映画:アルマゲドン

 長い。大河ドラマ的なものを描こうとしたのかもしれないが、映画には向かない。中途半端なメンバーの背景の描き方に時間を取られて冗長になっている。テレビドラマ向きの脚本だろう。

 くどい。お涙頂戴エピソードと危機の波状攻撃で、感動的なシーンが際立たなくなったのが残念。

 わざとらしい。サブキャラたちが too much。個性がきついくせに浅い。

 とにかく、日本のアイドルドラマみたい。

 後、ストーリーとは関係ないが腑に落ちないシーンが多い。宇宙空間で轟音を立てて飛び去るスペースシャトル。無重量空間で崩れ「落ちる」パイプ。惑星に「落ちてくる」隕石。

 「隕石が地球に衝突したらバクテリアまで全滅」と言っていたが、地球が割れて粉々になって飛び散るか軌道が変わってハビタブルゾーンから出てしまわない限り、バクテリアまで全滅はないのではないだろう。直径10kmの隕石が恐竜を絶滅させたくらいだから、テキサス州くらいの大きさの天体なら割れてもおかしくはないが。そういうイメージは示されていなかった。

 宇宙船が墜落して父が死んだかもしれないと思った娘がNASAのプロジェクトリーダーに「私の家族を奪って」と非難したのも意味不明。だって、他の人間が行ったとしても、宇宙船が墜落して失敗したら地球にいたって死ぬんだから。天体で墜落死するか地球上で死ぬかの違いでしかない。少なくとも、NASAのプロジェクトリーダーを非難することは完全に間違い。

 枝葉を切り落として1時間半くらいにしたら本当に泣けるいい映画になったかもしれない。興行的にどうだったか知らないが、自分の中ではかなり低い評価の映画だ。フォース・カインド以下だ。

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