デジヲタがフィットネス・トラッカーを使うと・・・(後編)

 iPod 時代から Apple と一緒にスポーツキットを出していたのは Nike。ヘルスケアの一部になっているのは Nike だけ。Nike だけはアプリを入れなくてもヘルスケアにデータを渡せる。ただし、Nike Fuel band は Fitbit や Jawbone などに対して劣勢に立たされているように見える。

 Google は Google fit という Apple のヘルスケアに該当するアプリを提供している。HealthKit に該当するようなクラウドを運営するつもりなのかどうかは自分は知らない(単に見ていないだけで Google がリードしているかもしれない)。

 アシックスが RunKeeper を買収

 Adidas は Runstatic を買収

 Under Armour MyFitnessPalとEndomondoを買収

 SNS がトラフィックを囲い込もうと必死になっているのと同様に、スポーツ用品メーカーはロギングサービスによるユーザの囲い込みを画策しているのだろう。フィットネスアプリ発祥のサービスのほうがメーカー臭がしないというメリットが有るし、すでに多くのアカウントを獲得している。

 トラッキングサービスを持つのはスポーツ用品メーカーにとって大きなメリットがある。SNSや掲示板を運営しても書き込むのは一部の書き込むのが好きな暇人だけだ。それに対して、運動ログは偏りがない。ログをアップロードするような人は、SNSには年齢も性別も書かなくても、ロギングサービスには書いているはずだ(自分がそうだ)。そうしないと分析の精度が下がるからだ。個人情報を預けることがユーザとサービスの両方のメリットになる珍しいサービスだ。そして、個人情報と結びつくトラッキングのログがビッグデータとして蓄積されている。多くの企業が欲しているのはこのデータだろう。

 リンクした記事にあるようなサービスに昇華することができるかどうか見ものだ。新しい魅力的なサービスが始まれば自分も使ってみたいが、ここまでに散々書いてきたが、HealthKit に対応していることが最低条件だ。

 フィットネス・トラッカーもロギングサービスも HealthKit も始まったばかりだ。雨後の筍のようにデバイスもサービスもアプリも現れている。これらがどのように淘汰されていくか。スマートフォン市場より面白いかもしれない。

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