業の考えることだから、期待はできない。

 中古ゲームや友人との貸し借りがゲームの普及にどれだけ貢献したのか。中学年の子供を見ていると、「これはXX君が持ってるから僕はこっちを買う」とか「OO君から借りた前のバージョンが面白かったから次は僕が買う」と貸し借りを楽しんでいる。極端なときにはハードごと友達に貸したりもしている(ハードごと持ち込めば上記のプロテクトも無力だが)。そうでもしなけら小遣いの数ヶ月分もするゲームを色々試すことはできないだろう。

 また、自分が余り興味のないジャンルに触れる機会にもなる。ゲーム体験を広げる貴重な機会を閉じるようなことをしたら、何年か後には、貸し借りだけでなくゲーム人口自体が減り売上も大きく減ってしまうだろう。

 ここで言う「ゲーム」というのは「コンソールゲーム」だ。コンソールゲームが面白くなくなっても子供達は困らない。オンラインゲームがあるから。今の子供達の子供の世代にはコンソールゲーム自体が存在しない可能性は高い。ネットに直接繋がったモニタ(テレビという名前なのかパソコンという名前なのか新しい名前が作られるのかは分からないが)でゲームをするようになるだろう。「なにそれ?ゲームのためだけのゲーム機があったん?で、ゲームはCDとかDVDのディスクに入ってて、いちいち入れ換えてたん?へぇへぇへぇへぇへぇへぇ。86へぇやな」となるだろう(それ以前に、PS3じゃなくてWiiとXboxの売上が大幅に増えるだろうが)。

 その時代に、メディアプレーヤーを動かすプロセッサがCellの後継なのかどうか。ソニーが考えるべきは、ディスクに依存して利用者に不便を強いるようなものではないだろう。

 繰り返しになるが、これは音楽CDにもいえる。触れたことも無い音楽をどうやって好きになればいいというのか。テレビドラマやCMとのタイアップもうんざりだ。大体、テレビ自体の視聴バターンが変わっているときに(別のエントリで書いた)、それの代替になる方法を見つけないと、絞るばかりではソニー所属の音楽家が気の毒だ。

 前に、Bonchicast_で「『podcastで流したいから使っていいか?』と問い合わせたら。海外のアーティストは『どんどん使ってくれ』と言ってくれる。日本のアーティストはごく一部しかOKしない。こんなことしてたら、海外のアーティストばかりしか耳にしなくなるよ」と仰っていたのを聴いた。なるほどと思った。

裏山

丸山城跡 ダラダラな祭日。

 せっかくのいい天気だったが、起きたのは11時。それから、ドラクエVIを3時間近くやってしまった。その後、犬を連れて裏山に登った。右の写真は頂上にある記念碑。戦国時代には山城があったらしい(今はお稲荷さん)。最初は登りきれるか不安になるような息の切れ方だったが、途中から調子が出て結構いいペースで登れた。犬を連れて往復40分だから、しょっちゅう登っていた頃(最高で往復35分)と大差のないペースだった。

 ダラダラといっても、主夫仕事はさぼれないので、昼はチャーハン・そばめし、夜は焼きそばというお好み焼き屋のような食事を作ったり、洗い物、洗濯と一通りはさせてもらいましたとも。

 ちなみに、娘は何やら妖しいイベント(コミックライブin神戸)にスーパードルフィーを抱えて行った。息子は午後クラブ。

 ドラクエVIは面白い。戦闘シーンのリズムも早いので、VIIとかVIIIのようにイライラさせられることもない。町の外の移動はこの方法でいいと思う。VIIIのようなキャラが走り回るのでは距離感がおかしい。人間が走り回って移動して世界を救うってどうよ。これがI〜VIIのように地図を縮小キャラがチマチマと移動するのなら、「本当は何十キロも何日もかかって移動してるんだな」と思える。シミュレーションゲームのマップを移動する軍団みたいなものだ。VIIIのはリアリズムを追求するあまり非現実的になってしまった「くそリアリズム※」の典型だと思う。

※「くそリアリズム」というのは、どこかの誰かが評論文で書いた表現。確か、現代国語の問題文になっていて、印象的だった。小林秀雄だったかどうか確かめようもないが・・・この、くそリアリズムについては、いつかどこかでまとめたい。

寒い週末

寒かった。雪も舞っていた。これが最後になって欲しい。

 息子がドラゴンクエストVIを借りて来た。前にも借りて来たことがあったのだが、カセットの調子が悪くて何回かセーブデータが消えて諦めたのだった。3D化したVIIやVIIIよりこちらのほうがしっくりくるなぁ。戦闘シーンが短いのも俺には嬉しい。むしろ、戦闘アニメは設定でオフできるようになっていたらいいのにと思う。2日で11レベル到達。アイテム探しにはまる時間が少ないのでレベルが不足気味で、まさかと思っていた全滅を一回喫してしまった。

 図書館で借りた本とCDを返却するついでに(方向は正反対だが、車に乗ってしまえば気分は一緒)、レンタル屋へ行って Di VIBES 2005, Di VIBES 2004を借りて来た。行くたびにレンタル中だったのだ。2005は前に借りたのだが、エンコードの設定を変えてみたかったので再度借りることにした。

 しかし、手を付けたいことやつけなければいけないことが山ほどあるのに、DQVIがあるとついついコントローラーに手が伸びる・・・

次世代ゲーム

次世代ゲーム機の登場に不安を募らせる開発者たち – CNET Japan

新しいプロジェクトもたくさんスタートしている。しかし、成功しているタイトルのほとんどは、元から知名度の高かったものばかりだ。4月半ばに最もよく売れたゲーム10タイトルのうち8つは連作もので、うちいくつかはシリーズの第4弾または第5弾目にあたる作品だとNPD Groupは述べる。

 「ゲームの歴史を振り返ると、この業界は新しいスタイルの創造により成長してきた」とゲームコンサルタントで独立系のゲーム開発者でもあるGreg Costikyanは語る。「革新的なゲームが1つ現れると、その新しいゲームスタイルを中心とするジャンルが生まれる。このような革新がなければ、ゲーム業界はいずれ停滞するのではないかと心配だ」(Costikyan)

 CPUが強力になることで、開発環境の充実は期待できるかもしれない。Adobe photoshop は他社に先駆けてMPW(macintosh programmers workbench)のobjective Cを使って開発された。これは、当時のアプリケーション開発としては珍しかった。「オブジェクト指向で作ったソフトは互換性は高いが、高速動作はできない」といった定評があったからだ。しかし、ハードウェアのパワーと、オブジェクト指向開発によるプログラム品質の高さが、従来の開発環境で職人芸を駆使するよりメリットが大きいことを示したのだった。これと同じことが次世代ゲーム開発環境で起こるかもしれない。もちろん、ハードの複雑さの増加が開発環境の充実以上に進んでしまえば打ち消されてしまうが・・・

 ただ、PS2があれだけのプロセッサーを持ちながらメモリが小さすぎてプログラマに不毛な苦労をしなければならないということは至る所に書かれていた。弊害はユーザーも負担させられた。画面やモード遷移のときに数秒間のタイムラグがあった。大きな遷移(ルーラとか)ならともかく、部屋の出入りの度に操作が止まり数秒の待ち時間があるのは苦痛だった。DQ8でも、場面切り替えや戦闘モードへの切り替え、グラフィックの重い技を繰り出したときなどに、ディスクが回ってはっきりと分かる「読み込み待ち」があった。プロセッサパワーが上がり、読み込みスピードの速いDVDメディアになれば、画面の切り替えやモード切り替えで待たされることなどなくなるのだと思い込んでいたのでショックだった。潤沢なメモリがあれば、町やダンジョンに入ったときにその中のイベントで使われるデータを全て前もってロードしておくことだって出来ただろう。開発者がゲームの内容と別の制限に対応することに時間と労力を費やしたり、ユーザーの操作性を犠牲にしなければならないのでは本末転倒だ。このようなことのない仕様を実現して欲しい。ゲーム機は発売後に基本機能の拡張をすることは不可能だ。ゲームメーカーは互換性を考えたら、最初に発売されたものをターゲットにするしかない。だからこそ、最初の仕様設計が重要なのだ。

 先日観たニュース番組の特集で、軍が新兵の訓練でシューティングゲームを応用して、人をして殺人マシンになるように馴らしてから戦場に送りだすということをレポートしていた。そして、その成果は大きく、昔なら最初に敵を射殺するときに躊躇する人間の方が多かったのに、現在の新兵はほとんどがためらいなく敵を撃つことが出来るようになった。と、ゲーム制作会社が得意げに映っていた。

 これが進んでいくと、「ゲーム」という名の映画であったようなことが現実に起きうる。そこでは、シューティングゲームの天才少年を集めて軍事訓練を施し、おもちゃの技術を応用した小型兵器を操作させ軍隊として使おうとするマッドサイエンティストが出てきた。

Wired News – ゲームに熱中しすぎて現実との区別が曖昧に – : Hotwired

 テイラー氏はさらに、米イド・ソフトウェア社が開発した3Dシューティングゲーム、『Quake III』をレビューするためにプレイしたあとも、ゲームのことを頭から追い出すのに苦労したと話す。

 「ゲーム後にオフィスの廊下に出ると、同僚たちが標的のように見えて仕方なかった。動くものなら何でも殺すというのが癖になっていたのだ」とテイラー氏。

 昔(今でもかもしれないが)、アメリカの海兵隊のコマンドー部隊では、ベトナムに送り込むために人格を破壊するようなハードな訓練を施した。彼らは、戦後アメリカに帰っても多くが普通の生活に戻ることができなかったらしい。そのため、人と出会わないように山奥に隠れ住んだものや、傷害事件で逮捕されるものが後を絶たなかったことを思い出す。朝、起こしに来た母親を反射的に絞め殺しそうになったと語っていた兵士がいた。

 モニタから見える敵ならばさらに撃ち易くなるだろう。モニタに敵味方判別機能をつけ、テクスチャマッピングでリアルタイムでゾンビのように表示させるゴーグル型ディスプレイを装着すれば、何のためらいもなくどころか、敵を殺すことを楽しみに変えることすらできるだろう。逆に考えれば、人を殺す後味悪さを意識できなくなり、人の姿をしていたら殺せなくなるかもしれない。そうなれば、どんな人間でも平気で殺せるような殺人マシーン化する必要もなくなる。なんて人間的な装置・・・あれ?

次世代ゲームコンソール発表

 新型ゲーム機が発表されると、コンピューターではすっかり失ってしまったワクワクするような気持ちがわいてくるから不思議だ。F1マシンが遠の昔に失ってしまった、最高・最強への挑戦を具現化しているところが文句なく楽しい。

 次の世代では、どの機種も現行機種の数十倍の演算能力がある。AppleはG4が発売されたときに、「輸出制限の対象にされた」ことを逆手に広告に使っていたが、それをはるかに凌ぐパワーだ(ちなみに、このときはPS2も禁輸対象だった)。これを聞くだけで嬉しくなってしまう。

 ヲタとしては、まったくの新しいプロセッサーから作ったPS3が一番興味深い。PowerMacG5互換機ともいえるXBOX360もOSXが動けばG5版 Mac mini として面白いけが、カスタムチップで固められているだろうから難しいだろう。任天堂は相変わらずコンテンツ主導で、ハードについてはあまり情報が出てこないので、興味の対象外といってもいい。

 前回苦杯を飲まされたMSだが、今度は先手を取った。前回の敗因が発売時期の遅れにあると分析したのだろう。しかし、それだけでは勝てない。先手を取ったにもかかわらず敗れ去ったDreamCastの例がある。プラットフォームのキラーコンテンツとなるタイトルを一刻も早く揃えること。これにかかっているだろう。似たようなジャンルのソフトしかないPSとXboxではどちらのプラットフォームを選んでも、できることに大差はない。初期のタイトルでは性能差が出るほど最適化したゲームの開発も無理だろう(PS3のメリットは活かせない)。

 それ以前に、どのメーカーも発表した通りに発売が可能なのか。供給体制は十分なのかという問題もある。汎用的なプロセッサーを使うXboxは心配ないだろうが、スクラッチビルドしたCellの生産が十分なのかどうかは見所だ。先行発売しても、製品がなく、市場に普及する前に後続製品の発売日が近づいて買い控えられるということもある。後続の製品にしても、先行機種が店頭に並んでいるときに、発売延期してしまったら商機を逃してしまうだろう。世代交代のスタートダッシュは、その世代がメインストリームになったときに大きく利益に響いてくる。次の世代交代までの数年間の差は巨大だ。

 ただ、今度こそはネットワークゲームが主戦場となるだろう。プラットフォーム依存のタイトルにするか、マルチプラットフォームにするか、ハードメーカーとゲームプロバイダーとの戦いも始まるかもしれない。こちらも見逃せない。ハードを複数持つコアユーザーは多いが、相手のいるコミュニケーション型ネットワークゲームを複数同時に契約する人はほとんどいない。課金モデルとして魅力的なネットワークゲームで大きなシェアを握ることは重要だろう。逆に、数万~数十万のユーザー数であっても、固定的に月額料金を徴収できるなら専業サービスが立ち上がる可能性もある。シンプルなベースを販売して、新しいシナリオやアイテムを追加するだけなら大きな開発投資は必要ないだろうし。逆に、プラットフォームに依存しない程度のグラフィックでマルチプラットフォームにするというのもニッチ狙いでいいかもしれない。

 もっと面白いのは、skypeだ。これらのゲームコンソールはすべて、skypeを走らせるに十分なCPUパワーとネットワーク機能を持っている。skype、ハードメーカー、ゲームメーカー、回線業者、誰がいつ始めるのか。(ただ、問題はあって、ディスクを入れるたびにOSの再起動をするようなシステムでは使い物にならない。HDDから起動して、ゲームを終わらせても電源は入れっぱなしという使い方が出来るようになっていないと使い物にならない。そのためには、PS2のような騒音マシンではダメだ。)

 ところで、閑散としていた(地元のブロッガーが書いていたので間違いない)NYポケモンセンターを任天堂がリニューアルしたらしい。E3とRevorution発表にあわせて、マスコミ各社にプレスリリースを行ったようだ。しかし、「初の直営店舗」というのは、「公開5日間入場人数が世界記録」というのと同じだろう。普通のマスコミならともかく、Wiredを名乗るヲタ情報オンラインマガジンの記事としては認識が甘い。というか、単なる提灯記事だな、これは。

Wired News – 任天堂、ニューヨークで初の直営店舗 – : Hotwired

 任天堂の米国現地法人は21日(米国時間)、ニューヨークに初の直営店舗『ニンテンドー・ワールド』を5月14日に開店すると発表した。ゲーム機やソフト、ポケモン・グッズを展示・販売する。米アップルコンピュータ社やソニーが直営店を積極的に展開し、成果を挙げているため、追随したとみられる。

追記:
サイトを見ていたら既にDS用に開発されているらしい。これって、考えようによると次世代コンソールよりすごいかも。DSなら携帯電話の代わりにだってなるやん。もちろん、アプリさえあればPIMにもなるし・・・

ITmedia Games:ニンテンドーDSで気軽にIP電話? 「DSpeak Tech Demo」が参考出品

 ”Voice-over IP on your Nintendo DS”と書かれているところからわかるように、これはニンテンドーDSを使った無線IP電話となっている。会場ではヘッドセットを使い離れた相手と話すことができ、その会話品質も問題ないレベル(むしろ会場の音をひろいすぎるくらい)。