151回「まだだ、まだ終わらんよコンシューマゲーム界」 – 流行りモノ通信簿 – トレンドトークポッドキャストを聴いた。
そこで、「任天堂の岩田社長は Jobs にしてやられた」という表現があった。岩田社長は携帯型ゲーム機の、Jobs はスマートフォンの比喩だ。
ここで興味深いのは、なぜガラケーはこれができなかったかだ。
ガラケーはキャリアがコントロールしていた。キャリアとメーカーの機種別に動くゲームは限られていた。同じキャリアの端末であっても互換性はなかったのでプラットフォームにならなかったのだ。そして、「ケータイゲームなんてこんなもん。友達と同じことして遊びたいものはDSやPSPでやるしかない」と思い込まされていた。
そこに現れたのがスマートフォンだ。iOS のビジネスモデルがキャリアの土管化を決定的にした。これがブレークスルーになったのだろう。友達がハマっているゲームを自分もやってみる。携帯ゲーム機なら普通に出来てガラケーではできなかったことができるようになったのだ。
iPhone のフォームファクター(全面液晶+タッチパネル)が携帯ゲーム機を駆逐する原動力だったわけではないだろう。
キャリアは封建時代の関所役人のようにユーザに不便を強いて課金していた。そして、キャリアは「日本のユーザはスマートフォンなんて欲しがらない。この囲いの中が快適だからね。スマートフォンを欲しがるようなのはオタクだけでしょw」とうそぶいていた。ところが、頭を越えるバイパスが出来てしまった。そして、囲いの中でキャリアのいいなりに要らないものを押し付けられていたことにオタク以外の人も気づいた。ユーザが望んで囲いの中にいたわけじゃなかったのだ。
さらに、話はそれるが、LINEやGmailといったコミュニケーションの台頭も見落としてはいけない。もう、キャリアのドメイン名のついたメールアドレスを必要としないのだ。@キャリア名のメールアドレスが変わるのが不便だからMNPができてもキャリアを変えられないという人がいたが、無意味になった。かつて、家の回線業者(ISP)を代えるのは面倒だった。ISPメールアドレスがメインだったからだ。レンタルサーバの専用ドメインでメールアドレスを作ったら簡単になった。ISPを変えても誰にも連絡する必要がない。同じことが携帯回線にも言えるようになった。
そんな時に、iコンシェルとかnottvとかいう囲い込みアプリを入れたがるという時点で、ガラケーが消滅してキャリアが土管化したという現実から何も学んでいないことを示している。
携帯ゲーム機はこれからは厳しくなる一方だろう。互換性のない新機種を出すことでプラットフォームが分断してヒットが出にくくなる。ガラケー化が進んでいるのではないか。