iPod shuffle ユーザーインターフェース

 ユーザーインターフェースは、シャフルの再生/ストップと音量上下、スキップ前後しかない。液晶もクリックホイールもないので、iPodの代名詞ともいえる秀逸な操作体系はここにはない。この、「ない」ことがshuffleのユーザーインターフェースの本質なんだろう。

 デジタルデバイスのメニューをひっくり返し、様々な設定を試すのが楽しみというデジタルヲタには物足りないかもしれないが、音楽再生にはこれで十分だ。iPodの操作体系が無駄だという意味ではない。HDDモデルのような全部入りで数千曲を管理するためには絶対に必要なものだが、200曲程度ではオーバースペックという意味だ。全部入っているからライブラリであり、だからこそ管理が必要なので、一部しか入らないことが前提ならその必要はない。

 これまでのシリコンオーディオは中途半端な容量なのに、HDDモデルと同じ機能を搭載することに必死になっていた。その結果、高価で中途半端な製品しか作れなかったのだろう(iPod shuffleが発表される前、128MBのシリコンオーディオは19,800円、256MBは25,000円程度した)。

 iPodのユーザーインターフェースを語るときに単体で判断してはいけない。iTuneの存在が前提となるからだ。iPodというハードをマウントして、一つのプレイリストのように扱うというやり方や、iPod がデスクトップにマウントされるというのもいつもの Apple cool なやり方だと思う(マカーと呼ばれるかもしれないが)。これはFDのときからそうだった。今では、win マシンでも、デバイスによってはできたりできなかったりするやり方だ。こういうことが矛盾なく実装されている(win では CDやFDはデバイスのアイコンが出たままなのに、PCカードなどはマウント/アンマウントによってアイコンが現れたり消えたりする)ことが使いやすさの源泉だろう。win マシンの場合は感じにくいだろうが、mac で使うと、他の標準的システムとおなじグラフィカルインターフェースなのでさらに統一感が強い。

 先日2chのshuffleスレで興味深いやり取りがあった。目の不自由なユーザーが操作方法を問う書き込みに対して、お節介2人(うち一人は俺だが)が説明をした。その後、「聴けた」という書き込みがあった。その後、shuffleは意外にバリアフリーな面があるのかもしれないとの考察を書いた住人もいた。

 それまで考えて見なかったのだが、グラフィカルなインタフェースに依存しない shuffle は目の不自由なユーザーにとってフレンドリーなのかもしれないと思った。iPod shuffle のユーザーインターフェースがグラフィカルメニューとクリックホイールの高度な連携によって達成されているために、目の見えない人にとってはかえって使いづらいものだったかもしれない。

 ただし、一つ困った点が残っている。それは、ステータスランプの色や点滅でしかフィードバックされない情報があることだ。これに音のフィードバックを入れれば、盲目の人にとってほぼ完璧な携帯音楽再生端末になりうるだろう。ステータス音は簡単でいいのだ。前にも書いたが、OS9ではファインダーの操作に対して効果音を付けることができた(しかもステレオで)。

 操作ロック入>ピピピ
 操作ロック解除>ブブブ
 操作ロック時の操作に対する反応>ピー
 バッテリステータス(緑)>ピッピッピッ
 バッテリステータス(橙)>プップップッ
 バッテリステータス(赤)>ピーピーピー

 これなら、2種類のビープだけで処理できる。完全に充電が切れている場合もこの組合せで判断できる(電源を入れてどれかのボタンを操作してフィードバック音がならなければ電池切れだ)。操作音のデフォルトはオン、iTuneの設定で消せるようにしておけばいい。

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iPodについて書いたエントリもよかったらどうぞ。
iPod shuffle についての感想をwikiでまとめたりもしています。

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