次期 iPad / iPhone はクアッド?

 Tegra3 がすでにモバイルデバイスの 4 コアを実現しているので、iOS デバイスとしても黙っているわけにはいかないだろう。以前 Mac は Motorola と IBM が開発した Power PC の開発が pentium シリーズに動作周波数で大きく水を開けられたことで市場で窮地に置かれた。その後、intel プロセッサを搭載することで wintel と同じ歩調でプロセッサの進化の恩恵を得られるようになり、CPUのカタログ値で振りになることはなくなった。しかし、iOS デバイスで使っているCPUは自社開発(まあ、開発者を買い取ったものでappleで開発したとは言い難いけど)であり、モバイル市場に活路を見出したプロセッサメーカー(NVIDIA、AMD、Qualcomm等)との戦いを自社で行わなければならない。

 Apple の弱点は新しいCPUを搭載するデバイスが少ないことだ。スマートフォンもタブレットも最短で1年に一回のモデルチェンジだ。CPU の開発や製造が発表のタイミングに合わないと次の機会まで現行プロセッサで行くか、デバイスの更新タイミングをCPUの製造タイミングに合わせるかしかない。

 
この点、android 向けCPUメーカーは常に全速力で開発し発表していくだけでいいい。android 市場内での激しい競争でデバイスメーカーは常に他のデバイスメーカーを出し抜くことを考えいるし発売するデバイスの種類も多い。もちろん、各デバイスメーカーだけを見れば新機種発売のタイミングとCPUの世代のタイミングが合わないために割を食う所がある(ここが android の買い時の難しいところだが)。しかし、iOS vs android という図式で捉えた場合に apple は次々出てくる最新機種と比較される運命にある。

 これは、apple がとっている戦略にある弱点だ。同時に、この戦略のお陰で、android デバイスメーカーと比較にならない高収益率の源泉でもある。しかし、android が 4コアで宣伝文句にあるようなハードウェア性能を実現すれば iPad 2 といえど足を救われかねない。スマートフォンは分からないが、タブレットは 4 コアを載せたいところだろう。タブレットのほうが電源や熱などに余裕があるし、必要とされるCPUパワーは大きいから、新しいプロセッサの訴求が強いからだ。その上で、iPad 3 以降にリリースされる iPhone に搭載するというのは順当な流れだろう(A5プロセッサと同じプロセスだが)。

 ただし、そうなると、iPad 3 の発売時期が問題になる。本当に2012年の1Q内に製品化できるまでに CPU が出来上がっているのかどうか。液晶の供給とあわせて焦点になるだろう。2012 年は iOS 5 でマルチコアに対応したので、iOSの準備は整っているはずだ。

iOS 5.1ベータに 4コアプロセッサのヒント、次期 iPad / iPhone で採用? — Engadget Japanese.

Cellphones, Tablet PCs
iOS 5.1ベータに 4コアプロセッサのヒント、次期 iPad / iPhone で採用?
By Ittousai posted 1 day ago
開発者向け iOS ベータから未発表アップル製品のヒントをほじくり出す話題。リンク先 9to5Mac が、最新の iOS 5.1 beta 2にクアッドコアプロセッサのサポートを示すとみられる記述が見つかったと伝えています。発掘されたのは、プロセッサコア管理ソフトウェア内の ” /cores/core.3 ” なる文字列。「iOSの内部に精通した信頼できる筋」(9to5Mac)によると、iPhone 4S や iPad 2 など現行のデュアルコアプロセッサA5 採用デバイスはコア数を0から数えて ” /cores/core.1 ” と記述されており、Core.3 ならば4コアを示すことになります。

アップルは2010年の iPad と iPhone 4 で自社開発のシングルコアプロセッサ A4を採用したのち、翌年の iPad 2 / iPhone 4S ではデュアルコアのA5に切り替えています。iPhone 4Sの表現では、シングルコアのA4に比べて「最大2倍のパワー、最大7倍のグラフィック」。次のA6 (仮) は順調にクアッドコアらしい、とのうわさは以前から囁かれており、またライバルのAndroid陣営では NVIDIA の 4+1コアプロセッサ Tegra 3 採用端末 Asus Eee Pad Transformer Prime が発売を間近に控えています。

ベータOSにテストのためのコードが加わったとしても直ちに次期製品での採用と結びつくわけではありませんが、モバイルプロセッサでは高速な処理だけでなく省電力の観点からもCPUコア数増加の流れが続いており、特に iPad 3 では超高解像度の Retina ディスプレイ化のうわさとあわせて期待される動きです。

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