Swype 日本語対応が Android にやってきた。(1)

 なぜ、マカーで iPhone、iPad 使いが Android 版が出たことを喜んだのか奇異に思った人もいるだろう(いないかw)。それは、iOS の制限でキーボードを入れ替えることができないからだ。ATOK やその他のキーボードアプリはリリースされているが、それらは全て専用のアプリ上でしか入力できない。PC の IM のように組み替えて使うことができない。だから、iOS 版のキーボードが出ても対岸の火事、招待されないパーティの盛り上がりを Facebook で観るのと一緒だ。

 しかし、Android は違う。Android なら標準の日本語変換システムを置き換える形でのインストールが可能だ。しかも、日本語入力が可能で無料となれば試さずにはいられない。早速、Motorola XOOM にインストールした。

 機能は豊富で、3種類のレイアウト(フル、シュリンク、スプリット)と音声入力をサポートしている。他に、全てのモードから呼び出し可能な記号・数字入力用のオプションレイアウトがある。スプリットレイアウトでは、当然ながら、スワイプ入力はできない。

 感想はApp/Swypeに列記しているので、興味が有る方はそちらをお読みいただきたい。

 日本語入力時に限定して感想を抜書きしてみる。

 日本語は母音を入れる機会が多く、特に多い「A」がQWERTY配列では左端にあるために、スワイプで移動しなければならない距離が長くなる。一文字ごとに子音と母音を往復する入力となり、英語入力時のスムーズな入力感は得られないし、ヒット率が上がらない。

 スワイプ入力の限界として同じ文字の連続を動作から読み取ることができない。日本語は単語の一分になる場合「学校gakkou」や「知っとる sittoru」というように活用語尾の一部で使われたりするので、桁違いに大きな辞書が必要となるのではないだろうか。

 後、日本語入力のかな漢字変換効率を上げる入力方法に、単語や文節で入力するのではなく、複文節や連文節で入力する方法がある。これによって同音で異なる漢字が使われる場合のヒット率を上げることが可能になる。しかし、Swype では一度に入力できる文字数はあまり多くない(途中で手を離すと、その時点で入力が終了したと判断されるので)。また、かな漢字変換部分が貧弱で、一部の文字列の変換を修正することができないので、単語レベルでの入力が多くなる。その度に、左上の(PCのキーボードならTABキーの上)にある候補文字列をタップしなければならない。

 ただでさえ、ボイントの往復によってスワイプの距離が長くなるのに、短い入力毎に遠い位置にある候補を確定のためにタップしなければならないので、手数が全然減らない。というより、通常のタップ入力より手間がかかるのが現状だ。将来的に辞書が強化され、かな漢字変換エンジンが改良されたら、今よりはましになるかもしれないが、QWERTY 配列で日本語を入力する際の非合理性が拡大されるという欠陥の克服は難しいだろう。

 もし、スワイプによる日本語入力を快適にしたいのならQWERTY配列を捨てるべきだ。

 POBox のような認識エンジンを採用すれば、子音をつないでいけば変換できるのでは意だろうか。

ギネス記録の高速入力を実現するSwype、日本語にも対応してついにPlayストアに登場 | TechCrunch Japan

2010年3月に、Swypeはごく限定的なプライベートベータとしてスタートした。スワイプして文字を入力するという驚くべき(今では多くの入力システムで同じ仕組みを採用というか模倣している)仕組みを備えていた。以来、多くの端末にプレインストールされたり、一般公開ベータとして徐々に普及していった。そして1億ドルにて買収されることとなったのだった。いろいろな動きを見せてきたのだが、それでもこれまでβ版であると主張し続けてきた(まるでGoogleのようだ)。

そのSwypeがついに、Google Playストアにてデビューすることとなった。

ようやくPlayストアデビューとなったわけだが、SwypeがOEMによって工場出荷時からインストールされるようにと動いている間に、SwiftKey、SlideIT、ないしShapeWayなどがコンシューマー向けの類似プロダクトをリリースする事態となっている。またAndroid自身も4.2で同様のスワイプ入力をサポートしている。

(いったいAppleがこうしたSwype風入力システムを採用するのはいつになるのかと気を揉んでいる人も多いことだろう。Swypeによれば、実のところ毎月のようにAppleの担当者とは会っているのだとのこと。しかしAppleがどうするつもりなのかについては、まだ何も決まっていないようだ)。

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