北条かやさん、ちょっとくらい調べよう|「売れない電子書籍、ライバルは中古本?」

 japan.internet.com の元記事を見ればこの記者の分析がアホなのはよく分かる。japan.internet.com のページも統計調査の結果としては不十分だが、販売用の見本だから調査自体について批判するのは見当違いだろう。この調査については別のエントリに書きたい書いた

 記事の前半部は取るに足りないアホ分析。北条かやさんはjapan.internet.com の調査を遡って確認しなかったのだろう。その根拠は下の表を見れば分かる。「読みたくない人の率」は一貫して増えているわけではない。傾向はほとんど読み取れない。
電子書籍意識調査

電子書籍意識調査 電子書籍の普及が進まない理由のひとつに古本を持ち込んだのは正しい。出版社の売上だけで出版不況を論じている多くのマスコミよりはましだ。

 しかし、これを電子書籍が普及しない理由にするのは間違いだ。それは右のグラフを見れば分かる。「電子書籍を読んだことがなく、今後も読まない」と思っている 492 人のうち電子書籍が高いからという理由を挙げているのは 10.2% 50人しかいないからだ。電子書籍を買わない理由として「そもそも書籍/雑誌を読まない 25% 125人」の半分以下だ。しかもこの調査項目は複数回答だ。複数回答で10%程度しか支持を得ていないようなことは解決すべき大きな課題ではない(このグラフにはもっと興味深い意識がありそうなので別エントリに書きたい)。

 Amazon の中古本流通について調べたことがあってそれを書きたかっただけだろう。また、表題を付けた人間がアホなだけかもしれない。

売れない電子書籍、ライバルは中古本?EconomicNews(エコノミックニュース)
2013年11月03日 16:05
「電子書籍元年」と言われた2010年から3年経つ。だが紙の本をおびやかすほど、電子書籍が普及しているかといえば、答えは「否」だ。それどころかこの2年間で人々の電子書籍に対する関心が低下していることが、インターネットコムとgooリサーチの調査で明らかになった。

 インターネットコムが全国のネットユーザー約1000名を対象に、2年前から行っている定点調査によると、2011年10月には「電子書籍に関心がある」人の割合(※注1)が約65%を占めていたが、今年9月~10月には「関心がある」人の割合が約54%まで低下。

 データの詳細はこうだ。「電子書籍を読んだことはない」人のうち、「これから読んでみたい」という人の割合が、ここ2年で44%から31%まで減り続けている。もちろん電子書籍の目新しさがなくなり、関心が薄まっただけという解釈もできるが……。

 電子書籍を「読みたくない」理由は、「紙の書籍・雑誌の方が好き」が42.5%と最も多く、僅差で「画面では読みにくい」42.1%、「紙の書籍・雑誌で十分満足」35.2%となった。紙の方が読みやすく、特に必要性を感じないという人が多いようだ。「価格が高い」と答えた人も15.9%いた。

 電子書籍の価格に対する消費者の目線は厳しい。楽天リサーチの調査結果をみると、1商品あたりの購入価格は「300円以下」が7割を占めている。電子書籍は紙の本より1~2割程度安くなるが(※注2)、参考までに昨年のベストセラー『聞く力』(阿川佐和子著、文藝春秋)をみると、電子版と紙が共に840円。アマゾンの古本では10円から出品されており、送料を入れてもこちらの方が大幅に安い。中古市場で大量に出回りがちなベストセラーに限っては、電子書籍は紙に太刀打ちできないだろう。

 これらの理由で、まだ紙の書籍を好む消費者が多いとなると、多くの電子書籍は割高と感じられても仕方がないかもしれない。(編集担当:北条かや)

(※注1:「読んだことがある」と「読んだことはないが今後読んでみたい」の合計)
(※注2:電子書籍の価格については、NTTデータ経営研究所「電子書籍の進化普及による出版業界構造変化へのインパクト」を参照)

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