ホームPCというカテゴリ自体が何を示すのかよくわからないことはおいておいても、このグラフからその結論を導き出すのは強引すぎるだろう。せめて、ノートPCやスマートフォンとで同じような調査をした結果を載せたうえで、「このグラフの傾向はスマートフォンよりホームPCに近い」としないと説得力が無い。もっと致命的なのは母集団が何なのかの説明がないこと。他のデジタルデバイスの所有状況や、そのタブレットが会社支給か個人所有かによっても割合は大きく変わるだろう。
タブレットが個人所有なら個人所有のノートPCと、社給なら社給PCと似たグラフになるに違いない。今、このような家庭用PCと似たグラフになっているのは、社給のタブレットがまだ多くないからではないか。
元の調査がどのようなものだったのかはわからないので調査に問題があるのか、記事に引用する時に外の重要データを落としてしまったのかは分からないが、この記事を読んだ人に事実と違う事実を植え付けかねない。まあ、記事は記事の内容が読者に伝わるかではなく、広告を何回表示させるかのほうが重要なのだろうが・・・
下の記事の Zuckerberg の言葉も深い意味はなく、当時モバイルに乗り遅れていたために 「iPad は大ヒットしてるけど、PC なんだから今のウェブベースのままで十分ですよ」と言ってるだけだ。それは、「CNN.co.jp : フェイスブック、モバイルからのアクセスがＰＣを初めて上回る」で、PC：スマートフォン＋タブレット として集計していることから分かる。モバイル対応が弱点として指摘されていた（この質問もその文脈から来たものだろう）Facebook にとって、モバイルの比重が増えることはリスクでしかなかったのだ。だから、それに触れられたくなかっただけだろう。
この調査がいつ行われたかによってこのグラフは大きく変わるだろう。7 インチの比率が上がれば使用シーンはスマートフォンに近づくはずだ。また、タブレットを持つことで他のデバイスの使用シーンが変わることも十分考えられる。タブレットを購入したユーザの多くはノートPCを持ち運ぶ機会が大きく減るだろう。結果的に、このグラフは、PCが変わることによって、タブレットとノートPCとが異なった形になるだろう。これは、自分の生活スタイルから考えて自然な流れに思える。というか、iPad 3 を持った今個人用ノートPCを欲しい気持ちはない。
iPad は Home PC と呼ぶべきだ ： それを示す１枚のチャート « Agile Cat — in the cloud
『 iPad はモバイルではない。 はい、次の質問 』と Zuckerberg は答え、会場の笑いを誘った。 そして、『 それはモバイルではない。それはコンピュータである。 それは、これまでとは異なるものを提供する 』と、説明している。
Apple had successfully marketed the lightweight, portable iPad as a mobile device. So the reporters in the room were incredulous that Zuckerberg didn’t call the iPad a mobile gadget.
すでに Apple は、ライトウェイトでポータブル iPad を、モバイル･デバイスとして販売し、しかも成功を収めていた。 したがって、Zuckerberg が、iPad をモバイル･ガジェットと呼ばないことに、会場のリポーターは懐疑的であった。
Two years later, it’s clear that Zuckerberg was right. The iPad isn’t any more of a mobile gadget than a MacBook Air. The iPad is just a PC.
それから 2年が経ったが、明らかに Zuckerberg は正しかった。 iPad はモバイル･ガジェットではなく、その傾向は MacBook Air よりも強い。 まさに、iPad は PC なのだ。
