droid 君の憂鬱

droid eat apple「Android」搭載端末の多くが旧版OSを搭載–米調査

 「ブロガーが調べてみた」という程度のもので、「米調査」というようなレベルのものではないだろう。CNET さんにはこれの日本版を作っていただきたい。「買った時から旧バージョンで、アップデートが来たと思ったらすでにそれも旧バージョンだった。そして、それっきりアップデートされずに縛りが終わるまで待つしかなかった」というユーザは既にいる。

 端末オタクどもは知っていたが、体系だって確認できていなかったことがはっきり見えて興味深い(アメリカ版なので機種は違うが)。Android のバージョンアップの速さと端末メーカーのカスタマイズが裏目に出たといえる。ガラパゴス機能を搭載する日本では Android のバージョンアップにカスタマイズが追い付かず、新製品が旧バージョンで出荷されることも珍しくない。Goole が Gingerbread (2.3) の次のバージョンをジャンプアップとなる ICS(4)としたことで、時間が生まれ(ICS の出荷時期は2011年12月頃)、日本製の端末も追いついてきつつあるが、ICS 出荷後に速やかに対応できる端末があるのかどうかは分からない。当分は 2.3 を搭載した新機種が出荷されるのではないだろうか。

 また、ハードウェア的な要求も 2.3 と4では異なっているだろう。今年後半に出荷された機種は多くがデュアルコアを搭載しているが、ちょっと前まではシングルコアも多くあった。それらが ICS を快適にドライブできるのか。もしできなかった場合に選択肢があるのかがポイントになる。買って半年も経ってないのに OS は旧バージョンとなり、アップデートに見放される状況になることを予想している人は少ないのではないか。というか、そういう観点で端末選びをしていない大多数の元ガラケーユーザが放置されかねない。今年ガラケーからスマートフォンに乗り換えたユーザーで自分の端末のプロセッサを答えられる人がどれくらいいるだろうか。たまたま、見た目が可愛いからとシングルコアマシを買った人がが、ICSへのアップデートができないと言われてがっかりするんじゃないだろうか(元々、興味も無い可能性はあるが・・)。

 メーカーもキャリアもマスコミもそんなことは書かないし、ショップでも説明はしない(ショップ店員がスマートフォンのOSについて十分に理解しているとは思えないことも多い)。

 Android アプリはほぼ無法地帯と思っておいたほうがいい。危険なアプリがあった時に OS での対応が不明確で遅い。メーカーで機種ごとにカスタマイズされているのでアップデータを出すことが難しいのだろう。google が OS のセキュリティアップデートを作ってもガラケー化された個々の端末にインストールしていいものかどうかはキャリアが検証するしかない。キャリアは新製品開発に忙殺されて販売終了したマシンのOSへのアップデートまで手が回らないのではないか。iPhone を使っていると時々 OS のアップデートがあった。しかも、iTunes で最新のバージョンが世界中で同時に使えるようになる。この6月くらいに 3.1 へとアップデートされた XOOM の Honeycomb は 3.1 アップデート後一回もアップデートされていない。

 OS のアップデートにこだわるのは、セキュリティ上の脆弱性に対する最も効果的な対抗策が OS のアップデートだからだ。そして、スマートフォンの楽しみの一つでもあるからだ。iPhone 3GS を買ってから2回のメジャーアップデートがあり、その度に新しいマシンを触るような新鮮な楽しみがあった。それは、スマートフォンのようなデバイスを持つ者としての大きな喜びだ。iPhone 3GS と同時期に発売された android 端末で2.3までアップデートされた機種があるんだろうか(そもそも、その頃に日本製の android はなかったかもしれないが)?

 ついでに、Android がセキュリティ上 iOS より危険だと思う理由を簡単に挙げておきたい。

  1. 審査されていないアプリをインストールできる。honeycombの設定には「提供元不明のアプリ」をインストールできるようにするチェックボックスがあり、これを入れると提供元不明のアプリがインストール出来るらしい。iOS でアプリを配布するには apple に対してデベロッパ登録する必要があり、「提供元不明のアプリ」という物は存在しない。(このことは、iOS アプリ開発の不自由さにもつながり、Apple の審査基準が厳し過ぎて、ユーザが望んでいるものすら閉め出されているケースもあるが、別問題。)
  2. API の自由度の高さ。iOS では許されていない情報へのアクセスやコントロールが可能。先日話題になったカレログは iOS では作ることができない。ソフトウェア開発的には出来るかもしれないが、1の審査で「許可されていない情報へのアクセス」を理由に配布できない。
  3. 上にも書いたとおり、メーカー(日本の場合はキャリア)のローカライズやカスタマイズのために、対策がローカルのメーカー依存になってしまい、放置されかねないこと。

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