ゴールドラッシュの夢:家計簿に群がる 14er(Zaim, MoneyTree, MoneyFoward)

 TeckCrunch の記事で言及されていたアグリゲーションサービス2社を見てみた。

MoneyTree

moneytree マネーツリー moneytree.jpはチャレンジャーの香りが残るヴェンチャー企業のようだ。従業員の集合写真が微笑ましい。

 「家計簿に興味がない、挫折した人のために作りたかった」–マネーツリー創業者に聞くを読むと応援したくなる。確かにデザインも iOS 7 に最適化してありクールだ。

 今のところ iPhone 版しかなく、Web でのメンテナンスが出来ないとうのは個人的には不便だ。Web でメンテナンスができれば iPad 版を作る必要はないし多くの Android タブレットもターゲットに出来るだろう。(スマートフォン用レイアウトがあれば iOS も Android もブラウザで可能だろう)。

 エクスペンスフィーチャーは、例えばですが、取材をした打ち合わせのコーヒーやタクシー代など、立て替えて支払ったけど後ほど経費として請求する、ということがあると思います。そういったお金の流れを、マネーツリーのシンプルさを損なわずに管理できる機能を有料で出したいと思っています。

 これは、注目しておきたい機能だ。

MoneyForward

moneyforward 無料家計簿 – 家計簿アプリ・資産管理も充実|マネーフォワードはかなり成熟したサービスに見える。が、moneytree 以上に資産管理にフォーカスした印象を受けた。

 連携先も圧倒的に多い。証券会社や年金の口座、投資信託等の管理もできる所、確定申告に対応しているところなど、高年齢の資産家をターゲットとしていることを伺わせる。会社自体も、資本金は大きく、居並ぶ出資者や役員も、プログラムとは無縁の金貸し屋の下衆い匂いがプンプンする(偏見w)。

 課金サービスを行っているのもここだけだ。ビジネスモデルをユーザ相手に金融商品を売る広告メディアとして考えているのではないだろうか。少数の金持ちを相手にしている既存金融業者(銀行、信託、証券、不動産屋・・・)の視点から抜けていない。残念ながらそこに金脈はない。

まとめ

 MoneyTree には好感をもったが、web でメンテナンスが出来ないのは自分は致命的。MoneyForward は連携先では自分の持っているほとんどの口座(Amazon や Tカードを含む)を管理できる。が、自分は同社のターゲットと相性が悪そうなのでアカウントをつくろとは思わなかった。

 Zaim はアプリの不具合が多いがWeb版は十分に機能している。今のところ、Zaim がビッグデータという金脈に一番近そうだ。

 Zaim も MoneyTree も金脈の利用についてはまだ明らかにしていない。ユーザに警戒されることを恐れて口をつぐんでいるように見える。MoneyForward は金脈に気づいていないように見える。サービスに上げているような金融資産を持っていて運用をしなければならない個人は少ない。もっと多ければ専門家を雇うだろうし、持っていなければ管理する必要がない。前のエントリでも書いたが、トランザクションデータは多ければ多いほどいい。ある閾値を超えたところからデータが金脈になるのだ。そして、その閾値はデータの品質によって変わる。そのゴールはサービスによって変わるだろう。その閾値を最も先に越えるサービスがこの市場の覇者になる。

 Zaim の経営陣はこれが見えているのではないだろうか。Zaim の変更履歴を見ると、最近まであまり使えないものでしか無かったことが分かる。2月に入ってからのアップデートで急激に機能が上がったように感じる。そのために、昨年から開発リソースを大量投入したのではないだろうか。そして、ユーザの要望の高いものとデータ品質に関わる部分を集中的に実装した結果が現在なのではないか。

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Zaim は金鉱を掘り当てたか(2)
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