インターネット2

 村井純のインターネットの続編。1999年頃に書かれていて、すでに古くなった記述があるが、社会的な影響や教育については未だに色あせていない。 ということは、回線やハードウェア、ネットのサービスはすごいスピードで変化しているのに、社会や教育は全然速度に追いついていないということだ。

 特に、教育については子供がいる関係で、実情を知っているだけに、萎える。娘の行っている高校、娘が通っていた中学校、息子の行っている小学校はすべてテストケースとして、比較的早いうちからパソコン教育に取り組んでいた。特に中学校では、地域で最初に光ファイバー接続された。しかし、ほとんど使っていなかった。

 娘が高校で受けている授業を聞いてびっくりする。電源を入れて・・・ソフトを起動して・・・・とそれぞれのステップに数分かかるらしい。そして、やっている内容も、例によってワードで文書を作るとかというレベルらしい。インターネットも、ブラウザで先生の指定するURLを入れてリンクをクリックするだけ。

 娘は自分でサイトを作り、他のサイト運営者とも掲示板等でやり取りをしている。友達にもそんな人間はいるようだし、ほとんどの家庭でネット接続したPCはあるようだ。

 なのに、学校で習うのがこんなレベルでどうするの?それ以前に、学校でネットの授業で教えるべきは、OSやソフト固有の使い方ではない。特定のOSやソフトのローカルな使い方なんか覚えたって、学生が社会に出る頃には。なくなっているかも知れない。そんなことより、ネットのしくみやそれに伴う「望まれる行動」を叩き込んで欲しい。インターネットのイメージだけでも伝えておけば、そこで行われていることがかなり理解しやすいと思うんだが・・・

 これと同じように、マスコミでMSのウィルス騒ぎのときにwindowsUpdateの仕方を教えたりするのもおかしい。マスコミが伝えなければならないのはもっと本質的な問題点だ。「危険なのはMSのwindws**を使っているパソコンで、該当するユーザーはMS社に問い合わせろ」で十分だ。車のリコールと同じように、該当するソフト名とバージョンを告知し、サポートは不良品を売った会社がやるべきなのだ。マスコミ、特にNHKがMSのサポートをするのは間違いだ。

したたるものにつけられて

 小林恭二自選恐怖小説集。

 実は、古本屋で小林泰三と間違えて買ってしまったのだった。しかし、楽しめた。初めの方は、モチーフは面白いし、記述も上手いが俺の好みではなかった。中盤から時代物が入っていて、拾い物をしたと感じた。

 一つ気になった作品があった。それは、日本時間の夜9時か10時頃と思われる時間に何等かの天体が地球に衝突して規模から考えて全人類が滅亡してしまうと登場人物が思い込んでいる(そしてそれは全人類のコンセンサスとして受け入れられているらしい)日の午後に何人かの主人公がとる行動を独立的に描いている。

 それだけの規模の天体を1週間前まで発見できないなんて考えにくいのと、発見してから衝突までの時間が長ければ別の展開があるんじゃないかということは別の話として、気になる描写がいくつかあった。

 絶望した人々が暴徒と化したり、無秩序化した東京が修羅場と化したり、無法化したデパートで女性がブランド品に群がっていることなど、貧困な発想だと思う。

沖縄の飲み物

 沖縄の飲み物というと、普通の観光客は泡盛を挙げるのだろうが、俺は違う。というより、アルコール飲料にはあまり興味がない。泡盛も買ったが、お土産用の8年物一本だけだ。だから、挙げるのは自販機だったりする(^^;

 自動販売機にも地方色がある。ゴーヤ味の清涼飲料水は他の地方では目にすることはない。さんぴん花茶というのも始めてみた。ここには入っていないが、Dr.Pepper通称ドクペが入った自販機もあった。20年近く前には全国展開をしていたが、最近は輸入食料品店でしか見なかった。話の種に、子供に飲ませてみたら評判は悪かった。

 後、沖縄風の飲み物としては、シィクワッシャー。スダチのような小さな柑橘系植物のジュースだ。オレンジとライムの中間のような酸味があり美味しい。左のボトルが今帰仁城跡で買った濃縮ジュース。右は「さーたーゆー」というサトウキビからとったというシロップとあわせて飲むと不思議な味になる。「さーたーゆー」単体では黒砂糖を水に溶かしたような味だ。城跡では両方1本1000円だったが、国際通なら800円程度で買える。「さーたーゆー」は国際通にあるかどうかは不明。

さーたーゆーの説明

やっちまった

 朝、掃除機をかけているときに、左手でダイニングの椅子を動かそうとして背筋を痛めた。少し、斜めになっているのに、掃除機のホースを持ち帰るのが面倒で無理に力を入れたのが失敗だった。

 まっすぐ座っているときや横になっているときはいいが、ひょっとした瞬間にきりきりと傷むので参る。

 だましだまし掃除を完了させ、昼はカップ麺を食べて美術館に行った。心配していたクラッチ操作も大丈夫だったが、目的地について外へ出るときには辛かった。普段、全然気にせずにいるが、普通に立っているときや歩いているときでも無意識のうちに背筋や腹筋を使って姿勢を保っていることが分かる。背骨の右の筋肉を傷めているのに、手を上げたり少し姿勢を帰るだけで悶絶してしまうことがある。

 夜は、息子にレタスを買ってきてもらって、タコライスを作った。美味しかったよ。

悪魔のいる天国

 星新一のショートショート。

 かなり時代を感じさせるが、ピリッとスパイスの効いたアイデアを次々生み出す才能には舌を巻く。水増しして、中編に持ち込めるような題材を惜しげも無く数ページに凝縮してしまうのがすごい。

 カバーのデザインが古臭くて電車で読むにはちょっと勇気がいる本でもある。

 時間があるなら定価でも買って読め。

もっとおもしろくても理科

 清水義範作品。理科というか科学というかを文系っぽく、作者の理解の枠の中で説明した作品。それだけに、俺のような人間にも分かりやすく、同じような思い込みをしていて訂正されたりもした。

 一つ、遺伝子の部分は、曖昧にしか分かってないことすら知らなかったことを思い知らされた。遺伝情報として使われるのは一部に過ぎないというのは初めて聞いた気がする。生物の時間に説明されたのかもしれないが、睡眠時間に当てていたので全然記憶にないのだ。

 古本なら迷わず買いだが、定価でも476円だから悪くない。

The Art of STARWARS

The Art of STARWARSに行った。3人で行くとなると電車代もかかるので、車にした。京都駅南の市営駐車場に置いて歩いたが、博物館の方角にも何件かバブル崩壊パーキングがあって、ちょっと損をした気分になった。

 The Art of STARWARSの展示は面白かった。もっと巨大な展示物が空中に浮いているのかと思っていたので、少し拍子抜け。

 今回、The Art of STARWARSより俺が面白かったのは常設展示。文化財クラスのオリジナル仏像がある。妄想から生まれたとしか思えないような、像はSTARWARSよりインパクトがある。だって、手がいっぱいとか頭がいっぱある神様だぞ。STARWARSがあの時代にも関わらず、技術の水準にかせをはめられていて、少し古く見えるのに対して、仏像は完全に「いっちゃってる」からね。

 帰りに、プレハブでやっている小さなうどん屋でうどんを食べて帰った。息子は定食俺は大盛り、娘は普通サイズ。これで1280円という信じられない低価格。味はなかなか行けていた。うどんやのばしょ

 時間も早かったので、帰りは高速代をけちって山を越えることにした。これが大失敗。道が変わっていて、遠回りを繰り返して30分以上余分にかかってしまった。行きは1時間20分くらいでついたのに、帰りには2時間30分近くかかった。疲れた・・・暑かったし・・・ハッキリ、沖縄より暑かった。

沖縄の交通

 一番戸惑ったのが、平均速度の穏やかさだった。

 走り屋さん度100%のような低く黒く、ぶっといマフラーを覗かせたような車が法定速度遵守で走っている。2車線の前がクリーンな道路で、そんな車が法定速度を守って走っていたら、当然のことなんだけど、違和感を覚える。並走すべきなのか、抜き去ってもいいものかすごく悩む。前でねずみ捕りでもやっているのか?俺が抜いたら後ろから煽ってくるのか?と疑心暗鬼に陥る。

 2車線のクリーンな道路を法定速度で走っていたら、西宮だったら、プレッシャーをかけられる。走行車線ならともかく、追い越し車線には絶対にいられない。ところが、沖縄では大丈夫のようだ。

 300番台国道で軽自動車が50km/hでとろとろ走っていたら、関西なら行列ができるが、大丈夫。そんな車の後ろについて走っているときに、猛然と追いついてくる車があったらほとんどがわナンバーのfitかマーチだった(^^;…きっと、夏場の交通事故の大半がレンタカーなんじゃないだろうか。

 他に気付いたのが、多くの場所で無料の駐車場があって、停めるのに苦労しないこと。有料で車を停めたのは沖縄と那覇の市街地だけ。それも、2時間以上停めても1,000円でお釣りが来る。これには助けられた。普段の生活で、知らないところに車で行くときは駐車場があるかどうかが大問題だ。ちょっと2時間程度停めたら公営の駐車場でも1,000円を超えるのは珍しくない。先日(沖縄旅行よりは後の30日)、京都に行ったときには、展覧会を見て食事をして帰っただけなのに、市営駐車場で1,250円かかった。地価が高いから仕方がないといえば仕方がない。京都市の世帯あたり平均年間収入は那覇のそれより高いだろうから、バランスは取れているいるのかもしれない。しかし、どちらが豊かなんだろう?

 だから、沖縄はレンタカーが正解。酒を飲まないのであれば、市街地に出かけるときでも心配することはなさそうだった。今回、お土産をホテルで買って高くついてしまったが、(駐車場が心配で)国際通に車を置いてゆっくりできるかどうか自信がなかったので、最終日前に買いそろえるように俺が指導したための失敗だった。国際通に車が置けない場合は、レンタカーを返してからタクシーで行こうかとまで考えていたから。これらは全て杞憂だった。

 普段の生活では、車で出かけることイコール駐車場を探すことなのだが、こちらが異常なのか?ただ、車があると便利ということは車に乗れないと不便ということでもある。免許取得可能年齢になるまでの少年少女はバスで頑張っているのだろう。沖縄は人口密集度が高いので、それほど不便なところは少ないだろうが、おしゃれして行くところが遠い少女は大変だろう。

 今でこそ、情報自体はネットで手に入るだろうが、全島にADSLが届いているかどうか・・・そんな場所にこそ定額ネット接続が必要なのだから。沖縄に限らず、交通の不便なところに定額ネットを張り巡らすためになら税金をつぎ込んでもらってもいいと思う。