パソコン批評休刊

 PCヲタ向けの雑誌として極一部に支持されていた(のか?)パソコン批評という雑誌が今号を最後に休刊するらしい。

 実は、この雑誌の3号から20号くらいまで、何回か原稿を書いたことがある。編集部の入れ替えにより、声をかけてくれた編集長がいなくなり、担当してくれていた編集者もいなくなった頃から声がかからなくなった。最初は、ヲタ向けではなく、「win95とか使うと操作が簡単になるらしいからパソコンを買ってみるか」というレベルのユーザーが、メーカーの宣伝に踊らされて埃をかぶらせてしまったっりしないための情報を載せるという編集方針だったように思っていた。

 俺の書いた原稿については、パソコン批評レポート集にまとめてある。更新することもないので、こちらに引き取るべきかもしれないが、Y!BB放置民としては、逆放置プレーでうさ晴らしに(なってないが)置いてある。今、チラッと見たらリンク切れ続出だった(^^;…

 最初に触ったデジカメはkodacのDC10だった。トイカメラの走りといっていいだろう。ちなみに、パワーザウルスMI610は自前で買ったもののレビューで掲載された。とにかく、文字制限がきつくて、2倍以上書いたものを削りに削ったものだった。スタパ風の言い回しなんか使う余裕はこれっぽっちもなかった。他のライターもヲタ受け文章は少なかった。

 編集者が変わり、俺に依頼が来なくなった頃からライターの顔ぶれも変わり、スタパ風じゃないが、スカスカの文章ばかりになった。内容もマニア向けのものになり、俺は買わなくなったのだった。

 2chや個人webサイトでの情報がパソコン批評の存在価値を相対的に低下させてしまったと感じる。webのほうがはるかに表現力が高く、制限もない。パソコン批評のような記事(メーカーのインサイダー情報などのない中で、ユーザーの立場から書くという意味)なら、書く方も読むほうもwebサイトで十分になってしまった。

 さよなら、パソコン批評。

金子國義☆富士見ロマン文庫コレクシォン

 昨日、関心空間で知った「金子國義☆富士見ロマン文庫コレクシォン(価格は2800円)」が届いた。BK1で買ったが、翌日に届いた。限定1000部だから、欲しい人はすぐに発注だ。

 俺はこれの文庫本を集めていて、30冊くらいある。昔は普通に書店や古本屋に並んでいたのに、最近は1冊1000円以上になってしまっている。すっかりコンプリートは諦めていた(というより、何冊あるのかすら知らなかった)が、このセットで一気にコンプリートできた。まあ、カバーとして描かれた絵をカードにしても、レプリカでしかない。場所を取らないというメリットはあるが。それと、このシリーズは内容的には、エロ本なので、あんまり大っぴらに読めないしね。まあ、買ったものの読んでいないのが大半だが。

 ただ、サドの「ジュスティーヌ物語」「ジュリエット物語」「ソドム120日」もこのシリーズに入っていることは付け加えておく。

「目がホリデー」って?

 本屋で「目が良くなる」と謳って裸眼立体視の本が売られているのを何時の頃からか忘れたが見るようになった。それのPCソフト版が出ているらしい。

目がホリデー
書籍の実用書部門でベストセラーになるなど150万部※を売り上げた、医学博士:栗田昌裕先生監修の立体視シリーズのCD-ROM版です。「目がホリデー」は、美しい写真を立体的に見ることにより、目の筋肉をほぐし、疲れを取ります。さらに、視力アップ、肩こり、頭痛、ストレスがなくなるなど、さまざまな効果があると言われて

 実際に使った感想が下の記事に書かれている。
 

PCを見るほどに視力回復? 謎のソフトの実態は……

“視力低下”に悩むIT戦士にとって、少々気になるものがある。ソースネクストが11月に発売した、“PC画面を見るだけで、目がよくなる”ソフト、その名も「目がホリデー」だ。その実態に迫ってみた……

 目がホリデーは、1980円と安価な製品。気軽に、“目にやさしい”ことをして、PC画面上で継続的に目をいたわる——。そんなとらえ方で購入するのが、正解といえそうだ。

 しかし、ハッキリ言う。裸眼立体視ができても視力は回復しない。俺は、裸眼立体視本に載っている作品を全て立体視して見ることが出来た。それどころか、普通のパターンのもので立体視して遠近感がおかしくなって躓きそうになったり、キーボードでトリップしたりしてしまうくらいだ。しかし、視力は0.1を切ったままだ。

 大体、俺は子供の頃からパターンをみて遠近感を調整して遊んでいたんだ(孤独な少年だったんだなあ)。それでも、視力低下を防げなかったんだ。だから言う。裸眼立体視では視力回復出来ない。

収穫

 神戸の帰りに立ち寄った古本屋で、坂口安吾の「堕落論」と駒田信二の「漢字読み書きばなし」を購入。この年になってもまだ読んでなかったのかという突っ込みは勘弁して欲しい。実は、他にも必読書の大半を読んでいないのだから。

詭弁論理学

 08/Dec/2003 | 詭弁論理学(中公新書): NOZAKI.COM -edge of the future – blogsで詭弁論理学について言及があった。そこからは、「と学会」の主催者の方のサイトにリンクされていた。

 この本は、俺が中学校の頃、当時大学生だった兄が持っていたのを読んでから、自分でも購入してずっと持って、何度も読んでいるお気に入りだ。

 俺が書いた関心空間のキーワードより、インターネット時代にこそ読むべき書「詭弁論理学」:山本弘のSF秘密基地が詳しい。

 安い本なので、逆説論理学と併せてどうぞ。俺は人に本を勧めることはほとんどないが、これだけは勧められる。

阿刀田高:心の旅路

 職人芸が光るホラー集。

 俺が乗りきれないのは、必ず男女関係が絡んでくること。必然性のない濡れ場はいらんなあ・・・中途半端だし。

 編集者の強い要望なのか、本人の好みかはわからないが、受け狙いが明白。今なら、暴力・変態を前面に押し出したものというところだろう。せっかくのアイデアがかすんでしまうと思う。まあ、そっちに目が行くのは俺がそっちのほうが好きなだけなのではある。

インターネット2

 村井純のインターネットの続編。1999年頃に書かれていて、すでに古くなった記述があるが、社会的な影響や教育については未だに色あせていない。 ということは、回線やハードウェア、ネットのサービスはすごいスピードで変化しているのに、社会や教育は全然速度に追いついていないということだ。

 特に、教育については子供がいる関係で、実情を知っているだけに、萎える。娘の行っている高校、娘が通っていた中学校、息子の行っている小学校はすべてテストケースとして、比較的早いうちからパソコン教育に取り組んでいた。特に中学校では、地域で最初に光ファイバー接続された。しかし、ほとんど使っていなかった。

 娘が高校で受けている授業を聞いてびっくりする。電源を入れて・・・ソフトを起動して・・・・とそれぞれのステップに数分かかるらしい。そして、やっている内容も、例によってワードで文書を作るとかというレベルらしい。インターネットも、ブラウザで先生の指定するURLを入れてリンクをクリックするだけ。

 娘は自分でサイトを作り、他のサイト運営者とも掲示板等でやり取りをしている。友達にもそんな人間はいるようだし、ほとんどの家庭でネット接続したPCはあるようだ。

 なのに、学校で習うのがこんなレベルでどうするの?それ以前に、学校でネットの授業で教えるべきは、OSやソフト固有の使い方ではない。特定のOSやソフトのローカルな使い方なんか覚えたって、学生が社会に出る頃には。なくなっているかも知れない。そんなことより、ネットのしくみやそれに伴う「望まれる行動」を叩き込んで欲しい。インターネットのイメージだけでも伝えておけば、そこで行われていることがかなり理解しやすいと思うんだが・・・

 これと同じように、マスコミでMSのウィルス騒ぎのときにwindowsUpdateの仕方を教えたりするのもおかしい。マスコミが伝えなければならないのはもっと本質的な問題点だ。「危険なのはMSのwindws**を使っているパソコンで、該当するユーザーはMS社に問い合わせろ」で十分だ。車のリコールと同じように、該当するソフト名とバージョンを告知し、サポートは不良品を売った会社がやるべきなのだ。マスコミ、特にNHKがMSのサポートをするのは間違いだ。

したたるものにつけられて

 小林恭二自選恐怖小説集。

 実は、古本屋で小林泰三と間違えて買ってしまったのだった。しかし、楽しめた。初めの方は、モチーフは面白いし、記述も上手いが俺の好みではなかった。中盤から時代物が入っていて、拾い物をしたと感じた。

 一つ気になった作品があった。それは、日本時間の夜9時か10時頃と思われる時間に何等かの天体が地球に衝突して規模から考えて全人類が滅亡してしまうと登場人物が思い込んでいる(そしてそれは全人類のコンセンサスとして受け入れられているらしい)日の午後に何人かの主人公がとる行動を独立的に描いている。

 それだけの規模の天体を1週間前まで発見できないなんて考えにくいのと、発見してから衝突までの時間が長ければ別の展開があるんじゃないかということは別の話として、気になる描写がいくつかあった。

 絶望した人々が暴徒と化したり、無秩序化した東京が修羅場と化したり、無法化したデパートで女性がブランド品に群がっていることなど、貧困な発想だと思う。