「Windows 8が軌道修正。それでいいのか?」いいんです!

Macintosh_System_7.5.3_screenshot 自分は軌道修正が必要だと思う。10インチのタブレットと23インチのデスクトップPCの UI を統一させようということに無理がある。10インチならフルスクリーンでいいかもしれないが、23インチの1920×1050の画面いっぱいにワープロソフトを表示したい人間がいるか?このことは Mac OS X Lion のフルスクリーンモードにも言える。iPad の横持ちモードですら画面いっぱいにテキスト入力ウィンドウを開かれると視線移動が多すぎて入力効率が悪くなる。いわんやデスクトップの大型モニタをやだ。

 また、「メールやIMやツイートがあちこちから飛んでこないほうが、自分のしている作業に集中できたはずです」はマルチウィンドウとは関係がない。フルスクリーンの iOS や android だって通知が来る。それを邪魔と思うか思わないかは本人次第だし、いやなら切っておけばいい。

 しつこいようだが、UIはインターフェースとなるデバイスによって異なる。10インチのタブレットと23インチのデスクトップPCとを同じように操作させようとしたことに問題があるのだ。モニタを手が届かない所に置くこともあるデスクトップにタッチインターフェース前提のUIを使わせようとするのが問題の本質だ。

 業務でPCを使う場合にモニタ上に複数の書類を開いてコピペすることは日常茶飯事で必須の作業だ。Facebok や twitter が気になるという話ではない。これに、フルスクリーンモードしか無い UI は応えられないのだ。

 パソコンとタブレットとは別の UI を搭載(あるいは、テーマのようにユーザが切り替えられるように)しておけばいい。スタートボタンの有無もそのレベルに落としておけば、「タッチスクリーン付きのノートPCとタブレットは Metro で、デスクトップPCはクラシックなマルチウィンドウで Windows 8 を使う」ということが可能になる。

Windows 8が軌道修正? それでいいのかマイクロソフト : ギズモード・ジャパン

Windows 8、それは妥協のない改革でした。その結果、明らかに「違うだろう」と思う要素もありますが、それらは修正可能なものであって、大きな方向性に修正が必要だとは思えませんでした。でも最近の情報が本当なら、マイクロソフトはWindows 8で描いた理想から手を引こうとしているようです。それが事実でないことを祈ります。

次期WindowsはWindows BlueまたはWindows 8.1と呼ばれ、6月末にはパブリックプレビュー版が公開予定です。それはWindowsのあり方を変える大きなアップデートです。でもそれ以上に、次期アップデートでUIが従来のWindows的なものに逆戻りするとも言われているのです。

スタートボタン復活の可能性は濃厚で、昔ながらのデスクトップから起動することもできるようになりそうです。それ自体は歓迎すべきことのように思えますし、それが今回のアップデートのすべてであることを願います。マイクロソフトは、今この段階で軌道修正しちゃいけないんです。そして我々ユーザー側も、それを求めるべきじゃないんです。

パソコンで効率よく作業するには従来のようなウィンドウ環境が必要と思われるかもしれませんが、問題はそこじゃないと思います。我々はそういう意味での「効率」を求めていないんです。今まで「効率」だと思ってきたものは、実はそんなに効率がよくないからです。今までの「効率」とは効率よくマルチタスクできる能力ということで、ともすればユーザーが何をすればいいかわからないくらい多くの選択肢が提示されていたんです。本来、メールやIMやツイートがあちこちから飛んでこないほうが、自分のしている作業に集中できたはずです。

その方向性はマイクロソフト以外の製品でも見えてきています。GoogleのChrome OSはもう数年もその考え方を広めて来ていますが、新しいChromebook Pixelではひとつの極限に達しています。アップルでもOS X Lionでフルスクリーンモードをプッシュしてきています。いつか、別付けのグラフィックスカードとか光学ドライブが消えていっているように、従来のパソコン的「効率」はなくなるのかもしれません。その後を引き継ぐのがMetro、またはMetro的な何かとなるはずです。

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