XOOM #16 ソフトキーボードについて考える

キーボード

 XOOM vertical flick  タブレットは大きな QWERTY キーボードがあってスマートフォンより入力が楽。というのが広告や提灯記事の合言葉だが、ソファに座ったような持ち方で iPhone のフリックより速く打つことはできない(おそらく他の Android スマートフォンのフリックだってそうだろう)。XOOM は左右の幅が広く標準的に横持ちするので iPad より困難さが際立つ。キーボードが大きいと入力が楽になるというのは短絡的な発想だ。小さすぎるキーボードが打ちにくいからといって大きけりゃ打ちやすいというものではない。


XOOM horizontal input mode
 さらに、タッチパネルのソフトキーボードはPC用の単体キーボードやノートPCのビルトインキーボードとはまったく事情が異なる。キーボードとなる本体を手で持ったり支えたりすることが必要となる。10本の指でタッチタイプすることが前提の大きさや配置とは全く異なるアイデアでレイアウトすることが必要なのだ。自由に配置できるソフトウェアキーボードなのだから、従来の配置にこだわる必要はない。iOS5が搭載したスプリットキーボードはその一例(サードパーティからは以前からあったらしいが)。英語の入力にはこの方法は有効と思われる(まだ試していないのであいまいにしておく)が、日本語には違う方法があると思う。

 標準搭載の iWnn でフリック入力キーボードも使えるが、縦画面でもでかすぎて使いにくい。スマートフォンのUIをそのまま拡大して搭載するなんてアホとしか言いようがない。フリックをスプリット化して両手で本体を持った状態で親指入力できるよう小型化すれば面白いと思うが、Android タブレットの市場が今の状態では開発資源をつぎ込むことも難しいかもしれない。

 XOOMの場合の特殊事情だが、画面の枠の部分が狭いため、膝の上に本体を置いて両手でタイピングしようとすると手のひらが当たってしまうことが良くある。また、同じ理由で一番下に配置されるスペースバー(変換)が非常に押しにくくなってしまっている。PCでは左手の親指でスペースバーを押すことが習慣となっているが、ほぼ不可能だ。

 キーボードを入れ替えるアプリ(SwiftKey Tablet X Free)を入れてみた。iPad 用 iOS5 で採用されたスプリットキーボードのように使えるものだ。横長で横持ちすることが標準の XOOM では大変効果的に思ったが日本語入力ができなかった。キーボードとして実装されるのではなく、インプットメソッドの一種として組み込まれる。なので、このインターフェースを使って日本語変換することはできないのだ(日本語入力をできなくなる)。

 タッチパネルキーボードは入力を受けるインターフェースと変換エンジンが一体化している。bluetooth キーボードによる入力が可能であることを考えると、入力インターフェースと変換エンジン(キー入力を受けてアプリに結果を返す)を別にすることは可能だろうと思われるが、OSがそういうAPIを持っているのかどうかは分からない。iOS の場合には、標準と同じレベルで動作する変換エンジンは作れないのでそれよりはマシだが期待とは違った。これには正直がっかりした。

日本語変換

 インプットメソッドはオムロンソフトウェアの iWnn 。標準的な変換性能を持っている。PCでATOKを常用しているような人がどう感じるか知らない。これについては別のエントリで書きたい。

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