prismのメモリカードに入れたTidBITS#675/07-Apr-03を読んでいたら興味深いソフトが紹介されていた。それは、iData Pro X 。俺はここ何年か、ソフトの名前に”X”が付いただけで、記事を読み飛ばしていたから気付かなかったのだった。
未整理のテキストデータを放り込むデータベースのようなもので、今、RandomNoteでやっているものを多少高機能にできる感じだ。日常的に一台のmacを使っているような使い方にはいいが、俺のような使い方では効果は半減だ。その点、RandomNoteはマシンもOSも越えて動作する(マシンで動くのはブラウザだからあたりまえだが)し、データはwebサーバー上なので、ネットにさえ繋がっていればいい。これが、何より便利。MTやwiikiでエントリ(ページ)を作るほどでもない思い付きやメモをどんどん放り込むには、RandomNoteが、今のところ、ベストに感じる。
特に、記事でも書かれているが、検索結果のジャンプが面白い。俺も、HyperCardを思い出した。これは、ブラウザベースではできない。これは、htmlベースでは無理だろうが、mtやwikiなら何とかならないかな。
それはともかく、この記事を見てリンクをたどってみたらCasady & Greeneというソフトメーカーが倒産していることが分かった。“Goodnight Everybody!”というページが残されていた。リーダースダイジェストの読み物のような始まりで、アットホームな小さなオフィスが思い浮かんだ。
このメーカーは古くからmacのユーティリティでは有名で、TidBITSに取り上げられることも多かった。コンフリクト・キャッチャーは日本語化もされていたように記憶している。OSがユーティリティを取り込んだり、そのソフトが不要になったりするケースもある。前者では、メニューをティアオフしたりポップアップしたりするものや、メニューバークロック、スクリーンセーバー。後者では、RamDoubler、TurboCache、INIT/cdev、Mode32を思い出す。どれも、当時のOSでは必須だった。
それとは別に、macを使うユーザーの層が変わったのかとも思う。ユーティリティを使いこなして自分の環境設定をするような使い方をする人の数が減ったのかもしれない。機種異存の知識を溜め込んでも、数年もすれば使えなくなる。今では、FEP(IM)の辞書登録やバックアップさえしない人が多いようだ。というより、意味を知らない人も多い。辞書の充実や変換効率のアップで重要性が減ったこともあるが、それ以前にパソコンへの入れ込み方が減ってきたのかもしれない。
環境設定やユーティリティの使いこなしに時間をとられることなくコンピュータのおいしいところを使えばいい。それこそが、macの目指したことだ。テレビや電話がそうであるように、買ってきて何本かの線をつなげば、後はスイッチを入れるだけが正しいのだ。そういう意味で、初心者にこそでかいHD、メモリ、速いCPUが必要だろう。だから、eMacやiBookが上位機種と遜色のないパワフルな仕様となるのは正解だ。
ただ、アメリカですらこういった小さなメーカーが生き残る余地が無くなったのかと思うと悲しい。面白いアイデアで一発当てようというチャレンジャーが出てこない市場は魅力が無くなる。それは、macにとどまらず、すべてのプラットフォームにあてはまるのかもしれない。暴れん坊(あくまでも俺のイメージだが)のconnectixもM$に飲み込まれたし・・・