本:iPhone SDK プログラミング大全

iphoneSDK 図書館で借りてみた。iPhone SDK と Objective-C の解説本。2009 年の本なので、iPad もないしiOS のバージョンも2だから、実際に今の iOS 6 向けのアプリ開発には使えないだろう。が、Objective-C の文法や開発環境については大きくは変わっていないだろうから、イマドキの開発環境をVBA for Excel しか知らない(それも深く使い込んでいるわけではない)元汎用機プログラマには参考になった。

 この本は、CやC++ の経験がある人向けのようだ。C++ の記述との比較で説明される。オブジェクト指向言語についての基礎知識がない人間には少しハードルが高いし、開発できるようにはならないだろう。

 Cobol や BASIC で育った人間には分からない作法が多く戸惑う。cobol の場合は変数の宣言は絶対だ。プログラムの中で一意でなければならない。Data division で宣言したものしか使えない(コンパイルエラー)。だから、サブルーチンの中で変数を宣言したり、ましてそれが異なるサブルーチンで同じ変数名が使われているなどというのは想像できなかった。後、変数の宣言と代入をひとつのステートメントでやるというのも、自分には読みにくかった。自分は、Cobol の癖で、VBA を書くときも、Dim は最初に置いている。途中で宣言することはしないし、いわば全てがグローバル変数みたいな使い方しかしていない。これは、汎用機のように固定長のテキストや数字のデータのやりとりしかしない場合にはいいかもしれないが、ひょっとしたら数百メガのムービーファイルとかを扱わなければならないかもしれないようなアプリには使えない。また、容量を確保できたとしても、データが予想より少ない場合には無駄だろう。動的にメモリを割り当てたり開放したりということが、特にモバイルでは重要だろうから、このような使い方を覚えるしかないのだろう。

 後、この本はオブジェクト指向についての解説はない。オブジェクトの意味やインスタンス、プロトコルの使い方は書いてあるが、「なぜそこで、インスタンスのメソッドなのか、オブジェクトのメソッドなのか」といった疑問には答えてくれない。

 ただ、ソースを見た時に「こういうことが書いてあんねんな」とは思えるようにはなった。買っていたら後悔必至だが、図書館で借りたのでオーライ。

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