総務省の『SIMロック解除のガイドライン』で何が変わるのか

総務省の『SIMロック解除のガイドライン』で何が変わるのか(石川温氏寄稿) – 週アスPLUS」を読んで、まだ誰も何がどう変わるのかは分かってないんだということを確認できた。

 docomo がかけ放題プラン強制によって回線を失った(au と ソフトバンクは iPhone 6(plus)の機種変更までは旧プランを継続した)。3社がかけ放題プランを同条件で展開したためにかけ放題はメリットではなくなり、かけ放題に入らなくていキャリアに流れるという皮肉な結果に終わった。前にも書いたが、音声通話はスマートフォンの一アプリに過ぎない。SNS やゲームアプリよりはるかに使う機会の少ないサービスでしかない。

 もし、来年の iPhone 次機種発売時に Apple が 24回金利なしキャンペーンを仕掛けたら SIM ロックフリー版 iPhone が爆発する可能性がある。7万円の端末(16GB iPhone 6) なら月額 3,000 円で MVNO の通信料金 1600 円と合わせても 4,600 円/月で買える。しかも、3年目からは月 1,700 円だ。この金額をキャリアの 0 円キャンペーンの総支払額と比較できるようになる。Apple のローンで金利がかかったとしても MVNO の方が安いだろう。

 恐らく、これに対抗できるのは固定回線との抱合せ割引だけだろう。これを受けられれば2年間はほぼ同等の維持費になる。但し、3年目以降は MVNO が大幅に安くなる。

 重要なのは、この「3 年目以降は MVNO が大幅に安くなる」ではないか。これまでは、端末代の返済が終わったら割り引きが減って結局支払額が減らなかった。なので、ユーザは「だったら同じ料金で新しい端末にするか」となったし、機種変更するほどでもないと思いながらほぼ同じくらいの料金を払い続けた。が、3年目以降は月額 1700 円の MVNO にできることが分かれば、機種変更せずに MVNO に転出する人が出てくる。これは、キャリアにとっても端末メーカーにとっても脅威だろう。

 docomo に対して固定回線とのセット割り引きを許可したのは docomo に対して SIM ロックフリーの義務化を飲ませるためではないか。確かにユーザの多いフレッツに対して携帯電話とのセット割を許せば、キャリアの競争力も高められるし、恩恵に浴するユーザも多いだろう。固定回線の移行は面倒なので囲い込み圧力になるかもしれない。

 ユーザが端末と回線を別に選べるようになる。キャリアの囲いの中で楽をするのか、自分で調べて安くするのか。MVNO が主流になって日本中の道路沿いにあるキャリアのショップがガソリンスタンドのようになるのか見守りたい。

「総務省の『SIMロック解除のガイドライン』で何が変わるのか」への4件のフィードバック

  1. ドコモ解約率は改善傾向にあるみたいです、ITmediaの記事が詳しいので。って教えてもらいました。新料金プランで通話料収入減少、シェアパックなどでパケット定額分収入減少、相変わらずの端末バラマキってところですかね。

    1.  かけ放題プランへの嫌悪感の強い iPhone 大好きヲタクの需要が一巡したということですかね。通話料の多い人はかけ放題に入って通話料を減らし、通話の少ない iPhone ヲタクは退去して旧プランの他キャリアに移ったということかもしれませんね。

       ただ、フレッツとのセット割りは docomo にとって大きなチャンスでしょうね。自分でも、キャリアとの契約をするなら、自宅の回線を変えてでもセット割にするつもりでしたから。

      1. ドコモ光でちょっとその気にもなりましたが、端末と回線の分離が何かと都合がいいってところを尊重してSIMフリー版に転びました。

        1. 固定回線にぶら下がる携帯回線数が多ければ多いほどメリットが大きいですからね。

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