戦争はなかった:小松左京

一瞬、妖精の国の住人さんかと思ってしまうタイトルだが、中身はSFというより社会批判中心の短編集。表題の作品もあったことをなかったことにしようとする人間の愚かさと、そこで覚醒した人間の苦悩を描いたもの。

 特に面白かったのは、タイムスリップ物の「釈迦の掌」と「生きている穴」か。「運命劇場」はトゥルーマンショーを思わせる。こういう被監視感は普遍的な物か、変身願望の表出か。

 この本は絶版になっているらしく、古本でないと入手はできない。ブックオフで100円で見つけたら買っておこう。

久しぶりに自分用に4桁の買い物

 送料を考えるとマーケットプレースで古本を買うのは無駄な気がする(1冊340円)が、廃刊本はどうしようもない。

タイトル artist media price mail
MIGNONNE(新CD) 大貫妙子 CD 1709
RICOH DRD-4XSPPR20(DVD-R ディスク20枚)※DVD+Rだった リコー 2490
アヴァンチュール(中古CD) 大貫妙子 CD 942 340
シュレディンガーの猫は元気か―サイエンス・コラム175 橋元 淳一郎 文庫 130 340
戦争はなかった 小松 左京 文庫 80 340


 大貫妙子のCDのうち、アバンチュールはLPレコードで持っている。ミニヨンはその昔レンタルで借りたLPから録音したカセットテープがある。両方、先日借りたベスト版から取り込んだデータもある。しかし、ベスト版では抜け落ちているものがある。CDを大人買いできるほどの余裕が出来たらLPで持っているものもCDで買い直したいんだが・・・

 今日、第一陣が届いた。クロネコヤマトのメール便なので、休日でも届いたのだろう。メール便なら200円もかからないから、本(80) よりも送料の差額の収入の方が多くなる。Amazonにどれだけピンハネされるかにもよるが、なかなかのビジネスモデルだ。もちろん、そうやってでも手に入れたいと思われるような本を選び出す能力と労力は半端ではないが。少なくとも、ブックオフみたいなところに転がっているようなタイトルでは送料を払ってまでは誰も買わないだろうから。

「社会調査」のウソ

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ リサーチ・リテラシーのすすめ 谷岡一郎 文春新書(古本で200円)

 俺がしつこく突っ込んでいるいい加減な、あるいは恣意的な悪意のある調査について鋭く突っ込んだ本。実際にマスコミでばらまかれた調査結果や分析を提示し、謎解きの仕方を示してくれる。俺の突っ込みなんかはまだまだ甘かったと思った。これを糧に精進してゆきたい。

 これは、定価で買ってもいいと思う。

 ところで、せっかくなので、俺からも出題したい。俺の身近なところで行われた調査とその結果についてだ。

  1. 舞台は、WANを使った電子掲示板を導入して数ヶ月後の某企業の総務部。総務部長に呼ばれたナニな中間管理職(以後ナニ)に、「今度導入した電子掲示板のコスト削減効果について調査せよ」との命令があった。上司の命令は、自分の部署の仕事をすべて棚上げにしても最優先することで有名なナニは調査を開始した。
  2. 対象は、電子掲示板を管理している他事業所の担当部署(3カ所)。本社との会議は本社でつかめるので、他事業所同士で行った遠隔会議の回数と参加者の記録を集めた。
  3. 利用者の評判をナニが聞き取り調査
  4. 上で集めた回数をもとに効果を測定し、「コスト削減効果があった」という報告書を作成。その根拠。
    • 電子会議の回数はXX回と活用されている。
    • コスト削減効果は「会議の回数×(参加人数の60%×一人当たりの出張に伴う費用)」。なお、参加人数の60%としたのは、通常の出張では同行しない人物の参加を求めることがあることを勘案したため。
    • 参加者の評判(好意的なものが多かった)

  • 報告書を受けた幹部会では何の異論もなく承認。
  •  さて、この調査(というのに値するのかどうかは置いておいて)に問題はあるか。あるとすれば何か。そして、そこから導かれた「コスト削減効果有り」という結論は正しいか正しくないか。コメントでもトラックバックでも書いてほしい。

     答えは、気が向いたらそのうちに。なお、俺の記憶の甘さのために抜け落ちていることも多いと思われることはあらかじめお断りしておく。

    本棚サービス次々

     前に増田さんの本棚をみつけたが、今度はlolipopのhttp://pi.jugem.jp/tana/というものを見つけた。

     アイデアは増田さんのものと同等だが、RSS周りの充実度がペーパーボーイのアドバンテージか。

     しかし、こういうサービスは継続性が命だ。物理的メディアの栄枯盛衰が激しいDVDやフォーマットに互換性のない音楽ファイル群と同じことになっては意味がない。

     せっかく登録したエントリが、サービス終了とともに消えてしまうんじゃやりきれないからなあ・・・といいながら、俺は関心空間をそんな風に使うつもりでいたが、総数が500では足りなくて諦めた。

     とりあえず、今はprismのJfileに入力を続けているけど、いつの日かwikiかMTで整理したい。

    文様博物館

     歴史上に現れた様々な文様を時代を追ってまとめた”だけ”の本。

     資料として面白いが、図が見づらいのが残念。

     しかし、カラー印刷で上質の紙を使っているにもかかわらず、291円(税別)で買える。マール社発行、壮光舎印刷株式会社というのも聞いたことがないが、美術印刷や教科書を作っている会社らしい。教科書の技術をフルに活かしたんだろうか。>>文様博物館
    文様博物館

    奇妙な話

     歯医者の帰りに古本屋に寄った。

     文春文庫アンソロジー人間の情景5、6をそれぞれ100円で購入。

     先週買ったアンソロジーもそうだが、豪華な顔ぶれで楽しみだ。

     内容についてはまだ読んでいないので分からないが、どちらも日に焼けていることを除くと新品のようだ。そして、どちらにも株式会社オーエムエムジーのカードが入っていた。そういえば、何年かまえ本を買うたびにこんなカードが無差別に入っていた時期があった。

     カードの有効期限は平成6年7月になっているから10年前だが、内容はあまり変わっていない。サイトのURLが載ってないないことくらいだ。それだけ結婚観というのか、結婚に抱く幻想には変化がないということだろうか。

     後一つ、これにはかなり詳しいプロフィールを書く欄があるが、こんなものをはがきで晒して送るとは思えないが、今は改善されているんだろうか。

     まあ、サイトから登録しても後で不特定多数にばらまかれるかもしれないので、紙の方がいいのかもしれない。ヒマな郵便局員くらいにしか見られないからね。

     話は変わるが、OMMG といえば、一時期F1のどこだかのチームのスポンサーになっていて、「このスポンサーってなんだろ?」と思っていたことを思い出す。多分、日本GPのスポットだとは思うが。

    スマリヤン、関心空間:追記

     久しぶりに関心空間にログインしたらスマリヤンのパズルランドのアリスにリンクとコメントが付いていた。こんな本に反応があるのは関心空間だけだ。

     久しぶりにスマリヤンの本を読みたくなったが、高い本が多いんだよな。古本屋には絶対無いし・・・

     でも、この本だけは文庫本が出ているのでお勧め。ほんっと。俺がこのサイトでモノ(特に本)を人に勧めることはほとんどない(つもり)だが、これはお勧め。

    追記:
     めったに新規キーワードを登録しなくなったので、気付かなかったが、久しぶりに書いてみて「下書き保存」ができることに気付いた。

     いやあ、これはすごく嬉しい。俺がMovableTypeを気に入っていることの一つが下書き保存だ。これのおかげで、下書きをクリップ代わりに使って、後でゆっくり書くということができるようになった。関心空間もそれと同じようなことができるようになって、メモ代わりの一行コメントキーワードが減るかもしれない。

     コメントを練るのもだが、写真やリンクを用意するのが面倒でキーワード化しなかったり、いい加減に登録することが多かったが、下書きがあればそういうことは減るだろう。

     関心空間のシステムはblogと良く似ているし、ルールも明確なので、トラックバック(キーワードリンク)でもめることも少ない・・・・はず。