揺れにくいランニングバッグを作るとしたら

 「ゴタゴタ言うんなら代案出せよ」というツッコミ(無かったけどね)に対する自分なりの回答をまとめたい。どこかのメーカーが作ってくれてもいい。その際にはアドバイザリースタッフとしてお迎えいただきたい。1円も要らんから。ただし、自分の意見を入れて作ったら全然採算合わないものになっても責任は負えないのでよろしくwww

 揺れの原因:

  1. 動きがあること
  2. ボトルが体に対して距離があること
  3. 運動の主体(体)と被運搬物(ボトル)との間にタイムラグが有ること
  4. 固定面積が揺れの方向に対して少ないこと

動きがあること

 これは言うまでもないだろう。

ボトルが体に対して距離があること

 ペットボトルのように断面が円形のものは不利だ。理想をいうなら専用のボトルとセットでそのボトルに最適化した形状のホルダーがいいだろう。そう、昔の軍隊やボーイスカウトとかが使っていたようなアルミの水筒のような形状だ。重い水を人力で運ぶことについて考え抜かれた形状があれだ。それを取り入れた専用のボトルを使ったランニングウェストベルトは既にある。

 しかし、ここでは、ペットボトルに拘りたい。入手しやすさと技術的課題克服に対する技術者の本能からだ(技術者じゃないけど)。なので、500mlのペットボトルという制約で固定する。 

運動の主体(体)と被運搬物(ボトル)との間にタイムラグが有ること

 体とボトルが同時に動けば振動は生じない。機械や自転車などで、ネジが緩んだ時に異音が発生するのは、例えばフレームとボトルケージとのネジが緩んでフレームが動いた時にボトルケージが遅れて動くからだ。

 ランニングバックでタイムラグが発生するのは、体とベースパーツ、ベースパーツとボトルポケット、ボトルポケットとボトルの間だ。これを小さくするには、ベースが体に密着すること。ボトルポケットとベースパーツ、ボトルとボトルポケット間がしっかり固定されていることだ。

固定面積が揺れの方向に対して少ないこと

 同じボトルでもランニングベストでは、ポケットの強度は低くても、揺れない。ボトルが立てに固定されていて力のかかる部分が集中していて、その力を受ける部分(ポケットをベースに固定する縫い目)が分散しているためだ。力が分散しているので縫い目にかかるストレスが小さく変形が小さいので動きが少ないのだ。つまり「ゆれにくい」。

青がベースでオレンジがポケット。赤の部分で縫い付けられている。
 これに対して、ランニングバックは取り出しのために斜めに固定される。このため、円柱形のペットボトルの円周方向で固定されることになる。このため上下方向の抗力となる上下方向の縫い目が短くならざるをえない。これが揺れる原因だ。YURENIKUI はポケットの取り付け位置をボトルの直径にしているが、この位置だと、ボトルに慣性重量がかかった時ポケット素材の剛性だけで重量を受け止めざるを得なくなる。YURENIKUI ではこの変形による運動の差を小さくするために剛性の高いポケットとしている。YURENIKUI のボトルポケットが分厚いのはこのためだろう。

 ボトルを垂直にすれば揺れは減るだろうが、取り出しにくくなる。ボトルポケットの角度は YURENIKUI のものが限界だ(自分基準で)。

 縦方向の固定点が増える工夫を追加することを提案したい。まず、ベースパーツに金属製の薄い板(腰痛コルセットに入っているようなもの)を2本、ボトルポケットと直交するように入れる。そして、ベースパーツの端からナイロンテープを渡して上からボトルポケットを固定する。ボトルの重量はすべてこのテープが受け持つのでポケットは薄くて軽い材質でいい。ナイロンのメッシュで十分だろう。ただし、柔らかい素材だけだとボトルを取り出すとテープのテンションに負けてポケットが潰れてボトルを入れにくくなる可能性があるので、プラスチックか細い金属のワイヤーでボトルを入れやすい形に保つ。

青がベース、白が金属板、黒と緑は固定用テープ。テープは交互に各2本取り付けられる。A,A’,B,B’は金属板への取消位置を示す。
 4本のテープを交互に取り付け、上に動く時にはAとA’で、下に動く時にはBとB’の取り付け位置で重量を受け止める。金属板とテープの強度が十分ならベースとボトルの動作のタイムラグはほとんどないはずだ。ナイロンのテープで十分だと思うが、自転車のシューズで使われているようなワイヤーでもいいだろう。

 4本のテープの長さを決めるのは面倒に見えるかもしれないが、使うボトルを決めれば、最初に一回調節するだけでいい。

 ベースとボトルポケットの固定ができれば、後はベースと体の固定だ。機械的に考えるなら締め上げるのが一番簡単だが、装着が辛くなってしまう。快適性を保ちながら固定するためには、YURENIKUI が参考になる。ベルトの角度以外は YURENIKUI に近いデザインになるだろう。ベースパーツを大きくして接触面を増やし圧力を分散させて摩擦抵抗の総量を大きくするということだ。

 そして、ベルトの固定は腰痛コルセットに使われているようなベルクロがいいだろう。それか、二本のテープで独立して長さを調節出来るようにしてもいい。これらの固定方法なら体型の差を吸収する効果もあるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です