価格は機能の一部

モトローラ・モビリティ、第3四半期は3200万ドルの損失

 Verizon Wirelessとともに最初の「Droid」スマートフォンを発表したMotorolaは、「Android」市場における初期の主要企業だった。Verizonでの成功のおかげで、Motorola はその後のハイエンド携帯電話でT&TとSprint Nextelにおいても存在感を高めることができた。しかしこの数カ月、Motorolaは製品の遅れや鳴り物入りで登場した「XOOM」タブレットに対する反応の低さなどの問題に直面してきた。それにより、サムスンや HTC などのライバルがスマートフォン市場でMotorolaからシェアを奪い、自らの立場を強固なものにしている。

Motorola、タブレット「XOOM」の7〜9月期の出荷台数は10万台

 米Motorola Mobilityは10月27日(現地時間)、第3四半期(7~9月期)の決算を発表した。この発表で、同社が2月に発売したAndroid搭載タブレット「XOOM」の同四半期中の出荷台数が、わずか10万台であったことが明らかになった。第2四半期の出荷台数は44万台だった。

 一方、米Appleの同四半期中のiPadの販売台数は1707万台だった。なお、カナダのReseach In Motion(RIM)のAndroid搭載タブレット「PlayBook」は6~8月期に約20万台出荷されている。

 iPad の PV でフィル・シラーが強調していた「iPad の特徴は買い易い値段」という言葉は示唆に富んでいる。XOOM を開発した時に、motorola の幹部にはその感覚がなかったのだろう。後出しじゃんけんをする時に相手と同じ手を出すという愚を犯してしまった。しかも、Appleがその時すでに手を換えていたことを知らずにだ。XOOM が実際に出荷されたときには iPad 2 が発表されルールは変わっていた。XOOM が販売されたときにはすでにデュアルコアはアドバンテージにはならなくなっていた。それどころか、iPad 2 は前モデルより大幅に薄くなり軽量化されていた。さらに価格まで下がっていたのだ。

 motorola は iPad より強力なハードウェアを iPad と同じ価格で出せば勝てると考えていたのだろう。まるで、SONY が netwalkman を発表し Apple が iPod nano を発表・出荷したときと同じだ。

 このマシンは 3万円なら十分なコストパフォーマンスといえる。メインPCとWi-Fiが自宅にある場合に限るが。

Android3.0搭載タブレット型端末Android3.0搭載タブレット型端末

 さらに、この半年でタブレット市場は大きく変わった。9~10インチは完全に iPad 2 が制圧したといえるだろう。XOOM をはじめとする android のタブレットを選ぶ合理的な理由が見つからないほどだ。これには、Honeycomb の完成度の低さや対応するアプリの少なさによるところも大きい。

 2011年の秋には android タブレットの主戦場は7インチにシフトしたように見える(どれくらいの市場規模なのかはわからないが)。iOS に踏み込まれることのない安全地帯のように思われたが、Amazon が $200 を切る価格で kindle fire を投入し、Lenovo がそれに対抗するかのように同価格帯で7インチを発売。一気にプレイヤーの絞り込みが始まった。$300 程度で7インチを開発していたメーカーは販売を取りやめるか、採算を悪化してでも出荷するかの判断を迫られている。

 そんななか、日本メーカーは相変わらずガラパゴス化によって価格を維持しようとしている。かれらも市場が全く見えていない。テレビとの連携ができる程度のことで iPad より高価な android タブレットが売れると思っているらしいが、そんなもののために数万円を上積みするほど日本の消費者の財布のひもは緩くない。まさに、ガラパゴス(シャープの電子ブックリーダー)の二の舞だろう。

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