映画:タイピスト

タイピスト 一言で言うなら、「都会に出て秘書として自立したいと思い、タイプライターを我流で習得した(一本指打法だが)女性が雇い主のサポートでタイピストとして世界チャンピオンになるまでの努力と、女性と雇い主との恋愛を描いたシンデレラストーリー」。

 ハッピーエンド好きには安心してお勧めできるが、途中でちょっと濃厚なサービスシーンがあるので、小さな子供と観るのは気まずいかもしれない(数秒)。特に必要なシーンでもないので、テレビだとカットされてるとは思うが。

 いくつか納得のいかないシーンがあったが、それより何より、一番不可解だったのはタイピング選手権の盛り上がり。国内地方予選から始まって、フランスチャンピオンを経て世界中の国々から集まった選手による世界戦が開かれていた。そして、その会場に詰めかけていた観客。手元も見えないし単にタイプライターを叩いているのを観てそんなエキサイトできる?しかも、アメリカ大会の様子がライブで、少なくともフランスにはラジオで放映されていた。この世界観が一番不思議だった。

 まあ、出てくる車が良い。女性のファッションが可愛い。そして、ハッピーエンド。言うことなし。
ここから若干ネタバレ
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映画:キューティ・ブロンド2

次の企画書はこれで!
次の企画書はこれで!
 ウルトラポジティブな性格と圧倒的な行動力で難局を乗り越えるハッピーエンド作品。ヒール役もそれほど悪いわけではないし、安心して観られる。

 弱ペダの小野田坂道や牧場の少女カトリに匹敵する超ラッキー・ガール。3人共、非凡な潜在能力を秘めた逸材ではあるが、ラッキーっぷりが尋常ではない。偶然に権力者に出会って気に入られるという一生に一回もない人が大半という出会いに何回も遭遇する。

 とにかく、企画書をポップアップにする案はぜひ使ってみたい。これで俺も社長昇格決定と思ったが、ポップアップ企画書はボツだった。真似してもアカン orz…

映画:メメント

Teddy トリッキーな構成で途中まで何が起こっているのか分からなかった。

 10分しか記憶が持たない本人になったような戸惑いから始まる。面白い鑑賞体験ではあるが、謎解き要素はない。というか、著述トリックの映画版みたいな作品。時系列に沿って見たら、記憶を定着させらない人物が利用されて翻弄されるだけの映画だ。

 症状としては、「博士の愛した数式」の博士と同じだが、周囲の悪意に翻弄されることと、、かなり直情径行な性格のせいで悲劇に巻き込まれる。誰か、記憶を肩代わりしてくれる人間と一緒にいないと危険すぎる。

 レナードを利用する女性をマトリックスのトリニティ役の女優さんがやっていた。親切な態度と狡猾な本音の顔とを演じきっていた。

 以下、ネタバレ。
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映画:ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を
右がハンニバル
 会見のシーンがないローマの休日。ラストシーンを除いてすべて対応付けられる。

 小説家も主人公も青い鳥に気付くという成長モノとは言える。ハッピーエンドは嬉しいが、ローマの休日の毅然と会見場から去るシーンのような感動には遠く及ばない。

 ティファニーで朝食をというと、黒のドレスに大きなサングラスと帽子の写真のイメージが強く、トーマの休日のようにモノクロ映画であるかのような印象があった。他にもカラーの写真は珍しくないのにモノクロと思い込んでいた。

 もう一つの思い込みは男優についてだった。ラブロマンスなんで相手役がいるのは当然なのに、これを観るまで相手役が誰でどんな風貌なのかさえ全く知らなかった。相手役の小説家はジョージ・ペパードが演じていた。昔は二枚目俳優だったのだ。自分が知ってるジョージ・ペパードは特攻野郎Aチームのハンニバルだった。葉巻をくわえたくせのあるおっさんでしか見たことがなかったので、面影から本人であることが分かった時には旧友に会うような嬉しさがあった。(実際には旧友に会っても話題がなくて録に話もできないけど。)

映画:メジャー・リーグ

 個性的でポテンシャルはあるが、癖があり他のチームでは相手にされない選手たちが集まって成功する。お決まりのアメリカン・スポーツ・サクセスストーリー。安心して観られる。

 特に好きなのが音楽。特に、最初と最後の渋い男性ボーカルの曲。Burn on はオープニング・タイトル。ゴミゴミした工業都市にかぶさる渋い男性ボーカルは夜の大捜査線を思い出させる(言い過ぎか)。もう一曲エンディングの Most of all you も渋い。この二曲を聴いて映画を見るとびっくりするかもしれないwww

 そして、リックが出てくる時の Wild Things。ブルペンのドアが開く音とギターの音がシンクロしていて気持ちい。9回表同点、2アウト満塁で大リーグを代表するような強打者(3割4分でホームラン47本)を抑えるためにボーンが出てくる。歩いて出てくる所がまたいい。Wild thins は映画では X と書かれているが、Runaways らしかった。大人の事情だろうか。しかし、残念ながらアルバム買いしないと買えない。上の二曲は個別に買えるのに・・・

 好きなスポーツ・サクセス映画というと Cool running を思い出す。どちらも観ることをお勧めする。

映画:アルマゲドン

 長い。大河ドラマ的なものを描こうとしたのかもしれないが、映画には向かない。中途半端なメンバーの背景の描き方に時間を取られて冗長になっている。テレビドラマ向きの脚本だろう。

 くどい。お涙頂戴エピソードと危機の波状攻撃で、感動的なシーンが際立たなくなったのが残念。

 わざとらしい。サブキャラたちが too much。個性がきついくせに浅い。

 とにかく、日本のアイドルドラマみたい。

 後、ストーリーとは関係ないが腑に落ちないシーンが多い。宇宙空間で轟音を立てて飛び去るスペースシャトル。無重量空間で崩れ「落ちる」パイプ。惑星に「落ちてくる」隕石。

 「隕石が地球に衝突したらバクテリアまで全滅」と言っていたが、地球が割れて粉々になって飛び散るか軌道が変わってハビタブルゾーンから出てしまわない限り、バクテリアまで全滅はないのではないだろう。直径10kmの隕石が恐竜を絶滅させたくらいだから、テキサス州くらいの大きさの天体なら割れてもおかしくはないが。そういうイメージは示されていなかった。

 宇宙船が墜落して父が死んだかもしれないと思った娘がNASAのプロジェクトリーダーに「私の家族を奪って」と非難したのも意味不明。だって、他の人間が行ったとしても、宇宙船が墜落して失敗したら地球にいたって死ぬんだから。天体で墜落死するか地球上で死ぬかの違いでしかない。少なくとも、NASAのプロジェクトリーダーを非難することは完全に間違い。

 枝葉を切り落として1時間半くらいにしたら本当に泣けるいい映画になったかもしれない。興行的にどうだったか知らないが、自分の中ではかなり低い評価の映画だ。フォース・カインド以下だ。

映画:TAXI 2

 TAXI の続編。これも楽しい娯楽作。

 好きなのは最初のラリーカーを抜く所で「観光客がゆっくり走ってて」と客に言い訳するところ。

 カースタントのシーンにかかるBGMがスピード感のあるものになっていて、映像のスピード感も上がったように感じる。1を観ていないと笑えないシーンが多いので1から観るのをお勧めする。

 一つ残念なのは恋人役の女性(マリオン・コティヤール)との絡みがほとんど電話だけなこと。何か大人の事情があって、拘束できなかったのだろうか。彼女のシーンはほとんどが自宅で電話しているだけで、撮影時間は半日もかからなかったんじゃないだろうか。それも、主人公たちとは全く違うスケジュールで。

映画:Crocodile Dundee II

crocodile dundee II
ウォークアバウトクリークに来ればこっちのもの
 クロコダイル・ダンディーの続編。

 ニューヨーク編ではいくつか納得いかないことがあって今イチ不完全燃焼気味。

 オーストラリア編は胸のすくエピソード満載で楽しませてくれる。

 好きなエピソードは、道案内をすることになっていたアボリジニのおじさんが悪そうな奴らがミックを探しているのだと知った時、「話にならない」といった感じで森に歩き出し消えてしまうシーン。あの時点でここがミックや彼を支えるコミュニティの手のひらの上でしか無いことが示される。それも、ニューヨークというギャングのホームでギャングがミックに対して持っていたアドバンテージをはるかに上回る差だ。
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映画:Back to the future III

 2がもやっとしたまま終わったので急いで3を借りてきた。

 一つだけ言えること。「荒野の用心棒」を観てから観ろ。これだけ。

 1と2を観た人は必ず3を観ることになるだろうが、1を観ていないなら2と3は観る必要はないと思う。というか、オススメしない。

 ここからはネタバレ
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写真:植田正治「少女たち」

Masaharu Ueda Girls
陰に注目
 鳥取砂丘を背景に絵画的な写真を残した植田正治の代表作の一つ。

 1950年代の作品なので photoshop は使われていない。不思議なのは影。全員の影が奥の消失点に向かうように伸びている。太陽光の影ではこんな事にはならない。超広角レンズでねじ曲げた感じもない。超広角レンズを使ったら右端の子はこんなにまっすぐ映らない。別のタイミングで撮った写真をつなぎあわせてるんかな。

 こんな写真を撮ってみたいが、モデルがいないと無理だし、二番煎じにしかならない。というか、自分のセンスでは見たことがないような表現は思い浮かばない・・・