Google セレクション開始:7 インチタブレットは混沌に

 標的は Amazon だった。昨年末突然 Android タブレット市場に割り込んできて、Android 市場の拡大に貢献した他のメーカーを蹴散らしてしまった。しかも、Google がタブレット用とした Honeycomb を無視し独自の UI やストアを載せた。Jobs が Android を敵視したのと同様に Google にとっては Kindle fire は目の上のコブだろう。

 特に、Android のエコシステムをコントロールしたい Google としては Amazon を放置しておくわけにはいかなかっただろう。そして、7 インチタブレットで利害が一致する ASUS と共同して 7 インチ Android タブレットを焦土と化す作戰に出た。

 気の毒なのは 7 インチタブレットを出している他のメーカーだ。Tegra 3 搭載の 7 インチタブレットを $200 で出せるメーカーは少ないだろう。10 インチで iPad 2012 と iPad 2 に叩かれ、7 インチに逃げ込んだら kindle fire に割り込まれ、最終的に Google によって踏み潰された形だ。

 7インチ市場は Google によるセレクションの場と化した。kindle fire と nexsus 7 に対抗できないメーカーには Android タブレットを作ってもらわなくてもいいというメッセージだ。例えばこれとかこれとか。

 ライターや日本メーカーの役員は「iPad と比べて・・・」という。しかし、何度も書いたが、タブレット市場はそんなものではない。iPad と戦う以前に Android 市場で生き残らなければならないし、競合他社が多いという意味でこちらのほうが厳しいかもしれない。

 この Google の行動と似たことを最近見た。そう、MS の Windows 8 タブレットだ。プラットフォームオーナー自らがリファレンスマシンを出すことで、参加者がこれ以下の競争力しかないようなハードウエアで参加することができなくなる。

 以前から書いているように、タブレット市場はビジネスモデルの戦いだ。ここまでのフェーズでは Apple が一人勝ちで、残りを分け合っていた Android タブレット市場に Amazon が割り込んで、Android 陣営ではあるが Google のエコシステムはシェアを減らした。これに業を煮やした Google と、それを横で見ていた Microsoft が次に打ったのが Nexus 7、Surface だ。実際に市場に投入されていない Surface がどの程度のシェアを、どこから奪うか。今年の年末商戦も見逃せない。
Googleタブレット「Nexus 7」、199ドルで登場 – ITmedia ニュース
 台湾ASUSが製造パートナー。7インチで1280×800ピクセル表示のIPS液晶ディスプレイ(216ppi)とクアッドコアTegra 3/12コアGPU、1Gバイトメモリを搭載。120万画素フロントカメラ、無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)、Bluetooth、NFC、micro USBポート、ジャイロセンサー、加速度センサー、GPS、マイクを備える。サイズは198.5×120×10.45ミリ、重さ340グラム。

 OSは発表したばかりのAndroid 4.1(開発コード名「Jelly Bean」)を搭載。Chromeが標準Webブラウザとなる最初のデバイスになるという。新しいYouTubeやGoogle20+ 件 Mapsアプリなどのほか、雑誌スタイルのリーダーアプリ「Google20+ 件 Currents」も搭載する。

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