lifetouch その後あるいは「Android 市場は昔の高架下に似て」

 NECは3万円後半で売りたいと思っていたようだが、既に市場価格は3万円を切っている。iconia や xoom が3万円台前半なのだから 7 インチ、しかもタブレットでありながらスマートフォン用の Gigerbread (2.3)搭載のタブレットなんて・・・さようならとしか言いようがない。

 それに対して、中国のベンチャー達の攻撃的な姿勢には恐れ入る。このエネルギーは数十年前の神戸の高架下商店街のようだ。下手をすると訳のわからないパッチモンを掴まされるかもしれないが、掘り出し物が信じられないような安値で転がっているかもしれない。どこの国か分からない言語が飛び交っていたりする刺激的な市場だ。AINOL NOVO7 Paladin はそんな中の一台。NEC のlifetouch B とハードウェアの仕様はほとんど同じで、なんと、ICSプリインストールで9,380円(税込)。聞いたことがないプロセッサで 512KB なのは不安な気もするが実際に動いているらしい。800×480 で7インチだから、UIはかなり間延びし文字はギザギザだろうが、スマートフォン用のUIを流用するには都合がいいかもしれない(lifetouch B も同じだ)。XOOM を持っていなかったらネタに一台欲しいくらいだ。少なくとも、枯れた構成のマシンに中途半端なカスタマイズを加えて高い値札を付けた日本メーカーの端末より楽しそうだ。

 自社のコンテンツや付加価値を持たないメーカーが Android タブレットを売るためにはこういうものと対決する覚悟でなくてはならない。今の日本メーカーのモデルを見ていると、そういう本気さが感じられない。

 ちなにみ、こういうマシンも一台とカウントされるから Android のシェアが大きくなるのは当然だ。そして、この流れは更に加速するだろう。そんな中でも、プラットフォームオーナーやサービスプロバイダは痛くも痒くもない。8万円もする REGZA タブレットからだろうが、ここに並んでいる端末からだろうが、Google や Facebook などの広告収入には無関係だ。Google が強くフラグメント解消を求めないのは、こういう端末の出現を抑制することで Android OS のシェアが落ちることを恐れているからかもしれない。

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