「Windows 8のUI、ユーザビリティを抑圧」:UI専門家が批判

 ほぼ予想通りの感想だ。タブレットやスマートフォンの液晶サイズが変わったら最適な UI が変わる(UIはモニタの大きさ毎に作るべき>iPad Miniアプリケーションを開発する際に考慮すべき3つのポイント)というのに、タブレットで評判がいいという理由で、モバイル端末だけでなくデスクトップまでに同じ UI を載せようというのだから無理があるのは当然だ。

 PC においても、GUI が万能なわけではない。まして、タッチ操作は更に限定された環境でしか快適にはならない。Apple の Philip Schiller が Macbook Air の PV で「(立ったパネルをタッチ操作するような手振りで)こんな風に操作しても快適じゃない」と言ったときに正解だと思った。自然に手を置く位置に操作用のデバイス(キーボード、マウス、パッド、液晶)を置くべきだ。タブレットやスマートフォンは手でモニタを持つことが前提だからモニタ上で操作するのが合理的なのだ。PCとは全く条件が違う。

「Windows 8のUI、ユーザビリティを抑圧」:UI専門家が批判 – CNET Japan
ユーザーインターフェース(UI)デザインの専門家であるJakob Nielsen氏は、「Windows 8」で目にしたものに全く満足していない。Nielsen氏は同OSを「見当違い」の製品と呼んでいる。

 あらゆる種類のUIの分析にキャリアの大半を捧げてきたNielsen氏(最も著名なものにはウェブアニメーションを実現する「Flash」ソフトウェアが含まれる)は、新しいWindows 8のUIは「必要な機能を隠して、巨大でカラフルなタイルを表示することによって、ユーザビリティを抑圧する」と述べる。

 Nielsen氏は、12人の「経験豊富なPCユーザー」を招いてPCと「Surface RT」タブレットの両方を試してもらうことで、そうした結論に達した。その調査の中で、タブレット向けの「Start」画面と従来のものに近い「PC向けのデスクトップ画面」を含む同OSのいわゆる「二重性」に対し、ユーザーが異議を唱えていることをNielsen氏は発見した。Nielsen氏によると、それらの異なったデザインコンセプトは、「どこに行けばどの機能にアクセスできるかを覚える」ことをユーザーに強いるという。さらに、同OSの二重性は「一貫性のないユーザー体験」を作り出し、全体的なユーザビリティに悪影響を及ぼす。

 Nielsen氏によると、Windowsと呼ばれるソフトウェアが実際には複数のウィンドウをサポートしていないことに経験豊富なユーザーは非常に困惑している、ということが今回の調査で明らかになったという。

 「Windows」は、画面上に複数のウィンドウを表示することをもはやサポートしない。Windows 8は実際には画面の小さな部分に2つめの領域を一時的に表示するオプションを備えているが、われわれのテストに参加したユーザーの誰1人としてそれを機能させることはできなかった。さらに、メインのUIでは、ユーザーは単一のウィンドウしか利用できない。それなら、同製品は「Microsoft Window」に名称を変更するべきだ。

 そうした複数ウィンドウのサポートの欠如は、Nielsen氏にそれを「パワーユーザーから見たWindows 8が持つ最悪の側面の1つ」と呼ぶことを余儀なくしている。

 結局のところ、MicrosoftはWindows 8でPCを犠牲にしてタブレットに注力した、とNielsen氏は考える。同氏は、Windows 8は「タブレット上でも性能が劣っている」が「PCで使う場合はもっとひどい」と主張し、「通常のPC上では、Windows 8は『ジキル博士とハイド氏』のハイド氏である。つまり、哀れなオフィス職員に恐怖を与え、彼らの生産性を抑えつける怪物だ」と付け加えた。

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