AT車の安全に関する提言

AT-trouble 自動運転が完成するまでの暫定アイデアでしか無いが。

 AT車が普及するに連れて発生するようになった特徴的な事故がある。アクセルとブレーキペダルの踏み間違えだ。コンビニ等の車止めで止めて発進の際にDに入れる時にRに入れてしまい、アクセルを踏んでも動かないので強く踏んだら車止めを乗り越えて発進し、驚いてそのままアクセルを全開にしてしまうというパターンだ。

 これはMTでは考えられない。MTのシフトで 1 と R は逆(多くは1が左奥でRは右手前)になっているので入れ間違えることは考えられない。また、発進時もクラッチとアクセルを相談しながらなので、ペダルを突然踏み込むということはない。もし、クラッチを突然つないでもフルスロットルにしてもエンストする。それ以前に、クラッチ操作をしている時に何かあったら反射的にクラッチを踏んでしまうので、右足がどちらにかかっていても、少なくとも加速はしない。

 その点 AT はアクセルを踏めば踏んだだけ加速する。しかも、最近の車は力強い出足を演出するセッティングがされているうえにエンジンパワーが大きい。自分が子供の頃のあこがれだったスカGは160馬力だった。先日まで乗っていた Alfaromeo 145 でも 155馬力あったし、今時の大排気量の車なら軽く 200 馬力を超えている。145 を引き合いに出したのは、こんな古いおんぼろの安い車ですら40年前の高級スポーツカーと同等のパワーを持っているということの例としてだ。数十万円の中古車ですらこんなパワーがあるのだ。こんなものが生身の人間と並んで暮らしているのが2014年だ。

 だからといって、今更自動車のパワーを規制することは難しいだろう。ATは自動車の運転の負荷を減らした。これは間違いない。実際に、145を扱えなかった子供がFitなら一人前に走らせられる。交差点や細いコーナー等でステアリングに集中したい時にミッション操作をしなくても良いのは大きいと思う。自分でも渋滞や信号待ちの苦痛から開放された。一方で、AT車特有の事故を招くようになった。

 しかし、AT 技術が運転を楽にしたように、自動車のコントロール技術によりAT事故をなくすことはできるだろう。自動運転を待つまでもなく、今の技術で十分対応できるはずだ。

 今の車は EUC でコントロールされている。ドライバーの操作の大半はコンピュータを介してコントロールされる。直接操作されるのはサイドブレーキとステアリング(油圧アシストはされているが回した分だけ回る)くらいだ。ブレーキも通常は油圧アシストを受けているだけだがABSで制御されるようにもなっている。スロットルも同様だ。スロット開度とは無関係にフューエルインジェクションはコントロールされている。だから、自動ブレーキ(障害物に衝突しないアシスト機能)やオートクルーズが可能になったのだ。

 この技術を使えば、ブレーキ踏み間違えによるフルスロットルを感知することは可能なはずだ。一般公道を走る車でフルスロットルなんてあり得ない。半分以上踏むことさえ稀だ。コンピュータはアクセル開度の異常な上昇率により異常を判断できる。その時点の速度もEFIは速度感知センサーによって知っている。なので、徐行状態でフルスロットルになったらエンストさせればいい。

 

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