ドローンはプロペラを捨て「コウモリ」のようになるとは思わない

picture bat 動力源が円運動なのに、「この飛び方のほうがエネルギーロスが少ない」というのは信じがたい。

 「翼から揚力を得られるのでモーターを常に動かす必要がない」というのも分からない。羽の運動が往復運動だからといって「モーターを動かす必要がない」わけではない。コウモリは常に羽ばたいているイメージがある。あれを再現するなら動力源は常に動いている必要があるはずだ。滑空するという意味だろうか?

 「柔軟な膜は鳥にはないもので、すばらしい機動性と、飛行中の虫を捕らえる能力をコウモリにもたらしている。」についても、羽より膜のほうが効率がいいということだろうか?「膜だと空気を隙間から逃さないので、一羽ばたきで捉えられる空気が多く俊敏な方向転換が可能」といった情報が必要だろう・・・

 他に、メリットとしてあげてることも飛び方と関係ないことが多い。「地下では、GPSなしで飛べる必要があります。金属と鉄筋の瓦礫が大量にあるでしょうし、光もあまりないでしょう」に対する解決策として「適切なセンサーと自律性」としている。飛び方と関係がない。ドローンだって「適切なセンサーと自律性」があれば同じことができるだろう。

 「普通のコウモリと鳥の素晴らしいところは、ちょっとした衝突なら問題がないことです。このドローンの、変形するような翼もそうです」というが、柔軟な羽やプロテクターで「ちょっとした衝突なら問題」無くできるのではないか。

ドローンはプロペラを捨て「コウモリ」のようになる!? そう、こんなふうに|WIRED.jp
柔軟性のある折りたたみ式の膜で羽ばたく「コウモリロボット」。翼から揚力を得られるのでモーターを常に動かす必要がなく、さらに、柔軟な構造は衝突に耐えやすいなどの利点があるという。

かわいそうな人間たちは、地面に縛りつけられ、さらに悪いことに脚が4本ではなく2本。その点、コウモリは真の英雄であり、哺乳類では唯一、飛行を会得している。またコウモリは優美な上に有益で、飛んでいる虫たちをすべて掃除してくれる。

だから、ねたましく思う人間たちが、コウモリの能力を模倣する素晴らしい新ロボットをつくるのは必然だった。そして先日、科学者たちがそれを世界に発表した。コウモリロボット「Bat Bot(B2)」のバッテリー駆動時間はまだ改善の余地があるが、その見事な技術的偉業は、未来のドローンがどう設計されるのかを大いに示している。

空を飛ぶ鳥はたしかに数が多いかもしれないが、コウモリは進化の極致にある。翼を支える骨は、実は恐ろしく長い指であり、そのすべてが薄い膜で覆われている。そうした柔軟な膜は鳥にはないもので、すばらしい機動性と、飛行中の虫を捕らえる能力をコウモリにもたらしている。

しかし、その優雅さを実現するには複雑な仕組みが必要となる。コウモリの翼には40個以上の関節があるのだが、研究者たちはそれを、小型モーターが制御する5個と、受動的に動く4個のあわせて9個に削減した。自然選択が複雑なシステムにたどり着いたのに対し、科学者たちが機能性を維持しながら単純化できたことは、進化の観点から非常に興味深い。

コウモリの翼は機動性に優れているだけではなく、たとえばクアッドコプターと比較してもはるかに効率がいい。「翼から揚力を得られるので、モーターを常に動かす必要がなく、エネルギー効率を上げることができます」と、B2の開発者のひとりであるカリフォルニア工科大学の航空ロボット技術者、スーン=ジョ・チャンは語る。

そうした効率性と俊敏性は救助活動で大きな力を発揮するかもしれない。現在のクアッドコプターでは、倒壊した建物のような狭い空間にうまく対処できないからだ。「地下では、GPSなしで飛べる必要があります。金属と鉄筋の瓦礫が大量にあるでしょうし、光もあまりないでしょう」と、テキサスA&M大学の救出ロボット技術者、ロビン・マーフィーは語る。

しかしコウモリなら、そんな環境の方が普通だ(ご存じのように、彼らは洞窟住まいの生き物なのだ)。適切なセンサーと自律性を備えたコウモリボットなら、クアッドコプターが決してたどり着けないような場所まで飛んで行き、瓦礫で身動きができない人間を探すことができるだろう。

そもそも、ドローンは壁に衝突させたらそれでおしまい。一巻の終わりだ。しかし柔軟性のある翼ならば、衝突しても復活できるかもしれない。「普通のコウモリと鳥の素晴らしいところは、ちょっとした衝突なら問題がないことです。このドローンの、変形するような翼もそうです」とマーフィーは語る。

B2は重量がわずか3オンス(約85g)と、飛ぶマシンとしてはかなり軽い。これもまた救出作業に極めて重要なポイントだ。「積載量を増やし、機動性を上げるためにできるあらゆることを試しています」と、カリフォルニア大学アーヴァイン校のロボット技術者、マイケル・マッカーシーは語る。

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