トリッキーな構成で途中まで何が起こっているのか分からなかった。
10分しか記憶が持たない本人になったような戸惑いから始まる。面白い鑑賞体験ではあるが、謎解き要素はない。というか、著述トリックの映画版みたいな作品。時系列に沿って見たら、記憶を定着させらない人物が利用されて翻弄されるだけの映画だ。
症状としては、「博士の愛した数式」の博士と同じだが、周囲の悪意に翻弄されることと、、かなり直情径行な性格のせいで悲劇に巻き込まれる。誰か、記憶を肩代わりしてくれる人間と一緒にいないと危険すぎる。
レナードを利用する女性をマトリックスのトリニティ役の女優さんがやっていた。親切な態度と狡猾な本音の顔とを演じきっていた。
以下、ネタバレ。
終盤の、レナード(主人公)が自分の記憶が残らないことを利用して、自分を利用した相手に復讐するというトリック。自分自身を騙すメモがプロローグのシーンにつながっているというのは面白かった。